そんなヒロシに泣かされて 臼井儀人 高橋渉 『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』
『ドラえもん』『名探偵コナン』と並ぶ長寿シリーズとなった劇場版『クレヨンしんちゃん』。その「しんちゃん」の新作をかれこれ10年ぶりくらいに映画館に観にいってきたのでご報告します。『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』、ご紹介します。
それはとある休日の出来事だった。一緒に観にいったアニメ映画の影響で、ひろしとしんのすけはロボットの合体フォーメーションを試みる。だがひろしはそれがきっかけでぎっくり腰に。家に戻るもみさえに冷たい目で見られたひろしは、痛めた腰をひきずりながら町内をさまよい歩く。そんな彼の前に、見慣れぬ怪しいメンズエステの店が現れる。勧誘の美女に言われるがまま店内に入っていったひろしは、施術中いつの間にか眠ってしまう。彼が目を覚ましたとき、鏡に映っていたのは完全にロボットと化した己の姿だった…
脚本は才人・中島かずき氏。中島氏も本当にいろいろな顔をもってる方で、まず劇団☆新幹線の座付きであり、巨大ロボットのマニアでもある。アニメ・特撮の脚本も手がけるし、元双葉社の編集で臼井義人氏の担当でもありました。で、今回の『ロボとーちゃん』はそんな中島氏の幾つかの経歴が見事に反映された作品になっておりました。
一方で単なるアニメ・特撮のパロディにとどまらず、「人の自我とはいったいなんなのか?」というテーマにも踏み込んでおります。そもそもロボットというのは本来自我をもって一人でに動くもののことを言います。ガンダムとかマジンガーZなどは厳密にはロボットではなく「乗り物」なんですよね。
ではロボットと人間との違いとはなんなのか? その辺が非常にあいまいになってきます。現時点で最大の違いといえばやはり「生殖能力があるかないか」というあたりなんでしょうが… ちょっと話が横道にそれました。
ある日自分が突然ロボになってしまったら… あなたはそのショックに耐えられるでしょうか? 家族はあなたを受け入れてくれるでしょうか? そういや最近そんな映画を観たばっかりのような… しかしまあそこは『しんちゃん』なんで、ハードSFなら深刻になりそうな話もうっかりちゃっかり楽しく語られていきます。途中まではね… フフフ… 子供向けアニメの映画版とたかをくくっていると、ズズーンとショックを受けることでしょう。
ちなみにわたしが映画館で観たもう一本のクレしん映画というのは、『嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード』。なんでこれかというと、舞台が地元の熱海だったから(笑) こちらは深いテーマとかなんにもないそれはくだらない作品なんですけど、丁寧にロケハンしててギャグもぶっ飛んでて実に痛快だったんですよね。『ロボとーちゃん』や『オトナ帝国』のような感動路線がある一方で、『ヤキニクロード』や『温泉わくわく決戦』のような実にしょうもないタイトルもあるあたりが「しんちゃん」という映画シリーズの奥の深いところだと思います。
話を『ロボとーちゃん』に戻しますと「父性」というテーマも盛り込まれているせいか、子供向けアニメなのにお子さんよりも世のお父さんに向けて作られているきらいはあります(笑) それでも映画館では子供たちも無邪気にケラケラ笑っていたのでまあいいjんじゃないでしょうか。
『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』、は確認してませんがたぶんまだ全国の映画館で上映中。日本の父たちよ、いまこそこの映画を観て力強く立ち上がるのだ! チチ!ユレ! 乳!揺れ!
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Comments
まさとしです。おひさー!
気がついたら色々レビュー増えてるし!
今更ですがHNとブログも変えてしまいました(前に報告したかもしれんが・・・・)
ブログ名は「ペーパー製鉄道模型 精進の日々」です。
前のブログは完全閉鎖したので変更お願いします。
>ひろし
どの作品でも、中の人の役全て「ひろし」呼ばわりしてても違和感無い
ぐらい象徴的な役どころですね。
「ガンダムOO」に出てくる某傭兵もそうだし「ゾイド」の某賞金稼ぎも然り、あとアメリスト軍の焔の錬金術師の親友でナイフ使いな将校や、鴨川ジムの「青木村」の片割れとかwww・・・・。
今時おとーさんですし、核家族の代表例となってる野原家のパパですが、
世代的に親しみを感じています・・・・・
で、この人身長俺より5センチ高いと来た(笑)。
Posted by: m-tram | June 18, 2014 07:02 PM
>m-tramさんというかまさとしさん
こちらも毎度ご無沙汰です(^_^;
最近は大体週に1~2回の更新ですね。貧乏暇なしってやつですw それでも本当に忙しい人たちに比べればまだ余裕があるほうでしょうか
ブログの手入れもいろいろほったらかしで、リンク先変更についてはもうしばらくお待ちください
>ヒロシの人
藤原啓治さんですよねー いまやすっかりアニメ界を代表する声優さんの一人になってしまいました
わたし、なにげに印象深いのは『ぼのぼの』のアライグマくんですねw でもやっぱり一番のはまり役は野原ひろし
ニコニコ大百科の説明に「あまりにも野原ひろしのイメージが巷に蔓延しているため、藤原が声を担当するキャラクターを(或いは、藤原自身を)指して「ひろし」と呼ばれる事が多い」とあるのは吹きましたwww
Posted by: SGA屋伍一 | June 20, 2014 08:51 PM