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July 11, 2016

タイムハザードⅡ(?) ジェームズ・ボビン 『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』

20131102020827aee2010年(もうそんな前になるかよ…)、『アバター』にはかなわなかったものの、日本での興行収入が118億円に達し超大ヒットとなった『アリス・イン・ワンダーランド』。その実写版『アリス』がキャストはそのまんまで、監督だけ交代して6年ぶりに帰ってきました。『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』、ご紹介します。前作の感想はコチラ

前作から3年後。長い航海から帰ってきたアリスはパトロンだった会長の死と、いけすかない息子がそのあとを継いだことを知る。新会長はアリスに借金を返すために船か住み慣れた家のどちらかを手放すように迫る。屋敷の一室でアリスが悩んでいると、部屋の鏡が突然歪みだし彼女をなつかしのワンダーランドへと誘う。旧友たちとの再会を喜ぶアリスだったが、その一人マッドハッタ―は心を病み命の危機に瀕していた…

原題は「Alice Through the Looking Glass」。「鏡を通り抜けるアリス」とでもいったところでしょうか。原作小説の第二作『鏡の国のアリス(Through the Looking-Glass, and What Alice Found There)を思わせるタイトルですが、例によって全然違う内容だそうです。
さて、今回の第二作、とっちらかった前作と比べると非常によくまとまってました。その分原典からはさらに遠くなった感もありますが、おかげで寝ずに済んだ(笑)。そこがまずよかったところです。

あといまどき珍しいこってこての勧善懲悪話だった1作目に対し、今回は「悪にも悪になった理由がある」「善玉だって失敗や罪を犯すことがある」というお話になってました。そういう意味では最近のディズニーの流れに実にマッチした内容でありました。

他に目を引いた点としましては時間を司る城の壮大なビジュアルとか、前作もそうでしたけどコスプレの異常なまでのはまり具合とかですね。特に赤の女王(ヘレナ・ボナム・カーター)と白の女王(アン・ハサウェイ)の二人は圧巻です。新顔では時の化身である「タイム(そのまんま)」であるサシャ・バロン・コーエンがお子様用に下ネタを封印しながらも非常にいい味を出していました。

というわけで全体的に決して悪くはない本作品ですが、続編モノの宿命というべきか際立った目新しさやインパクトに欠けていたのも事実。「時間の旅」という新機軸に挑戦してはいましたが、もうちょっとぶっとんだアイデアが必要だったかもしれません。口で言うのは簡単ですけどね…

加えて6年前のジョニデ&ティム・バートン・ブームも完全に鎮静化してしまったせいか、初週こそトップだったものの前作と比べるとだいぶ出足が落ちているようです。わたしは今年最大のヒット作になるのでは?と予想してたんですが、さすが自分の予想はあてにならないなあ。来週からはさらに追い打ちをかけるように『ファインディング・ドリー』が始まってしまうのでまた浮上することはまずないでしょう。恐ろしやディズニー、身内同士で弱肉強食の争いを繰り広げるとは…

Aiwd2『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』はたぶんまだもう少し全国で上映中だと思います。前作や『チャーリーとチョコレート工場の秘密』などが好きな人には強くおすすめします。
あと前作と今作の間にチェコのシュバンクマイエルが作った『アリス』も観ました。こっちはこっちでディズニー版と全然違う不気味でシュールな快作ですので、併せて鑑賞することをおすすめします。DVDは約4千円くらいで出ております。


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Comments

おはようございます。
私はあまりアクションとかバトルとかが好きじゃないので、今回のは地味ながらもメッセージ性もあるし、割と好きでした。
世界観もなんかMYST感UPしたしw

ちなみに、原作は胡蝶の夢みたいな哲学的な内容です。不思議~よりも難しい気がしました。

Posted by: ゴーダイ | July 12, 2016 at 06:52 AM

伍一くん☆
あの愛らしいニモに弱肉強食で食われちゃうとは…
ストーリーはいいけど、そろそろティムもジョニデもお払い箱なのかな??

Posted by: ノルウェーまだ~む | July 16, 2016 at 05:43 PM

>ゴーダイさん

返事がおくれてすみませぬ
わたしも最近あまりにもあからさまな勧善懲悪ものってちょっとのれなくなってきましたね。と、言いながらID4続編はけっこう楽しんじゃいましたけど

鏡の国、難解な話なんですか… いつか挑戦しよう(寝そう)

Posted by: SGA屋伍一 | July 16, 2016 at 10:52 PM

>ノルウェーまだ~むさん

なんだかんだ言ってジョニデ&バートンはコンビ続けてたほうがよかったような気がします。別に解散宣言とか出してませんけどw
ジョニデさんは来年あたりパイカリ新作があるはずですけど、さて当たるでしょうか

Posted by: SGA屋伍一 | July 16, 2016 at 10:54 PM

ご無沙汰してました。どうも。
そっちのアリスかいっって思わずツッコミ。あ~楽しかった。(爆)

あのド派手メイクに対して、キャラがみないいひとというか
毒気がないんです。マッドハッターからマッドな部分がなくなったら
あのビジュアルに何の意味があるんやろとか思いながら、
あのメイクだからこそあ~続編なのよね、ティムバートンの雰囲気がのこってるのよねみたいなことになっていて。(わわわわわ)

それでもCGはかなり楽しめたのでま~よしとします。(;^_^A

Posted by: Ageha | July 21, 2016 at 05:36 PM

>Agehaさん

こちらもご無沙汰でした&レスが遅れてすいません
実は前作にはさほど思い入れがないのですが、『マペッツ』のジェームズ・ボビン氏が監督と聞いて張り切って観ました
しかしね~ ジョニデさんがあの白塗りメイクで出るとね~ どうしてもティム・バートンの映画に見えてしまうんでよね(^_^; まあバートン映画に漂ってる「毒気」みたいなものはあまりなかったかな。とりあえずわたしも楽しめました

Posted by: SGA屋伍一 | July 24, 2016 at 08:59 PM

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