バイオリン・ハザード バーナード・ローズ 『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』
一時芸術家関連の映画が好きで、そういうのをよくチェックしてたころがありました。『レンブラントの夜警』『宮廷画家ゴヤは見た』『カラバッジョ 天才画家の光と影』などなど。そういえばここんとこ観てないな…と思ったところへこんな映画がジョイランド沼津で上映。久しぶりに… ということで観てきました。『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』、ご紹介します。
19世紀イタリア。才能あるバイオリニスト・パガニーニは、その腕を正当に評価されず、自堕落な日々を送っていた。そんな彼のもとへウルバーニと名乗る男が訪ねて来る。パガニーニの才能にほれ込んだウルバーニは、彼の演奏のすばらしさを世に知らしめるべく、自分に世話をさせてくれと頼み込む。金につられて承諾したパガニーニだったが、ウルバーニのマネジメント能力のゆえか彼の名声は急激に高まっていく。そしてついに海を越えたロンドンからも招待の声が届く…
パガニーニの名を初めて知ったのは『仮面ライダーキバ』の前説で(^ _^; そのあまりに恐るべき超絶技巧から、当時のひとたちは「悪魔と契約してその技術を手に入れたのでは」と噂してたそうです。彼が生きた時代はちょうど産業革命直前。まだまだ迷信深い人が多かったということでしょうか。そしてまだ蓄音機やレコードも普及してなかったので、現代のわたしたちはその演奏を想像することしかできません。イングヴェイ・マルムスティーンばりの音速のような早弾きだったのか… いずれにせよ「悪魔と取引」なんて噂が流れるくらいですから、相当すごいものだったということは間違いないでしょう。
さて、あらすじにも書きましたが、冒頭でいかにもあやしげなウルバーニという男が出てきます。検索してもこの映画関連の記事しか出てこないので、おそらく架空の人物かと思われます。で、このウルバーニさん、言うこともやることも風貌も悪魔っぽいんですよね。もしかしてパガニーニの悪魔伝説を直球でやるのか!?とドキドキしました。実際どう扱ってたのかはご自分で観てたしかめてくださいw
この映画の一番の見せ所は、やはりパガニーニが見せる変幻自在のバイオリン演奏。音楽に疎いわたしでも、観ていて(聴いていて)「すげー」と単純に楽しめるシーンでした。ま、そこにいたるまでが若干長いんですけどね(^_^; パガさんも芸術家にありがちなムラッ気のあるタイプで、きっかけがあるまでなかなかやる気を出そうとしないのです。ロンドンに彼を招致した興行師さんに感情移入すると、胃が痛くなること請け合いです。
で、この見事な演奏はスタントでもCGでもなく、主演のデイビッド・ギャレットさん自らが奏でておられます。全然知らなかったんですけど、このデビッドさんモノホンの凄腕バイオリニストで、モデルもやってるというイケメン。「天は二物を与えず」という… あのことわざは嘘だったのか!? ただ、これは映画なんで最も肝心なのは演技力です。その演技の方はどうだったかというと… まあ普通にこなされておられました。
実を言うとわたし周りに外人さんがいないせいか、外国の俳優さんの演技が自然か下手かとか、いまだによくわからないんです。その程度の映画ファンなんです。すいません。
『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』はまだちょぼちょぼと公開するところがあるようです。詳しくは公式サイトをご覧ください。
昔も今もイケメンミュージシャンはもてるんだなあ… ということもよくわかる映画でした。わたしも今から楽器の一つも習おうかしら。
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