カミナリ様のお帰りだい アラン・テイラー 『マイティ・ソー/ダークワ-ルド』
スパイダーマン、X-MEN、キックアスにキャプテン・アメリカ… 本年度実に7本もの公開予定があるマーベルコミックスのアメコミ映画。その先陣を切るのはでっかいトンカチを振り回すあの怪物くん。『マイティ・ソー/ダークワールド』、ご紹介します。一作目の紹介記事はコチラ。
世界を震撼させたアヴェンジャーズの激闘から大体二年くらい。アスガルドを初めとする「9つの世界」もようやく平穏を取り戻したかに見えたが、かつてソーの祖父に追い払われたダークエルフの長・マレキスは、9つの世界が直列に並ぶ瞬間を狙い、宇宙全てを闇の世界に戻そうと暗躍する。異変に気づいたソーの恋人ジェーン・フォスター博士は、次元の隙間に迷い込んだ折、マレキスの陰謀の鍵である物質「エーテル」をその身に吸収してしまう。彼女を救うために、ソーは三度地球へと降り立ち、念願の再会を果たすのだが…
前作は大御所ケネス・ブラナーがメガホンを取ると聞いてどっしり落ち着いて観られた『マイティ・ソー』ですが、今回は日本未公開作ばっかりのアラン・テイラーというあんまり聞いたことのない監督。こける2作目も多いということでおっかなびっくりで臨んだ『ダークワールド』ですが、これが意外とはじけていてよかったです。特にギャグ面。アヴェンジャーズ系列の映画でこれまで最もギャグに力が入っていたといっても過言ではない。まじめな話劇場内が爆笑に包まれたシーンが5回はありました。
一方でギャグがソーとロキを巡る愛憎劇に水をさすわけでもなく、この点非常にバランスの取れた一本となっていました。
このどっしりとした安定感はマーベル・ディズニーの管理体制に負うところも大きいでしょうが、無駄にぞろぞろとそろえられた名だたる名優たちの存在感も貢献してると思います。
落ち着いたかわいらしさを誇るナタリー・ポートマンとカット・デニングス。威厳たっぷりのアンソニー・ホプキンスとレネ・ルッソ。別にそこまでやらなくても… だがそこがすばらしいステラン・ステルスガルド。出番の少なさが残念(…)な浅野忠信。パシフィック・リムの司令官で世界で最もセクシーな男性上位にも選ばれたイドリス・エルバ、一目見ただけで充分キャラが立っているソーの仲間の面々…
そんなキラ星の中でも特に目立っているのはロキを演じるトム・ヒドルストンでしょうか。正直前作では「まあまあがんばってるんじゃないの」ってっくらいのトム・ロキでしたが、映画の中で悪事を企んでいる裏で、コミコンをにぎわしたり恵まれない子供たちを慰問にいってることを思うと今回はもう俄然ロキに肩入れせざるをえません(笑)
前二作で悪の限りを尽くしてきたロキたんをそう簡単に許していいのか?という気もしますが、彼もさすがに色々苦労してきて、だいぶ人として(人なのか!?)大切なことが何なのかわかってきた模様。一方でそこは腐っても「いたずらの神」。以前のような覇気こそないものの、例の意味ありげな笑みを浮べてると「あー、またなんか企んでそう…」な空気をぷんぷんと放っております。そしてそんなロッキーにまたホイホイと乗せられていくソーと仲間たち。全宇宙の危機が刻々と迫るのと同時進行で、「ひょっとして…まただまされてるんじゃないの?」という緊張感が全編に漂っておりますw
そしてアメコミ映画にとって最も重要なポイントのひとつが、クライマックスの爆発っぷり。『アヴェンジャーズ』であれだけ派手にやってしまったら、それに匹敵するものを作るのは難しいんじゃないの…と危惧しておりましたが、『アイアンマン3』に続いて今回もまたやってくれました! 「異次元世界」というモチーフを生かしてまさかこんな珍バトルを見せてくれようとは… 偉すぎる! そしてこの一連の場面を予告編で見せなかったのもまた偉いです。
あ、肝心の主役について何も語ってないな… さびしいお別れで終わった前作(「『アヴァンジャーズ』ですぐかえってくるよ!」の字幕にはこけましたが)。「また会おうね!」と言ってそのまんまで終わってしまう話が多い中で、今回ソーとジェーンがしっかり再会できたのは胸がほっこりいたしました。つか、ナタリー・ポートマンが続編にもちゃんと出てくれるとは思わなかった。あんたも偉い!
ついでに「アヴェンジャーズ」シリーズの今後の予定も書いておきます。まず来来月に『キャプテン・アメリカ』第二作『ウィンター・ソルジャー』が公開。ついで今秋に宇宙を舞台にした『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』があり、そして来年GWには『アヴェンジャーズ』第二作『エイジ・オブ・ウルトロン』が待機しております。
あと早くも『ソー』も第3作が決定したソーです。確かスタッフの言によると「ロキの物語は今回で完結」とのことですが、ロキの出ない『ソー3』ってすごく味気無さそう。ファンの間では「ロキを主役にしたスピンオフを!」という署名運動まで起きているそうですが、この人気を見ると再登場も十分ありえそう?
Comments
伍一くん☆
えー?ロキはもう出てこないの??それでどうやってソーの第3弾をやるつもりなのでしょう?
騙されている感ありありなところがいいのに・・・
やっぱりロキあってのソーでしょう。
ロキのスピンオフも勿論ありですねー
Posted by: ノルウェーまだ~む | February 15, 2014 10:55 PM
>ノルウェーまだ~むさん
おおお12日ぶりにスパムじゃないコメントがついた(笑)
ありがとうございます!
こんだけ人気出ちゃったらスタッフも考え直さざるをえないんじゃないでしょうか。トム・ヒドルストンもやる気ムンムンみたいですし
ちなみに原作のロキは根っからの性悪です
Posted by: SGA屋伍一 | February 16, 2014 10:22 PM
スパムじゃありません。
ロキが出ないということは、オラ、これからは○○として生きていくだ!ということなんでしょか?
ロキじゃなくて、ロッキーとして生きる、とか。
スパムのようなコメントになっちゃいました。
Posted by: ボー | February 19, 2014 10:08 AM
>ボーさん
通常コメントありがとうございます(笑)
ロッキーとして生きるということは、また何度も何度もカムバックしてくるということですよね!
ソーいえばソーの中の人の弟さん、スタローン率いる傭兵部隊に加わっておりましたよ(2の方で…)
Posted by: SGA屋伍一 | February 19, 2014 10:08 PM