頭文字F 『ワイルド・スピード』シリーズ全作品なんちゃって解説
4作目からどんどん評判と興行があがって行ってる稀有なシリーズ映画『ワイルドスピード』。最新作『スカイミッション』ではとうとう『アバター』と『タイタニック』に次ぐ歴代3位の13億ドルをマークしたというからぶったまげです。わたくし、このシリーズは今までTV地上波で済ましていたのですが、その熱気にあてられて先日『スカイミッション』を観てまいりました。今回はちょうどいい機会なのでこれまでのシリーズを初心者にもわかりやすく解説していくことにします。
1作目:『ワイルド・スピード』(原題『その速さとその怒り狂い』・2001年)
昇進の機会をうかがう若き警官ブライアン(ポール・ウォーカー)は、LAの窃盗団のリーダーと思しきドミニク(ヴィン・ディーゼル)に、公道レースを通じて接触する。やがて二人の間には奇妙な絆が芽生え始めるが…
記念すべき第一作目。予告でお尻をフリフリするねーちゃんが目立ってたのでてっきりバカ映画なのかと思ってたら、潜入捜査官の辛さや切ない友情をしっかり描いたハードボイルド作品となってました。ただそういう内容なのでいまと比べるとよくも悪くも地味(^_^;
メイン二人の嫁もすでにこのころから顔を出しております。
2作目:『ワイルド・スピードX2』(原題『2つの速さ2つの怒り狂い』・2003年)
前作でドミニクを逃がしてしまったブライアンは、落ちぶれてマイアミの公道レースで糊口をしのいでいた。そんな彼にFBIが麻薬組織の潜入捜査に加わるなら復職させてやると持ちかけてくる。
ヴィンが「続編に出たくない」と言った(らしい)ために、ポールがピンでがんばらざるを得なくなった二作目。代わりの相棒に後のレギュラーとして活躍するローマンが登場します。後のレギュラーではもう一人ハッカーで情報屋のテズも参戦。腕っぷし担当だったローマンは最近すっかりお笑いキャラに、お笑い担当だったテズは頼れる突っ込み役にシフトしました。
前回と違い友情とかあまり関係ないため、ごくごくわかりやすいサスペンスアクションとなっております。
3作目:『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』(原題『その速さとその怒り狂い:東京横滑り』・2006年)
父の都合で日本で暮らすことになったカーマニアの高校生ショーンは、東京の公道レースでチャンプに挑戦するが見事に惨敗。そんな彼にハンという男がドリフトのコーチを申し出る。
もはや前二作と車映画という以外、全く関わりがないように思える三作目。黒歴史や「別世界の話です」していいところを後続の4作品で見事に正史に組み込んだのはスゴ技という他ありません。例によって微妙におかしな日本描写も見過ごしてあげたくなるというもの。
というわけでこれが時系列的には6作目より後の内容となっています。その目印となるのが以降出ずっぱりとなるハン。彼が後々そんな重要キャラになるとはね… あとシリーズの功労者ジャスティン・リンがこれから監督を務めています。
]4作目『ワイルド・スピード MAX』(原題『速さと怒り狂い』・2009年)
ブライアンとドミニクはそれぞれの事情である麻薬組織を追跡。やがて再会した二人だが感動の抱擁とはそういかず…
前作ラストのカメオ主演が評判で、気をよくした(らしい)ヴィンが、「俺、復帰してもいいよ」ということで実現した4作目。シリーズの原点に立ち返った男の微妙な友情が描かれた内容となっております。個人的には最近のベタベタ仲のいい二人より、こういう「なぐり合いながらそこはかとなく信じあってる」という関係の方が好きなんですけどね… シリーズの中では唯一といっていいくらい途中でブツッと切れたようなEND。あとワイスピチームではお色気No1のジゼルさんがこの作品から参戦します。
5作目『ワイルド・スピード MEGA MAX』(原題『速さ五つ目』・2011年)
護送中のドミニクを助けたためまた犯罪者に落ちぶれたブライアンは、ドムや恋人共々リオデジャネイロに潜伏する。彼らは自由を手に入れるため、リオの闇組織の裏金を強奪しようと計画するが、その前に外交保安部の筋肉お化け・ホブス捜査官(ドウェイン・ジョンソン)が立ちはだかる。
お話的な仕切り直しは前作からですが、シリーズのカラーが明らかに変わったのはこの5作目からかと。ロック様ことドウェイン・ジョンソンがレギュラーに加わったため、かなり肉体的アクションも増えていきます。「いくらなんでも無茶やろー」というけれんみの強いミッションが売りになったのもここからだと思います。1~4作目までのわき役が一堂に会し、顔ぶれ的にもかなり派手でした。こんなに過去作のわき役を大切にするシリーズが他にあるでしょうか(バイオ?)。
6作目『ワイルド・スピード EURO MISSION』(原題『速さと怒り狂い6つ目』・2013年)
自由でリッチな生活を手に入れたはずなのに、やっぱりホブスに尻尾をつかまれてしまったドミニクとブライアン。ホブスは欧州の犯罪組織の計画を阻止することに協力すれば、彼らを免罪してもいいと申し出る。ホブスの情報によると、死んだはずのドミニクの恋人レティが、組織のボスの手足となって働いているという…
3作目から監督を続けてきたジャスティン・リンの(いまのところの)最終作。見どころは中盤の戦車VS乗用車や、先端がヘラのようになっていて正面から来た車を転覆させることができる「車ひっくり返し車」。リン監督の初期からの作風のぶっ飛びぶりには、ただただ感服するのみです。そしてようやくお話は3作目の開始時点へとつながります。もう一回おさらいしときますと時系列的には 1→2→4→5→6→3→7 という順番になります。
7作目『ワイルド・スピード SKY MISSION』(原題『速さと怒り狂い7つ目』・2015年)
無罪放免になり故郷のLAに帰ってきたドミニクとブライアン。そんな彼らに前作で退けたオーウェン・ショウの兄デッカードが、チームの面々を抹殺しようと企んでいるという情報が入る。子育てに疲れていたブライアンは意気揚々と戦いに赴くが…
『SAW』などで知られるジェームズ・ワンが監督を務めた最新作。じくじくねちねち痛々しい作風になるのかと思いきや、『エクスペンダブルズ』と『ミッション・インポッシブル』を足して割ったような壮絶無茶アクション大作にしあがっておりました。
ご存知のように大変残念なことにポール・ウォーカーの遺作となってしまった本作。彼が演じていたブライアンともこれでお別れか…というと映画の中ではその辺ちょっとあいまいでした。できることならダブルを演じてくれた弟のコディ氏を起用して、これからもスクリーンの中で活躍してほしいものですが。
というわけで爆発的なヒットにより早々と8作目の製作も決定している「ワイルド・スピード・シリーズ」。次は宇宙か異次元へでも突入しそうな勢いです。
察しのいい方なら公開中の『SKY MISSION』をいきなり観ても話が通じると思うので、ここから入って過去作を見直してみてもいいかもしれません。(追記:最新作『アイスブレイク』の感想はこちら)
Comments
伍一くん☆
私今までどうしてもカーチェイスものは寝ちゃうので、全部見られたことないのだけど、さすがに今回は面白かったわ。
確かに次回作は海底を走るか、もう宇宙に飛ぶしかないのかな?
Posted by: ノルウェーまだ~む | May 22, 2015 02:40 PM
>ノルウェーまだ~むさん
今回はチェイスというより空飛んだりしてますからね… 車と関係なく格闘してたりするシーンもいっぱいありましたし
次はプルトニウム積んでタイムスリップすると予想してます(それバック・○ゥ・ザ・フューチャー)
Posted by: SGA屋伍一 | May 24, 2015 04:43 PM