朴念仁の夏休み 東野圭吾・西谷弘 『真夏の方程式』
いやーーーー! みなさん、夏、楽しんでますか! わたしは今晩は親戚のおばさんが来てて酒盛りがあったので、すでにべろんべろんです!
でもいい加減間が空いてしまったので、今日はがんばってブログ更新したいと思います。話題の東野圭吾×福山雅治の『ガリレオ』シリーズ最新劇場版『真夏の方程式』、ご紹介いたします。
今を遡ること16年前。東京の片隅で一人の女性が刺殺された。犯人は彼女の顔見知りの男性と断定され、男も素直に罪を認めた。事件はそれで解決したかに見えた。
現在。警察に捜査のアドバイスで度々協力している物理学者の湯川は、環境保全の説明会で海辺の町・玻璃ヶ浦へ向かう。彼が泊まった旅館は、たまたま来る途中知り合った少年・恭平の親戚が経営している宿であった。
子供らしく遠慮のない態度で接してくる恭平に、辟易する湯川。
しかし旅館で起きた殺人事件をきっかけに、湯川は少年の人生を守るために奔走することになる…
東野圭吾作品はこの「ガリレオ」シリーズで本格的にブレイクする以前に十作くらい読んでました。とりわけ良かったのは『魔球』『変身』あたりでしょうか。『十字屋敷のピエロ』も好きでした。
ただ「ガリレオ」シリーズは第1シーズンとその劇場版『容疑者Xの献身』をテレビで観ただけ。第2シーズンにいたってはついスルーしてしまいました。それでもこの『真夏の方程式』を映画館で観ようという気になったのはツイッターで非常に評判が良かったから。
普通最近の若い映画ファンって滅多にTVドラマの劇場版ってほめないんですよ。それがけっこうみなさん熱く絶賛してるので、これはなにかあるだろうと。変人と少年の交流・夏休み映画ってわたしの好みの題材でもありますしね。
というわけで観賞に臨んでみましたが、ちょっとひっかかるところがないでもなかったです。というのはこれ、湯川・少年・被害者が旅館に同じ日に泊まらないと成立しない話なんですね。三人がそれぞれ玻璃ヶ浦に来た理由というのがてんでバラバラなもんですから、そんな偶然あるもんかなあ… とちょっと気になってしまったのです。二人くらいまでならまだしもそんな偶然もあるかもしれませんが。
と、ケチをつけながらも後半のあたりではダラダラと涙と鼻水を流しておりました(笑) 計算にのせられてるなーとは思ったんですが、前田吟と白竜の朴訥な演技に泣きツボをやられてしまったのでした。あと現在朝ドラで活躍中の塩見三省氏が「勉さん」そっくりのいでたちで出てきて、あっけなく退場してしまったのがまるで勉さんが死んでしまったようでそこも泣けました。
「現在の殺人事件が十数年前の出来事と深く関わっている」「犯人を必死でかばおうとする老人」というところは、松本清張の小説・映画『砂の器』を思い出させます。日本ミステリー界・映画界にはかなり『砂の器』が好きな方も多いようなので、東野氏・西谷氏ももしかしたら意識してたのかもしれません。
あともうひとつ、なんでわざわざ子供と湯川をからませたのか…その辺を疑問に思いながらずっと観てたんですが、最後の方になってやっと「ああ、そういうことだったのか」と深く納得いたしました。
世の中は決して「子供だから」といって容赦してくれるわけではありません。時として残酷な運命に見舞われる子供もいます。そんな時、大人である自分は子供たちの助けになってやれるだろうか…と映画を観ていて思いました。
ガリレオ先生こと湯川教授も根は子供なんだと思います。周囲の騒ぎなどお構いなしに自分の好きなことだけに打ち込んでいる様子から、それがわかります。そんな湯川教授だからこそ、子供の気持ちがよくわかったのかもしれません。もっともベタベタに優しいわけではなく、序盤は「子供は苦手だ」と邪険に扱ってたりして。そんなぎこちないやり取りも面白うございました。
『真夏の方程式』は現在大ヒットにつき全国の映画館でたぶんまだ上映中。
この時期になると「○○感想文」というワードで検索されることが多いんですが、そんな学生諸君に湯川先生の言葉を借りて警告いたします。
「いいか、自分で考えろ」
失礼いたしました。
Comments
もう夏休みも終わりですね~~
私は今年は勤務がめちゃくちゃきつくて夏休み中は毎日出勤はしておりましたが,やはり気は楽なので・・・・この毎日が終わってしまうかと思うと辛いです。また前線復帰の兵士のような気分です。ま,この猛暑ははやく終わってほしいのですが。
この作品,観に行きましたよ~福山さん目当てで。それに世間の評判もよかったですね。子役の少年と夏休みの宿題…この季節に公開がピッタリでしたね。俳優さんみんなとてもよかったですしね。
わたしはこの暑いのに湯川博士はワイシャツにベスト姿で・・・あんな日光ギラギラの海岸を…熱中症にならないのかなとかそんなことを考えておりました。ペットボトルロケットは一時期流行りました。学校でも。ペットボトルロケット大会などもやりましたね。でもそれでああいうことができちゃうなんてさすが科学者ですよね。本当に可能かどうかはともかく・・・。
Posted by: なな | August 21, 2013 09:49 PM
>ななさん
こんばんは。子供たちが宿題の片付けにあせりだすころですね
やっと猛暑が終わったと思ったら今度は前線復帰ですか~ 体力勝負ですね。きっと生きて帰ってきて… じゃなくて体調にはお気をつけください(^^;
わたしはよく日曜夕方に福山さんのやってるラジオを聞くんですが、毎年夏に子供たちと電話で話すという企画をやるんです。それで「お葉書は子供たちが自分で考えて自分で書くこと。少しでも親の手が加わってることがわかったら採用しません。いいか、自分で考えろ」とかっこよくおっしゃってました。でもあんた映画の中では思いっきり子供に手を貸してたよなー!とつっこみたくなりました
ペットボトルロケット、夏は涼しくてよさそう。でも大人が一人でやるのは勇気がいりそう…
Posted by: SGA屋伍一 | August 23, 2013 08:01 PM