« 49日後… 大林宣彦 『野のなななのか』 | Main | あらしの中で輝いて スティーヴン・クォーレ 『イントゥ・ザ・ストーム』 »

September 17, 2014

京都は燃えているか 和月伸宏・大友啓史 『るろうに剣心 京都大火編』

Rkkt1大ヒットコミックを映画化し、これまた大ヒットを飛ばした『るろうに剣心』。その続編が「京都大火編」「伝説の最期編」の二部構成で現在公開中でございます。とりあえず本日は「京都大火編」の方をご紹介いたします。ついでながら第一作のレビューはコチラ

時は明治11年。西南戦争も終結し時代は平和に向かっているかに思われたが、それを脅かす「志々雄真実」という男がいた。志々雄は日本各地で私兵集団を増やし、維新の動乱の状態を復活させようともくろんでいた。かつて新政府で最強の剣士とうたわれた志々雄を倒せるのは、彼と並び称された緋村抜刀斎しかいない。政府のトップである大久保利通は、その協力をあおぐべく神谷道場で穏やかに暮らす抜刀斎=剣心の元に使いを送るが…

TVでは衰亡著しく、映画でもそんなに売れてないように見える時代劇。そんな中にあって例外的に大盛り上がりを見せているのがこの『るろうに剣心』シリーズです。ヒットの要因は有名原作・人気俳優に負うところが大きいと思いますが、もうひとつ、旧来の時代劇とはまた違ったスピーディなアクションを確立させたところも重要だと思います。それを実現させたのは香港仕込の谷垣健治氏の演出、そして主演・佐藤健君の驚異的な身体能力です。健君だけでなく、老いてなおこれだけ動けるのか…という田中泯氏や朝ドラとは打って変わって豪快なジャンプを見せる土屋太凰ちゃんにも目を見張りました。
ただ前作にもあったように脚本的には「あれ、それおかしいやろ~」というところがちらほら(^_^; わたくし原作は読んでないので原作がそういう話なのか、映画化の際そうなってしまったのかはわかりません。いちいち挙げるのは野暮なんでやめときますが、二点だけあげさせてもらいます(ねちっこいなあ)。まず大集団同士の対決になっちゃってるのに、剣心一人が動けば事態は丸く収まる…みたいな考え方が???であります。そしてその一番の難敵であるはずの剣心を倒す絶好のチャンスを、志々雄がのんびり見逃してしまったりする。…まあなんとか目をつぶれるくらいのアラではありますけど。
逆に今回ドラマ部分で特にぐっときたのは、剣心と志々雄村から逃げ出してきた少年のやりとり。こういうのわたし弱いんです。

個人的なお楽しみポイントは山田風太郎作品とのリンク。根拠はありませんが、和月先生は確実に山風の愛読者だと思います。主人公が薄幸の美青年というところに始まり、舞台は山風が後期愛した明治時代。そして『警視庁草紙』で活躍した大久保、川路、斉藤といった面々が顔を見せています。前回も書きましたが維新における負け組たちが戦わせられるところも山風っぽいです。あと今回奇妙な風体をした「十人衆」みたいのが出てくるんですが、この辺は「明治もの」というより「忍法帖」っぽいのりですね。そういえば元忍者たちも大活躍してましたし。
以前大河ドラマ『龍馬伝』を観てた人はそのキャストのかぶりっぷりも楽しめるかも。同じ一座がやってるのでは…という錯覚を起こすくらいかぶっております。佐藤健、青木崇高、蒼井優、伊勢谷友介、田中泯、F山M治…こんなとこか。あと平成ライダー出身の人たちが目立ってるのもファンには嬉しいことであります。

大河といえば志々雄を演じる藤原竜也君は『新選組!』において沖田総司をやってましたね。志々雄は沖田というより凶暴な西郷さん+中村半次郎という感じですが(作者先生によるとモデルは芹沢鴨だそうです)。あともろに沖田をモデルとした「瀬田宗次郎」というキャラも出てきて混乱いたします。

Rkkt2正直言うと第一作ほど乗れなかった…というのが本音ですが、これはまだ前後編の前編。後編にはきっとさらなるビッグウェイブが待っているだろうと期待しております。『るろうに剣心 京都大火編』はまだ全国で大ヒット公開中です。並行して『伝説の最期編』も公開中。2本ぶっつづけで観られるのは今だけ!


|

« 49日後… 大林宣彦 『野のなななのか』 | Main | あらしの中で輝いて スティーヴン・クォーレ 『イントゥ・ザ・ストーム』 »

Comments

伍一くん☆
最後編かと思って読んでいたら、京都編でしたねー
今は2つとも劇場で公開されているので、続けて見られるのはウレシイよね♪
パパンは先日ベトナム出張から帰宅して、飛行機で「るろ剣」見れた♪とホクホクしていましたが、よーく聞いてみるとそれ1作目じゃん・・・と。

Posted by: ノルウェーまだ~む | September 21, 2014 at 06:29 PM

>ノルウェーまだ~むさん

こんばんはです
最期編もおととい見て来たんですけどね。その前にまだ感想を書いてない映画が4本くらいありまして(^_^;
2本とも長尺なので続けて観たら疲れそうですが、飽きることはなさそう
パパンさん、ホクホクしてたということは、一作目楽しめたということですよね。わたしも結局一作目が一番良かったかな…

Posted by: SGA屋伍一 | September 22, 2014 at 11:28 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/70832/60329337

Listed below are links to weblogs that reference 京都は燃えているか 和月伸宏・大友啓史 『るろうに剣心 京都大火編』:

» 『るろうに剣心 京都大火編』 明治時代にパンクロッカー!? [映画のブログ]
 私は反対することに反対だ。ときに反対することはあるけれど、多くにおいて推進する人に賛成する。  何のことかと思われるかもしれないが、要は「○○反対」と叫ぶ人にはあまり共感を覚えないのだ。  何かに反対する人が、代わりに別のものを推進したい情熱を持っているとは限らない。  ○○反対などと云わなくても、別のものを推進し、それが人々に喜ばれて○○を凌駕すれば、おのずと○○はなくなるだろ...... [Read More]

Tracked on September 19, 2014 at 12:25 AM

» 「るろうに剣心 京都大火編」☆隅々まで楽しめる [ノルウェー暮らし・イン・原宿]
あ~~~~~面白かった!!!! 1作目のヒットのお蔭か、潤沢な予算を無駄なく使って、キャスト良し、脚本よし、セットよし、ロケばっちり、小道具からエキストラの質まで申し分ない出来栄え。 ちょっと後編に繋ぐためのまったり感は否めないけれど、9月公開の「伝説の最後編」の公開前に観れて良かった♪... [Read More]

Tracked on September 21, 2014 at 06:24 PM

» 「るろうに剣心 京都大火編」☆隅々まで楽しめる [ノルウェー暮らし・イン・原宿]
あ~~~~~面白かった!!!! 1作目のヒットのお蔭か、潤沢な予算を無駄なく使って、キャスト良し、脚本よし、セットよし、ロケばっちり、小道具からエキストラの質まで申し分ない出来栄え。 ちょっと後編に繋ぐためのまったり感は否めないけれど、9月公開の「伝説の最後編」の公開前に観れて良かった♪... [Read More]

Tracked on September 21, 2014 at 11:06 PM

» るろうに剣心 京都大火編 [いやいやえん]
【概略】 新時代を迎え、緋村剣心は大切な仲間と穏やかな日々を送っていた。そんなある日、剣心は新政府から剣心の後継者として“影の人斬り役”を務めた志々雄真実を討つよう頼まれる。 アクション 正直ストーリーは連載当時にリアル読んでいただけなのではっきりとは覚えてない…コミックスももってたはずなのになー^;でも、こんな話じゃなかったよね、混ぜこぜになってるなー。 蒼紫さまの伊勢谷さんとか宗次郎の神木くんとか、配役は結構いい。志々雄は藤原竜也さんだしね。前キャストは続投しています。薫よ... [Read More]

Tracked on December 18, 2014 at 09:35 AM

« 49日後… 大林宣彦 『野のなななのか』 | Main | あらしの中で輝いて スティーヴン・クォーレ 『イントゥ・ザ・ストーム』 »