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December 31, 2014

2014年 この映画がアレだ! 幕内編

めいごたちが襲来しててんてこまいの中、逃げ隠れながらこの記事を書いてます… 今年のまとめ、今年のうちに!ということで昨日に引き続き2014年映画まとめ、「幕内編」参ります。つか昨日は「幕下編」だったのに記事タイトル間違えてた… ははは…
ではランキングに移る前にリバイバル賞から。

リバイバル賞:パシフィック・リム4DX爆音上映
B6ct2bfcyaeo_w2体験する前は「4DXねえ… 子供だましでしょ?(ニヤニヤ)」って感じでしたが、終了後「4DX最高! エクセレント!!」なりました。いつもガラガラのコ○ナ小田原が超満員だったのも大歓喜でした。
リバイバルは他に
ジャック・タチ特集上映
ポーラX
ゴジラ(第1作)
を観ました。


それでは34位から一気に突っ走ります。
Br1jizicqaazcen
☆35位 『ポンペイ』 監督嫁は出てこない!
☆34位 『ドラキュラZERO』 コウモリだけが知っている!
☆33位 『ゴジラ GODZILLA』 「ガッズィーラ」じゃなくて「ゴジラ」!
☆32位 『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』 コロッケ大熱唱!
☆31位 『ホドロフスキーのDUNE』 ホドロフ好きー!
☆30位 『オール・ユー・ニード・イズ・キル』寝る、起きる、二度寝る!
☆29位 『アナと雪の女王』 レリゴー! ゴリラー!
☆28位 『鑑定士と顔のない依頼人』 厳密には2013年公開!
☆27位 思い出のマーニー さよならマーニー! さよならジブリ!
Mtdw2☆26位 『スノーピアサー』 ヨウカンと大トロ!
☆25位 『ジャージー・ボーイズ』 しぇーえりー しぇりべいびー しぇーえりー しぇりべいびー
☆24位 『マイティ・ソー/ダークワールド』 イラストはロキのつもり!
☆23位 『イントゥ・ザ・ストーム』 体中に風を集めて 巻き起こせ 嵐!嵐!
☆22位 『グランド・ブダペスト・ホテル』 ホテルで会ってホテルでわかれ!
☆21位 『猿の惑星 新世紀』 類人猿みな兄弟!
☆20位 『フライト・ゲーム』 どっきどき!DEATHメール!
☆19位 『野のなななのか』 なーななななー ななななーなななーなななー
☆18位 『トワイライト ささらさや』 原作もいいですぜ!
☆17位 『100歳の華麗なる冒険』 人生は爆発だ!
Adnk2☆16位 『ダラス・バイヤーズ・クラブ』 死亡フラグを叩き折れ!
☆15位 『ウォルト・ディズニーの約束』 ミッキーマウスとメリー・ポピンズの激闘!
☆14位 『泣く男』 男子たるもの、親の葬式といえども涙を見せるべからず!
☆13位 『ザ・マペッツ2/ワールドツアー』 カメオ出演わかりづれーよ!
☆12位 『悪童日記』 最近双子ネタ多くない!?
☆11位 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』 ウガチャカウガチャカウガウガウガチャカウガチャカウガウガウガチャカウガチャカウガウガ(つづく)


それではいよいよベスト10に入ります。

☆10位 『1/11 じゅういちぶんのいち』 数年間にわたって応援してた片岡翔監督がとうとう商業長編デビュー… 来年も新作『 たまこちゃんとコックボー』が公開されます。
☆9位 『ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!』 映画の後のパブはしごが楽しすぎた! NOビールNOライフ!
☆8位 『ベイマックス』 (●―●) やめろ… その目で俺をみつめないでくれ… とにかくベイマックスのフカフカぶりがたまりません。
Inter1☆7位 『ラッシュ プライドと友情』 マイ・ベスト・ロン・ハワード。事実はスポ根マンガより奇なりなのです。
☆6位 『インターステラー』 いろいろ見所はありますがTARS&CASEがツボ過ぎた… 彼らがバリバリの海兵隊員だったころのスピンオフが観たいです!
☆5位 『ホビット 竜に奪われた王国』『ホビット 決戦のゆくえ』 二作あわせてのランクインとします。現在BSのLOTR放映を見ながら書いているのですが(笑)、前3部作との整合性に驚くばかり。
☆4位 『X-MEN フューチャー&パスト』 シリーズ全部観てないと真から楽しめないという反則業のような映画。でも許す。きっとX-MEN大好きなボクやキミやみんなのために作ってくれたんだよね… そしてX-MENの戦いはまだまだ続いちゃうのです。
☆3位 『ミニスキュル ~小さな森の仲間たち~』 今年の「もっと多くのひとたちに見てほしい」映画第一位。TV版のDVDも持ってますが、とにかくこの劇場版がすばらしかった…!! ので、早く劇場版のDVDを発売希望。
☆2位 『LEGO® ムービー』 創造と破壊が繰り返される混沌極まりない世界を舞台とした壮絶に奇妙な伝説。「すべてが最高。みんないい感じ」

そして栄えある第1位は
B6cuez_ciaan6s_『キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー』
これも一作目を観てないと感動が半減するという難点があるのですが、細かいことです。
今年は『妖怪ウォッチ』のジバニャンもブレイクしましたが、いま間違いなく「腹巻キャラ」の時代が来ています。
そして冬真っ盛りのいまこそみんなでコタツに入って「ウィンターソルジャー」を観ましょう!

最近だいぶアクセスが減った当ブログですが、のぞいてくださった皆さん、本当にありがとうございました。来年も良いお年をー

 

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December 30, 2014

2014年 この映画がアレだ! 幕下編

それでは十年間ひっそりとあぜ道に咲く花のように続けてきた年間映画映画ベスト、始めます。今日は比較的下位の作品をまとめた幕下編を。
いつもならワーストから入るとこですが、今年はありがたいことにワーストと言えるほど憎い作品にはぶつかりませんでした。ので「ひどい… けど好きなんだ!」賞から参ります。


Img00672平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊
キカイダーREBOOT

東映さんのヒーロー特撮が見事に2本同時受賞ですw このうちの『キカイダー』は本当にネット上でほめてる意見をほとんど見ませんでした。それも納得の出来のひどさなんですが、でもやっぱり…好きなんですよねcoldsweats01


続きまして「なんかモヤモヤする… だがまあいい、見逃してやる」「ちょっとあっさり風味で印象が薄いのよ」という7作品いきます。
Rkkt1ドラッグ・ウォー 毒戦
眠れる美女
少女は自転車に乗って
名探偵ゴッド・アイ
るろうに剣心 京都大火編
るろうに剣心 伝説の最期編
馬々と人間たち
アクションはすごかったけど、『るろうに剣心』は一作目の方が性にあいました。


さらに続きまして、「料金の元はとった。それくらいには面白かった」という17作品参ります。
Kajf1_2ヌイグルマーZ
アメリカン・ハッスル
キック・アス/ジャスティス・フォーエバー
大統領の執事の涙
ロボコップ
ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
300 帝国の進撃
聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY
渇き。
Mft2テルマエ・ロマエⅡ
マレフィセント
パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト
なまいきチョルベンと水夫さん
美女と野獣
嗤う分身
西遊記 はじまりのはじまり
荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて
この中で頭ひとつ抜けてるのは、『ネブラスカ』の爽快さと『渇き。』の過剰さでしょうか。


幕下編最後は「はっきり言って良かった! けど上位にくらべインパクト、もしくは思い入れが足りない」という19作品参ります。
Etk1
プレーンズ
永遠の0
エンダーのゲーム
MUD
LIFE!
ローン・サバイバー
アメイジング・スパイダーマン2
それでも夜は明ける
ノア 約束の舟
円卓 こっこ、ひと夏のイマジン

Rtd1リアリティのダンス
トランスフォーマー/ロストエイジ
her/世界のひとつの彼女
メアリーと秘密の王国
ヘラクレス
天才スピヴェット
フューリー
ゴーン・ガール
寄生獣

『ゴーン・ガール』なんかはいますっごい評判ですがわたしとしてはこの辺の位置に。アメスパ2もけっこう印象だったのだが… 今年は本当にツボな映画がほかにいっぱいあったということで。

残る37本くらいは明日大晦日にそれなりに順位をつけて発表いたしますです。ひっそりと。


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December 29, 2014

オタクとオークと追憶と J・R・R・トールキン ピーター・ジャクソン 『ホビット 決戦のゆくえ』

Hbky1本年度最後の映画感想は、おそらく「指輪サーガ」最終作となるであろうスペクタクルファンタジー。『ホビット 決戦のゆくえ』ご紹介します。一作目『思いがけない冒険』の感想はコチラ。二作目『竜に奪われた王国』の感想はコチラ

目的地エレボールに着き安堵したのもつかの間、ドワーフたちとホビットのビルボは黄金を守ろうとする巨竜スマウグに見つかり、彼を怒らせてしまう。容赦なく城の近くの村を焼き払うスマウグ。焦土と化したその地に、さらに闇の軍勢が迫りつつあった。そんな中、リーダー・トーリンの胸中に黒い影が忍び寄っていく…

今回は半バレくらいの感想で(^_^;
わたくしてっきり『ホビット』最大のヤマ場は冒頭から登場してた怪獣スマウグとの決戦になるんだろうな…と思い込んでいたのですが、今回割りとあっさりスマウグさんが退場してしまいます。
じゃあめでたしめでたしじゃん! あともうやることないよ! と思いますが、このあとなかなかに意外な展開が待ち受けております。その鍵を握るのが主人公チームのリーダー、トーリン・オーケンシールド。
ここが指輪世界の独特というか面白いとこなんですが、普通神話というものは絶対善と絶対悪との戦いが描かれるもの。どこまでも正しく強い神様の軍団が、限りなく悪い悪魔や怪獣たちを最後にはやっつける、というのが定番です。
しかし指輪世界には絶対悪は存在するのですが、万能の神様というものは登場しません。ゆえに悪に立ち向かうのは善悪の狭間でふらついている人間たち(ホビット、エルフ、ドワーフ含む)。そして神様は助けてくれないので基本的に自分たちだけで力を合わせて悪魔と戦わねばなりません。しかもその弱者連合がなかなか団結しなかったり、闇落ちしそうになったりするので観ていてすごくハラハラします。
そんなジリ貧の状況にあって光をもたらすのが、建前の大仰な正義ではなくて、「誰かを本当に思いやる心」であるのが指輪世界の素敵なところです。あとホビットが特に有している無垢・無欲の心も重要な局面で大事な働きをします。
『決戦のゆくえ』終盤で特にズキュウウウンと来たのが「みんなが黄金より我が家を愛するなら、世界はもっと住みよい場所になるだろう」(うろおぼえ)というセリフです。その通りです。みんな金や権力を求めることをやめ。オタクになればいいんです。まあオタクにもそれなりの物欲はありますが、その欲求で誰かが傷ついたり命が失われたりすることはほとんどない…はず。

話が変な方向に行きましたがホビット全編を観終えての感想もついでに。1作目を観たのがついこないだの出来事のようですが、本当に「ちょっと遠くまでピクニックに行ってくるよ~」というくらいのんきに始まったこのお話が、こんなに壮絶で切ない流れになろうとはねえ… それでもLOTRよりはまだ「のほほん」部分が長かったので、『ホビット』はわたしにとっては前3作より性にあう話でした。
そしてLOTRではフロドを困らせてばかりの「ろくでもないじじい」だったビルボさんが、若かりしころはこんなに勇敢で楽しくて気のいいヤツだったとはねえ… 時の流れはまことに悲しいものです。

このあと中つ国はさらに大きな災厄に飲み込まれることになるわけですが、そう考えると本作品のラスト前後というのは、指輪サーガにおいてもっとも幸せな部分ではないだろうか…と思うのでした。

あー、なんか、めっちゃさびしいですね… このさびしさはやはり指輪の後継といわれるスターウォーズで埋めるしかないのか。それともデ○ズニーに権利を買ってもらってオリジナルの後日談を… いえ、なんでもありません。ちなみにさらに前日談の『シルマリルの物語』は、日本の国産み神話のようにかなりもやもやっとした内容らしいです。

Hbky2ふー、なんとか年内にすべて書ききった… 明日は今年観た映画の中でも比較的下位の作品をまとめて振り返ります。


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第十一回SGA屋漫画文化賞

年末ですね…
今年もやってまいりました。世界で最も注目されてない漫画賞、「SGA屋漫画文化賞」です。
例によって賞品も賞金もありません。私がほしいくらいです。

☆少年漫画部門 川原正敏 『修羅の門 第弐門』
Photo
格闘漫画がいろいろ熱かった2014年。
十ウン年ぶりに主人公が負けた『はじめの一歩』も印象的でしたが、さらに盛り上がってたのが先月また大きなターニングポイントを迎えたこの作品。

陸奥圓明流よりはるかに長い歴史を誇る中国武術をも下した修羅の化身・陸奥九十九。彼の行き着く先はどこなのか。
伝説はまだ終わらない。

☆少女漫画部門 穂積 『式の前日』
Photo_2
少女マンガで短編集が話題になることってかなり珍しいと思うんですが、「このマンガがすごい!」をはじめ各所で評判を呼びました。
明日結婚式を迎えるのになぜだかさびしげな一組の男女。優しげな筆致と意外な結末が光る一冊です。

少女マンガでは他にはやっぱり吉田秋生先生の『海町diary』が良かったです。今年映画化されるそうですがどうなることやら。


☆青年漫画部門 福本伸行 『新黒沢 最強伝説』
Photo_3伝説のラストから7年。あの最強の男・黒沢が再び帰って来た…
じつはわたし前作をまったく読んでないんですけど、それでも十分についていける。そして面白い!
現場作業員からホームレスへと転落してしまう黒沢。でもなぜなんだ!? そんなに楽しそうなのは…
悩むことも多かった2014年ですが、そんなわたしの癒しとなってくれた漫画です。


☆中年漫画部門 永井豪 『激マン! マジンガーZ編』
091009_132119その不定期掲載ぶりからてっきり『デビルマン編』だけで終了かと思われた『激マン!』ですが、今度は『マジンガーZ』にスポットをあてて連載再開となりました。
「うちはロボットものは断じてやらない!」と言い切る鬼の少年ジャンプ編集部に、敢然と立ち向かう激とタカシの兄弟。がんばれ! 負けるな!
永井先生は最近デビルマンやグレンダイザーのリメイクにも挑んでおられますが、できることならこちらだけに専念されてほしいところです。


☆邦訳部門 DCコミックス 『バットマン:アンダー・ザ・レッドフード』『バットマン:バトル・フォー・ザ・カウル』
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バットマン史上最大の悲劇と言われた二代目ロビンの死。その死が覆った時ブルース・ウェインの新たな苦悩が始まる。
映画版では評判の悪いロビンですが、バットマン75年の歴史はロビンたちの激闘と葛藤の歴史でもあることがよくわかる二編。

邦訳アメコミでは他に『アルティメッツ2』や『X-MEN:セカンドカミング』が印象に残りました。


☆アニメ部門 今石洋之 『キルラキル』
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監督・今石洋之、脚本・中島かずきの『グレンラガン』コンビが、今度は学園バトルものに挑戦。氷の生徒会長・鬼龍院 皐月の圧制に、特殊な学生服「鮮血」の力を借りて果て無き戦いを挑む転校生・纏流子。二人の戦いはやがて人類の進化を決するステージにまで拡大していく。

最近は根性がなくてなかなかTVアニメの放送についていけないのがつらいところです。

☆特別賞 北崎拓 『ますらお 大姫愛想歌』
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『MASTER キートン』『男坂』とびっくりするような作品が復活した2014年ですが、いちばんびっくりしたのは源平絵巻に材を取ったこの作品。なんでこんなマイナーな漫画を… でもいい! 本当にありがとう!!

年明けからはヤングキングアワーズにて「屋島編」も掲載されるそうでこちらも楽しみです。

☆大賞 馬場康誌 『空手小公子 小日向海流』『空手小公子物語』
081227_182239地味ながら長寿連載となった空手漫画シリーズ。14年間楽しませてくれたことに感謝して大賞を贈ります。『物語』最終回の直前に『小公子海流』がちょこっとだけ復活したのも粋な計らいでした。
今年はアニメより先に始まってたコミック版『エヴァンゲリオン』の最終巻が出たのも思いで深いですね…


それでは来年もいい漫画に会えますように~ 年内に映画のベストも書く予定です…

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December 26, 2014

その柔らかさ、無限大 ドン・ホール クリス・ウィリアムズ 『ベイマックス』

Bigherosiximgついさっき気づいたんですがね… 20日でブログ開始から丸10年経ってました… あはは… こんなくだらないブログをもう十年ねえ。まことに年月は矢のように過ぎていきます。
それとはあんまり関係ありませんが、本日はディズニーアニメーションスタジオがはじめてマーベルユニバースにがっつり挑んだ『ベイマックス』、紹介いたします。

サンフランソウキョウに住むヒロとタダシの兄弟は、まだ学生でありながら、工学に対し類まれな才能を持っていた。タダシは無鉄砲なヒロをいつも気にかけ、その才能を自分が通う大学で生かすよう励ます。そこで尊敬している学者に出会ったヒロは発奮し、見事に発明「マイクロボット」で入学の権利を得る。喜びもつかの間、突然起きた事故によりタダシは帰らぬ人になる。深く悲しむヒロの前に現われたのは、タダシが懸命に開発していたフワフワの介護用ロボット「ベイマックス」だった。

この作品、原題を『BG HERO6』と言います。原作はちょっと前に発行されていた同名のコミック。X-MENにも誘われていた「サンファイア」というミュータントが、日本政府の要請を受けて結成したヒーローチームの話でした。その中にヒロとベイマックスもおりましたが、おそらくチームの中心いうよりマスコット的な存在だったと思われます。そしてベイマックスは映画版とは似ても似つかぬ怪獣型のロボットでした。
その後サンファイアの脱退と共に、BIG HERO6はよりポップなジャパニメーション風のチームへとイメージチェンジします。しかし人気は得られず廃刊。忘れられていたところへディズニーさんがアニメにちょうどいい原作を…と発掘したのでした。

というわけで、キャラの名前と「日本っぽい」という以外はほとんど別物。ディズニーの「俺色に染めてやるぜ~~~」感が強烈であまり企画に好感がもてなかったのですが、いざ観てみるともう原作との違いとかどうでもよくなりました(笑) もうね~ とにかくフワフワのベイマックスが良い。良すぎる。
実は観終わった直後は「うん。なかなかよかった」くらいのテンションだったのですが、ベイマックスのあんなモコモコシーンやこんなポワポワシーンを思い出すにつけ「あ~ も~ ベイマックスたまらん!!」状態でありました。
そもそもロボットというものは硬いものと相場が決まっております。「やわらかいロボット」というのはすごい発想の転換ではないでしょうか。

あと、少年とパートナーを組むロボットというのは、大体「こんな家族がいたら」という願いを反映しているように思われます。鉄人28号は強くたくましい父親を、ドラえもんは頼りになるけどちょっと抜けてるお兄さんを、アイアン・ジャイアントは一緒に遊んでくれる素直な弟を、エヴァンゲリオンはわが子を必死に守ろうとする鬼子母神のような母親を、それぞれ表していると思っています。
で、ベイマックスはエヴァとはだいぶ違いますが、思春期の息子を優しく見守る母親のような存在だと思っています。息子のヤンチャは広いふところで大抵は受け止めますが、本当に非行に走りそうな時は頑としてそれを押しとどめます。また、どんくさいようで意外にしっかりしていて、子供がピンチの時には一生懸命守ろうとします。深く傷ついていたヒロが、次第にゆるゆるなベイマックスのペース合わされて朗らかになっていく様子は心温まるものがありました。そしてベイマックスの無限の優しさと強さに、ただハラハラと涙したのでありました。

ただ悲しいことに、アニメにおける少年とロボットのコンビというのは、「悲しい別れ」が待っている場合が多いんですよね… 果たして『ベイマックス』ではどうだったかというと… な・い・しょ♪

『ベイマックス』の魅力はこれだけにとどまりません。東京とサンフランシスコをミックスさせた「サンフランソウキョウ」のアナーキーな風景とか。わたしは『鉄コン筋クリート』「宝町」を思い出しました。
ヒロとベイマックスを支える「BIG HERO6」のメンバーもいちいち面白い。ゴス風のヒロイン「ゴーゴー」(スピード担当)、プリキュアのような不思議ちゃん「ハニーレモン」(化学攻撃担当)、堅物でやや小心な「ワサビ」(剣術担当)、コメディリリーフのフレッド(こいつだけ実名)… キャラ、風景、アクション、ギャグ、本当に次から次へとこれだけ面白いことを思いつく才能に脱帽です。この輝きはまさしく初期のピクサー作品にあったものです。

Bmxこれを機にまたディズニー風のヒーローアニメが作られていくとしたら、なかなかワクワクいたします。『パワーパック』なんか「子供が主人公」「忘れられてる」という点でちょうどいい題材かと。
『ベイマックス』の第二弾もぜひ観たいです。五つのメカが合体して巨大ロボット「ベイマックスマックス」になる展開などいいんじゃないでしょうか。
『妖怪ウォッチ』の影に隠れがちではありますが、『ベイマックス』も現在かなりのヒットを記録しております。今年の冬の一押しはコレでやんすよ!


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December 25, 2014

スタンド・バイ・ミギー 岩明均 山崎貴 『寄生獣』(映画版)

Img00869今年も残り一週間! できるだけ連日更新してがんばっていきたいと思います。今日ご紹介するのは20年前カルト的に人気を博した伝説的コミックの映画化作品。『寄生獣』、ご紹介します。

それは、いつどこで生まれたのか誰も知らない。突如として発生した謎の寄生生物たち。彼らは人間の脳をのっとると、社会にまぎれながら人々をひそかに「捕食」しはじめた。偶然が幸いして「乗っ取り」を免れた高校生・泉新一は、しかし右腕をその寄生生物に同化されてしまう。当惑しながらも共同生活を始める新一と寄生生物「ミギー」。その奇妙なコンビは他の寄生生物から好奇と敵意をもって迎えられる。

思い起こせば大学の卒業旅行で泊まったカプセルホテルで、この漫画の最終回の載ったアフターヌーンを読んだのでした。いきなり最終回から読んだにも関わらずそのべらぼうな面白さに心奪われ、あっというまに全10巻をそろえてしまったものでした。わたしもそれなりに漫画をたくさん読んでますけど、あんなにも夢中になって読んだことはごくわずかです。原作『寄生獣』はそれほどに思い入れのある作品なのです。
この漫画の魅力をあげていくなら、まず奇抜なアイデア。先を予想させない緊迫したストーリー。緻密で親しみやすい心理描写。そして深読みしようと思えばいくらでも深読みできるテーマ… 多少絵柄が独特ではありますが、そんなものを気にさせないパワーに満ち溢れています。

で、この度の映画化。わたくしマンガ原作であっても、映画は映画、マンガはマンガとなるべく割り切って考えたいと常々思っております。しかしこの作品ばっかりは思い入れの深さのせいでなかなかそれが難しゅうございました。鑑賞後5日経った今、ようやく冷静に振り返られる気がします。
結論からいうと、目も当てられないような映画化作品も多い中、かなり出来のいい方だと思います。約4巻分のストーリーを二時間内で上手に取捨選択し、原作にかなり忠実に映像化してありました。
子犬のシーン、主人公の家庭環境、「母親」との決着などは「なぜ原作どおりにしないのだー」と思いましたが、そういう風にすることで新一君がよりクールで、より追い詰められるという効果がありました。そのあたりにどういう狙いがあるのか… 後編でうまく結実することを期待しています。
その新一君を演じるのは邦画界切っての演技派若手俳優・染谷将介君。やっぱり原作のイメージとはちょっと違うんですけど、ミギーと何気なく戯れる場面や、辛すぎる「敵」と対峙して苦悶する様子は彼だからこそ自然に、かつ真に迫って見えました。キャスティングに拍手です。あと朝ドラや『桐島、部活やめるってよ』でさわやかな笑顔を振りまいていた東出昌大君がかなり不気味な役を熱演してたのもインパクトありました。

また、いつもは「泣かせ」のくどさが際立つ山崎監督がかなりその辺の演出をセーブしていたのも驚きました。やればできんじゃん(笑) そもそも『寄生獣』前半というのはいかにして新一君が「泣けなくなる」か、という話でもありますからねい。きれいな青空がほとんど見られず、終始薄暗い雲がかった背景だったのも山崎作品にしては異色でありました。

それでもなお不満店をあげるとするなら、新一君がミギーにややツンケン気味だったとこかな… 二時間という枠では限界があったのかもしれませんが、二人?が打ち解けあっていく様子をもっとじっくり見たかったです。わたし本当にミギーが好きなんで、彼が冷たくされるのを見ているのは辛いのです。「ミギーはあんな萌えキャラじゃない」という感想をどこかで見かけましたが、人はミギーに萌えずしていったい何に萌えるのでしょう。

Ksj2というわけで現在『寄生獣』は大ヒット公開中ですが、『永遠の0』『STAND BY ME ドラえもん』に比べるとややおとなしめといった感じです。やっぱり涙よりも血がよく吹き出るような映画だからでしょうか。
完結編となる第二部は来年春公開予定です。


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December 24, 2014

アゴ&緊張 ギリアン・フリン デビッド・フィンチャー 『ゴーン・ガール』

Carlos_ghosnくどいようですが大晦日までにストックを解消すべく張り切って更新しております(アクセスは下がり気味ですが…)。本日はデビッド・フィンチャーとベン・アフレックというノリにノッてる二人ががっちり手を組んだサスペンスドラマ『ゴーン・ガール』を紹介いたします。

NYのパーティーで知り合ったニックとエイミーは、自然に恋に落ち、年月とともに絆を深め合い、やがて結婚する。ニックの母の介護のためにミズーリに引っ越してからも、二人の愛は変わらないように見えた。だが、5回目の結婚記念日のその日、エイミーは突然姿を消す。壊されたテーブルや血痕などから、警察は「事件性あり」と判断。エイミーがとある童話のモデルだったことから事件は世間の注目を浴び、人々の容赦ない好機の目にニックの神経は日ごとにすり減らされていく…

作品によって濃い・薄いはありますが、デビッド・フィンチャーの映画でよく感じられるのは「世間は優しくない」ということです。多少問題児な例もありますが、大抵の場合さして悪人でもない主人公がふってわいた災難に苦しめられる…という話が多いですね。災難というのはエイリアンだったり、凶悪犯罪だったり、ブラッド・ピットだったり、人知を越えた奇病だったり、てひどいガールフレンドだったりします。
『ゴーン・ガール』でいうと妻の失踪を皮切りに、警察から疑いをもたれ、ワイドショーで槍玉にあげられ、SNSでも袋叩きにあい、暇な大衆は彼を追い掛け回し、最悪死刑になっちゃうかもしれない…とここまで来ると笑うしかないような最悪の状態がニックに襲い掛かります。
そんな逆境にうちのめされ、うちひしがれるデビ作品の主人公たち。しかし彼らは一生懸命残酷な世界に対し痛々しい抵抗を試みます。それを観ていると最初は「こいつ好きになれそうもない」と思っていたキャラクターたちに、だんだんと愛着がわいていきます。だのに大抵の場合デビ作品は「これでよかったのか!?」って感じで終わることがほとんどなので、監督の並々ならぬ底意地の悪さがうかがえますw 果たして『ゴーン・ガール』はどうだったのかというと… な・い・しょ♪

その「全米一不幸な男」ニック・ダンを演じるのは近年監督としての活躍も目覚しいベン・アフレック。実はニックを演じるのは彼でなくてはならない大きな理由があります。それはベンのアゴが見事に割れているから。劇中でも「アゴの割れている男は悪人に見える」という人種差別ギリギリのセリフがあったりします。
なぜアゴが割れていると悪人に見えるのでしょう。そもそも、顔というのは人体の中でももっとも人格が表に出ている部分です。その人格の象徴が二つに割れかけている… 人によってはそれが本当の自分と偽りの自分が分裂しているような、不誠実な印象を覚えるのかもしれません(アゴの割れている人すみません)。
ニックも表向きのかっこつけた顔と、さえない本当の顔との間で分裂しているようなところがあります。思えばベンが監督した『ザ・タウン』『アルゴ』も「世間をあざむく」ということが重要なファクターとなっていました。ただこの二作品では自分が監督してるせいか、それなりにベンさんがかっこいいんですよ。それに対し『ゴーン・ガール』はサド的なフィンチャ-が撮っているので、いまだかつてないほどかっこ悪いベンが見られます。さぞや辛かったと思いますが、よくがんばりましたね。これで役者としてまた一皮向けたことと思います。

正直この映画前半は生理的にいや~な話で「年末にきてワースト作品とぶつかってしまったか!?」と思いながら観ておりました。しかし中盤からの意外な展開がずんずん進んでいくと、なぜかクスクスゲラゲラ笑えるようになっていったから不思議です。最後は気持ちよく映画館を出ることが出来ました。
特に印象に残ったのは「米国民ってひまな人が多いな…」ということ。いつもワイドショーに熱心に見入り、自分と関係のない人に対し勝手に好感を抱いたり、あるいは槍玉にあげようとする。そのおせっかい加減がまた強烈な風刺とともにギャグになっていた気がします。

Gg2_2ちなみにこの映画には原作となる同名の小説があります。そして原作と映画では結末が異なっているとのこと。わたしは映画の結末にかなり満足しているので、小説版は読まなくてもいいかな(^_^;
『ゴーン・ガール』はまだ公開二週目ですが、日本では初登場が7位ということもあり、あまり長持ちは期待できなさそう。ご興味おありの方たちは『妖怪ウォッチ』の子供たちの波をかきわけて早めにどうぞ。


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December 21, 2014

西部における百万の下ネタ セス・マクファーレン 『荒野はつらいよ ~アリゾナより愛をこめて~』

286pxmap_of_usa_az_svg今年観た映画の感想は今年のうちに… ということでがんばって更新しております。今日ご紹介するのは首都から二ヶ月遅れてやってきた西部劇の異色作(ていうか最近の西部劇って異色作ばっかしよね…)『荒野はつらいよ ~アリゾナより愛をこめて~』、ご紹介します。

時代は1882年。アメリカ西部はちょっとしたことですぐ人が死に、ごついおばさんがミスコンで優勝するようなひどい社会だった。
そんな西部で羊飼いとして暮らしていたアルバートは、決闘を挑まれても必死で命乞いをするような気弱な青年。ついにはそのへなちょこぶりが原因で恋人のルイーズにふられてしまう。意気消沈するアルバートだったが、偶然知り合った謎の美女アンナから「ルイーズを見返してやりなさい」と発破をかけられる。

原題は『A Million Ways to Die in the West』。「西部における百万の死に様」といったところでしょうか。日本公開に際し上のようなゆる~いタイトルに変更されました(^_^;
冒頭で登場したアルバート君を見て、「濱田岳をちょっと二枚目にしたようなあんちゃんだなあ」と思いました。その気弱ぶりとかずっこけぶりがますます濱田君を連想させました(ごめんなさい)。
あとで調べたらこの青年を演じているのが今全米で大人気のコメディアンであり、本作や『テッド』の監督であるセス・マクファーレン氏だったのですね。『テッド』ではずっと熊だったのでまったくわかりませんでした。
そのネームバリューゆえか、こんなくだらない(笑)映画にも多くのビッグネームが参加しております。リーアム・ニーソンにシャーリーズ・セロン。アマンダ・セイフライドにカメオのあの人にあの人。いやはや大した人脈です。
特に最近ハードで渋めの演技が光るリーアムさんが、こちらでは「あっ」と驚くようなギャグをかましてくれてます。あれは本人のだったのだろうか… 本編上映前にリーアムさんが完全無敵のヒーローを演じる『96時間/レクイエム』の予告が流れていたので、さらにギャグのパワーが増した気がします。

さて、この映画コメディではありますが、この前に紹介した『フューリー』と同じくらい、バンバン人が死にます。しかもストーリーとまったく関わりの無いところで。まあそれくらい当時の西部では死因がゴロゴロしていたわけで。ケンカ、決闘、無法者、疫病、労働災害、毒蛇、狼、オナラetc…
そうした西部に関するウンチクは勉強になりましたが、頻繁に血しぶきが飛び散ったり腕や脚がポンポン飛んだりするので、ゴア描写が苦手な人にはおすすめできません。えげつない下ネタもひっきりなしに出てくるので、ウンコやチンコが苦手な人も観ないほうがいいです。ただ、雄大なアメリカ大陸の自然の風景は見事でなかなか心癒されるので、そういうのが好きな人は観てください。

映画は下ネタとゴア描写で三角関係を彩りながら、ゆるくゆーるく進んでいきます。『テッド』の時はもう少しサクサク進んだ気がするんだけど… しかしリーアムさん演じる悪の親玉が村を訪れたあたりから、ようやくエンジンがかかってきます(残り40分くらいか?)。ヘナチョコ青年だったアルバートが機転を利かせて次から次へとピンチを乗り切るくだりはそれまでのゆるゆるぶりを補ってあまりある痛快さでした。
あとアルバート君は西部劇なのになぜか牛ではなく羊を飼ってるんですが、この画面を横切るたくさんの羊たちが笑わせてくれたりなごませてくれたりします。これだけ羊が目立つ映画といったら他は『ウォレスとグルミット 危機一髪!』くらいではないかと思います。

Img00048『荒野はつらいよ ~アリゾナより愛をこめて~』は静岡東部ではかっきり二週間で上映が終わりました(^_^; これから上映するところも青森と長野くらいしかなさそうです。「観たくなった!」という方はDVDの発売をお待ちください。

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December 17, 2014

ボーイズ&パンツァー デビッド・エアー 『フューリー』

Fury1すげえ。もう先週末観た映画の感想書いてる。こんなのいつ以来だろう…
それはさておき、ブラッド・ピット主演最新作、激烈戦車映画『フューリー』ご紹介します。

1945年、すでに枢軸国の敗北は確定していたが、あとのないドイツ軍は本国でなおも抵抗し続け、戦闘は熾烈を極めていた。ドンことウォーダディひきいる戦車「フューリー」号の小隊もその侵攻に参加していた。激戦で副操縦士を失った彼らに補充として配属されたのは、タイプ係として入隊したまだあどけない若者だった…

思うんですが、たとえ戦争といえど、軍人さんといえど、よっぽど変わった人でもない限り同じ人間をバンバン殺していくというのは相当こたえると思うんです。まさに隊の新人である「マシン」君が追い詰められて「もういやだー!crying」と叫びだしたように。

そういう中にあって人はどうやって精神のバランスを保つのか。『フューリー』はそんな戦場における「正気の保ち方」を教えてくれる映画です。
まず自分たちが正義の側で、敵はとことん悪いやつらだと思い込むこと。この点ナチスドイツは民族浄化とか残忍な思想統制など行っていたので悪役としては申し分ありません。
人殺しは辛いけれども、世界に平和をもたらすためには仕方がないのだ… そんな風に思い込めばためらいなく銃の引き金も引けるようになるのかもしれません。
もうひとつは「仲間のために戦う」こと。極限状況において助けあっていくと、いがみあっていた者同士にすら不思議な連帯感が生まれます。「こいつらと一緒なら共に死んでもいい」と思えるほどに。ですからもし徴兵されて戦場に行かねばならなくなったら、気のいい仲間を見つけて、絆を深め合っていくことがまず大事かと思われます。
最初は「ダメよダメダメ」の一点張りだったマシン君も、ナチスの蛮行を目撃し、ブラピたちに褒められるにしたがってだんだん草食系の文学オタクから、熱血バリバリの殺人機械へと変貌を遂げます。
しかし本当に彼らは正しいのかな? それで死んでもいいのかな? という疑問をこの映画は投げかけます。さんざんアドレナリンを沸かせまくったあとに。なんて皮肉っぽい映画なのでしょう。しかしそれが作品に深みや現実味を与えているのも事実です。

とまあ重厚なテーマが胸に染み入る一方で、本物を使用したという戦車戦のシーンにはやっぱりチンコのついてる者としては興奮してしまうわけです。そもそも、これほど「戦車」というものにスポットがあてられた映画は最近では『レバノン』くらいではないでしょうか。
その『レバノン』でも単に迷走したり暴走したりとあまりいいところの無い「戦車」でしたが、『フューリー』では「戦車を戦場でどのように運用するか」がわかりやすく描かれていました。特に中盤における「戦車対戦車」のバトルは、今までに見たことのなかった戦闘シーンでございました。ロボット好きとしてはロボットがガッツンガッツンバトルしているようで、手に汗握って見守っておりました。まあ戦争はよくないと思いますがね(説得力なし)。

出演陣はまず製作総指揮もかねてるブラピ様。イケメン俳優からすっかりごっつい系のおっさんになった感があります。今年公開の映画で彼が製作に関わっているものというと他に『キックアス/ジャスティス・フォーエバー』と『それでも夜は明ける』がありました。題材・ジャンル共にてんでバラバラのような気もしますが、彼は「人を残酷さへと駆り立てるもの」に興味があるのかもしれません。
そんなブラピを脇で支えるのがシャイア・ラブーフ。『トランスフォーマー』でのヘナチョコ役とはうってかわって、こちらでは聖書を愛する涼やかな役で新境地を見せています。
また、もうひとりの主人公とも言える「マシン」君を演じるローガン・ラーマン君は『ノア』に引き続き、悩める苦労人のイメージがだいぶ定着してきました。他に粗暴な刈り上げ君(『ウォーキング・デッド』に出てたらしい)や、メキシコ系のバイプレイヤーとしてはおなじみのマイケル・ぺーニャらが好演しておりました。この男臭え~面々が吼えているのを観ているだけでも見ごたえがありました。

Img19939690_2『フューリー』は初登場では見事2位を飾りましたが、来週からはもう一日一回の上映のところが多いようです。気になっている方はお早めに。


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December 15, 2014

ザ・ワンハンドレッド ヨナス・ヨナソン フェリックス・ハーングレン 『100歳の華麗なる冒険』

100kb1ノーベル賞で盛り上がってるせいか、先ごろ2本のスウェーデン映画が公開されました。『100歳の華麗なる冒険』と『ストックホルムでワルツを』です。このうち前者を先日東京は新宿ピカデリーまで行って観て参りましたので、ご紹介いたします。

老人ホームに住むアランは、自分の100歳の誕生日に突如として施設から行方をくらます。駅でチンピラ風の若者からかばんをあずかった彼は、なりゆきで若者とはぐれてしまう。だがそのかばんの中にはマフィアの使う大金がぎっしりつまっていたため、アランは彼らから追われる身となる… のだが、当のアランはそんなことは露知らず。行く先で出会う人たちと触れ合いながら、爆破マニアだった自分の人生を振り返るのだった。

最初タイトルを観たときは、自分の命の短いことを知った老人が、命のはかなさにはらはらと泣きながら奮闘する… そんな『最高の人生の見つけ方』みたいな映画を想像してました。ですがこの『100歳の華麗なる冒険』は、ああいったハートウォーミングな映画よりもっともっとアナーキーで、不謹慎な作品です。なんせ主人公のアランさんはやや引退した身でありながら、筋金入りの爆弾魔と来ています。まあ人を殺すのが目的ではなく、「ものを爆発させるのが何よりも好き」という人なので、それほど罪深くはない気もしますが。
なぜそんなにも爆破が好きなのか… おそらくこの映画の製作国であるスウェーデンが、ダイナマイトの発明者ノーベルの出身地であることに関わりがあるような気がします。
それはさておき、そんな破天荒なおじいちゃんが(意識せずに)ギャングたちを出し抜いたり、世界をまたにかけて冒険するのを見ているのが、ウヒウヒ言いたくなるくらいめちゃくちゃ楽しかったです。

特に回想パートですが、CGかセットかロケか知らないけど(たぶんCG?)、たった数秒のシーンのためにすごく壮大な映像を作ってるんですよ。それもひとつやふたつではなく、20か30はありました。「別にそこまでしなくても、セリフでさっと語るだけでも済ませられるのでは?」とも思いましたが、この無駄に手間隙をかける精神(それもお笑いのために)、大好きです。

あとアランさんのちょっとしたうっかりが元でけっこう人がバンバン死にます。そういう意味ではたしかに命のはかなさも描かれていますが、泣けるというより、むしろ笑えます。そういう時「やっちまったものは仕方ない」と言って済ませてしまうアランさんが、すごく頼もしく感じられました。なるたけやらないように気をつけたいとは思いますが、人間、やっちゃう時はやっちゃうものですよね。

スウェーデン映画というとちょっと前にも『なまいきチョルベンと水夫さん』があり、昨年も『サウンド・オブ・ノイズ』がありましたが、まあヘンテコなセンスの映画が多くて素敵です。

さて、以下はほぼ結末までネタバレしちゃってるのでご了承ください。

impact
impact
impact
impact

この映画、途中で脈絡もなくゾウが登場します。「なぜここでゾウなのだ? ゾウを出す必然性はあるのか?」と少なからず当惑しました。そして考えているうちにふと思い当たることがありました。

思えばアランおじいちゃんは子供のころから絶えず死と深い関わりを持つ存在でした。彼がまったく望んでもいないのにも関わらず、周囲で人がバタバタと死んでいきます。歴史的大惨事の引き金をひいてしまったことさえあります。それでもまったく憎めないところがこのおじいちゃんのすごいところではありますが。
そもそも、彼の父は避妊を強行に主張したことで死ぬことになり、アランさんも成り行きで生殖能力を奪われてしまいます。「生」「誕生」を否定したような存在、と言えなくもありません。
しかしそんなアランじいちゃんが、旅の途中でゾウと会って以降、なぜか若いカップルの仲立ちをすることになります。彼らはやがて子供を生むかもしれません。そうだとしたら、アランさんはようやっとここで人の「生」に手を貸すことになります。
こう言ってはゾウさんに非常に失礼なんですが、ゾウの頭部というのはなかなかチンコに似た形をしています。クレヨンしんちゃんもそう歌っています。つまりこのゾウさんは失われたアランさんの金玉を象徴しているのではないかな、とわたしは考えたのでした。お上品な皆さん、どうもお目汚しでありました。

100kb2『100歳の華麗なる冒険』は第1陣がぼちぼち終了したころですが、まだこれからかかるところも多くあります。詳しくは公式サイトをご覧ください。
実は東京まで観にいったのに、数日前近くの静岡東部での上映が決まりました(笑) でも仲良しのお友達と一緒に観られたからいいのさ!


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December 12, 2014

新・猿の反省 チャウ・シンチー 『西遊記 はじまりのはじまり』

Photo『少林サッカー』で一躍日本でもメジャーな存在になったのに、その後新作の発表がえらいスローペースになってしまったチャウ・シンチー。そのシンチーさんの新作は、みんな大好き孫悟空の冒険談。なぜかGメン'75のあのテーマと共に甦った『西遊記 はじまりのはじまり』、紹介します。

たぶん唐の時代。玄奘は妖怪ハンターとして修行を積んでいたが、彼の童謡で妖怪を調伏するやり方は成功したためしがなかった。悩む玄奘はひょんなことから同業の段という美女と、巨大な猪の妖怪を退治することになる。だが敵は手ごわく、玄奘は「最強の妖怪ハンター」と噂される「孫悟空」の力を借りることにするが…

すいません。今回も完全ネタバレの観た人向けのあっさりタッチで(^_^;

まずこの映画の浅いところ。これはラブコメ系の少年漫画にありがちな点ですが、へなちょこで「いい人」としかとりえがない主人公を、なぜかかわいい女の子が勝手に好きになってくれるところですね。これがヒロインがもっとあからさまなブスだったらまだ説得力があったし、チャウ・シンチーらしくてよかったと思います。

逆に深いなーと思ったのはさっきまで仲良くやってたしょぼい親父の孫悟空が、優位に立った途端恐ろしい怪物へと豹変していくところ。こういうの人間社会でもよくあると思うのですよ。獲物をひっかけようとしている詐欺師とかヤクザなんかは、まさにこんな感じじゃないでしょうか。そういう意味ではいい社会勉強になりました。

さて、前にも書きましたがハリウッド映画ばかり観ていると、アメリカ~ンの人の考えはよくわかるのに、中華系の人々の考え方に「???」となることがよくあります。
この映画で言うと子供を食い殺したり、人間を中華料理にしたり、ヒロインを容赦なく惨殺するようなキャラクターは、ハリウッドだったらギタギタのズタズタにされて、思い切り苦しんだあとに無残な死に方をするのが定番であります。しかしそんな極悪妖怪たちを玄奘はあっさり許し、ニコニコ微笑みながらお供として旅に連れていきます。原作どおりの流れとはいえ「なんでーーーー!?」と思わずにはいられません。でもまあ、この海より深い慈悲の心が仏様の教えってやつですよね。あとシンチーさんは「面倒くさいから片っ端に死刑にしちゃえ」というどこかの国に、こうやってやんわりとアンチテーゼをとなえているのかもしれません。なんて書くとシンチーさんに迷惑がかかっちゃうかしら。

もひとつ書いておきたいのは「沙悟浄」について。日本では「川の妖怪」ということで河童として描かれている沙悟浄ですが、中国には河童はいません。というわけで本来の沙悟浄の姿?が見られるということでなかなか貴重な作品であります。

Photo_2原題では「降魔編」とついているシンチー版『西遊記』、当然続きがあるのでしょうなあ… 原作の膨大な量を考えると最低でもあと二作は必要でしょうか。いずれにしろ、次はシンチーさんらしいさらなるぶっとびを期待しています。
『西遊記 はじまりのはじまり』は現在全国の映画館で上映中。年末の話題作が続くことを考えるとあと1,2週くらい?


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December 10, 2014

悪いガキほど強くなる アゴタ・クリストフ ヤーノシュ・サース 『悪童日記』(映画版)

Img00927_2少し前にも書きましたが、わたし映画にはまる前はミステリー類を浴びるように読んでいた時期がありまして(かれこれ20年前…)、その中に今なお高い人気を誇る『悪童日記』三部作もありました。作者に興味が沸いてサイン会に行ったり、ブログをはじめてすぐのころにたどたどしい感想を書いたり、まあいろいろと思い入れの深い作品です。
その『悪童日記』がいつの間にか映画化され、日本でも公開されるという。幸い近くの映画館でもかかったので、俺が観ないで誰が観る!くらいの気持ちで行って参りました。映画版『悪童日記』、ご紹介します。

第二次大戦下のハンガリー。双子の幼い兄弟は、戦火から避難するために母の実家の辺鄙な村へと連れてこられる。親から離れて、冷たく厳しい祖母のもとで暮らす生活は兄弟たちにある決意をさせた。辛さや苦しみにあっても動揺しないよう、お互いを厳しく鍛えるのだと… ナチスの影が見え隠れするその村で、双子たちはたくましく生き、モラルから外れた様々なひとたちと交流していく。

今回はまずハードボイルドとはなんぞや、という点とともにこの映画を考えてみたいと思います。ハードボイルドとは暗黒街に生きる男たちが、やたらとかっこつけながら壮絶なガンファイトを繰り広げる…みたいなイメージを持つ人も多いかと思われます。仁義なき世界で生きる非情な男たち。そういう意味で一般に浸透している以上、それが正しいと言えなくもありません。
しかし本来ハードボイルドとはそういうものではなく、ある種の「文体」を指す言葉なのですね。心理描写や主観を一切排し、人が目に見えるものだけを、簡潔な文章でつづっていくという。映画も基本的には目に見えるものしか映し出しませんので、「映画的手法」なんて言われたりもします。
で、まさに『悪童日記』原作はそんなハードボイルドな作品でありました。双子たちが何を思い、何を感じているのか、わたしたちは地の文とセリフから推察することしかできません。そのあたりがなんとも面白く、不気味でもありました。またシビアな環境にあってもタフであろうとする兄弟の姿が、別の意味でもハードボイルドであったりして。
映画もこの点で原作の雰囲気を十分に再現しておりました。親のいないさびしさや祖母の暴言にもじっと耐える兄弟。さすがに小説よりは表情やセリフなどから普通の子供に近く見えましたが、突然なにをやりだすかわからない恐ろしさは原作に確かにあったものでした。
ただ小説の方の感想でも書きましたが、この双子たち、わたしたちのまわりの子供たちとそんなに大幅に隔たりがあるわけではないと思うのです。子供というのは純真な部分もあるし、残忍な一面も確かにある。誰かしら監督・保護者がいれば残酷な面はある程度抑えられますが、ずっとほったらかしにされたらいくとこまでいってしまうこともある…そういうことではないでしょうか。まして子供に優しくない環境にあっては。

というわけで先に原作を読んでいたので全部知っている話ではありましたが、自分の持ってるイメージとのズレが面白かったです。たとえばわたしの脳内では舞台となる村は年中薄暗く、双子の祖母はもっと小柄で魔女のようにやせているイメージでした。双子はもっと幼くてふわんふわんの金髪でしたね。
また原作は文体がそっけないせいかショッキングなエピソードでもすいすいと読めるのですが、映像で見せられるとやはり胃にズシリと響くシーンが幾つかありました。その辺は映像の持つ強みであります。
あと最後の双子の決断の場面、原作では抜き打ちのように衝撃的な一言が来たのでたまげましたが、さすがに映画ではあそこまで潔くスパッとはできませんでしたね… よくがんばっていたとは思いますが。

映画で観てあらためてしみじみと感動したのは、双子と祖母との関係がほんの少しだけ変わっていくあたり。魔女と呼ばれるこの祖母は自分の孫を「メス犬の子供」と呼ぶそりゃあひどいババアであります。それでも共に暮らしていくうちに、双子との間にそれなりに家族としての絆が芽生えていたように思えます。本当にあるかなしかの、わずかな絆ですけどね。そんなつつましく素直でない人情が、この作品によく似合っていました。

Adnk2原作ではこのあとにもう2作続編が書かれています。しかしこの続編が本当に一筋縄ではいかない内容でして。個人的には映画化はこの1作目だけでいいんじゃないかな~と。ご興味おありの方は早川文庫より出ている『ふたりの証拠』『第三の嘘』もぜひ手にとってみてください。
映画版の方はもう終わったところもありますが、これからかかるところもけっこうあり。詳しくは公式サイトをごらんください。

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December 08, 2014

2XXX年地球への帰還 クリストファー・ノーラン 『インターステラー』

Inter1『ダークナイト』でセンセーションを巻き起こして以降、新作を作るたびに注目を集め、そして議論を呼ぶ異能の監督クリストファー・ノーラン。そのノーラン監督が今回挑んだのは、人類最後のフロンティアである太陽系外への冒険を描いた『2014年版宇宙の旅』。『インターステラー』、ご紹介いたします。

環境の激変により、食料の生産が困難となりつつある近未来。細々と存続していたNASAは、太陽系の外に人類が移住可能な惑星を発見するべく先遣隊を結成する。かつて名パイロットだったクーパーはそのメンバーに選ばれるが、幼い娘を置いておくことにためらいを感じる。だが自分の冒険が娘を救うことになると信じ、愛する家族に別れを告げ、宇宙の彼方へと旅立った。広大な宇宙の中には、高重力の影響で周囲よりも著しく時間が早く進む場所もある。果たしてクーパーは無事新天地を見つけ出し、「必ず帰る」という娘との約束を果たすことができるのか。

というわけで最新のCG技術で表現された宇宙の光景や、きめ細かいメカ描写にまず目を奪われますが、中心となっているのは父と娘の信頼関係であります。父は山ほどの困難を乗り越えて娘の信頼にこたえようとしますが、娘の方はさびしさも手伝ってなかなか父親を信じられずにいます。

以下はもう完全にネタバレの上、宗教くさい話なんでご了承ください。

typhoon

typhoon

typhoon

typhoon

娘のマーフは数度にわたって「お父さんはわたしを見捨てたんでしょ?」と嘆きます。このお父さんと娘との関係にノーランというか欧米の人の「神様感」が現れているような気がしました。
いまや時代は21世紀ですが、疫病、不況、災害、自然破壊などで相変わらず明るい未来は見えにくい状態にあります。そうした時代にあって西洋でも「神はわたしたちを見捨てたのでは?」と思う人は少なくありません。しかし疑問を感じながらも信仰を捨てられない人たちもいます。この映画でマーフが父への思いを捨てきれないように、神は本当は子供たち=人類を愛していると心の底では信じています。
ただなぜか神様にはできることに限界があるようで、目の前に現れてたちどころに問題を解決してはくれません。非常にまどろっこしい、まわりくどい仕方で我々にメッセージを送るのみです。それでも一生懸命がんばればきっと神様は救ってくれる。あるいはややこしいメッセージを解読できる… 日本人や無神論者からしたら「神様なんているわけねーだろ」で終わりかもしれませんが、ノーランを初めとする向こうの多くの人たちはそんな風に考えているんじゃないでしょうかね。

神様関連の話はこれくらいにして。
この映画は「『2001年宇宙の旅』を思い出させる」という意見をよく目にします。わたしは『2001年』は一度観たきりでだいぶ記憶も薄れているのですが(^_^;、ストレートにではなく、若干ひねくった形でオマージュを捧げてるとは感じました。
たとえばこの映画にはTARSとCASEという板状のロボットが出てきます。よくあんなもん思いつくな、と思いましたが、あれは『2001年』の冒頭に出てくる「モノリス」が元ネタなのかもしれません。なにかしら情報や意思らしきものを秘めている「板」ということで。人類を進化させたモノリスがこちらでは人類に作られたもの、というアレンジが面白いですよね。
そして『2001年』では宇宙船のコンピューターが精神的に?追い詰められて暴走を始めますが、『インターステラー』では機械はあくまで理性を保ち、その代わりに一番理性的だったはずの人物が狂気に陥ります。その辺が皮肉が利いてるなーと思いました。

ただわたしが思いおこしたのは『2001年』よりも、自分が昔から最近にいたるまで親しんで来た日本のコミック、アニメの数々です。
荒廃した環境から人類を救うべく、謎のメッセージを信じてはるか宇宙の彼方に旅立つ…というあたりは『宇宙戦艦ヤマト』を。
未知の惑星における想像を絶する自然現象は『2001夜物語』のあるエピソードを。
すさまじい高重力の下では時間は限りなく遅くなる…という描写にはコミック版の『宇宙の騎士 テッカマンブレード』を。
宇宙と地球とでの時間差が悲劇を生んでいく様子は『トップをねらえ!』や『ほしのこえ』を。
そして長い旅の果てにようやく再会できた二人の姿は劇場版の『機動戦士ガンダム00』を彷彿とさせました。

そんな風に既存の作品と似通った部分がある一方で、「生まれて初めて観た」というくらい斬新な映像も数多くありました。特に終盤における「5次元」の世界が平面のスクリーンで表現されているのは「圧巻」の一言です。
この映画、すごくご都合主義的なところもないではないのですが、ノーランの未知の映像を作り出す才能と力強いストーリーテーリングにそのまま引きずられた感じがしました。

そして先にもあげたTARS君とCASE君ね… どシンプルなボディに内蔵された豊かなギミックとユーモアセンスにロボ好きとしては見事にやられてしまいました。『板ステラー』じゃなくて『インターステラー』はこの二体の板ロボットが見られるだけでも十分に価値のある映画です。

Imgb06bc3c8381z17年末の目玉映画とも言える『インターステラー』は現在全国で上映中。しかし今年はまだまだ『ベイマックス』や『ホビット完結編』などもひかえています!


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December 07, 2014

馬+鹿≒人 ベネディクト・エルリングソン 『馬々と人間たち』

Khydgl52014年午年もいよいよあとわずか。お馬さんをテーマにした、ヘンテコな珍しい国の映画がやってるという話を聞いて渋谷はイメージフォーラムまで行ってきました。『馬々と人間たち』、ご紹介します。

極北の地、アイスランド。そこでは多くの馬たちと、馬を生活の糧としている人々が日々の営みを続けていた。時に愚かしく、時におおらかに…

…あ、あらすじ終わっちゃった。そんな風に大きな起承転結があるわけでもない、やや淡々とした映画(時折ショッキングなシーンもありますが)。主人子らしき主人公もおらず、あるエピソードで中心だった人物が、別のエピソードではチョイ役で出てたりします。構成だけなら『シン・シティ』とちょっと似てるかもしれません。

映し出されるアイスランドの雄大な風景には心いやされますが、馬々と人間たちはひょんなことから生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされたりするので、観ている側もなかなか油断できません。

たとえば冒頭では一人の男がかわいがっていた牝馬を、どこぞの牡馬に犯された途端射殺してしまったりします。名馬というのは血統の違いで値段にだいぶ差が着くそうなのでそういう事情もあるのかもしれませんが、それにしても殺すことはねーだろと。
わたしはもしかしたらこの男は牝馬を自分の妻のように愛していて、目の前で不貞を働かれたことに逆上してしまったのかなあ…とぼんやり考えてました。
こんなわかりづらいエピソードがあるかと思えば、普通にわかりやすいエピソードもあったり。まるで慣れてくれそうで慣れてくれない、扱いづらいお馬さんのような映画でした。
ただお馬さんというのは見ているだけでもけっこう気持ちいいというか、心安らぐものがあります。それだけに殺されたり傷ついたりする姿には心痛みました。そして定番の「この映画において動物は一切傷つけられていません」のテロップがあって本当にほっとしました。
ともあれ作品はお馬さんを通して、人間のそういった身勝手さや思慮の浅さなども描き出しております。

あともうひとつ印象的だったのは、何度かにわたって馬の一部をどどーんとクローズアップしたカットがあったこと。これもなにかそれなりに意味が込められてるのかな…と考えてみましたがよくわかりませんでした。感性の鋭い方、その辺に関するご意見をお待ちしてます。

Map_iceland『馬々と人間たち』はいまだにイメージフォーラムと福岡KBCシネマでしか上映館が決まってないようで… しかもイメージフォーラムの方は今週金曜で終了だそうです。けっこう人を選ぶ映画では…と思いましたが、同行してくれた友人はどこぞのおばさまと「面白かったですね!」と盛り上がっていました。不思議なことであります。


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December 04, 2014

スミソニアンまでは何マイル ジャン=ピエール・ジュネ 『天才スピヴェット』(3D)

Tspv1時にキュート、時にグロテスクな映像センスで人気のあるフランスの鬼才ジャン=ピエール・ジュネ。そのジュネさんの最新作は天才少年の悩みと冒険を描いた3D映画。『天才スピヴェット』紹介いたします。

モンタナに住むIQの馬鹿高い少年スピヴェットは、風変わりな家族に囲まれてそれなりに元気に暮らしていたが、心の中ではいつも不慮の事故で死んだ弟のことを気に病んでいた。
そんなスピヴェットの元に、ある日スミソニアンから彼の研究が権威ある賞を受賞したという報が届く。思うところがあったスピヴェットは家族に内緒で、大陸を丸々横断してスミソニアンで開かれる授賞式を目指す。

アート系の作家って3D嫌いなんじゃないかな~と思ってましたが、中には「やってみたい」と思われる人もいるようですね。ヘルツォーク、ヴェンダース、ル・コント… 最近はゴダールまで3Dに挑戦したとか。
さて、この『天才スピヴェット』もいわゆる「アート系の」3D映画。派手なアクションや奇怪なモンスターは出てきませんが、それでも変わった立体効果が楽しめます。『アバター』以降画面をひっこめる「奥行きのある」3D映画が流行りましたが、この映画はむしろその逆。画面から飛び出して、いろんなものがプカプカ宙を漂っています。スピヴェット君の思考やアイデアをそんな風に糸の切れた風船のように表現してるのですね。こういうの漫画では時折見かけますけど、3D映画でやらかしたのは本作が初めてかもしれません。

スピヴェット君は「永久機関」なるものを研究しております。読んで字のごとく、一度起動したら永遠に動き続ける機械のことですね。「そんなん出きるわけねーだろ」と思いますが、古来より様々な科学者がこれにチャレンジしてきました。で、スピヴェット君がさくっとそれに近いものを発明してしまうわけです。名づけて「磁気車輪」だったかな? このいつまでも回ってる車輪がスピヴェットを象徴してるような気がしました。この映画では何度か「生まれ変わり」という言葉が出てきます。西洋人の映画で輪廻転生があつかわれるのって珍しいですけどね。ともかく命は死んだら終わりではなく、また何かに生まれ変わってほしい…という主人公の願望がこの発明に表れてるのではないかと。
あと車輪というのは基本的に前に進んでいくものです。堂々巡りをしているようでも、本当はそれなりに前に進んでいる。そんな車輪のようにスピヴェット君もゆっくりと成長していき、やがて家族にも影響を及ぼしていきます。

個人的に特に好きだったのは中盤のスピヴェット君の冒険旅行のくだり。小さな彼がバカでかいかばんをかついでどうやって広大なアメリカ大陸を渡っていくのか。ピンチにつぐピンチを機転で乗り切っていく彼の姿がまことに痛快でした。また通り過ぎてゆく北米の叙情溢れる風景にはしんみりと心癒されました。死んでしまった弟の霊が「ホーボーのつもりか?」とスピヴェット君に言いますが、このホーボー感がたまりませんよね。それに比べると大旅行の前後のくだりは特に感動するところはなかったかな。劇中でスピヴェットが前から食べたかったホットドックの屋台に向かうシーンがありましたが、この映画はまさにホットドッグのような映画でした。真ん中のウインナーが特に大事、みたいなね。しかしホットドッグがパンがなくては成立しないように、この映画もまた前後のエピソードがあって真ん中のパートが輝きを増してくるのです。

Tspv2まあそんな小難しいことを考えずとも、遊び心豊かな映像表現だけでも十分に楽しめる『天才スピヴェット』。現在全国で中規模くらいで公開中です。
この少しあと、やはり双子の子供たちがからむ『悪童日記』の映画版を観ました。でもこれが『スピヴェット』とは全~然ムードが違う話でしてw 近々こちらもご紹介します。


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December 01, 2014

死んだはずだよ大泉さん 加納朋子 深川栄洋 『トワイライト ささらさや』

51oafioxdl←これはあんまり関係ありません。
わたくし映画にはまる前に、どっぷりとミステリーにはまっていた時期がありました。その浴びるように読んでいた中に、東京創元社で賞を取られた加納朋子先生の『ななつのこ』もありました。北村薫の影響を感じつつも、章の合間に童話を挿入していくという独自の構成に感銘を受けたわたしは、2作目の『魔法飛行』にも手を伸ばしたのでした。
それから約20年(…)、奇妙なご縁で再び加納作品に興味を抱き、この度映画化された作品を原作ともども鑑賞いたしました。『(トワイライト )ささらさや』、ご紹介します。

ずっと家族というものと縁が薄かったうら若き女性「さや」は、優しい夫とめぐりあい、かわいい赤ん坊を授かり、ようやく幸せな家庭を手に入れる。だがその喜びもつかの間、夫は不慮の事故であっけなくこの世を去ってしまう。葬儀の席で呆然としていたさやは、経をあげにきた僧侶に助けられる。そしてその僧は驚くべきことを告白する。実は自分は一時の間この僧の体を借りた彼女の夫の霊なのだと…
その後赤ん坊を奪おうとする夫の遺族から逃げてきた「佐々良市」でも、さやが困ったことがあるたびに、夫は誰かの体を借りて彼女の前に現われるのだった…

というわけで『ゴースト ニューヨークの幻』を少し思わせるストーリーですが、そちらと違うのは霊であるだんなさんがその度に違う人の姿で現われるということですね。若い男の時もあれば、おばあちゃんの時もあり、幼い子供の時さえある。そして加納先生はミステリー作家でもあられるので、各章にひとつずつちょっとした「謎」が提示されます。もっともミステリー的な謎といっても殺人事件には発展したりせず、ごく日常のちょっとした不思議…という程度のものです。
あと考えようによってはとてもかわいそうな話なのに、死んじゃっただんなさんの語り口があまりにもひょうひょうとしているせいか、作品全体に心地よいユーモア感が漂っています。『ささらさや』という柔らかなタイトルが示すように、喜びも悲しみもさわやかに熱くならずに語られていくお話なのですね。物語のクライマックスでさえ、「え、これで終わりなの?」と思うくらいあっさりと通り過ぎていきます。

で、映画の方。まず大きな改変はイケメンサラリーマンだった旦那さんが売れない落語家の大泉洋になっちゃってます。それはどうよ… とは思いましたが、確かにいまをときめく大泉氏だけに幽霊なのにすごい存在感はありましたw
加えて原作ではあくまでさやと夫の交流がお話のメインとなってますが、映画の後半では死んだ夫とその父親との関係にだいぶスポットがあてられます。これもテーマが二つに分かれてしまった感はありましたが、石橋凌の熱演のせいか素直に感動してしまいました。おそらく監督の深川氏は男性だけに「自分が息子を亡くした父親だったら」ということに興味がむいてしまったのでしょうね。「しゃべりすぎ」とよく言われる日本映画。この作品もちょっとセリフがくどいところもありましたが、父子のすれちがいのくだりをずっとセリフなしで描写していたのはよくがんばっていたと思います。

あともうひとつ原作と映画との違いで印象に残ったのは、最後のある一言。その一言は原作では「やがて言うだろう」と予告されて終わり、そこでとどめておくのが小説のタッチによくあってます。しかし映画でははっきりとその一言が話されるのですね… そこで「ずりーよ」と思いつつもぶわっと涙腺が崩壊してしまいました。

子役のかわいらしさや達者さにも感銘を受けました。赤ちゃんのユウタロウ君が愛らしいのはもちろんのこと、さやの親友の息子大也君役のお子さんはまだ小さいのに長いセリフをよどみなくしゃべり続け、その記憶力や堂々たる態度に脱帽いたしました。将来が楽しみです。
Img00032ちなみに舞台である「佐々良市」は架空の町だそうです… 検索してもそりゃみつからないわけだ。
『トワイライト ささらさや』は現在全国の映画館で上映中。公開初週は見事第1位に輝くという快挙をなしとげました。
小説ではNHKでドラマ化された続編『てるてるあした』や、さらに続きとなる『はるひのの、はる』といった作品もあるので、近いうち手を伸ばしてみたいと思っています。

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