ワタシの名前はワジダ ハイファ・アル=マンスール 『少女は自転車に乗って』
サイクリング・サイクリング・ヤッホー・ヤッホー
なんとサウジアラビア初!となる記念すべき映画がわがジョ○ランド沼津でも上映されるというのではりきって行って来ました。『少女は自転車に乗って』、ご紹介します。
サウジアラビアでもっぱら母と二人で住んでいる少女ワジダは、幼馴染のアブダラに自転車の上からからかわれて、猛烈に「自転車が欲しい!」と願うようになる。しかし年端もいかない少女にとって自転車は高額。さらにサウジの社会で女子が自転車に乗ることは好ましくないこととされていた。ワジダは果たして幾多の困難を乗り越えて、自転車を手に入れることができるのか…
女の子が自転車に乗っている姿というと、『はいからさんが通る』やアニメ版の『時をかける少女』などを思い出します。若くはつらつとしたさわやかなイメージですね。しかし土地や時代によってはそうしたことに眉をひそめる風潮もあったようで。『二十四の瞳』や『若草物語 ナンとジョー先生』にそんなエピソードがあったかな?
たしかに女子が自転車に乗ったらパンツが見えてしまうかもしれません。ですがそれならばズボンか長いスカートをはけばよいだけのことです。子供が思うように自転車さえ乗れずに悩んでいるのは、見ていてとてももどかしい。
そう、これ『少女は自転車に乗って』というタイトルですけど、少女が自転車に乗るまでが本当に長いんです…
サウジアラビアといえば「サッカーでよく日本と当たる」「石油がよく出る」ということと、映画『キングダム 見えざる敵』で知ったことくらいしか情報がありませんでしたが、「女性が大変苦労している」ということをこの映画を通じて知りました。このことに関してはわたしがああだこうだ書くよりもこの町山智浩氏の解説聴いていただいた方がよほどいいかと。女性の地位が148ヵ国中145位というのですからこれはまあ、相当なもんですねえ…
わたしは基本的によその国の習慣に別の国の人間がああだこうだいうのはよくないと思ってるんですが、これはそういうレベルをはるかに超えていると思いました。あとのんきに自爆テロが賞賛されているのにもドキッとするものを感じました。
とはいえそこに住み、暮らしている人たちはわたしたちとそれほど大きく変わっているようには見えません。普通の生活があり、家族を大切に思い、怒ったり笑ったりする。ことに子供たちの無邪気さはどこの国でも同じことかと。
欲しいもののために悪戦苦闘するワジダの姿は、息苦しい環境にあってもまことにほほえましく、「がんばれ!」と思わずにはいられません。
一方ムカーッと来るのが始終ワジダをガミガミ怒っている校長先生。まだそれなりに若くてきれいなのに、一体なんでそんなにイラついてばかりなのか。最近『きっと、うまくいく』や『モンスターズ・ユニバーシティ』など校長先生が悪者になる話が幾つかありましたが、この映画の校長が一番むかつきました(笑)
以下ネタバレで…
自転車をいよいよ諦めなければならなくなった時、ワジダはアブダラからさくっと「あげるよ」と言われます。これまでの苦労はなんだったのか… しかし喜ぶと思われたワジダはそれを断り、「それじゃ競争ができない」と言います。彼女は自転車が欲しかったというよりも、アブダラと対等の立場になって、その上で彼を好きになりたかったのかな…と思いました。かの国の女性にとってまだまだ状況は厳しいのでしょうけど、こういう映画を撮る女性も登場してるのですから、事態が改善するといいなあ…と無力な身なりに願うのでありました。
『少女は自転車に乗って』はわがジョイランド沼津ではあさってまで(…)上映中です。他のとこでも大体終わっちゃったようで、あとは群馬、宮城、ギンレイホールなどで公開される予定です。
タイムリーなことにさきほど「ためしてガッテン」で「自転車は心臓病を防ぐのにいい」みたいなことを言ってました。中年ですけど今度どこかへサイクリングにでも行ってこようかしら。チャリ~ンと
Comments
この三つ後の記事が「ロボコップ」じゃないですか。やっぱり自転車に乗れるようになっておかないと、事故があってロボになった時、バイクに乗れなくて困ると思うんですよ。だから、乗れた方がいいです。
Posted by: ふじき78 | April 22, 2014 09:30 PM
>ふじき78さん
ロボ化が実用化されても、サウジだと「女性はロボにすべきではない」なんて決まりができそうです。おかしいですよね
Posted by: SGA屋伍一 | April 23, 2014 10:02 AM