熱き血のフィフティーン 『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』
気がつけばいわゆる「平成ライダー」ももう15作目。そしてその前に活躍していた仮面ライダーも15人。というわけで東映さんがこんな企画思いついちゃました。仮面ライダーたちの年号をまたいだガチンコバトル『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』(タイトルなげええ)、ご紹介します。
ある日仮面ライダー鎧武・葛葉紘汰は、沢芽市の地下に地上とほぼ変らぬ世界が広がっていることを発見する。そこで彼は不思議な力を持つ少年、シュウと出会う。怪人に追われているシュウを助けようと奮闘する紘汰。その前に伝説の仮面ライダー「1号」が姿を現す。1号は鎧武をライダーとは認めず、シュウを引き渡すよう要求する。同じ頃時空の様々な場所で、「平成ライダー」と「昭和ライダー」の激突が始まりつつあった。
昭和ライダーと平成ライダーの違いは何か? それはぶっちゃけ「作風」だと思うのです。だって昭和グループに入ってる「シン」って平成4年発表の作品だしね…
で、どんな作風かといえば昭和はわかりやすい悪者たちがいて、正義の味方の仮面ライダーがそれをさっそうとやっつけるというもの。これは仮面ライダーが、というより当時のヒーローものがみんなこんな感じでした。そしてこのスタイルは主に平山亨プロデューサーが作り上げたものかと。
対して平成ライダーの方は自分は何と戦うべきか? 自分の戦いは正しいのか? と迷う場面が多く観られます。これは主に本作品のプロデューサーでもある白倉伸一郎氏の影響が強いようです。石ノ森章太郎先生が描かれた漫画の陽の面と陰の面を、それぞれ強調したような形になっています。でもまあ「弱い者を守る」という共通の柱では結ばれているわけです。
今回の映画には二つの目的があったように思えます。ひとつは「ヒーローの姿勢」について考えること。ヒーロー…特に仮面ライダーは万能の存在ではありません。すべてのかわいそうな子供を救えるわけではないし、時には目の前の人間でさえ救えないこともあります。しかしだからといって後悔し続けるのではなく、助けられなかった者たちのことを思いに刻み、なおも全力で戦っていく… それが仮面ライダーというヒーローなのでは、ということが語られていました。
もうひとつは昭和と平成のバトンをきっちり渡しておくこと。未だ仮面ライダー1号の藤岡弘、氏は健在ですが、永遠にアクションが可能かといえばそういうわけにもいきません。昭和世代でもライダーマンを演じた山口豪久氏は既に鬼籍に入られています。そこでまだ元気な昭和世代が残っているうちに、次の世代へとライダーの精神を受け渡す場を作っておきたかったのだと思います。
ただ… 今回はいつにもまして脚本が強引というかぶっとんでまして(^_^;その思いがどれほどの人に伝わったかは正直怪しいところです。東映特撮映画ともつきあいが長いので、ちょっとやそっとのことでは動じませんが、予想を上回る超脚本でしたw
それでもわたしは観てよかったと思ってます。それはこの映画に仮面ライダー555=乾巧が出ていたから。もちろんTVシリーズと同じく半田健人氏が演じています。
『555』という作品は平成ライダー中特に悲劇性の濃い作品で、主人公はやっと夢を見つけたにも関わらず、遠からぬ死を迎えることを予感させて物語を閉じます。
まあこの映画の世界とTVシリーズの『555』の世界とはまたパラレルワールドなようなんですが、それでも「前を向いて生きていこう」と決意する巧の姿に、10年ぶりに慰められたというか、希望を与えられた気がしたのでした。うんうん、いいもん見せてもらいました
まあそんな風に『555』に過剰な思い入れのある人にでもないとすすめづらいのですが、『仮面ライダー大戦』、まだ全国の映画館で上映中です。
東映さんが次に準備している特撮ヒーロー映画は、あの『人造人間キカイダー』を新生させた『キカイダーREBOOT』。予告編を見た限りではいつもよりだいぶ手間隙がかかってる様子でした。これは期待してもいいんですか!?
Comments
おもちゃを売るためのCMではなく、作品を作ってほしい。個人的にはただそれだけなんですけど。
Posted by: ふじき78 | April 22, 2014 09:19 PM
SGAさんこんばんわ♪
春のヒーロー大戦は戦隊も参加してこそのお祭り感があって面白かったのですが、今回はチョイ役・・それこそ巨大ボスを倒すためだけに出て来たように思えてしまって、ソコが非常に寂しかった気がしますね。・・まあ昭和と平成がちょうど15:15になりましたし、これを逃すと次は最悪平成に変わる別の年号まで待たなければいけないでしょうから、それを踏まえれば特別なライダー作品と呼べなくも無いかな~なんて^^;
そうそう、そいえば自分も555の巧の登場&ストーリーガッツリ絡みには歓喜しましたwかなりネガティブにはなってましたけど、猫舌とかは相変わらずで笑ってしまいましたね。
Posted by: メビウス | April 22, 2014 09:53 PM
>ふじき78さん
そうですねー とりあえず鎧武のおもちゃは売れてるようです。入手しづらくて困ってます
Posted by: SGA屋伍一 | April 23, 2014 10:03 AM
>メビウスさん
>これを逃すと次は最悪平成に変わる別の年号まで待たなければいけないでしょうから
なにげにその発言は危険です(^_^;
陛下にはいつまでも元気でいてほしいものですね~
そして変わったとして、新年号の15代目までわたしは観ていることができるでしょうか
戦隊はチョイ役でしたけど、トッキュウジャーと電王のコラボはなかなか楽しゅうございました
たっくんは一応クリーニング屋さんだったのもポイント高かったです。啓太郎はどこ行ったんだ?
Posted by: SGA屋伍一 | April 23, 2014 10:09 AM