第十一回SGA屋漫画文化賞
年末ですね…
今年もやってまいりました。世界で最も注目されてない漫画賞、「SGA屋漫画文化賞」です。
例によって賞品も賞金もありません。私がほしいくらいです。
☆少年漫画部門 川原正敏 『修羅の門 第弐門』
格闘漫画がいろいろ熱かった2014年。
十ウン年ぶりに主人公が負けた『はじめの一歩』も印象的でしたが、さらに盛り上がってたのが先月また大きなターニングポイントを迎えたこの作品。
陸奥圓明流よりはるかに長い歴史を誇る中国武術をも下した修羅の化身・陸奥九十九。彼の行き着く先はどこなのか。
伝説はまだ終わらない。
☆少女漫画部門 穂積 『式の前日』
少女マンガで短編集が話題になることってかなり珍しいと思うんですが、「このマンガがすごい!」をはじめ各所で評判を呼びました。
明日結婚式を迎えるのになぜだかさびしげな一組の男女。優しげな筆致と意外な結末が光る一冊です。
少女マンガでは他にはやっぱり吉田秋生先生の『海町diary』が良かったです。今年映画化されるそうですがどうなることやら。
☆青年漫画部門 福本伸行 『新黒沢 最強伝説』
伝説のラストから7年。あの最強の男・黒沢が再び帰って来た…
じつはわたし前作をまったく読んでないんですけど、それでも十分についていける。そして面白い!
現場作業員からホームレスへと転落してしまう黒沢。でもなぜなんだ!? そんなに楽しそうなのは…
悩むことも多かった2014年ですが、そんなわたしの癒しとなってくれた漫画です。
☆中年漫画部門 永井豪 『激マン! マジンガーZ編』
その不定期掲載ぶりからてっきり『デビルマン編』だけで終了かと思われた『激マン!』ですが、今度は『マジンガーZ』にスポットをあてて連載再開となりました。
「うちはロボットものは断じてやらない!」と言い切る鬼の少年ジャンプ編集部に、敢然と立ち向かう激とタカシの兄弟。がんばれ! 負けるな!
永井先生は最近デビルマンやグレンダイザーのリメイクにも挑んでおられますが、できることならこちらだけに専念されてほしいところです。
☆邦訳部門 DCコミックス 『バットマン:アンダー・ザ・レッドフード』『バットマン:バトル・フォー・ザ・カウル』
バットマン史上最大の悲劇と言われた二代目ロビンの死。その死が覆った時ブルース・ウェインの新たな苦悩が始まる。
映画版では評判の悪いロビンですが、バットマン75年の歴史はロビンたちの激闘と葛藤の歴史でもあることがよくわかる二編。
邦訳アメコミでは他に『アルティメッツ2』や『X-MEN:セカンドカミング』が印象に残りました。
☆アニメ部門 今石洋之 『キルラキル』
監督・今石洋之、脚本・中島かずきの『グレンラガン』コンビが、今度は学園バトルものに挑戦。氷の生徒会長・鬼龍院 皐月の圧制に、特殊な学生服「鮮血」の力を借りて果て無き戦いを挑む転校生・纏流子。二人の戦いはやがて人類の進化を決するステージにまで拡大していく。
最近は根性がなくてなかなかTVアニメの放送についていけないのがつらいところです。
☆特別賞 北崎拓 『ますらお 大姫愛想歌』
『MASTER キートン』『男坂』とびっくりするような作品が復活した2014年ですが、いちばんびっくりしたのは源平絵巻に材を取ったこの作品。なんでこんなマイナーな漫画を… でもいい! 本当にありがとう!!
年明けからはヤングキングアワーズにて「屋島編」も掲載されるそうでこちらも楽しみです。
☆大賞 馬場康誌 『空手小公子 小日向海流』『空手小公子物語』
地味ながら長寿連載となった空手漫画シリーズ。14年間楽しませてくれたことに感謝して大賞を贈ります。『物語』最終回の直前に『小公子海流』がちょこっとだけ復活したのも粋な計らいでした。
今年はアニメより先に始まってたコミック版『エヴァンゲリオン』の最終巻が出たのも思いで深いですね…
それでは来年もいい漫画に会えますように~ 年内に映画のベストも書く予定です…
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