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August 23, 2016

お化け退治プリキュア ポール・フェイグ 『ゴーストバスターズ』

Gost2ゴジラやニモも久方ぶりでしたが、こちらはもっとすごい。なんせ27年ぶりの再誕ですからね… ♪お化けが出たら誰を呼ぶ? (新生)ゴーストバスターズ!ご紹介します。

大学で出世のために奮闘していた学者のエリンは、ある日自分が若かりし頃に友人と書いたお化けの研究書がネットで出回っていることを知る。この本の存在を学長らに知られたら立場が危うくなると考えた彼女は、販売を差し止めるため共同執筆者のアビーのもとを訪ねる。アビーは同僚のホルツマンと共に、いまもなおゴーストの研究に打ち込んでいた。久々の再会なのに衝突しかけたエリンとアビーだったが、信憑性の高い幽霊の目撃情報を聞き、なりゆきでともに調査に出かけることになる。

『ゴーストバスターズ』1作目公開当時わたしはまだ小学生でした。当時『グレムリン』と復活した『ゴジラ』と合わせ「3G」なんて呼ばれていたのを覚えています。主人公のモンスターが表題である内容のわかりやすい他二作と比べて、困り顔のお化けが禁止マークに挟まれているポスターはかなり謎で、「いったいどういう映画なんだろう?」と首をひねったものでした。それはともかくお化けというと普通は怖いもので出てくる映画はホラー映画と相場が決まっていましたが、こんな風にお化けを茶化してコメディに仕立て上げた作品はそれまでほぼなかったように思えます。わたしが知らないだけかもしれませんが…

さて、今回新生となった『ゴーストバスターズ』。もうみなさんご承知だと思いますがメンバー全員が女性です。『セーラームーン』にでも影響受けたのかな?とも思いましたが、彼女たちはピチピチのティーンではなくみんなもっさりしたおばさんなので、さすがにそれはなかろうかと思います。この設定、最初こそ驚きましたが同時にうまいところをついたと舌を巻きました。だってもっさりおばさんがチームを組んでモンスターと戦うなんて映画、これまた今まで観たことありませんからね。シリーズ作品の続編・リブートで理想的なのは、前作のコアな部分をしっかり受け継ぎ、そのうえで新しい要素を組み込んでくることだと思います。
ちなみにいくつかあった続編の構想のひとつには「前作の主人公ベンクマン博士が幽霊になって出てくる」といのもあったそうですが、これは本当に実現しなくてよかったと思いました(^_^;

話をもとに戻しますと、予告編で縦横無尽に駆け巡っているおばさんたちを見て、「こりゃいける」と思いました。実は彼女らは全員「サタデーナイトライブ」などで活躍してるコメディエンヌなのですが、さんざん笑わせてくれたあとでクライマックスではアメコミヒーロー顔負けのアクションを見せてくれます。あのぽっちゃり体型のアビーさんでさえ。仮面ライダーにはよくぱっと見「なんじゃこりゃ」というデザインのものも多いのですけど、そういうライダーがキレのいいアクションを決めると、デザインがいいヒーローの2,3倍かっこよく見えるものです。男も女も、やはり見かけで判断してはいけませんね。

そんなお化け退治プリキュアのサポートをするのが、クリス・ヘムズワース演じるイケメンメガネのケビン…と思ったんですが、本編を見てみると言うこともやることもアホ全開で、まったく役に立っていません。それどころかおバカのあまりみんなの足をひっぱったりもしています。最近のアニメでいうと『おそ松さん』の「十四松」にかなり近いキャラです。監督によると当初はそこまでおバカじゃなかったようですが、クリヘムが悪ノリでアドリブをエスカレートさせているうちに「完全おバカ」なキャラになってしまったんだとか。でもいくら役立たずでも、足をひっぱっても、見かけがかわいいので愛され、許されてしまうアホなペットのようなキャラでもありました。正直ちょっとうらやま…いえ、なんでもありません。

旧作にない要素をもうひとつあげますと、今回はオタクとオタクの戦いの話でもあります。かつての夢を忘れていたオタクが、夢を見失わないオタクと再会して本来の自分を取り戻すのが主人公サイド。一方で周囲の無理解と孤独ゆえからダークサイドに落ちてしまったオタクが悪役サイドであります。人生いろいろ、オタクもいろいろ。わたしもオタクの1人ですが、ちゃんと人と交流して異次元の怪物とか呼びださないよう気をつけようとおもいました。
80~90年代の映画ネタがポコポコ出てくるのも楽しゅうございました。わたしは直撃世代だったからよかったけど、あれらのネタ、若い人たちにはどれくらい通じたんだろう… ちと心配であります。

Photo新生『ゴーストバスターズ』は現在全国の映画館で公開中です。ツイッター見ますと8月公開の作品では一番くらいの高評価なんですが、アメリカではいまひとつの入りで中国でもやらないようなので、残念ながら大赤字が確定いたしました。次に彼(女)らに会えるのは果たしていつか… わたしが生きているうちによろしくお願いします。


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Comments

伍一くん☆
ラストのおまけ映像からいうと続編を作るのかと思ったら、大赤字なの??それじゃあ難しいかな・・・
何しろあの曲はアガルよね~~
チームの居るオタクと孤独なオタク、同じ学会を追われても辿り着く先が違うのがなんとも・・・でした。

Posted by: ノルウェーまだ~む | August 27, 2016 at 12:03 PM

>ノルウェーまだ~むさん

ねえ、てっきり続編も構想に入れて作ってると思うんですけど、なんとかならないものでしょうか

>何しろあの曲はアガルよね~~

なぜか歌ってる途中でよくコメ・コメ・ウォーになったりします

オタクの道は地獄道。孤独にさいなまれても己の道を行くでごわす

Posted by: SGA屋伍一 | August 29, 2016 at 10:00 PM

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