ローマ風呂は一日にして成らず ヤマザキ・マリ 武内英樹 『テルマエ・ロマエⅡ』
更新がずいぶん空いてしまいました。理由はけっこう遊ぶのに忙しかったからなんですが… そんな風に遊びにかまけているうちに、これはもう公開終わっちゃってるな… スルーするつもりだったんですけど誘われちゃったので今月初めに観て来ました。『テルマエ・ロマエⅡ』、ご紹介します。一作目の記事はコチラ。
風呂を通じて、古代ローマから現代日本へ転移する能力を持つ男、ルシウス。彼は21世紀の日本の風呂文化を巧みにパク…流用し、ローマで随一の風呂技師として知られていた。折りしもローマは軍備増強が進み、コロッセウムでも残酷な出し物がもてはやされていた。世の中が暴力的な傾向に進んでいくのを憂うルシウス。そんな彼に、剣闘士用の風呂を作れとの命令がくだる。あれこれ悩んでいるうちに、ルシウスはやっぱり現代へタイムスリップしてしまうのだった…
今回は観る前に「これは相当つまらん! ダメだ!」という噂を聞いてまして、戦地に赴く覚悟で鑑賞に臨みました。で、どうだったかというと… あれ? そんなに悪くないよ? ていうか普通に面白いよ?(あくまで「普通」レベルですが) 映画館で怒りのあまり血をはかなくて済んで本当によかったです。
わたしが楽しめた理由の一つは、原作がけっこう好きだから、というのがあります。前作もそうですが、冒頭と終盤以外はただただ原作のエピソードをオムニバス的に羅列しているだけなので、「ああ、こんな話もあった」と無邪気に楽しんでおりました。特にわたしが好きだった山賊が更正する話とウォータースライダーの話も映像化されてましたし。
逆に思い入れのない人は「前作とまったくやってることが一緒じゃないか!」「儲けたからって安易に二匹目のドジョウを狙いやがって!」と腹立たしかったのかもしれません。でもねえ、原作も前半はひたすらこういう定型のパターンを踏んでいく漫画なので。
ただ、前作と決定的に違うところもありました。『Ⅰ』はルシウスの作った風呂で兵士たちが元気になり、周辺国家の戦争に勝ってますますローマは拡大していった…という結末でした。でもそれだと国の右傾化、軍備増強を肯定的に描いたように思えなくもありません。
スタッフも反省したのでしょう。いまの日本もなんとなくそんな方向に傾いていってますし。だから今回はひたすら「平和平和平和! 戦争はよくない! 戦うのではなく愛と平和を!」ということがくどくどと語られています。そう、たとえ国や環境が違っていても、お互い裸一貫になって風呂の中で語り合えば、体も心もほぐれていって仲良くなれると思うんですけどね… 永田町のみなさん、この「お風呂外交」、真剣に考えてみるのはどうでしょう。
あとひとつこの映画の見所をあげるとするなら、それは阿部寛氏のお尻でしょうかね。今回もバックから執拗にスクリーンに映し出されます。まさにお好きな人にはたまらない。ただわたし、男の尻はそんなに好きじゃないのでねえ… おまけに数日後に観た『オール・ユー・ニード・イズ・キル』でも男の尻がバーンと出てくるシーンがあったので、なんだかやり場のない怒りがふつふつと沸いてきたのでした。
というわけで『テルマエ・ロマエⅡ』ですがもうほぼ劇場での公開が終了しました。観そびれた方はDVDをお待ちください。
ただわたしがこちらよりも勧めたいのは、ヤマザキ・マリ先生ととり・みき先生がタッグを組んで発表された新感覚歴史漫画『プリニウス』です。ローマに興味がある人はこちらもぜひ。『ポンペイ』と噴火の様子がまるで違うのが笑えますw
Comments
伍一君☆
先日はお疲れさまでしたー
私あれから咳風邪を引いてしまい、まだ咳と戦っております。とほほ・・・
すっかりこの映画も内容を忘れつつあり・・・
あべちゃんのお尻を愛でる映画であったことは確か。
トムちん映画のむっちりお知りはいただけませんね。
Posted by: ノルウェーまだ~む | August 03, 2014 11:24 AM
>ノルウェーまだ~むさん
先日はまだ~むさんもお疲れ様でした。夏風邪、はやくなおるといいですね
まあ違う意見の人もいるでしょうけど、お尻を眺めるのであれば男より女性の方がいいですね。いま熱海の海岸ではそんなピチピチのお尻のギャルが闊歩していていい感じです(あ、映画の話してない)
Posted by: SGA屋伍一 | August 04, 2014 10:21 PM