驚き桃の木謎の襲撃 アダム・ウィンガード 『サプライズ』
少し前にも書きましたがワタクシ少し前に東京まで資格の試験に行ってきまして。その際せっかくだから都市部でしかやってない、マイナーで面白そうな映画が観たいと思いまして。あれこれ公式サイトをめぐらして発見したのがコレ。『サプライズ』ご紹介します。
両親の35周年記念のパーティーに、人里はなれた屋敷にそれぞれのパートナーと集まった兄妹たち。金に困っている次男と何かと彼をからかう長男の間には不穏な空気が漂っていたが、それでも久しぶりに一家そろって歓談するうちに、屋敷は和やかなムードに包まれる。だが彼らは知らなかった。少し前にやや離れた家で住人が惨殺されたことを。そして宴がはじまった屋敷に不気味な影がしのびよる…
公式サイトを観ますとまず狐の顔をかたどった建物の図面が登場します。ついで適当に人影をクリックするとこんな文章が現れます。「始まりは2階の寝室 一匹目はヒツジ 二匹目はキツネ 三匹目はトラ 家に誰かが入ってきたらしい」 …きっと楽しい動物さんたちがたくさん出てくる、パズル感満載でビックリさせてくれるような映画なんだろうな!と勝手に想像していました。違いましたね。普通に怖くてえぐい映画でした。バカ!
まあパズル的とまではいかないまでも、ミステリーっぽいところはありました。中盤以降の意外な展開とか、周囲から孤立した邸宅で次々と起きる連続殺人とか。綾辻行人先生の「館」シリーズなどと少し似てなくもない。(と思ったら綾辻先生この映画へのよいしょコメント寄せておられました…)
でも試験で疲れていたせいか、どうもいまひとつ乗り切れなくて。ちょっと前に福山雅治氏がラジオで「若いころは平気だったけど、最近は年のせいか血がドバーと出る映画とかうけつけなくなってきたね。疲れちゃう」とおっしゃってたのですが、なんかすごいその言葉に共感してしまったのでした。
まずただでさえ線が細そうなのに極限状態にまで追い詰められてしまうお母さんがかわいそう。そして同様に襲撃者におびえまくる一家の皆さんもかわいそう。そして中盤以降はなんだか襲撃者の皆さんまで気の毒に思えてくるという… あれ?
「なんとか観客の意表をついてやろう!」という作り手のチャレンジ精神は評価します。でもなんか「衝撃の展開! 驚愕の結末!」をウリにした映画って後味が悪いものも多いんですよね。今年の『キャビン』しかり。数年前の『ミスト』しかり。「衝撃」と「さわやかな感動」ってあまり近い感情とはいいがたいゆえ、この二つを兼ね備えるのは至難の業であります。それでも見事にやってのけた『シックス・センス』や『永遠のこどもたち』、そして『タッカーとデイル』らは本当に偉大だな~と心から思ったのでした。
というわけで試験後とか疲れがたまってる時とかは、あまりむかない映画でした(^^; 意外な展開が好きな人、『スクリーム』などがツボにはまった人におすすめです。
『サプライズ』はあと北陸や大阪、愛知などで上映が残されているようです。DVDもそのうち出るでしょう。ただいまアマゾンで検索するとAKBや韓ドラがヒットいたします。
観終わってわたしが強く思ったのは、やっぱり家族は仲良しが一番!ってことでした。そして『ALWAYS 三丁目の夕日』がまた観たくなりました(笑) みなさんもご家族はどうぞお大事に!
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