右翼+左翼=? リチャード・ラー フォースト 『武器人間』
子供のころぼくらボンクラは、サイボーグ009やコブラを見てな~んも深く考えもせんと「ああいう風に体に武器が内蔵されてたら、かっこいいだろうなあ」なんて思ったものでした。そんなぼくらの夢をエスカレートさせたような作品が、『ムカデ人間』の「トランスフォーマー」(笑)の手で日本公開となりました。『武器人間』、ご紹介します。
第二次大戦末期、ドイツ領に侵攻したソ連のある部隊は、友軍から援助を要請する無線をキャッチする。無線の情報をたどって彼らはある村にたどりつくが、そこは不気味に静まりかえっていて、敵の影も味方の姿も見当たらない。やがてある大きな建物の中を探索していた小隊は、どこからともなく現れた機械の怪物と遭遇する。
ちなみに原題を見たら『フランケンシュタインの軍隊』となってました。だまされた!
これ、今流行のPOV形式ってやつになってまして、小隊の一人が撮影した記録映像ってことになってます。予告を見ると「ソ連(ロシア)が60もの間秘匿していた禁断のフィルムが、とうとう白日のもとにさらされた」とか言ってますが… そうだったのか! うっひょ~ お宝映像!!
その予告編というのがコレ。うーん、脳みそがウニになりそうw だってドラえもんの声で「人間と」「武器が」「くっついちゃった!」とかナレーションが入るんですよ! 大山さんも仕事が少なくなっちゃって大変なんでしょうけど、ダンガンロンパといいもう少しイメージというものを大切にしていただきたいです。
まあそれはともかくとしてちょっとエグ目の描写を除けば次から次へと出てくる武器人間たちは見ていて楽しい。両手が鋭い剣になっているいかにも危なそうなヤツもいれば、頭がもろ飛行機のプロペラになっている爆笑必至のヤツ、R2D2よろしく意味なくその辺をヒコヒコ動いているかわいらしいやつもいます。でも「あんな風になってみたい!」というようなかっこいいヤツは皆無w 考えてみれば人間と機械をくっつければ不恰好になるのが当たり前で、009や仮面ライダーのようになる方がおかしいのかもしれません。
この映画で他に特に際立っていたのは、脳みその描写へのこだわりでしょうか。前半の方で脳みそがスポッとあらわになっちゃう場面があるのですが、その際映画館にいた総勢6名ほどのお客さんたちから一斉に「プッ」と失笑が起きました。こういう一体感が映画館で観てよかった~と思える瞬間ですね。
「コミュニストとファシストの脳みそをくっつけたらどんな人間になるのか?」といういまだかつて誰も思いつかなかったような実験も行われます。わたしは普通に公平な人格に変化するのでは?と予想したのですが、果たして結果は… 実際にご自分で観て確認されてください。
『武器人間』はまだ兵庫や宮城や北海道で上映残っているようですね。そのうちDVDも出るでしょう。
トランスフォーマーさんはこのまま「○○人間」というシリーズでも続けるつもりなのでしょうか。まあどんな姿であれ、人間一番大事なのはハートだと思いますよ!
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