第十二回SGA屋漫画文化賞
この世界には…誰も待っていない漫画賞というものがあります。それがこれ、「SGA屋漫画文化賞」! 誰も待っていないにも関わらず今年でもう12回目です! バカじゃないの!!
そんな賞なので例によって賞品も賞金もありません。むしろ私にください。ではまいりましょうか。
☆少年漫画部門 椎名高志 『ウルトラマンネクサス』「十年前、そのウルトラは時代に早すぎた」 『GS美神』『絶対可憐チルドレン』などで知られる椎名先生が、ウルトラ史上最も突き抜けた作品をコミカライズ…したものがなぜか十年後のいまになっていきなりの初単行本化。これを奇跡と言わずしてなんと申しましょう。
少年漫画では他に月刊ヒーローズ連載中のコミック版というか井上俊樹版『仮面ライダークウガ』もなかなかの盛り上がりを見せています(また特撮かい)。
☆少女漫画部門 河原和音・アルコ 『俺物語!!』
現代の侍といってもいい快男児・剛田猛男の限りなく純粋な恋を描き、女子ならず男子たちのハートまで虜にした話題作。少女漫画なのにガチムチなゴリラ男が主人公って、めちゃくちゃ型破りなのにそれでも大ヒットを飛ばしてるところがすごい。
実は冒頭試し読みの100ページしか読んでないのですが、そこだけで話は十分完結してると思うのでどうか見逃してください。
☆青年漫画部門 原泰久 『キングダム』
またこれです。今年はアメトークで取り上げられたせいかかつてない大ブレイクを巻き起こし、「わしゃずっと前から注目しとったんやでーーーーー!!」ということを声を大にして言いたくなりました。お話もいよいよ大きなターニングポイントを迎え、信たちのこれからの活躍にも目が離せません。
ほかにも『リクドウ』『銀河英雄伝説』『テラフォーマーズ』『ゴールデンカムイ』とヤングジャンプ誌の異常なまでの充実ぶりには目を見張るものがあります。
☆オヤジ漫画部門 高橋よしひろ 『銀牙 THE LAST WARS』
永井豪先生の『激マン!!』目当てで読んでいた「漫画ゴラク」誌ですが、永井先生は休載が多いので仕方なく他のものを読んでいるうちに目が離せなくなってしまいました。
30年以上前に少年ジャンプから始まった犬の戦国乱世バトル。人間の戦い以上にハードでえぐい。そんな作風のなかにぽつっと「俺の犬生(けんせい)はいったいなんだった」なんてセリフもあってほっこりいたします。
☆ギャグ漫画部門 鴻池剛 『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!』
ギャグ漫画というか猫漫画というか。こんな脱力しきった猫の絵で一大ブーム?を巻き起こしている鴻池先生がにくい! ねたましい! …まあでも確かに面白いんですよ。
来年もこのブームが続くといいですけどね~(やっかみ半分)
☆歴史漫画部門 高橋克彦・高室弓生 『えびす聖子』
「まさにエキサイティング古事記!」 伝奇小説の大家・高橋克彦先生と古代日本を描かせたら右に出る者はいない高室弓生先生ががっちりタッグを組んだ意欲作。原作の1/3のところでひとまず終わっているので、ぜひとも続きが読みたいものです。
しかしコミックトムがいつの間にかウェブ化していたとは知りませなんだ…
☆ウェブ漫画部門 アサイ 『木根さんの1人でキネマ』映画愛をこじらせて周囲と感覚がずれがちな30代OL・木根さんの日常とうんちくとお尻を描いた作品。映画ファンなら誰しも「あるあるあるある」と思うネタが満載。人気が出たため最近めでたく単行本が出たとのこと。祝! ウェブ卒業!!
☆海外漫画部門 デイビッド・ピーターセン 『マウスガード 1152秋』
森の中にあるネズミたちの国を舞台に、大自然や陰謀に立ち向かう勇敢な騎士たち「マウスガード」の活躍を描いた作品。「何と戦うのではなく、何のために戦うか」といったネズミさんたちの気高いモノローグに心打たれます。今気が付きましたが、動物ものの受賞、これで3作目です。
邦訳作品ではほかに『アントマン:セカンド・チャンスマン』『シャザム! 魔法の守護者』『驚異の螺子頭と興味深き物事の数々』などがとりわけポイントが高かったです。
☆アニメ部門 羽原信義・冲方丁 『蒼穹のファフナーEXODUS』
これまた10年前好評を博したTVシリーズが、パチンコ化・映画化を経て再び第二シリーズとして帰ってまいりました。
映画版でめでたしめでたしだったんだから、これ以上続き作らなくてもいいのに…と思いつつ、非情な運命に立ち向かう子供たちの姿に毎週鼻水をたらしまくりでした。実は昨日最終回だったようですが、まだ観てません。つか、観るの怖い…
☆大賞 川原正敏 『修羅の門 第弐門』『修羅の刻』
『第弐門』の方は終盤急に駆け足になったようなきらいはありましたが、32年に及ぶ陸奥九十九の旅にひとまず決着がついたことを祝して。そして現在連載中の『修羅の刻 昭和編』がこれまた面白いんですわ。
川原先生のご活躍、ひきつづき期待しております。
来年はどんな漫画に出会えますかね~(定番ゼリフ)。次は映画ベスト行きます。
Comments
SGAさんこんばんわ♪こちらにもお邪魔します♪
なんと昨年でもう12回目を数えるとは、継続は力なりですね。でも自分もイチ漫画好きとしてこのベストはとても楽しみにしている者の一人なので、ニッチになっても頑張ってくださいねっ(笑
そう言えば去年はアメトークにキングダムが取り上げられてから益々人気に火がついた感じがしますよね。もうヤンジャンの大看板作品ですし、後続のゴールデンカムイやリクドウもパワーの作品で自分も好きですね♪テラーフォーマーズも今年の実写化でコケるかヒットするかで少し流れが変わってくるかもですね。
あと『木根さんの一人でキネマ』は自分も購入しました^^シャープな画と映画ブロガーあるあるのネタは確かに読んでてウンウンとか言ってしまいますし、木根さんの課長モード美人だし透けブラありお尻ありで色々眼福なのも好印象(笑)ウェブ漫画って埋もれてる良作多い気がするので、そういう意味ではツイッターで度々公表してくれたSGAさんに感謝ですね。
ちなみに自分が昨年購入して面白かったー♪と思えた作品は、ギャグ漫画部門だと『ダンジョン飯』。少年漫画部門だと『背すじをピン!と 鹿校競技ダンス部へようこそ』などですね。
今年も映画作品同様に漫画も色んな部門で面白い作品が出て欲しいですね。・・・あと個人的にはベルセルクの38巻が出て欲しいです^^;
Posted by: メビウス | January 04, 2016 09:02 PM
>メビウスさん
ゼロコメ記事にありがとうございます! いやー、映画ベスト以上に自己満足でやってるな~とため息をついていたところにありがたいお言葉本当に感謝です。
ヤングジャンプの最近の充実ぶりはなんなんでしょうね… 10年くらい前は「ラブコメとバイオレンスばっかり」という印象だったのですが(^_^; あと漫画ゴラクの、オヤジ臭も残しつつ連載作品の充実度も上がっているところにひそかに注目しています
「木根さん」もだんだんネタがきびしくなってきそうですが、その予想を裏切ってますますテンションあげてくれることを期待してますw
『ダンジョン飯』はたびたび評判を聞いているので最近気になっています。あー、あと『ベルセルク』ねー(^_^; わたしが生きているうちに終わってくれるかな… 昨年は10年ぶりに『ファイブスター物語』の新刊も出ましたが、こちらも完結はいつになることやら…(無理?)
Posted by: SGA屋伍一 | January 05, 2016 04:21 PM