光あるところに亀がある デイヴ・グリーン 、『ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影』
懐かしさとゆるキャラブームからかわが国でもそこそこのヒットを飛ばした前作から約1年半。驚くべき速さでやつらが帰ってまいりました。長年アメリカで親しまれている忍者亀の活躍を描く第二弾、『ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影』、ご紹介します。一作目の紹介記事はこちら。
NYを恐怖に陥れたシュレッダーとの激闘からしばらくして後。タートルズは町の平和を守りながらもバスケの試合のタダ観などにもいそしんでいた。そんな折、彼らのもとにシュレッダーの脱走計画が進行中との情報が入る。あわてて現場に急行し、激しいチェイスを繰り広げるタートルズとシュレッダー。その闘いを、遠い宇宙のかなたから
見守っている者がいた…
みんな同じ顔をしているせいか、ちょっと見分けがつきにくいタートルズ。しかし二作観てさすがにわたしにもなんとなく彼らの個性がわかるようになってきました。
まず長男的存在のリーダー・レオナルド。責任感あふれる頼もしいヒーローですが、たまに兄貴風を吹かし過ぎて弟たちからひんしゅくをかったりしてます。
次いで次男的存在のラファエロ。四人の中で最もマッチョな体格を誇り、自身もタフガイを気取っておりますが、肝心なところでビビリモードに入ってしまったりする。ワイルドスピードに出てきた黒人のアンちゃんの片方とよく似ています。
三男的な立場になるのは天才的なエンジニアであるドナテロ。メカオタクらしくメガネがトレードマークであります。メンバーの中で一番性格がまともというか、友達にいて支障ないタイプと思われます。
最後に末っ子的なキャラのミケランジェロ。とにかく騒々しくてやかましくてうざい(笑) おまけにピザが武器とか食べ物がもったいないやん! …とまあメンバー紹介はそんなとこです。
前作では「こんな家族いやだ! 家出してやる!」とラファエロが反抗期をこじらせるのがお話のメインでしたが、今回は彼らが人間になれる秘薬が発見されたために、それをめぐって兄弟の分裂が起きる…というストーリー。
「こんな醜い体はいやだ! はやく人間になりたい!」と願う彼らはまさに『妖怪人間べム』で、モンスターとしての自分に思い悩む姿にはつい涙を誘われました。まあ『べム』に比べればムードは全然明るいんですけど。
対照的に全く悩んでないのが新顔の悪役ビーバップ(イボイノシシ人間)とロックステディ(サイ人間)。異形の姿に変えられたのに「このボディ、めっちゃパワフルでええわ!」と大喜び。その底なしのポジティブさにわたしも見習いたいと思いました。新顔の悪役にはもう一人?脳みそがボディで、ロボットのおなかにおさまっているクランゲというのがいます。文章ではわかりづらいと思いますので下のフィギュアの画像をご参照ください。なかなかのグロさです。このお笑い3人組に囲まれてさぞやりづらいだろうに、それでも仏頂面を崩さないシュレッダーさんが大変おかしゅうございました。
製作のマイケル・ベイはよく「火薬盛りすぎ」「画面がごちゃごちゃしててわかりづらい」などと言われますが、『タートルズ』では彼が自ら監督してないせいか、火薬も適量ですしアクションも大変みやすい。この2作目ではその長所がさらに進化を遂げていました。…にも関わらず、日米ともに前作よりも売上的に伸び悩んでいるというのが現状です。理由としてはやっぱり「前作とそんなに間が開いてない」ということがあげられるでしょうか。よっぽどタートルズが好きな人は別として、一般の人たちは「えー、こないだやったばっかりじゃん!」と思ってしまいますからね。ヒット作がひしめく中にぶつかってしまった公開時期の悪さもあるかもしれません。せっかくそつなくいい作品に仕上がっているのに… 残念です。
敵味方含めて誰も死なないという『星雲仮面マシンマン』のような優しさが光る『ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影』、お子様たちにも大変おすすめです。ただ公開は今週か来週で終了かも… 興味のある人はダッシュで観に行ってください。
Comments
クランゲさんの写真、キン肉マンの腸に自我が芽生えたみたい。
それにしても「レッド・タートル」なんてスピンオフがこんなにすぐ出来てしまうとは。一作目と二作目のスピード以上に早かったの手、「ええー、亀はこないだ見たばっかだからもういいよー」という感じで客入りが悪かったのは何か可哀想でした(個人的にはアレきらいなんだけど)。
Posted by: ふじき78 | October 09, 2016 09:55 PM
>ふじき78さん
亀はおきらいですか… 自分は『ブルータートル』『パープルタートル』『イエロータートル』も作ってほしいです!
Posted by: SGA屋伍一 | October 10, 2016 09:47 PM