ゲームセンターあだむ氏 クリス・コロンバス 『ピクセル』
ああ、やっぱりハンバーガーにはあれが入ってないとね。ビーフに酸味がよくあう…ってそりゃピクルスじゃーい!! 失礼しました。クリス・コロンバス監督がベテランコメディアンのアダム・サンドラーと組んだ、一風変わった侵略SF『ピクセル』、ご紹介します。
少年のころ向かうところ敵なしの凄腕ゲーマーだったサム。だが大人になってからはしがない電気工事屋としての平凡な日々を送っていた。そんなサムになぜかある日突然ホワイトハウスからお呼びがかかる。なんでも宇宙から地球に対して宣戦のメッセージが送られて来たのだが、侵略者の尖兵はなんと巨大なゲームキャラだというのだ。政府はゲームに詳しいサムにその必勝法を教えてほしいと頼むのだが…
すばらしいバカバカしさですね(笑) ちなみにプロローグの少年時代から本編の大人時代に移るところで、なかなかすごいサプライズがあったりします。これはいままでちょっと見たことがなかった。この点に関しては素直に脚本をほめたいと思います。
ただ全体を通じてエキサイティングだったかというと、ちょっと口ごもってしまいます。全米きってのコメディアンであるアダムさんが柳沢慎吾さんの声でしゃべっていると、どうにも緊張感というものが伝わってこないのですね。はっきり言ってしまうとかなり「ゆるい」んです。侵略SFなのにのんびりしたギャグが連発されるわ、死人が出る気配はまったくないわ、まるでドリフかダウンタウンのコントでも見ているかのようでした。
まあわたしも彼らのコントは嫌いではありませんが、それを2時間スクリーンで観ていたいかというと正直微妙です。家でビール飲みながら寝っ転がって鑑賞した方が面白そう。
けれどこの「ゆるさ」が日本ではうけているようで、全米では取れなかった初週第1位を見事に持っていきました。テッドにミニオン、ベイマックスと、いま日本で最も求められているのは「愛」よりも「泣ける」よりも「ゆるキャラ」なような気がします。この映画なんかクライマックスはもうゆるキャラ大行進ですからね。
実はさっき「微妙」と書いたわたしも巨大パックマンのかわいさには正直メロメロでした。もう最初から最後までパックマンに出ていてほしかった。続編作るのなら(無理ぽ)ぜひそういう構成でおねがいします。
話変わって。アダム・サンドラーといえばアメリカでは長いキャリアを誇る(アンチもいるようですが(^_^;))トップクラスのコメディ俳優。わたしもそれなりに知ってました。個人的には『リトル・ニッキー』とか好きでした。しかし日本のシネコンで素顔が大々的に公開されたのってこれが初めてじゃないでしょうか。そんな知名度の日米格差に感じ入るとともに、これを機に日本の子供たちにもアダムさんが浸透するといいなと思ったのでした。実際こどもたちにはこの映画のゆるゆるなギャグがけっこうウケてましたからね。その辺はさすがに『ホーム・アローン』や『ハリー・ポッター』で子どもたちの心をつかんできたコロンバス監督のテクニックを感じました。
『ピクセル』はちょっと順位が落ちてきましたが、まだまだ全国のシネコンで元気に上映中。ゲームはやっぱりカクカクした絵に限りますな…(おじさん)
Comments
SGAさんこんばんわ♪
イチゲームオタクとしてやはりツボにハマる場面が多くて自分は好きでしたね^^8ビット音源、ドット、80年代ゲームキャラ♪パックマンやドンキーコングとかは当時それほどやりこんではいませんでしたが、それでもそのゲームの雰囲気を再現してのエイリアン退治は、バカっぽさの中にもちゃんと懐かしさがあってニヤけ顔が絶えなかった気がしますw
そう言えば吹き替え版の方はちょっと評価が悪いようですね。柳沢慎吾さんは個性強い人なので、喋るたびに顔が浮かんできそう^^;
字幕鑑賞だったからやはり自分も眉を傾げず純粋に楽しめたのかもしれませんね。
Posted by: メビウス | September 30, 2015 07:24 PM
>メビウスさん
こんばんは!
自分の方がメビウスさんよりも直撃世代かもしれません(^_^;
小学校低学年のころはゲームは家でなくゲームセンターでやるものでしたし、ソフトの入れ替えできないゲーム機でパックマンやドンキーコングを楽しんでましたし。そのころはかなりやりこんでましたが今現在その技術はなんの役にも立ってませんねw
吹替え版の柳沢さんは実際よりもスローテンポでその点もなんかちぐはぐでした。いつぞやの電王劇場版の時はなかなかよかったですけどね!
Posted by: SGA屋伍一 | October 02, 2015 09:55 PM