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August 04, 2014

装甲騎兵ボトムクルーズ 桜坂洋 ダグ・リーマン 『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

Aynik1「日本のライトノベルを、ハリウッドがトム・クルーズ主演で映画化!?」と聞いたときはびっくりしました。まあライトノベルといっても『涼宮ハルヒ』とかああいったものとは違うようですが… 本日はその『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、ご紹介します。

近未来、人類は「ギタイ」と呼ばれるエイリアンと熾烈な戦闘を繰り広げていた。高性能なパワードスーツの開発で戦局を五分に戻した人類は、決着をつけるべく大規模な侵攻作戦を計画する。軍の広報士官ウイリアムは将軍の機嫌を損ねたことからその最前線に送られ、たちどころに戦死してしまう。だがいまわの際に青いギタイの体液を取り込んだ彼は、自分が作戦参加直前に「生き返って」いることに気づく…

以後、ウィリアムというかトム・クルーズは死ぬたびに一日前に逆戻りし、何度も作戦を成功に導こうとがんばります。その過程で「戦場にいきたくねー! こわいよー!」と駄々コネまくりだった彼は、次第に戦闘プロのイーサン・ハントの顔に変貌していきます。こういうのわたし好きなんですよね…
ただそのイーサン・ハントなみの戦闘力をもってしても異星人から地球を救うのはかなりインポッシブルなミッションのようで、何回も何回も何回も死んで、そのたびに何回も何回も何回もやり直してるのに、なかなか解決の糸口がつかめません。かつてスーパーマリオやゼルダの伝説をプレイしたときの「またここで死んだよ! こんなの絶対クリア不可だよ!」とのたうちまわった記憶が甦る人も多いでしょう。

タイムスリップに話を戻しますと、以前は超科学によって発明されたタイムマシンでグイーンと空間を飛ぶのが定番でしたが、最近では色々変り種なやり方がありまして、こないだの『X-MEN』では「意識だけ超能力で過去に飛ばす」という新趣向を試みていました。『オール・ユー・ニード~』もそれと似たところがありまして、「宇宙人が過去に戻る超能力を持っててそれが伝染する」という方法を取ってました。従来より一層現実的な方法になり… なってないか。どっこいどっこいといったところですね(^_^;

この映画のもうひとつの目だった特色は兵士たちが着るパワードスーツであります。ここ数年でSF映画のパワードスーツも色々出てきましたが、本作品のパワードスーツは『エリジウム』より厚く『エイリアン2』よりシンプル、といった感じでしょうか。宇宙怪獣と戦うのであればガンダムは無理でも、せめてイングラムかスコープドッグくらいは作らないと厳しいと思うんですけど、そんなに遠くない未来ではまだロボを量産するのは難しいってことなんでしょうかねえ。確かにあれくらいのなんちゃってスーツであれば、ちょいと科学が進歩すればザクザク作れそうでその辺はリアルでした。機動性も申し分なさそうだし。ただあまりにも搭乗者がむき出しになってる部分が多く、スーツというよりはフレームといった印象。もう少し怪獣の爪やら牙やらを防ぐために鉄板で覆って欲しいと思いました。

そんななんちゃってフレームで必死に戦っているうちに、彼はただ一人自分の事情を理解してくれる女性士官に恋をします。けれど彼が何度トライしてもこの女性将校は途中で戦死を免れません。この「この人また死んじゃうんだろうなあ。かわいそうだなあ」という思いが高じて恋をしてしまうあたりも『オール・ユー~』の独特なところかと思います。去年の『オブリビオン』がさらにロマンス重視な作りだったのと比べると、『オール・ユー~』はもっと「男の戦い」みたいな要素が前面に出ていた感じでしたが。ダグ・リーマン監督は『ボーン・アイデンティティー』といい『ジャンパー』といい、異常な状況に立たされた主人公が最初ヘナヘナしながらも、ヒロインに勇気付けられてなんとか現状を打破しようとがんばる話が好きみたいですね。

それにしてもトム・クルーズさん、かつては『7月4日に生まれて』とか『レインマン』などで重厚な人間ドラマも多くこなしていたのに、最近ふっきれたようにメカやアクションが目立つ映画にばかり出ています。アラフィフになってますます元気にマシンを操る様子には「よし! 俺も負けてられない!」と思わせられます。Cmp4actors1986to2012この画像なんか見ると、彼の「老けなさっぷり」は異常ですよ。ぜひ荒木飛呂彦先生と共にこのまま不老の記録をのばしていってほしいものです。

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』はトム様主演で日本ゆかりの作品であるにも関わらず、日本での売れ具合は「ぼちぼち…」というところでしょうか。興味のある人は映画館に急いでください。あと1、2週の公開だと思われます。

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Comments

伍一くん☆
荒木先生とともに、2大老けない大賞ですねー
一緒に行った熱烈トムファンのお向かいさんは、「映画どうだった?」の質問に、「トムは老けたねー」と恥ずかしそうに言ってましたが、(そこ?そして何故照れる?)私からしたら、ほとんど変わらないと言ってもいいですね。
やっぱり若さはシェイプアップ、大事よー

Posted by: ノルウェーまだ~む | August 05, 2014 at 12:30 AM

>ノルウェーまだ~むさん

いつもありがとうございまする。
一説によると荒木先生は石仮面をかぶった吸血鬼なのでは…なんて噂もありますが、あの老けなさぶりを見ると否定できません

>ほとんど変わらないと言ってもいいですね

彼は外見だけじゃなく動きや選ぶ作品も若いですよね! すばらしい

>やっぱり若さはシェイプアップ、大事よー

まだ~むさんも見事にスタイルを維持しておられますもんね。わたしもまた走ろうかな… でも今の時期は走るとビール飲みたくなるんです。ごきゅごきゅ

Posted by: SGA屋伍一 | August 06, 2014 at 04:13 PM

SGAさんこんばんわ♪

この作品、死ぬ事を繰り返していく内それが『経験値』となり、攻略が難関なステージやラスボスへの活路を見出していく過程が本当にゲームのようで、イチゲーマーとして自分もかなりツボに嵌りましたね^^それだけでなくギタイの造形やパワードスーツ♪・・予告編とかで魅了されたのって正直パワードスーツのカッコイイ武装だったので、これもまたイイ娯楽要素だったと思います。


>彼の「老けなさっぷり」は異常

おそらく生身アクションを多くこなしているうちに肉体が強化され、波紋呼吸法に似た能力を会得した・・・と自分はにらんでいます(コオォォオ~~ッ!

Posted by: メビウス | August 08, 2014 at 09:11 PM

>メビウスさん

毎度出遅れてすいませーん(^_^; おいでくださってありがとうございます
わたしも30前半くらいまではけっこう楽しんでゲームやってたのですが、この年になってくるとなんかプレイするのに疲れちゃって(^_^; というわけでゲームに疲れた中年の気分でトムクルーズに感情移入しておりました
パワードスーツは欲を言えばもうちょっと感心するようなギミックが欲しかったかな。とはいえ個人で色々カスタムできる設定なのはメカアニメ好きとしては心が躍りました

>コオォォオ~~ッ!

震えるぞ(イーサン・)ハント! 

Posted by: SGA屋伍一 | August 11, 2014 at 10:09 PM

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