維新は遠くなりにけり 和月伸宏・大友啓史 『るろうに剣心 伝説の最期編』
試験もようやく終わりました。実に二週間ぶりの更新です。アクセスもけっこう下がりました(笑) 再開第一回目は本年度有数となったヒット作の後編を。『るろうに剣心 伝説の最期編』参ります。前編『京都大火編』のレビューはコチラ。
時代を再び動乱の渦に叩き込むべく、鋼鉄艦を駆って江戸に向かう志々雄一派。一方荒海に落ちたもののなんとか浜に流れ着いた剣心は、師匠であった比古清十郎に助けられる。最愛の人を救えず意気消沈する剣心だったが、志々雄の野望を食い止めるために、緋天神剣流の奥技を会得すべく必死の特訓に挑む。
今回はネタバレ気味で悪かった点とよかった点を淡々とあげていきます。なにかで「そういうレビューが一番ダメ」と聞いたことがありますが、微妙な映画の感想を書くときってそうなりがちですね。
まずダメだったところ。まず浜で倒れてた剣心をたまたま見つけたのが何年も会ってなかった師匠だった…というのがすごい偶然。こういうの天文学的な確率ではないでしょうか。運命の奇跡ってやつでしょうか。
ついでせっかく奇襲で有利な立場になったのに、つまんないこと思いついてダラダラしてるうちに新政府の罠にはまってしまう志々雄さんが間抜けすぎです。せめて周囲に密偵なり見張りなりつけておこうよ… あんなにおっかなくて強そうだった志々雄さんのイメージがこの一点からガラガラと崩れ落ちていきます。
あと「時間がない」と言っていたくせに神木君を倒したあとに長々としゃべりだす剣心。時間がないんじゃないのか…!? いいとこなんで、ついかっこつけて説教したくなる気持ちはよくわかりますが。
では気を取り直してよかったところというか、好きなところとかかばってあげたいところとか。
一部では「テンポが悪い」という評価も聞きますが、剣心の修行と並行しながら少年時代が語られていくところは好きです。前編でもそうだったけど、自分子供がらみのエピソードに弱いです。「それでも酒を楽しめないのは…」のセリフが最後の方で生きてくるのもにくい。
そしてやっぱりアクションですね~ 佐藤君、神木君、藤原君、そしてスタントの皆さんが極限まで体力の限界とスピードに挑んでいるのがまことにすごい。そして志々雄氏が剣をふるうと「バシュッ」と炎が飛び出てくる絵がまたかっこいい。こういう表現、アニメはともかく、実写でやったのは初めてじゃないかな? まるで剣術というか忍術ですがアリです。
ほんで剣心と志々雄、時代に弄ばれて捨てられた二人の男がなおもボロボロになって切り結んでいるのを見てたらなんか泣けてきましてね… この辺は佐藤&藤原の熱演に涙をひっぱり出された感もあります。
あと最後に(この映画では)さんざん人の命をゴミのように扱ってきた伊藤博文が、いいとこもっていってまるで反省してないのに憤りを感じる、という意見をよく目にします。ただ前編の大久保利通と同じように、結局は彼もろくな死に方してないのでねえ… そう考えると「歴史の真の勝者」とは一体誰だったのだろう?と思わずにはいられないのでした。
というわけでアクションと映像はかなりいいとこまで来ました。あとは脚本です、脚本!(『キカイダー』の時も同じこと書いたな)。邦画クリエイターのみなさん、がんばってください。
『るろうに剣心 伝説の最期編』はまだたぶん全国の映画館で普通に上映中です。
Comments
伍一くん☆
試験終わったのですか?ご苦労様でした!
うちの息子はあと1点あと2点あと1点と落ちてきた英検準1級にまたあと2点で落ちてしまいました。
何でしょうねぇ。次の大学受験に暗雲が垂れ込めちゃいました。
伍一くんは頑張っていたからきっと大丈夫ね!!
るろ剣はあまり盛り上がってないみたいね?
私はダメダメなところも含め結構気に入ってます♪
Posted by: ノルウェーまだ~む | November 01, 2014 12:24 PM
>ノルウェーまだ~むさん
こんばんは~ なんとか終了しました。正式な合否発表は一ヶ月先です。
息子さん惜しかったですね… たった2点なのに… どうか受験うまくいきますように
るろ剣は今年永遠の0とドラえもんの次くらいにヒットしたのでは。わたしはやっぱり一作目が一番好きでした~
Posted by: SGA屋伍一 | November 02, 2014 08:43 PM