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December 08, 2015

あのスターの人は、いま サン・テクジュペリ マーク・オズボーン 『リトルプリンス 星の王子さまと私』

Pprc1じつはあんまり観る気なかったんですが、絶賛派の熱気に押されて予定外でしたが鑑賞してまいりました。サン・テグジュペリの伝説の名作を、現代の物語と融合させた『リトルプリンス 星の王子さまと私』、ご紹介します。

母親の熱心な指導のもと、名門校に入る準備をする一人の少女。彼女は引っ越した先で、隣の家に住む風変わりな老人と知り合う。最初こそ煙たがっていた女の子だったが、老人の話す「星の王子さま」の物語を聞いているうちに、いつしか彼とそのお話に夢中になっていくのだった…

というわけでこの映画の前半は、いわゆる二重構造になっております。少女の住む現実の世界と、空想の中に広がる「星の王子さま」原作の世界とに。その仲介をしてるのがかつて星の王子さまとあったという元飛行士=隣の家のおじいさんであります。
わたし「星の王子さま」は断片的にしか知らなくて、最後はハッピーエンドだったんだろうな~と勝手に思い込んでいたら、なかなかにショッキングな幕切れでちょっと驚きました(^_^;

それはともかく、純真な王子さまと彼を愛していながら文句が多い「バラ」の関係は、そのまま主人公の少女と母親のそれにあてはまります。また、あとで関係がぎくしゃくしたりそう命が長くないことを考えると、おじいさんが「バラ」を表しているようにも見えます。まあ一人の個人を表しているのではなく、「大切に思っているのに関係がうまくいかない」すべての対象を表しているのかもしれません。
以下、下へいくほどネタバレがひどくなっていきます…

この映画、偶然でしょうが夏に公開されていた『インサイド・ヘッド』と設定的に似てるところがありました。主人公が引っ越したばかりの女の子で、途中でショックのあまり思い切った行動に出るあたりとかね。ただ『インサイド・ヘッド』ではファンタジーの物体に最後まで直に交流することはありませんでしたが、こちらでは空想との境界を飛び越えて王子様の世界へと突入してしまいます。少々その強引さに面喰わないでもなかったですが、後半のこの展開は予想外だったので「これから先どうなるんだ?」というわくわく感がありました。

でもあまり思い入れのないわたしだったからよかったけど、原作のファンが王子様のあんな姿を見たらショックだろうな~ということも思いました。星の王子さまって言ったら夢見る十代少女のアイドルですからね、アイドル。
なんてことをこないだやはり『星の王子さま』が好きでこの映画を観た友人に語ったら、「あのしょぼい王子さまは、かつて純真だったのに夢を失ってしまったわたしたちの象徴なんだよ。だからわたしたちも劇中の王子さまのように、かつての心を取り戻さなくてはならない」と言われて、「はは~、なるほど」と納得がいった次第です。

Pprc2『リトル・プリンス 星の王子さまと私』は原作の根強いファンに支えられてか、わが国でもなかなかのヒットを記録しています。まだ二三週は公開が続くものと思われます。
この映画観たら、昔のちらっとだけ見たTVアニメ版の主題歌を思い出しました。40代の心にこの素朴な歌詞がしみじみと沁みます…


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Comments

>あの王子さまは、かつて純真だったのに夢を失ってしまったわたしたちの象徴

素晴らしい友人をお持ちですね!
きっと心も顔も美しい人なのでしょう!

ところで、王子様とバラの関係を、母親とのそれのように思っていたんですね。
私は男女のロマンスだと思いますよ。
つまり、初恋の人。
サン=テグジュペリはロマンスの国、フランス人じゃありませんか!

Posted by: とらねこ | December 24, 2015 at 05:09 PM

>とらねこさん

>きっと心も顔も美しい人なのでしょう!

いや、ドラ猫… いえ、ええバラのように美しいひとでした(^_^;

男女のロマンスっぽいところももたしかにありますね。フランスには『ベルサイユのばら』というラブストーリーもありますし
フランスといえば女の子がガリ勉少女なのはフランスの知性偏重みたいな社会を風刺してるのかな…とおもいました

Posted by: SGA屋伍一 | December 25, 2015 at 09:41 PM

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