君はコスモ星丸をかじったことはあるか 車田正美・さとうけいいち 『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』
せいんとせいやーッ!! しょおーねんーはーみーんな~
80年代後半に週刊少年ジャンプに連載された人気漫画が、フルCGとなってよみがえりました(こないだ似たような企画で『キャプテン・ハーロック』もありましたが…)。
「車田正美熱血画道40周年」記念作品」でもある『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』、ご紹介しましょう。
これは太古より今の時代まで世界を見守り続けていた女神アテナと、彼女に仕える戦士たち、「聖闘士(セイント)」の物語である。城戸財閥の後継者である城戸沙織は、16歳になった日、執事から自分が現代における「アテナ」の化身であることを知らされる。その直後、彼女は謎の超人的な力を持つ「聖闘士」の一団に襲われた。絶体絶命の彼女を救ったのは、襲撃者たちと同じ鎧「聖衣(クロス)」に身を包んだ4人の少年たちだった。彼らは聖闘士たちの本拠地「聖域(サンクチュアリ)」で起きている陰謀からアテナを守るため、城戸財閥の先代に幼いころ引き取られ、聖闘士となるべく育成されたのだった。
『星矢』原作が連載されていたころ、わたしはいわゆるリアル中二でした。ガンダムなどのロボットアニメが衰退し始めた時期で、男子系のメカっぽいアニメに飢えてたところへちょうど『星矢』のTV放映が始まり、あっという間にはまってしまいました。その後話がマンネリ気味になるにつれだんだん興味は薄れていきましたが(笑)、意地で単行本は最後まで買いましたし、なんだかんだ言って思い入れのある作品です。終了した後も続編やスピンオフが大量に作られましたが、そのあたりはわたしはあんまりよくしらなかったりして。で、この度の映画は一から設定とお話を練り直したリメイク版となっております。
今回特に大幅に変わっていたのはヒロイン的な立場に当たるアテナ=沙織さん。原作の沙織さんは生まれついてのお嬢様というか女王様で、基本的にいつも険しい顔をしていて命令口調だったりします。ところが新作の沙織さんは少し気弱げな顔をした等身大の女子高生になってました。主人公である星矢も基本明るい性格は変わってないものの、原作にあったストイックで反骨的なところは影をひそめ、かなりお嬢様にフレンドリーに接していました。
この元気印の星矢に加え、堅物で長髪の紫龍、すかした金髪の氷河、女顔でボクっ子の瞬、一匹狼でちょい悪の一輝ら五人の美少年が「沙織さんはオレが守る!」と張り切るわけです。女子にしてみれば夢のようなシチュエーションでしょう。なんだか流行の恋愛SLGに近いものがありました(^_^;
ただ女子サービスだけでなく、燃えるビジュアルやアクションも随所に用意されています。『星矢』最大の特徴は星座をかたどったアーマー「クロス」でありますが、今回は状況に応じて着用されたまま変形するという新機能がありました。玩具で再現するのは大変むずかしそうですが、バンダイさん、がんばってください。
強敵たちが待ち受ける十二宮の戦闘シーンも力が入ってました。およそ50分の間に10人の対戦相手をさばいていかなければならないんですが、なんとか全員登場し終えた時には思わず拍手したくなりました(出た途端に終了したようなキャラもいましたが…)。ちなみに個人的に特に燃えたのは牡牛座のアルデバランと星矢のバトルシーンです。
あとぶったまげたのはこの世界における「サンクチュアリ」の描写ですね。宙に橋や宮殿が浮いていたりと、まるでファイナルファンタジーそのものみたいな風景が広がっています(笑) すげえ… すごすぎるぜギリシャ!と圧倒されます。これに比べればハリウッドが時々描くヘンテコな日本なんかまだまだかわいいもの。それともこの映画におけるサンクチュアリはギリシャではなくどっかの異次元空間なのかなあ。
そんな『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』ですが客入りはちょっと微妙…といったあたりで来週は既に大体のところで一日一回上映となっております。東映さんは日本よりも南米や欧州での興収をあてこんでいるのかもしれませんが、本国でももうちょっと伸びてほしいところ。君はコスモを感じたことはあるか!?
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