女には向かないとはかぎらない職業 『エージェント・カーター』シーズン1なんちゃって総解説
こちら実はだいぶ前に見終わってたんですが、感想を書けないままずるずると日が経ってしまいました(^_^; 先日Dlifeにて放映があったとのことなので、ちょうどよい折ということでおぼろげな記憶をもとにがんばってレビューいたします。『エージェント・カーター』です。
#1 キャプテン・アメリカの恋人(Now is Not the End)
キャプテン・アメリカと共に欧州戦線を戦ったエージェントのペギー・カーターは、戦後男社会が幅を利かせる新たな職場「SSR」で、お茶くみや雑用に追われる毎日を送っていた。そんなある日、スパイの疑惑をかけられた旧友ハワード・スタークから連絡が入る。ハワードはおおっぴらに活動できない立場になってしまったので、盗まれた彼の発明品を謎の組織から回収してほしいとペギーに頼むのだが…
というわけで『エージェント・カーター』第一シーズンのお話を一言でまとめると、「ハワードのうっかりミスの尻拭い」であります。なんて気の毒なペギーさん。頭の固い同僚たちにも色々苦労をしょわされるし
ただ、それ以上気の毒なのが彼女の病弱なルームメイト。わたしこういう話ダメなんで本当にやめていただきたいですね。
大戦直後のレトロな風俗もこのドラマの魅力のひとつです。
#2 ミルク・トラックを追え(Bridge and Tunnel)
暗躍する謎の組織「リヴァイアサン」。ペギーはわずかな手がかりをもとにその組織の正体を暴こうとするが。
この回はもうあんまり覚えてません(^_^; ひとつ強烈に記憶に残ってるのは劇中で流れるラジオドラマの「キャプテン・アメリカ」。内容は「ポパイ」と大差ない感じです。まあもともと「キャプテン・アメリカ」とはこういう話だったはずなんですが、それにしても笑えるw
ゆれるトラックの屋根の上でマッチョマンと互角の殴り合いを繰り広げるペギーさんも強烈でした。吉田沙保里さんはキャプテンのファンでペギーさんのコスプレまでしてましたが(下画像参照)、吉田にも負けてないですよ!
#3 執事の過去(Time and Tide)
現場に残してきたナンバープレートのせいで、ペギーのサポートをしていたスターク家の執事ジャービスがSSRに拘束されてしまう。ペギーはなんとか彼の容疑を晴らそうと、同僚たちの足をひっぱる。
のちにアイアンマンの補助プログラムとなった?(あるいは名の由来となった)ジャービスさんがメインのエピソード。この人いい人すぎてスパイとか隠し事とかあまりむいてない気がします(そこがいいんじゃない!)
大捕物のあとに、ようやく顔を覚えたSSRの太っちょがさっくり死亡。この職場、七曲署くらい殉職率が高いんじゃない? ちなみに監督は「シビル・ウォー」「ウィンターソルジャー」のルッソ弟。
#4 ハワードの帰還(The Blitzkrieg Button)
とりわけ重要な発明品を回収するため、NYのこっそり戻ってきたハワード。ペギーは彼の隠れ場所を用意するためにさらなる迷惑をこうむることに。実はその発明品とは…
ハワードにしてもペギーにしてもまだキャプテンの死(本当は仮死ですんでるんだけど)をいまだに乗り越えられていないことがうかがえるエピソード。その割にはハワードさん、ペギーのアパートの女の子たちを食い放題とすごいことやってくれちゃいます。さびしさの裏返しなのか?(たぶん違う) こないだ『シビルウォー』で見た堅物そうなおっさんとはまるで別人です。ペギーの最強のライバルとなる「お隣さん」、ドッティもここから登場。
#5 ベラルーシ行き(The Iron Ceiling)
リヴァイアサンの尻尾をつかむため、ペギーたちSSRの精鋭はベラルーシへ飛ぶ。そこで彼らが見たものとは。
基本的にNYを中心に展開される本シリーズにおいて、珍しく海外が舞台となる特別編。ここで出てくる女子ばかりあつめた暗殺者養成所、ブラック・ウィドウが元いた場所だと思うのですがどうでしょう。
いままでペギーを小ばかにしていたトンプソンが、実はけっこう小心者だったことが明かされるエピソードでもあります。ざまあみろ。そしてここでうっかり連れ帰ってきた善人そうなおじいちゃんが、あとでSSRに大変な災厄をもたらすことに。
#6 取り返せない過ち(A Sin to Err)
いままでこそこそ同僚たちをだしぬいて来たことがバレ、ペギーは犯罪者として追われる立場に。そのころベラルーシからきたおじさんイフチェンコは、SSR局長を罠にはめるべく暗躍を始めていた。
こういう「罠にはまっておいつめられて決死の逃避行を繰り広げる」話、わたし好きなんですよね。おもえば「ウィンターソルジャー」もそういう話でしたし。というわけでクライマックスに向けて段々と盛りあがってきた第6話。彼女をめぐるトンプソンとスーザの攻防が面白かったです。スーザはいまんとこペギーの旦那の第一候補となりそうないいやつですが、果たしてその予測通りにいくか。
#7 催眠博士(Snafu)
ジャービスの活躍でペギーへの嫌疑は晴れたものの、時すでに遅く、局長はイフチェンコの奸計にはまり壮烈爆死を遂げることに。そしてNYの劇場ではハワードのもっとも恐るべき発明の効果が実験されていた。
トニー・スタークに偉そうなことをいろいろ垂れていたお父さんハワード氏ですが、戦争中はいろいろ黒歴史があった模様。そのひとつがここで明かされます。いやあ、これきついわ… そしてタイトルにあるイフチェンコの能力もまた恐ろしく。「コードギアス」のルルーシュや「ジェシカ・ジョーンズ」のキルグレイブを思わせる能力ですが、彼らより効果が表れるまでに多少手間がかかることが救いです。
#8 ミッドナイト・オイル(Valediction)
事件を解決すべく戻ったハワードだったが、逆にまんまとリヴァイアサンに洗脳されてしまい、人々を殺人鬼へと変えるガスをばらまくべく自家用機で飛び立ってしまう。彼を止めるため、ペギーは仇敵ドッティとイフチェンコとの決戦に赴く。
「ファーストアベンジャー」の時はあまりうかがえませんでしたが、ハワードってそんなにもキャプテンのことが好きだったんですねえ。これを観てから「シビルウォー」を鑑賞すると一層感慨深いものがある…かもしれません。
いろいろ一件落着し、スティーブへの思いにも一区切りつけるペギー・カーター。そのウン十年後に悲しい再会が待ち受けていようとは… それはともかくいまだ「シールド」も立ち上がらずリヴァイアサンの正体もよくわからず(ヒドラと違うの?)、彼女の戦いはシーズン2へと続いていきます。
ABCスタジオのもうひとつのシリーズ「エージェント・オブ・シールド」に比べると映画のMCU作品…というか「キャプテン・アメリカ/ファーストアベンジャー」とがっつり絡んでいる本作品。スピンオフというか後日談と言っても過言ではありません。キャプテン・アメリカファンならぜひ押さえておきましょう。
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