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December 31, 2013

2013年 この映画がアレだ!! 幕内編

さて… それではひっそりとまとめますかね。本年度の映画ベスト30弱(ハンパだ)。
その前に自主映画+リバイバル部門賞から
Img00473☆自主映画部門くらげミタイな猫
四月某日に京橋はルクスギャラリーで行われたイベント。片岡翔監督の短編上映と中田真由美さんのライブが交互に行われるという面白い形式でした。片岡監督は来年『1/11』という作品で商業監督デビューを飾るということで、ますます羽ばたいていってほしいものです。
自主系の上映会では他にショートショートフィルムフェスティバル&アジア2013 の1プログラムを観ました。
☆リバイバル部門
ミトン+こねこのミーシャ
チェブラーシカで知られるロマン・カチャーノフの特集上映。まだやってます。観てください!
再上映では他に「Best of チェコアニメ映画祭」の2プログラムと、『ボーイ・ミーツ・ガール』『汚れた血』を観ました。

ではベスト29。ぶっとばしていきますか。
Stid2_3第29位 『キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』 今年の主題歌賞!
第28位 『42 世界を変えた男』 野球をやるんなら、こういう具合にしやさんせ!
第27位 『オブリビオン』 忘れちゃったのよ~(らららーら)
第26位 『スタートレック:イントゥ・ダークネス』 カークの逆襲!
第25位 『Ted』 ふらっしゅ! あんあ~!
第24位 『LOOPER/ルーパー』 かつらでもない! 植毛でもない!
Pcdn1第23位 『真夏の方程式』 あーーーー 夏休み!
第22位 『華麗なるギャッビー』 スパイダーマン×バズラーマン!
第21位 『コン・ティキ』 人生もヨットも風まかせ!
第20位 『パリ猫、ディノの夜』 暗黒街猫歩き!
第19位 『エリジウム』 エビの次は未来の『カニ工船』!
第18位 『風立ちぬ』 今は冬だけど秋!
Nootk1_2第17位 『クラウドアトラス』 坊や良い子だネンネしな! 今も昔も変わりなく!
第16位 『ジャッジ・ドレッド』 じゃあその執行、いつやるんですか? い(略)
第15位 『ゼロ・グラビティ』 タフな女にはエアロックが良く似合う!
第14位 『サウンド・オブ・ノイズ』 すべての音痴のための映画!
第13位 『ワールド・ウォーZ』 ペプシ激ウマ!
第12位 『きっと、うまくいく』 それはどうかな!
第11位 『脳男』 我思うゆえに悪あり!

ではいよいよベスト10の発表です。
42第10位 『インポッシブル』 本年度「本当にあったすごい話」大賞
生きてもし あえたら すてきなことね
第9位 『ブルー 初めての空へ』 本年度メガネっこ大賞
DVD発売から一年以上経ってのスクリーン公開おめでとうございました。
第8位 『アイアンマン3』本年度アメコミ映画大賞
不満点もありますが、お空でお手手つないでのシーンとアイアン大集合のシーンがすばらしかった
Django1_2第7位 『人生、ブラボー!』
本年度カナダ映画大賞(というか他に見てない)
ハリウッド版リメイクはこけちゃったそうですが、ま、オリジナルがありゃいいんじゃないですかね…
第6位 『ジャンゴ 繋がれざる者』 アカデミー作品賞候補にあがった中では、個人的にこれが一番ツボにはまったで賞
歯医者のシュルツさんのスピンオフ作ってほしいな… タイトルは 『シュルツ 敗れざるハイ者』で
第5位 『怪盗グルーのミニオン危機一発』
本年度CGアニメーション大賞
ミニオンにまた会えた! そのことだけで狂喜乱舞でございました
Photo第4位 『パラノーマン ブライス・ホローの謎』
本年度人形アニメーション大賞
一度完全に諦めてたのにスクリーンで観られた! そのことだけで感謝感激雨あられでした
第3位 『はじまりのみち』
本年度一般邦画大賞
実写もすばらしい出来だった原恵一監督。でも… できたらアニメに帰ってきてね?
第2位 『パシフィック・リム』
今世紀ロボット映画大賞
わたくし二度見てるのにロケットパンチがどうやって腕に戻ったか把握できてなかったんですが、先日DVDで観て実は腕から分離してなくてジェット噴射で勢いをつけているだけ、ということを理解しました。あれは翻訳詐欺ではないでしょうか

そして栄えある第1位は
Mms2『魔法少女まどか☆マギカ』 
「前編」「後編」「新編」三本合わせてグランプリといたします。反則技です。
前編・後編は正確には昨年公開の映画かもしれませんが、こちとら地方なんだよ! 公開遅れたんだよ! ということで。あと新編は別になくてもよかったんじゃ… という気もするのですが、少女アニメが苦手なわたしをネジ伏せたその物語力を評価して。そして純粋に2013年もっとも感動した「映画」だったので。

あと10周年ということで、これまでの1位を取った映画をあげておきます。
2004年 CASSHERN
2005年 魁!! クロマティ高校 THE MOVIE
2006年 ドラえもん のび太の恐竜2006
2007年 アポカリプト
2008年 天元突破グレンラガン 紅蓮篇
2009年 天元突破グレンラガン 螺巌篇
2010年 カラフル 機動戦士ガンダム00
2011年 メアリー&マックス
2012年 アヴェンジャーズ ヱヴァンゲリヲンQ

来年もまたやれるかしら…(それ、毎年言ってるよな)
それではみなさん、よいお年を~

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December 30, 2013

2013年 この映画がアレだ! 幕下編

2013年も残すところあと一日。恒例の年間映画まとめ記事まいります。気がつけば今回でもう十回目。自己満足もこんだけ続けばそれなりに立派なもんじゃないでしょうか(それはどうかな)。
ちなみにわたくし今年で40になりまして。いつまでもアホだのバカだの言ってるのもどうかと思いまして、今回はこんな記事タイトルにしてみました。いつもとあんまし変わらないか。

それでは順序よくワーストからまいりましょう。レッツラゴン!
Firus1
ワースト5位:アンナ・カレーニナ
ワースト4位:フィルス
ワースト3位:サプライズ
ワースト2位:武器人間
シナリオとか表現的にはがんばってたんですけど、ちょっと疲れてる時に観ちゃって内容的にきつかった作品が並んでます。そして栄えあるワースト第1位は
250pxthe_earth_seen_from_apollo_17『地球、最後の男』

でした。
これ、コンセプトとしては世界で絶賛されてる『ゼロ・グラビティ』とそんなに変わらないと思うんですよ。だのにどうしてこれだけ差がついてしまったのか…
映画って面白いですね!

つづきまして限りなくプラマイゼロ的な、可も不可もなし的な15作品一気に参ります。
Photo_5ミステリーズ 運命のリスボン
ダイ・ハード ラストデイ
ゼロ・ダーク・サーティー
横道世之介
フラッシュバック・メモリーズ3D
ホーリー・モーターズ
リンカーン
Ingd2ウィ・アンド・アイ
G.I..ジョー バック2リベンジ
アフターアース
イノセント・ガーデン
トゥ・ザ・ワンダー
スーサイド・ショップ
47RONIN
いわゆるアート系の作品が多く入ってしまいました。『ミステリーズ』などは4時間半飽きずに観られたのでもう少し評価してあげてもいいかもしれません。

続けて「どっちかっていうと良かった」「一応元はとった」という16本参ります。
Acomes_39469_2仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム
駆ける少年
ルビー・スパークス
ゴティック・メード 花の詩女
ムーンライズ・キングダム
思秋期
オズ はじまりの戦い
ソハの地下水道
Pbp1aジャックと天空の巨人
プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命
オーガスト・ウォーズ
パパの木
ウルヴァリン:SAMURAI
オン・ザ・ロード
R.I.P.D./ゴーストエージェント
コードギアス 亡国のアキト 第2章 引き裂かれた翼竜
キャプテン・フィリップス
この中では『オーガスト・ウォーズ』のずるい宣伝が特に印象に残ってます。初日に『パシフィック・リム』とハシゴして見たっけなあ…

さらに続けて「はっきり言って良かった!」「でも残念ながら上位30傑にはわずかながら及ばなかった!残念!」という14作品、参ります。
Lopライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
きいろいゾウ
シュガーラッシュ
野蛮なやつら/SAVAGES
セデック・バレ(全2部)
モンスターズ・ユニバーシティ
ローン・レンジャー
Photoマン・オブ・スティール
ホワイトハウス・ダウン
クロニクル
タイピスト!
かぐや姫の物語
・ブランカニエベス(来年レビュー予定)
・マッキー(来年レビュー予定)
夏場のバカ大作が何本か入っておりますね。『セデック・バレ』も四時間以上あったなあ。面白かったから良かったけど。わたし、こんな長尺の映画、劇場で観たの今年が初めてでしたよ…

「幕下編」の最後はこれまた恒例の「えこひいき賞」で。「これは明らかにポンコツだ… でもso you d'ont have to worry worry かばってあげたい~」という作品に贈られます。
Gtm15位 ゴーストライダー2
4位 スーパーヒーロー大戦Z
3位 SPEC〜結〜 爻ノ篇
2位 SPEC~結~漸の篇
1位 ガッチャマン
『ガッチャマン』なんか監督さんがすごく特撮やアニメに愛情の深い人なのに、一体どうしてこうなってしまうのか…
映画って面白いですね!(またそれか)

上位30作は順位と1行コメントをつけて明日の大晦日に発表します。といって、どれほどの人が見てくれるのやらw


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December 29, 2013

第十回SGA屋漫画文化大賞

お休みに入ったんで早くも飲みすぎてしまいました… ぷしゅー
でも記念すべき第十回ですし、時間もだいぶなくなってきたんでがんばって書きます! 第10回SGA屋漫画文化賞!
例によって賞金も賞品も表彰式もありません! むしろわたしにください!
それでは各部門の発表です。

☆少年漫画部門 原泰久 『キングダム』(集英社)
2013cb1はいまたコレ!
しかも今年は少年誌でめぼしいものが思いつかなかったんで青年漫画部門からひっぱってきました(笑)
しかしこの根底を流れる「友情・努力・勝利」の精神は、まさしく少年漫画のそれでないかい?
今年はアニメの二期も放映されてますますメジャー化しつつある『キング゙ダム』。単行本30巻越してもこんだけ盛り上がっているのは見事というほかありません。
次点に馬場康志先生の『空手小公子物語』。あ、これも青年誌か…


☆少女マンガ部門 ヒガアロハ 『しろくまカフェ』(小学館)
Treweu2d動物が人間に混じって普通に社会生活を営んでいる、不思議なシチュエーションの動物ギャグマンガ。
ヒガ先生は本当にリアルなタッチで動物をかわいらしく描くのがお上手。まるで「ほらほら! かわいいでしょ? かわいいんでしょ!?」と迫られているようで若干うざいんですけど、「ああそうだよ! かわいいよ!!」と逆ギレ?せざるをえない力強さに満ちています。
ちなみにわたしが特に好きなキャラクターはアイドル・ヤマアラシに夢中なパンダママ

☆青年漫画部門 青野春秋 『俺はまだ本気出してないだけ』
2013cb3_2齢40にして脱サラし漫画家を志す大黒シズオ(娘あり)。根拠のない自信で挑戦を続けるが、デビューまでの道のりは遠く…
今回あげた作品の中で唯一人から借りて読んだ作品(笑)
わたしももうあと二年でシズオさんの年齢に追いついちゃうんで、本当にしゃれになりません。でもきっとこんなオヤジになっちゃうんだろうなあ… 大変だなあ… どうしようかなあ…
ま、いいか。
今年は堤真一主演で映画版も公開され、話題を呼びました。男子たるもの、いつでもどこでも100%本気で。

☆中年漫画部門 旅井とり 『めしばな刑事タチバナ』
2013cb2一見どこにでもあるごく普通の警察署・城西署。だがそこには食い物の話で犯人をおとす伝説の刑事タチバナがいた…
オヤジ二連発(笑) グルメ漫画を読んでいて時々感じるやるせない思い。そんな高級食材でそんなこった料理紹介されても、おれたち貧乏人はまず食えないよ…と。
そんなところへ流星のように現れたこの作品。そうだ! おれたちにとってのグルメとはワンコインで食える牛丼であり、袋入りラーメンであり、カップ焼きそばなんだ!
ただわたしまだ廉価版で出された二冊しか読んでないんで、もっと廉価版出してくれるとありがたいっすcoldsweats01

☆ギャグマンガ部門 まずりん 『独身OLのすべて』(講談社)
急に思いついたんで画像はなし(笑) 紙媒体ではなく、ネットで連載されている作品です。HPはコチラ
現代社会に生きる労働女性の姿をえぐぐゲスく赤裸々に描く! …でもいやされる(笑)
あと合間合間にはさまれるマニアックな漫画ネタがたのしいです。男だけど非モテもいいとこなわたしも笑っていられる立場ではないんですが…

☆翻訳部門 DCコミックス バットマン「梟三部作」
080815_184859今年もドサドサ出まくりましたアメリカンコミックス邦訳本。
その中からこの三部作をチョイス。「NEW52」と称し、DC世界が再編された中でのバットマンの活躍を描きます。
「梟の法廷」「梟の街」で本筋であるバットマンの戦いを追い、「梟の夜」でいわゆる「バットマンファミリー」の個々の戦いが語られます。ゴッサムシティを牛耳る謎の組織との戦いもスリリングですが、同じ時期の出来事を同時進行で扱っていく「クロスオーバー」の形式がまた面白い。
邦訳アメコミで今年読んだものの中では、他に『アヴェンジャーズ』の別ヴァージョンとも言える『アルティメッツ』、マーベル世界きっての変わり者ヒーローの冒険譚『デッドプール:マーク・ウィズ・マウス』が印象に残りました。

☆アニメ部門 『革命期ヴァルヴレイヴ』(サンライズ)
51uxllhne6l__sl500_aa300_近未来、宇宙衛星に建てられた咲森学園の生徒たちは、突如として軍事国家ドルシアの襲撃を受ける。時縞ハルトは衛星内に隠されていた人型兵器ヴァルヴレイヴを駆ってドルシアに立ち向かうが、その機体に乗ることは彼が人間でなくなることを意味していた…
おしゃれな『漂流教室』にロボットアニメを融合させたような趣きでしょうか。実は昨日最終回を観たばかり。正直いろいろポンコツなところもある作品ですが、この1年もっとも続きが気になったTVアニメでした。
アニメではほかに『翠星のガルガンティア』『キルラキル』がよかったです。

☆大賞 奥浩哉 『GANTZ』(集英社)
110216_174435というわけで大賞は今年13年に渡る連載を終えたこの作品。
最終回がまんま『ザンボット3』だったのはさておき、長年楽しませてくれたことと一応ちゃんと終わってくれたことに感謝と敬意をこめまして。
奥先生ははやくも新春1月から新連載を『イブニング』誌で始められるそうです。期待しております。

では十回記念にこれまでの大賞作品をあげていきますか。

2004年 『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』 アラン・ムーア&ケビン・オニール JIVE
 『レ・ミゼラブル』 みなもと太郎 ブッキング
 『毎日かあさん』 西原理恵子 毎日新聞社
 『トライガン・マキシマム』 内藤康弘 少年画報社
 『メカ沢くん』 ダイナミック太郎&野中英次 講談社 
2005年 なし
2006年 『バガボンド』 井上雄彦 講談社
2007年 『トライガン・マキシマム』 内藤泰弘 秋田書店
2008年 『海街diary』 吉田秋生 小学館
2009年 『青春少年マガジン』 小林まこと 講談社
2010年 『キングダム』 原泰久 集英社
2011年 『ワンピース』 尾田栄一郎 集英社
2012年 『猫なんかよんでもこない』 杉作 コンペイトウ書房

明日と明後日は映画ベストをまとめる予定であります。またギリギリだ…


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December 27, 2013

迷子と迷子の子猫ちゃん ロマン・カチャーノフ 『ミトン+こねこのミーシャ』

Img00473チェブラーシカで知られるロシアのアニメ作家ロマン・カチャーノフ。そのカチャーノフのチェブラーシカ以外の作品が渋谷で特集上映されるというので年末進行の合間を縫っていってきました。『ミトン+子猫のミーシャ』というタイトルですが、他にもう2本上映されてます。

☆『子猫のミーシャ』
家の建て替えで寝床を突然ぶち壊されてしまった子猫のミーシャ。雨の中泣いていると作業車両が声をかけてくる…
家をなくした小動物の話ということで、『チェブラーシカ』ぼ別ヴァージョンとも言えるような話。あっという間に家を建てていく車たちに目口がついてるところは『カーズ』を思い出させます。ちなみにこれだけ字幕・セリフがあります。

☆『ミトン』
犬を飼いたいけれど母親から許してもらえない女の子。さびしさを紛らわすためにミトンを子犬に見立てて遊んでいたら、ミトンがまるで本物の子犬のように動きだした…
発想の面白さとキャラクターのかわいらしさが炸裂した傑作短編。高畑勲氏をして「完璧」と言わせた作品でもあります。わたしは楳図 かずお氏の恐怖短編『ねがい』を思い出しました(笑)

☆『迷子のブヌーチカ』
両親の代わりに孫のブヌーチカのお守りをすることになったおじいちゃん。やんちゃなブヌーチカに手を焼いたおじいちゃんは、警察が捕まえにくると言って脅かす。するとちょうどよく?泥棒を追うおまわりさんがやってきて…
セリフのない中で込み入った話をわかりやすく伝える、高度なテクニックが光る作品。箱庭のような町の中を様々なキャラクターや乗り物が駆け回るアクションも面白かったです。

☆『レター』
出征中の夫から手紙が来なくなって胸を痛める夫人。坊やはなんとか母親を元気づけようとするが…
これまた想定の斜め上をいくようなセンス・オブ・ワンダーが印象的な作品。他作品のキャラの目が点かマルチョンなのに対し、この作品の人形はまつげぱさぱさで濃厚なお色気がありました。

チェコの人形アニメにはドライというか皮肉っぽいものが多いですが、カチャーノフの作品には極寒の気候のせいか、哀愁や人情味を強く感じます。本当にこのおっさんは小さくてかわいらしいものをかわいそうな目にあわせるのが好きですね! まあ最後はめでたしめでたしとなるわけですが…
あと「親が子供をちゃんと見ていない」という設定が多いのはなんなんでしょうね? そんな中でも健気にふるまう子供たちを見ていると、人形といえどなんとも言えない気持ちになるのでした。

Img00480ちなみにわたしが行ったときは「折り紙教室」というイベントがくっついていました。猫のミーシャが出来上がるはずが微妙に違うものが出来てしまったような…
イベントの模様はこのページの12月23日のところにUPされております…
『ミトン+こねこのミーシャ』は現在渋谷、名古屋で上映中。年明けには大阪でもかかるそうです。詳しくは公式サイトをごらんください。

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December 25, 2013

彼女が宇宙服に着替えたら アルフォンソ・キュアロン 『ゼロ・グラビティ』

1おととしでしたか、「はやぶさ」ブームの影響でその関連の映画が立て続けに三本くらい作られたことがありましたっけ。残念ながらどれも不振に終わりましたが、2013年も終了間際に来てえらく気合の入った宇宙映画が海の向こうからやってきました。『ゼロ・グラビティ』、ご紹介します。

おそらく近未来。宇宙飛行士のライアンとマットは、船外作業の最中運悪くロシアのミスで生じた大量のデブリ(宇宙ゴミ)の嵐に遭遇する。なんとかデブリをやりすごした二人だったが、彼らの拠点である宇宙ステーションSIIは壊滅的な打撃を受けていた。ほとんど身一つで投げ出されたライアンとマットが生き残る道は、ロシアの宇宙船ソユーズまで遊泳してたどりつく以外にない。限られた酸素と燃料で果たして彼らはその離れ業を達成することができるのか…

映画館で映画を観ることの利点のひとつは、やはり「大きいものが大きく見える」という点です。しかしこれもけっこうテクニックがいることでして、大スクリーンでうつっていても構図や画質によってはあまり大きく見えないことがあります。しかしこの『ゼロ・グラビティ』は地球と宇宙をでかく見せることに最大限の努力が払われております。まさにスクリーンで見ることによって真価を発揮する映像と言えます。
そしてでかいものがでかく見えることによって、小さいものはホント~~~に小さく見えます。人間なんか、もう点です。ドットです。映画をたくさん観てますけど、これほどまでに点に感情移入したのは初めてかもしれません。

あとアニメファンとしては『ガンダム』等でなじんできた、宇宙におけるあれやこれやの描写…慣性の法則や軌道転換、大気圏突入など…をリアルな映像で観られたのにも興奮しました。

フィクションながら宇宙飛行士という人種のものすごさもよくわかるお話でした。あれは食玩の解説に書いてあったエピソードでしたが、航行中、配線の間違いか何かで宇宙船が高速回転しはじめた例があったそうです。全員が失神する直前になんとか停止させることができたそうですが、クルーのひとりは地球に帰還後このトラブルをさらっと「ちょっとしたトラブルがあった」と語ったとか。最後の一分一秒まで諦めずに最善をつくす。宇宙飛行士というのはみんなそういう「鋼の魂」ってのを持ってるんでしょうね。

そしてこっからはラストまでネタバレしてますが…
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これはライアンという女性の再起…というか生まれ変わりの話でもあります。
主人公ライアンはあるショックな出来事のために「生」に対しいまひとつ執着がもてないでいます。しかし自分を助けてくれた人や、死のギリギリの淵に立つことでようやく新しい自分へと生まれ変わっていきます。

無重力でぷかぷかと漂うライアンは胎児のようであり、切り離されるワイヤーは誕生の際断たれるへその尾のようであります。無数の破片と共に大気圏へ突入していくシーンは受精卵に向かう精子のようでもありますね。そして宙に浮くことしかできなかった彼女は、最後に大地を踏みしめてしっかりと立ちます。

あとで『2001年宇宙の旅』の有名なシーンや、キュアロン監督の前作『トゥモロー・ワールド』を思い出して、ますます「誕生」「赤子」と深いかかわりがあるような気がしました。
映画の時系列だと、へそ切断→受精と順番がまるでチグハグですが、その辺は嘲笑って見逃してください。

先日ある席で「いやー この話、そんなに深い意味とかないよね!」と語ってしまったんですが、すいません、いろんな論客があれこれ語ってらっしゃるので、つい真似して小難しいことが言いたくなってしまったのでした。てへぺろ!

Photo『ゼロ・グラビティ』はただいま全国の劇場で、どのはやぶさ映画よりもヒットして上映中であります。
そうそう、今年の春似たような設定の『地球、最後の男』という映画もありました。いまもうDVDで観られると思いますが、正直あまりおすすめできませぬ…


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December 22, 2013

荒野の忠臣蔵 カール・リンシュ 『47RONIN』

47rn1毎年この時期になるとよくやってる『忠臣蔵』。日本人なら誰でも知ってる話ですが、海外となるとどうか。まあボルヘスの『悪党列伝』やアクション映画『RONIN』で触れられてたりするので、知ってる人は知ってるようです。しかしまさかハリウッドで大々的に映画化されるとは思いませんでしたよ… 『47RONIN』、ご紹介します。

昔の日本らしいどこかの国。浅野内匠頭が治める赤穂領内に迷い込んだ少年カイは、目や髪の色が違うことから妖怪とみなされ命を奪われそうになる。だが浅野がかばったことによりカイは命を永らえ、赤穂に住むことを許される。いつしかカイは浅野の姫と思いを通じる仲になっていた。
そんな二人の思いをよそに、肥沃な赤穂の地を狙う一人の大名がいた。彼の名は吉良上野介。吉良は手下の妖怪と共に赤穂藩をのっとるべく計略をめぐらす。

この映画、確か本来なら昨年の暮れに上映されてたはずなんですよね。ところが謎の延期で丸々一年遅れることになりました。聞くところによると「スタッフのミスで撮るべき映像が全然撮れてなかったらしい」ということで、関係者一同蒼白になってるという噂。もしやこのままお蔵入りになるやも… と思っていたら無事公開が決まって別に楽しみにしてたわけではないのになぜかほっといたしました(笑)
しかしやればやるで、今度はどれほどひどい出来になっているんだろう…という別な不安もわいてきます。おそらく忙しければスルーしたと思うんですが、幸か不幸かたまたま時間が空いてしまったので観てきました。

結論から言うと予想に反して、それほどめちゃくちゃな出来にはなってませんでした。確かにおかしいところ、微妙なところもないでもないですが、これよりひどい映画なんかいくらでもあるし。
切腹の一連の流れが普通に時代劇で見るような感じだったり、「出島」「樹海」なんて単語が出てくるあたり脚本・演出陣もけっこう勉強したと思うのです。かと思えば珍妙なスタイルの将軍様が出てきたり、ジブリアニメに出てきそうな怪獣が登場したり… このチグハグ感にひいてしまうか、わりきって楽しめるか。わたしはそこそこ楽しみましたw

ただ観ながら『忠臣蔵』本来の醍醐味ってなんだろう?と思ったりもしました。それはやはり中盤の浪士たちの「我慢」にあると思うのです。世間から馬鹿にされ、吉良の目を欺くために芝居をしたり… こういう我慢の積み重ねがあったればこそ、クライマックスの討ち入りが盛り上がるわけです。
『47RONN』もそういう我慢描写がないでもなかったですが、カイが出自のゆえにみんなからうとまれる…という話だったので、なんか『忠臣蔵』の「我慢」とはまた違う感じでした。あと浪士たちが世間から苦しめられて耐えることより、『七人の侍』のように「少人数で劣勢の者たちが優位の者たちにどうやって勝つか」というところに重きが置かれていた気がします。敵は妖術とか使ってくるんで、普通の兵学がどれほど通用するかは怪しいんですけど。

さて、本家忠臣蔵のネタバレをしてしまいますと… いいですね?


無事悲願を成就した赤穂浪士たちは、しかし幕府の決定に逆らったということで全員切腹という結末を迎えます。この浪士たちの悲劇的な最後が日本人の感性に合っていたがゆえに、永きに渡って『忠臣蔵』は愛されてきました。
ただこの結末(あるいは感性)、欧米の人たちにどれほど共感してもらえるのか微妙なところですよね。フランダースの犬だってハッピーエンドに変えちゃったアメリカさんですから、きっと『47RONIN』の結末ももっとハッピーな仕様にしちゃったんでは…と予想しておりました。果たしてわたしの予想が当たったかどうかは、ご自分で観てみて確かめてください。

47rn2おそらくかなり日本の売り上げを期待してたと思われる『47RONIN』ですが、公開三週目あたりで早くも圏外になってるあたり(^^;そのあては外れたようです。『ホビット』の公開が待てないという方は、それまでの代用品として観てみるのもいいかも(そしてさらにストレスが高まる恐れも…)
あと主演のキアヌ・リーブス氏、アニメの『カウボーイ・ビバップ』を映画化するって話はどうなったんでしょうかね~ 十中八九流れた可能性が高いですが、ダメもとで気長に待っております。 


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December 17, 2013

走れアレックス レオス・カラックス 『ボーイ・ミーツ・ガール』『汚れた血』

Kb1今年13ねんぶりの新作『ホーリー・モーターズ』が公開されたフランスの鬼才レオス・カラックス。そのカラックスが1983年から1991年にかけて手がけた「アレックス三部作」が高田馬場で一挙上映されるというので、1作目『ボーイ・ミーツ・ガール』と2作目『汚れた血』を観て来ました。わたし三部作ってのに弱いんですよね… ほら、一作だけではわからなかったことが、三作通してみるといろいろ見えてくるようになることってあるじゃないですか。そういうカタルシスを期待して。ちなみに以前観た3作目『ポンヌフの恋人』のレビューはコチラ

☆『ボーイ・ミーツ・ガール』(1983)
兵役を控えている上に、親友に恋人をとられてどんぞこ状態の青年アレックス。彼はあてどもなく夜の街をさまよい、様々な人たちとわずかな時間触れ合っていく。その中の一人ミレーユに強く弾かれた彼は、彼女に熱心に愛をささやくが…
3作中最も淡々とした語り口の作品。そしてこの作品のみモノクロ。内容、鬼才のデビュー作であること、発表年代など、ジム・ジャームッシュの『パーマネント・バケーション』といろいろかぶっているような。

☆『汚れた血』(1986)
「生活をたてなおしたい」と願う貧しい青年アレックスは、亡父の仕事仲間だったリーズとマルクに誘われて、奇病の治療薬を盗み出す計画に加わる。準備を進めていく中で、アレックスはマルクの恋人のアンナに心を奪われてしまう。だが彼の揺れ動く思いをよそに、決行の日がやってきた…
恋愛もの、青春ものであると同時にフィルム・ノワールでもあり、地味なSF映画でもある。ただ最も重きが置かれているのは、やはりアレックスとアンナの奇妙な恋模様ではないかと。

三作品ともかなりカラーが違います。それでも共通項をあげてみると
・主人公はアレックスという名の青年である
・アレックスは一方的な恋愛にのめりこんでいく
・そして相手も思いを寄せられて悪い気はしていない(だからややこしくなる)
・アレックスが豪快にダッシュするシーンがある

こんなところでしょうか… 特にわたしが心惹かれるのは最後にあげたアレックスが力の限り疾走する映像ですね。若さゆえにもてあます激情を、がむしゃらに走ることで全身で表現しております。演じるドニ・ラヴァンのしなやかな肉体がおじさんの目にはまぶしかったです。ホモじゃないですけど。

あと三作品比較してみて気づいたのは後の作品ほど
・わかりやすい話になってる
・ヒロインとの仲が親密なものになっている
・予算が上がっている
・それとは対照的にアレックスの生活水準はどんどん落ちぶれていく
・アレックスの頭髪が薄くなっていく

導き出される結論は… 偉い人、どなたか教えてください。

貧乏で自分の足で走っていたアレックス君。しかし『ホーリー・モーターズ』で同じドニ・ラヴァンが演じる謎の男オスカーはもっぱら走るのは車にまかせ、かなりはぶりのいい暮らしをしている様子。これはもう恋愛含めて「若いころの問題はもう解決しちゃったよー」ということなのか… 考えすぎですかね。

Photo『ボーイ・ミーツ・ガール』の方は若干我慢タイムみたいなところもありましたが、それでも伝説と言われる二作品を観る事ができてよかったです。唯一ドニさんが主演でない『ポーラX』もいずれ観てみたいものです。

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December 16, 2013

沈黙の貨物船 ポール・グリーングラス 『キャプテン・フィリップス』

Cf3世の中いろいろなキャプテンがおります。最近の有名どころだとキャプテン翼、キャプテン・アメリカ、キャプテン・ハーロック、キャプテン渡辺… やはりキャプテンと言われる人は心のうちで「あ、まずいかな」と思っていても、「大丈夫大丈夫!」と勢いでみんなをひっぱっていく… そんな存在でありますね。
そんなキャプテンにこのたびハリウッドを代表する名優トム・ハンクスが挑みます。監督は『ボーン』シリーズのポール・グリーングラス。『キャプテン・フィリップス』、ご紹介しましょう。

2009年ソマリア沖。フィリップス船長の指揮のもと航行していたマースク・アラバマ号は、海賊の乗った二隻のボートに追跡される。これといった武装もなく、非戦闘員しか乗り込んでいないマースク・アラバマ号は、果たして海賊の攻撃を逃れることができるか…

ま、ここでさくっと逃れられたらこれ、映画にはならないわけですね。クルーたち(特に船長)は、海賊たちを相手に死と紙一重の攻防をえんえんと繰り広げることになります。
これがフィクションのアクション映画であれば一度海賊に船が占拠されたあとに、傭兵あがりの主人公が化け物みたいな強さを発揮して、海賊たちを一人、また一人と血祭りにあげていくんでしょうね。しかし残念ながらこれは「実話をもとにした話」であり、主演はあんまり強くなさそうなトム・ハンクスです。戦闘力がなきに等しいキャプテン・ハンクスの武器は機転とハッタリとなだめすかし以外にありません。そして必ずしも主人公が助かるとは限らないのが「実話をもとにした話」の恐ろしいところです(世界のニュースに詳しい人であれば結末がどうなるか知ってるかもしれませんが…)
また、わかりやすいエンタメ映画だったら、海賊たちは血も涙もない極悪非道の輩として描かれるでしょう。まあ確かに銃をぶっ放して物資を略奪しようなんて連中なんだから悪いことは悪いんです。ただ彼らが船を襲うようになったそもそもの原因は貧困にあること、仕事をしないとボスからお仕置きされてしまうということ、仕事が成功しても組織から儲けをかなり巻き上げられてしまうこと、そしてぼろっちい装備と限られた人数で巨大な船を拿捕しなきゃならないこと… そういった背景を考えますと、「いかんいかん」と思いつつもどんどん海賊たちに同情したくなってしまうのでした。そして海賊さんたちは手際の悪さからついには世界最強の米国海軍を敵に回すことになってしまいます。これが同情せずにおられましょうか…

それはフィリップス船長とて同じことです。命が助かりたいということや、ストックホルム症候群も手伝ってるとは思います。でも後半船長は明らかに彼らの身を案じておりました。果たしてみんな助かってめでたしめでたしのハッピーエンドを迎えられるのか… それはご自分の目で確かめてみてください。
ツイッターなどでも観た方々は一様に海賊に同情的でしたw そのことをとっても、これが単なるアメリカ万歳映画、「米軍最強! ヒャッハー!」と言いたい映画でないことは明らかです。今後も起きるであろう世界のひずみが生み出すこういった悲劇の原因はどこにあるのか、どうしたらなくすことができるのか… そう考えずにはいられません。

ポール・グリーングラス監督の『ボーン』シリーズや『グリーン・ゾーン』を観ても、彼が米軍を100%肯定してるのでないことがよくわかります。ただそれなりに必要なのでは…いう主張もうかがえます。『グリーン・ゾーン』といえば「大量破壊兵器はありませんでした! でも現場の兵士たちは知らなかったから悪くないんです!」と若干居直ってるようなところがあり、ポカーンといたしましたw それに比べれば今回の『キャプテン・フィリップス』は素直に監督の心情に素直に寄り添えた気がします。

Photo強引に結論をまとめますと、やっぱり海賊行為は漫画やフィクションだけにとどめておこう、ということですね。実際にやったらろくなもんじゃないということがよくわかりました。
そんなわけでぐれかかってる青少年たちにぜひ見てほしい『キャプテン・フィリップス』ですが、いまいち花のない主演・題材のせいかのっけから失速気味です。興味があってまだ観にいけてない方は早めに映画館に行ってください。


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December 13, 2013

高畑勲を語りたい 高畑勲 『かぐや姫の物語』

Photo今日からまた一週間姪っ子をあずかることになりました。かわいいんですけど初日から体力をだいぶ削り取られておりますw しかし年末までに今年見た映画の感想はすべて書いておきたいので、死力を振り絞ってがんばります。
今日はあの高畑勲14年ぶりの新作『かぐや姫の物語』をご紹介します。ではあらすじから

今は昔、竹取の翁( おきな)というありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろずのことに使いけり。名をば、さぬきの造(みやつこ)となん言いける。その竹の中に、もと光る ..(略)

説明するまでもありませんね。お話自体はわたしたちが良く知っているあの『竹取物語』そのまんまです。ただ二時間も尺がありますので、原典ではうかがい知れなかった複雑な少女の心のうちを丁寧に丁寧に追っているのが本作品の特徴と言えます。

今回は『かぐや姫の物語』にかこつけて高畑作品の特徴についてダラダラ語らせていただきます。
あの名作『母を訪ねて三千里』製作時高畑氏と宮崎駿氏は方向性を巡って激しく言い争ったそうです。宮さんはマルコが旅先で人々に助けられる人情モノにしたかったのに対し、高さんは色々辛い仕打ちに合う社会派ドラマをやりたかった。この件に対して両雄は一歩もゆずらず、ついに切れた宮さんは「こんなスタジオ燃えちまえ!」と叫んだとか・・・
『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』、そして今回の『かぐや姫の物語』。時にファンタジー要素も織り込みつつも、きちっと厳しい現実を見据える。それが高畑勲監督のスタイルであります。『となりの山田くん』に関してはわたし観てないのでなんともいえますせん。すいません。
あとエヴァ関連のインタビューで庵野秀明氏が「宮さんはまず絵をイメージしてそこから話を作っていくのに対し、高畑さんはまず訴えたいテーマがあって、そこから絵をつけていく」ということを語っておりました。

宮崎さんと高畑さんの数少ない共通点としては、「幼女・少女の描写がきめ細かい」ということがあげられます。しかしこの点に関しても宮さんが少女に幻想というか理想を重ねるのに対し、高畑さんの描く少女は仕草も話す言葉もめちゃくちゃリアルであります。それでもなお、無垢で尊いものとして私たちの目に映る… そういうところに高畑さんの表現者としての力強さを感じます。
少女たちがイノセントで力強いのに対し、いまひとつ頼りないのが男たち。高畑作品では基本的に男は役に立たないか身勝手なものとして登場します。例外は『おもひで~』のトシオ君くらいでしょうか。
特に『かぐや姫』は男の頼りなさ、身勝手さが目立つお話でありました。そんな男ばかりゾロゾロ10人ばかり出てきます。もっともまともそうだった捨丸ですら後半に入るとあの体たらくですから。まあわたし基準で考えてますけど、本当に男というものはつくづく頼りないものです。ちなみにこの「少女の尊さ」「男の身勝手さ」がもっとも如実に表れた高畑作品が『じゃりン子チエ』。まあこれにはしっかりした原作がありますけどね。

男をあてにしてはいけない。基本的に自分の力でなんとかしていかなければいけない。そのことに気づいたとき、少女は幼虫が蝶に変わるように大人の女性として生まれ変わるのかもしれない… というのはさすがに深読みでしょうか。

話は変わりまして絵のタッチに関して。現代ニッポンではアニメといえばセル状のピカピカしたものか、CGのように乾燥した画質のものと相場が決まっております。しかしアニメには他にもまだまだ様々な形態のものがあります。
今回高畑監督が意識したのは一時期上海でよく作られた水墨画調のアニメ(例『鹿鈴』や、カナダのパステル調の作品(例『クラック!』などかと思われます。この『かぐや姫の物語』をきっかけに、アニメという表現の幅の広さが多くの人に伝わればいいな、と思いました。ただこの淡い線・色調の方式、時間もお金も半端なくかかるようですけどね…

Photo_2というわけで『かぐや姫の物語』は『風立ちぬ』に及ばないながらも全国の劇場で大ヒット公開中。先ごろ引退を表明した宮崎氏に対し、「引退なんて考えたこともない」と言う高畑氏。まだまだ「若いやつらに任せちゃおけん!」と傑作を作り続けてほしいものです。


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December 11, 2013

天国に一番近い地獄 堤幸彦 『劇場版 SPEC〜結〜 爻ノ篇』

20061110182100ブツッと切れたような「漸の篇」から約一ヶ月。無事今度こそ本当の完結編である「爻ノ篇」が公開されました『SPEC 結』。まあ堤さんのことだからスッキリサッパリ終わらないだろうな… とは思ってましたが果たしてその結果は。ちなみにTVシリーズと「天」の感想はコチラ。「漸の篇」の感想はコチラ

ついに実現してしまった「ファティマ第3の予言」。地球の意思を代表し自らを神とも称する謎の青年セカイは、すでに霊体となっていた多くのSPECホルダーをよみがえらせ、人類の一掃と地球の再生をもくろむ。自分の意思とは関係なく、その計画の鍵となっていた当麻は、セカイのコマとなることを拒絶。ミショウ生き残りのメンバーである瀬文と敢然と立ち向かう。しかしセカイの力はあまりにも強大であった。

え~。SF的要素はあったものの一応刑事ドラマであった『SPEC』ですが、完結編ではなんだかずいぶん遠いところまで来ちゃいました。今回ミショウの二人が立ち向かうのは「人類の滅亡」。もう刑事というか一国の警察の手には負えない領域かと。しかもそれを成そうとするのは物理的攻撃がまったく利かず、手をかざしただけで対象を消滅させてしまうという化物のような男。
それでもひるむことなくセカイに立ち向かっていく当麻と瀬文。傍からはまったく勝ち目のない無謀な戦いのように思えます。だがしかし、圧倒的に大きな敵に迷わず戦いを挑む姿に、少年漫画好きは燃えます。『男組』しかり、『ワイルド7』しかり。果たして当麻たちは弔っていった多くの仲間たちの仇を討つことができるでしょうか。

前作でもありあまるほど炸裂していた脱力ギャグ、今回もそれなりにありましたが、前ほどはひどくなかったかな… それでもこのシリーズのファンでなければポカーンとしちゃうと思います。本当にどうしてそこまでして「餃子ロボ」にこだわるのか。あとわたしが観てたときに一番お客さんに受けたセリフは「全員集合? 平成ライダーかよ」でした。堤さんもやっぱり見てるんですかね、ニチアサキッズタイム

当麻演じる戸田恵梨香嬢は一時勝手に「『SPEC』10年計画」というものまで考えておられたそうです。うーん。でも収まりの悪いところや新たに出てきちゃった謎(おーい)などもあるけれど、「結」というだけあって見事に終わっちゃってましたね。こっから先はネタバレしていきますがご了承ください。

正直今回のオチは『攻○機動隊』とか『ま○か☆マ○カ』とかぶっちゃった印象もありますが、わたしとしては好みなまとめ方でありました。いろいろさびしいし、瀬文も当麻も気の毒だけれど、ほんのわずか、あるかなしか程度の希望をチラッと匂わせてくれたあたりがね… こういうのに弱いのです。少なくともわけわかんなかった劇場版『ケイゾク』のオチよりもずっとよかったです。
『ケイゾク』といえば今度こそその主人公である二人…柴田と真山が登場するのでは、と期待していたんですが、結局出てきませんでした。というか真山刑事は『結』直前に放映されたTVSP『零』でさくっと「殉職した」なんて語られてたんですが… マジか? そして映画の最後の最後にもうみんな忘れたであろうあの名前が出てきます。まあ堤さんのことだからあんまり深い考えとかなくて、単に「みんなをビックリさせてやれ!」くらいの気持ちで出したものと思われます。

S1いや~ それにしても本当に終わっちゃったんですね… 『SPEC』。このシリーズは一部から強烈な拒否反応があるせいか、一層愛着が深まってしまってこんなにもさびしい気持ちに襲われるとは思いませんでした。また10年後、世界観を共有する刑事ドラマが出来たりして… いやいやいや、さすがにそれはもういいか(^_^;)
堤印のミステリーは、続けてこちらも長期シリーズとなった『トリック』完結編が来春公開予定です。こちらはわたし一回も見てないんでどうでもいいかなー(すいません)

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December 10, 2013

(精神的に)あぶない刑事 アーヴィン・ウェルシュ ジョン・S・ベアード 『フィルス』

Firus1ハリウッドの若手俳優の中でも、演技派として注目を浴びているジェームズ・マカボイ。彼の新作で話題を集めていた『トランス』は結局こっちではやらないようで… ええい! 畜生!
代わりに?もっと公開規模の小さいこの作品がかかりました。よくわかりません。『フィルス』、ご紹介します。

スコットランドはエジンバラで日本人留学生が何者かに殺害される。中堅どころの刑事ブルースはこの事件を解決して昇進しようともくろむが、なぜかその割にはあまり熱心に捜査をしない。ヤクと酒と乱交にふけり、同僚の脚をひっぱり、ケチな犯罪者たちを脅かし、フリーメーソンの友達を罠にかけ… 本当にやることなすこと最低のブルース。彼をそこまで悪事に駆り立てるものはいったいなんなのか。そしてブルースは望みどおり昇進できるのか。

別にファンでもないんだけど、マカボイ君の出演作はよく観てます。『ナルニア国第1章』にはじまり『ラストキング・オブ・スコットランド』『つぐない』『ウォンテッド』『X-MEN:ファーストジェネレーション』… こんなもんかな。
で、これらの作品に例外なく言えるのが、マカボイ君はいっつも撃たれたりボコられたりしてなよなよしてる役だということ。予告を見る限りでは『トランス』でもそんな感じでした。
ところがこの『フィルス』では刑事役ということもあってか逆にボコるボコる。ここらでマカボイ君もMからSへイメージチェンジか!? それとも結局はまたボコられるのか!? 答えはご自信で映画を観てご確認ください。

しかしまあマカボイ君だってイケメンでキャリアも積んでるんだしこんな役わざわざやらずとも… 本当に人として恥ずかしいことのほとんどをブルース刑事としてスクリーンで見せてくれます。ついでに書いておくと「フィルス」には「くず」という意味があります。ところがマカボイ君のコメントを見ると「この役がとてもやりたくてたまらなかった」んそうで。…お主も相当の変態、いや変人よのう。ちなみにひげ面でしかめっ面のマカボイ君はラッセル・クロウによく似てきた気がします。

そんなブルース刑事の暴れっぷりが前半は(多少ひきつつも)観ていて愉快なのですが、彼の過去や秘密が明らかになるにつれ、お話はだんだん切ないムードに。個人的には最初のC調なままで進んでほしかったんですが… どこの国に住んでても、やりたい放題やらかしても、結局人間は「さびしい」という気持ちを失わないものなのかもしれません。

あとこの映画の特色のひとつは舞台がスコットランドというところですね。わたしが思いつくスコットランド関連の映画はあんまりありません。『ブレイブハート』『イリュージョニスト』『007/スカイフォール』くらいかな? 未見ですが今年公開した『天使の分け前』もそうだとか。あと意識してなかったけど同じ原作者の『トレイン・スポッティング』も前半はスコットランドなんだそうです。
『イリュージョニスト』や『スカイフォール』を観た時は「町並みも自然も風情があっていいとこだなあ」なんて思いましたが、この映画を観るとあまり「行きたい」とは思えなくなってきますね(^^; それくらい退廃してるというか、物騒。大体のっけから日本人殺されちゃってるし。もう少し治安が落ち着いたら行ってあげてもいいですけど(そんな金はないですけど)。

Img00001クリスマスムードが高まりつつあるこのごろですが、『フィルス』も一応クリスマスムービーと言えなくもないです。こんなひどいクリスマス映画はそれこそ『レインディア・ゲーム』以来ですねw 本当にこの時期落ち込んでいる人が見たらさらにどん底まで落ち込みかねない。不幸をケラケラ笑い飛ばせるような人にこそおすすめです。
『フィルス』公開劇場一覧はコチラ。やっぱ少ない… そしてどこもクリスマスの日を微妙にずらしてあったりして…


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December 09, 2013

ロビンソン奮闘記 ブライアン・ヘルゲランド 『42 世界を変えた男』

Photo11月はなんでか観ててくら~い気分になるような映画ばかり観てたんですけど、その中で一本むちゃくちゃさわやかな気分にさせてくれた作品がありました。それがこの『42 世界を変えた男』でございます。最初にタイトル観たときは『銀河ヒッチハイクガイド』でいうところの「宇宙の真理」に関わる映画かと思いましたけどね… 今年とうとう40になってしまったSGA屋伍一が紹介いたします。

第二次大戦後まもなくのアメリカ。ブルックリン・ドジャースのオーナー、ブランチ・リッキーはそれまで白人だけしか登録されていなかったメジャーリーグに、初めて黒人の選手を起用することを決意する。白羽の矢が立てられたその最初の選手は、ジャッキー・ロビンソンというまだ若い名バッターだった。だが彼らの挑戦は予想通り白人社会に波紋を投げかけ、リッキーとロビンソンは激しいバッシングの嵐にさらされることになる。

まず驚いたのはこれを作ったのがあのレジェンダリー・ピクチャーズだということ。あのアメコミ映画とかボンクラ映画とか宇宙人映画ばっかり作ってるレジェンダリーが、こんなに重厚でまっとうな「実話に基づいた」作品を作るとは、いったいどういう風の吹き回しなのか?
それは観てみてなんとなくわかりました。オーナーのリッキーがロビンソンのプレイを見ていて「超人的」と評しますが、野球のスター選手というのは我々にとって身近な超人であり、ヒーローであるからなんですね。特に子供たちにとっては。
この映画で嬉しかったのはちょくちょく子供たちのエピソードがはさまれていたことでした。単純にジャッキーを憧れの英雄のように見つめる黒人の子供もいれば、父親に合わせて汚い野次を飛ばしてしまって自責の念に駆られる少年もいます。ジャッキーを励ます時に「彼の真似をしている白人の少年を見た」と、オーナーが語るシーンも印象的でした。

『42』の中でもうひとつじーんと来たのはジャッキーとこのオーナーの交流ですね。最初は雇い主と選手の関係でしかなかった二人が、共に戦っていくうちに世代を越えて親友になっていき、ついには人種の壁も乗り越えて親子のような関係を築いていく。「父は俺を見捨てた」とジャッキーは語っていましたが、あまりの暴言に傷ついていた彼をリッキーがまるでお父さんのようにやさしく抱きしめるくだりに40男はホロホロと来てしまいました。

黒人に対し閉鎖的だった大リーグに、リッキーはなぜ風穴を開けようとしたのか。単純に勝ちたいから、昔のチームメイトへの負い目、といった理由も語られましたが、「彼が信心深かったから」というのも大きな理由のひとつだと思います。
「神は誰に対しても公平である」「あなたの敵をも愛さなければいけない」 そういった尊い教えを、権力者は都合のいいように書き換えます。「違う人種は差別してもいい」とか、「異分子は排除すべき」とか。
それでもどこにでも「それはおかしい」と感じる人はいます。ただ「おかしい」と思っていても、周りに逆らってまでそれを行動に移すのは難しいもの。そんな周囲の反感に直面しても、自分の信念を貫いたリッキー。そしてどんなにひどい妨害にあっても黙々とフェアプレイに徹したジャッキー。60年以上前の二人のスポーツマンに、惜しみない拍手をささげたいと思います。

冒頭で味方チームすら援護してくれずに孤軍奮闘するジャッキーの姿はまるで『侍ジャイアンツ』序盤の番場蛮のようでしたが、やられてもやりかえさない彼を見ていて、初めは反感を抱いていたチームメイトも一人、また一人と彼に共感を抱くようになっていきます。やはり男はギャースカわめかず黙って背中で語るものであります。背中で語るって口で語るよかだいぶ難しいですけどね…

42こんだけ絶賛しといてなんですけど、『42 世界を変えた男』はすでに上映大体終了してしまいました… タイトルから野球の映画だとわかりづらかったのか、日本での興行はふるわなかったようです。未見の方は名画座やDVDでぜひごらんください。
『タイタンズを忘れない』や『インビクタス 敗れざる者』と合わせて、「三大人種差別克服スポーツ映画」といたしたいところですがどうでしょう(カンムリ長いよ)。

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December 06, 2013

驚き桃の木謎の襲撃 アダム・ウィンガード 『サプライズ』

Photo少し前にも書きましたがワタクシ少し前に東京まで資格の試験に行ってきまして。その際せっかくだから都市部でしかやってない、マイナーで面白そうな映画が観たいと思いまして。あれこれ公式サイトをめぐらして発見したのがコレ。『サプライズ』ご紹介します。

両親の35周年記念のパーティーに、人里はなれた屋敷にそれぞれのパートナーと集まった兄妹たち。金に困っている次男と何かと彼をからかう長男の間には不穏な空気が漂っていたが、それでも久しぶりに一家そろって歓談するうちに、屋敷は和やかなムードに包まれる。だが彼らは知らなかった。少し前にやや離れた家で住人が惨殺されたことを。そして宴がはじまった屋敷に不気味な影がしのびよる…

公式サイトを観ますとまず狐の顔をかたどった建物の図面が登場します。ついで適当に人影をクリックするとこんな文章が現れます。「始まりは2階の寝室 一匹目はヒツジ 二匹目はキツネ 三匹目はトラ 家に誰かが入ってきたらしい」 …きっと楽しい動物さんたちがたくさん出てくる、パズル感満載でビックリさせてくれるような映画なんだろうな!と勝手に想像していました。違いましたね。普通に怖くてえぐい映画でした。バカ!

まあパズル的とまではいかないまでも、ミステリーっぽいところはありました。中盤以降の意外な展開とか、周囲から孤立した邸宅で次々と起きる連続殺人とか。綾辻行人先生の「館」シリーズなどと少し似てなくもない。(と思ったら綾辻先生この映画へのよいしょコメント寄せておられました…)
でも試験で疲れていたせいか、どうもいまひとつ乗り切れなくて。ちょっと前に福山雅治氏がラジオで「若いころは平気だったけど、最近は年のせいか血がドバーと出る映画とかうけつけなくなってきたね。疲れちゃう」とおっしゃってたのですが、なんかすごいその言葉に共感してしまったのでした。
まずただでさえ線が細そうなのに極限状態にまで追い詰められてしまうお母さんがかわいそう。そして同様に襲撃者におびえまくる一家の皆さんもかわいそう。そして中盤以降はなんだか襲撃者の皆さんまで気の毒に思えてくるという… あれ?

「なんとか観客の意表をついてやろう!」という作り手のチャレンジ精神は評価します。でもなんか「衝撃の展開!  驚愕の結末!」をウリにした映画って後味が悪いものも多いんですよね。今年の『キャビン』しかり。数年前の『ミスト』しかり。「衝撃」と「さわやかな感動」ってあまり近い感情とはいいがたいゆえ、この二つを兼ね備えるのは至難の業であります。それでも見事にやってのけた『シックス・センス』や『永遠のこどもたち』、そして『タッカーとデイル』らは本当に偉大だな~と心から思ったのでした。

Photo_2というわけで試験後とか疲れがたまってる時とかは、あまりむかない映画でした(^^; 意外な展開が好きな人、『スクリーム』などがツボにはまった人におすすめです。
『サプライズ』はあと北陸や大阪、愛知などで上映が残されているようです。DVDもそのうち出るでしょう。ただいまアマゾンで検索するとAKBや韓ドラがヒットいたします。

観終わってわたしが強く思ったのは、やっぱり家族は仲良しが一番!ってことでした。そして『ALWAYS 三丁目の夕日』がまた観たくなりました(笑) みなさんもご家族はどうぞお大事に!


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December 04, 2013

右翼+左翼=? リチャード・ラー フォースト 『武器人間』

090325_173351子供のころぼくらボンクラは、サイボーグ009やコブラを見てな~んも深く考えもせんと「ああいう風に体に武器が内蔵されてたら、かっこいいだろうなあ」なんて思ったものでした。そんなぼくらの夢をエスカレートさせたような作品が、『ムカデ人間』の「トランスフォーマー」(笑)の手で日本公開となりました。『武器人間』、ご紹介します。

第二次大戦末期、ドイツ領に侵攻したソ連のある部隊は、友軍から援助を要請する無線をキャッチする。無線の情報をたどって彼らはある村にたどりつくが、そこは不気味に静まりかえっていて、敵の影も味方の姿も見当たらない。やがてある大きな建物の中を探索していた小隊は、どこからともなく現れた機械の怪物と遭遇する。

ちなみに原題を見たら『フランケンシュタインの軍隊』となってました。だまされた!
これ、今流行のPOV形式ってやつになってまして、小隊の一人が撮影した記録映像ってことになってます。予告を見ると「ソ連(ロシア)が60もの間秘匿していた禁断のフィルムが、とうとう白日のもとにさらされた」とか言ってますが… そうだったのか! うっひょ~ お宝映像!!
その予告編というのがコレ。うーん、脳みそがウニになりそうw だってドラえもんの声で「人間と」「武器が」「くっついちゃった!」とかナレーションが入るんですよ! 大山さんも仕事が少なくなっちゃって大変なんでしょうけど、ダンガンロンパといいもう少しイメージというものを大切にしていただきたいです。

まあそれはともかくとしてちょっとエグ目の描写を除けば次から次へと出てくる武器人間たちは見ていて楽しい。両手が鋭い剣になっているいかにも危なそうなヤツもいれば、頭がもろ飛行機のプロペラになっている爆笑必至のヤツ、R2D2よろしく意味なくその辺をヒコヒコ動いているかわいらしいやつもいます。でも「あんな風になってみたい!」というようなかっこいいヤツは皆無w 考えてみれば人間と機械をくっつければ不恰好になるのが当たり前で、009や仮面ライダーのようになる方がおかしいのかもしれません。

この映画で他に特に際立っていたのは、脳みその描写へのこだわりでしょうか。前半の方で脳みそがスポッとあらわになっちゃう場面があるのですが、その際映画館にいた総勢6名ほどのお客さんたちから一斉に「プッ」と失笑が起きました。こういう一体感が映画館で観てよかった~と思える瞬間ですね。
「コミュニストとファシストの脳みそをくっつけたらどんな人間になるのか?」といういまだかつて誰も思いつかなかったような実験も行われます。わたしは普通に公平な人格に変化するのでは?と予想したのですが、果たして結果は… 実際にご自分で観て確認されてください。

Bkng1『武器人間』はまだ兵庫や宮城や北海道で上映残っているようですね。そのうちDVDも出るでしょう。
トランスフォーマーさんはこのまま「○○人間」というシリーズでも続けるつもりなのでしょうか。まあどんな姿であれ、人間一番大事なのはハートだと思いますよ!


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December 03, 2013

世界が終わるまでは中心で愛を叫ぶ 堤幸彦 『SPEC ~結~ 漸の篇』

Photo「『結』なんてねーから」という言葉で締めくられた『天』より約1年半。予想通り『劇場版 SPEC〜結〜』が公開となりました。完結編は二部作… って一本にまとめんかい! 今日は前編にあたる『漸ノ篇』について書きます。TVシリーズおよび前作劇場版について書いた記事はコチラ

ニノマエのクローンを必死の思いで倒した「ミショウ」の面々。だが彼らが休息をとる暇もなく、事態は次なる局面を迎える。特殊な能力を持つ「SPECホルダー」を恐れた世界の指導者たちは、彼らを殲滅する「シンプルプラン」を発動。ミショウ係長の野々村はシンプルプランの謎を解くべく当麻と瀬文の前から姿を消す。

…とあらすじを書くとすごく緊迫感が増してるように思えますが、『翔』あたりから目だって来た脱力ギャグが今回も満載。さすがに心の広いわたしも「もっとまじめにやらんかい!」と叫びたくなりました(^^;
映画ファンというものは面倒くさいもので、コテコテの感動路線もハナにつく一方、的外れなギャグの連発にも青筋を立てたりします。まあ、大事なのはあれですよね。バランスですよね。
ただ好意的に解釈するなら、このヘンテコなギャグセンスこそが堤幸彦氏の個性とも言えます。普通なら涙を誘うような場面でも、同時進行でわけのわからんギャグを続ける。こんな変な映画はそうそう見られるものではありません。堤さんもいまのなんでも感動にもっていこうとする邦画界の風潮が嫌いなのでしょう。あるいは普通に涙涙の展開にもっていくことに照れがあるのか…
わたしは個性的な映画が大体好きなので「これもありか」と思えましたが、おおよそ人にはすすめられない作品です。そもそもこれからいきなり観たって話についていけないだろうし。
だのにそんな映画がけっこうヒットしてたりするので世の中はわかりません。ドラマだったころの人気の貯金がまだ利いてたってことなんでしょうけど。

そんな風にいろいろ当惑させられながらも、今回も竜雷太演じる野々村係長には魅了されまくりでした。二部作にわけたのはこの「漸の篇」で野々村係長に花を持たせる目的もあったのかも。それくらい「漸の篇」では輝いておりました。
思えば野々村係長も『ケイゾク』のころから14年に渡って親しまれているキャラクターです。そんな係長がこれまででもっとも華々しい活躍を見せる本作品は、もはや「野々村係長(竜雷太)のための映画」と言っても過言ではないでしょう。

101214061bというわけでお話は後編の「爻ノ篇」へと続きます。世界レベルの災厄に立ち向かう当麻と瀬文。彼らを待ち受けているものはいったいなにか… って、もう観てきちゃったんですけどね(^^;

『SPEC』シリーズ完結篇となる『結』は現在全国で前後篇ともに公開中です。ちなみにわたしが「漸の篇」でもっともツボにはまったセリフは「イーデオーン」。これからごらんになるロボマニアはどんなところで使われてるかチェックしてみてください。

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