« ドリフ(ト)の大爆発 ギレルモ・デル・トロ 『パシフィック・リム』 | Main | ZはゾンビのZ マックス・ブルックス マーク・フォースター 『ワールド・ウォー・Z』 »

September 02, 2013

戦隊ひとり ゴア・ヴァービンスキー 『ローン・レンジャー』

Lrg1ここんとこ家でめいっこをあずかっているので、面倒見その他のため更新が空いてしまいました… でも今日はがんばって書く! 夏休み(もう終りじゃねえか!)ハッタリ大作シリーズ第二弾。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのジョニー・デップとゴア・ヴァービンスキーの二人がまたがっちりと手を組んだ! それで果たして出来の方はいかがなものか? かつて一世を風靡したラジオドラマのリメイク『ローン・レンジャー』、ご紹介します。

これはかつて西部で強気をくじき弱きを助けたヒーローの物語。生真面目な法律家の青年ジョンは、故郷へ向かう列車の中で拘留中の悪党ブッチ・キャベンディッシュと居合わせる。ブッチは手下たちを呼び寄せて列車から見事に脱出。いろいろあってジョンはブッチを仇とつけねらう風変わりな原住民・トントと共に、悪党達を追跡することになる。

ネットなどの感想を見ると「『パイレーツ・オブ・カリビアン』と大体一緒」という意見が多かったですね。それは確かにある。でもまあ違うところもちょこちょこありましたよ。
違うところのその1はパイカリが海洋冒険ものであるのに対し、こちらは西部劇だということですね。まあそんなのはポスター見ればすぐわかりますよね。
違うところのその2はパイカリがもうファンタジーの領域に入っちゃった話であるのに対し、こちらは現実的にギリギリ「あり」な話だということです。なんかその辺こだわりがあったのか、今回の作品ではゴア監督、極力CGを使わないことを心がけたんだとか。
逆にこれまでのゴア作品と似ているところは、「主人公が始終妄想にふけっている」という点ですね。ただジャック・スパロウが根っからの変人で、ランゴが成り行き上仕方なく妄想に入り込んでいたのと違い、こちらの「悪霊ハンター」トントがあっちの世界に行っちゃってるのには悲しい理由があるのですね。あまりにも辛い経験をしてしまったから、「あれは悪霊の仕業だったんだ」と現実逃避することで己の精神が崩壊するのを防いでいるのです。「ジョニデの白塗りももう飽きたよ」という方もいらっしゃいましょうが、そんな背景を思うと同情したくなるキャラクターでした。

さて、この映画実は最初はあんまり興味なかったのですが、公開二週後くらいに「映画史に残るウン十分ぶっ続けの列車アクション!」みたいなコピーを見て俄然観たくなってきたのでした。これはもしかして…『キートンの大列車強盗』をリスペクトしてるんでないかと。わたくしバスター・キートンの作品が本当に好きでして。そいつをオマージュしてるのかどうかぜひ確認せねばと思って観賞を決意しました。うん、クライマックスのあたりはかなりよく似たシーンがありましたね。『大列車強盗』未見の方はぜひDVDでご確認ください。
ついでに言うと最近のジョニデさんが基本的に無表情キャラなのも、恐らくはキートンへのリスペクトから来てるものだと思います。

あともう一点気になってたのは、今回はいい動物は出ているのかということ。ゴアさんはヘンテコな動物を撮らせるとなかなかいい仕事するんですよね。『マウス・ハント』のネズミ、『パイカリ2』の巨大ダコ、『ランゴ』のカメレオン他大勢。『ローン・レンジャー』ではグロくて面白い動物は出てきませんでしたが、途中から主役二人のあとをくっついてくる白馬が期待にこたえてくれました。普通白馬ってのは気品があってかっこいいものですが、こちらの白馬さんはなかなかやることがすっとぼけていてずるがしこい。でもヒーローのピンチには颯爽と駆けつける! そんなギャップが印象深い登場馬物でした。

Photoそんなわけで馬と列車が好きな人にはぜひおすすめのこの1本。ただやってるのはあと1週か2週でしょうか。今年の大作映画は『モンスターズ・ユニバーシティ』&『風立ちぬ』とぶつかったのが不憫です。そんな中、『ローン・レンジャー』は割りと健闘している方です。ひきつづきがんばりたまえ!

|

« ドリフ(ト)の大爆発 ギレルモ・デル・トロ 『パシフィック・リム』 | Main | ZはゾンビのZ マックス・ブルックス マーク・フォースター 『ワールド・ウォー・Z』 »

Comments

伍一くん☆
夏の大作に押されて、もうすっかり下火のローン・レンジャーですねぇ。
ま、この出来だと仕方ないのかなぁ。

極力CGを使っていないとしたら、相当に凄い事だね☆
ま、その点でも良く頑張ったと言ってあげたいです(笑)
白馬くんはなかなかいい味でした。

Posted by: ノルウェーまだ~む | September 03, 2013 at 02:56 PM

>ノルウェーまだ~むさん

わんばんこ~
ジョニデ人気もさすがにかげりが見えてきたというとこでしょうか。日本よりも本国で派手にぶっこけてるそうです
ちなみに「CGを使わない」=「全て本物」というわけではなく、ミニチュアやジオラマを使った撮影なども取り入れてるそうです。今時そういう試みはなかなか面白いと思うんですが…

Posted by: SGA屋伍一 | September 03, 2013 at 10:04 PM

最後のラストシーン以外は、ほとんど見どころがないので、
ちょっと残念な作品ですが、白馬シルバーがなかなか
いい味だしてましたよね〜。
CGではなく、ミニチュアやジオラマっていうのも
味があって良いと思うのですが、やはり昔のテレビドラマの
焼き直しってのが、イマイチだったんでしょうかね〜。
私は、ほとんど記憶がないのですが、昔見たことがある方は
どうなんでしょうね・・・。

Posted by: ルナ | September 19, 2013 at 12:23 AM

>ルナさん

わたしはヘレナ・ボナムの片足ショットガンをけっこう楽しみにしてたんですが、出番少なかったですね~ いかにも撃ちにくそうな銃だったので仕方ないっちゃないですけど

わたしはさすがにドラマ版の記憶はないですね(^^; 「はいよー! シルバー!」という例のかけ声くらいは聞いたことありましたが
最初に夢中になった西部劇は川崎のぼる先生の漫画(笑)『荒野の少年イサム』でした。アニメ版もちょっとだけ覚えております

Posted by: SGA屋伍一 | September 19, 2013 at 10:47 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/70832/58116920

Listed below are links to weblogs that reference 戦隊ひとり ゴア・ヴァービンスキー 『ローン・レンジャー』:

» 「ローン・レンジャー」☆翻訳の力量 [ノルウェー暮らし・イン・原宿]
白塗りにしようとしまいと、最近のジョニーは作品を選ばない・・・・と思って観たし、ディズニーだしね・・・・とも思っていた。 既に観た方の評価もジョニーファンでもこんなかんじ?といった印象だったので、かなり低めの期待値で観たのが、逆に良かった!? 前半のテンポの悪さはいかんともしがたいけど、ド派手なアクションに雄大な景色、小ネタ満載の『王道エンターテイメント』は、夏休み映画にぴったりで十分楽しめる作品だった。... [Read More]

Tracked on September 03, 2013 at 02:52 PM

» ローン・レンジャー [ルナのシネマ缶]
ジョニー・デップの コスプレ好き(白塗り?)は 有名ですが、今回もかなり独特な アレンジです! (カラス、頭に乗ってるし・・・笑) 昔のテレビドラマのトントを検索したら かなり地味なネィテイブアメリカンで あまりの違いにちょっと笑ってしまった! (インディアン、ウソつかない!が 口癖だったらしいです・・・。) 検事となって故郷の西部に戻ってきたジョン(アーミー・ハマー)は、 レンジャー部隊の英雄である兄たちと犯罪者を追跡中に 待ち伏せに合い、部隊は全滅し自らも瀕死の状態と... [Read More]

Tracked on September 19, 2013 at 12:24 AM

» ローン・レンジャー [いやいやえん]
インディアン・老トントが語るローン・レンジャーの真実。 ローン・レンジャーで知ってる事といえば相棒のインディアンが「インディアン、嘘つかない」と、まるで呪詛のようにくり返す台詞だけ。 子供の頃何気に使った「インディアン、嘘つかない」という言葉はここから来てたんだろうな〜と今更ながら。 ジョニー・デップ、アーミー・ハマー共演のディズニー作品で、パイレーツのスタッフ結集ってことでまた面白いのを見れるのかと思ってたけど、後半の「ウィリアム・テル序曲」でテンションはぐんと↑↑上がりましたけれど... [Read More]

Tracked on January 19, 2014 at 11:09 AM

» 『ローン・レンジャー』(2013) [【徒然なるままに・・・】]
プロデューサーがジェリー・ブラッカイマー、脚本がテッド・エリオットとテリー・ロッシオのコンビ、主演がジョニー・デップで監督がゴア・ヴァービンスキーという『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのクルーが集まったディズニーの超大作。音楽もハンス・ジマーだ。仮面を付けた白人ヒーロー「ローン・レンジャー(ジョン・リード)」とインディアンの「トント」が西部を舞台にコンビで活躍する物語は、ラジオドラマとして始まりTVシリーズやコミックにもなった人気作品だというのは知っていたけれど、そのTV版を元にした劇場版が... [Read More]

Tracked on January 19, 2014 at 10:59 PM

« ドリフ(ト)の大爆発 ギレルモ・デル・トロ 『パシフィック・リム』 | Main | ZはゾンビのZ マックス・ブルックス マーク・フォースター 『ワールド・ウォー・Z』 »