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June 05, 2013

ロシアより愛欲をこめて レフ・トルストイ ジョー・ライト 『アンナ・カレーニナ』

Akl1今からかれこれ20年くらい前でしょうか。『ウゴウゴルーガ』というえらいゲリラ的な幼児番組があったのを皆さん覚えてらっしゃるでしょうか。その『ウゴウゴ~』に「朝の文学」という一日一分一週五分で世界の名作を紹介する無茶なコーナーがありました。なんだかんだ言ってけっこう勉強になったのですが、その中で特に印象に残ってたのが文豪トルストイの名作『アンナ・カレーニナ』。「ひでえ話だ…」と思いました。その『アンナ』をノリにノッってるジョー・ライトが奇抜な演出で映画化したという。おっかなびっくり観て参りました。『アンナ・カレーニナ』、ご紹介します。

19世紀後半、帝政も末期に近づいたロシア。モスクワへ親族を訪ねにきたカレーニナ夫人(アンナ)は、若い将校のブロンスキーと知り合う。アンナの美しさに心を奪われたブロンスキーは、恥も外聞もなく彼女にアタックを試みる。初めこそ毅然とそれを退けていたアンナだったが、情熱的できらびやかなブロンスキーをいつしか自分も愛していることに気づいてしまう・・・

誰もが知っている(んだよね?)有名な文学作品。サイレントの時代からこれまで5回にもわたって映画化されてきました。
そこでジョー・ライト監督が「これまでと同じことをやったってしゃあねえ」と思ったのか。本作品はちょっと変わった試みがなされています。大筋のストーリーは原作とほぼ一緒なようですが、背景がよくある舞台の装置のように、場面転換の際にさーっと横に流れていったりします。さらに別に観客がいるわけでもないのに、舞台や劇場の上で役者さんが動いていたり。他にも現実ではまずありえないような演出がちょこまかと施されていました。
普通だったら噴出すかひいてしまうところですが、役者さんはコテコテの美形で背景もまた絢爛豪華なものですから、そうした現実離れした演出が不思議とマッチしておりました。それこそ少女マンガやオペラと映画を融合させたような印象を与えます。

ただ、ストーリーはそんなに奇抜でもなく、むしろよくある不倫話の王道といった感じがあります。今も昼メロなんかで「奥さん!」「いけません! あたしには夫が・・・」といった場面は珍しくありませんが、これ、世界文学の王道でもあるんですよね。『クレーブの奥方』『ボバリー夫人』『アドルフ』『チャタレー夫人の恋人』etc… そういった名作文学と昼メロとの間にはもちろん大きな違いがあるかとは思いますが、じゃあ具体的にどの辺が違うのか?と言われるとわたくしよくわかりません(^^; わかるのはそうですね、今も昔もやっぱり道ならぬ恋は人をひきつけるというか、心を燃え立たせるものがあるということですかね! 奥さん! あと恋愛物のヒロインというのはただの優しい人にはあんまりなびかず危険な香りのするイケメンにずんずんひかれていくもの。この辺も昔からまったく変わっていません。
そして道ならぬ恋というのは、大抵悲劇的な道をたどっていくもの。後半は二人が追い詰められていき、暗い話がえんえんと続いていく上に結末も知ってるもんで大概辛かったです。

アンナの恋人であるブロンスキーを演じるのはあのヘナチョコヒーロー、「キックアス」を演じていたアーロン・ジョンソン君。あの時はそれなりに野暮ったかったのに、今回は少女マンガから抜け出てきたような、宝塚の男役のようなキラッキラした美青年になっていました。こんなんでまたキックアスに戻れるのでしょうか? お兄さんはとても心配です。
対してアンナの夫であるさえないハゲ親父を演じているのはベテラン、ジュード・ロウ。恐らく十五年くらい前だったらブロンスキーを演じるのは彼だったかもしれません。しかし今回はあまりにも地味メイクが似合いすぎて最後までジュードさんだと気づきませんでした。
これはジュードさんじゃなく、お話の中のカレーニン夫さんに言えることですけど、いくら地位も財力もあるからといって、不釣合いなほどに若くて綺麗な嫁さんをもらうと、あとあと気苦労が絶えなくなる…ということなのかもしれません。
そういや若くて綺麗だったかは知りませんでしたが、トルストイも奥さんのことではずいぶん苦労したとか・・・ この辺も人類普遍のテーマのような気がします。

20070921拡張高い文学作品のレビューなのにずいぶん下世話な感じになっちゃったな。わたし一応「文芸学科」というとこ出てるんですけど・・・ まあいいや。
『アンナ・カレーニナ』は現在すでに上映終わっちゃったところもあり、これから始まるところもあり。この予告編を見ると「奇抜な演出」というのがどんな感じだかおわかりいただけるかと。


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Comments

こんばんは!(*^^*)
泥沼恋愛中心の昼ドラ風作品でしたね〜。
まあ、アンナのダンナも結構浮気していたみたいなので
若くて綺麗な嫁さんをもらうと…ってことではないのかも
しれませんけど・・・(笑)

アーロンくんは、キックアスとは別人でしたね〜。
キックアスの続編では、どんな感じで登場するのか
ちょっと楽しみですねーーー。

Posted by: ルナ | June 06, 2013 at 11:51 PM

>ルナさん

泥沼でしたねw まあすんなりハッピーエンドになってしまったらこの手のお話は盛り上がらないわけで・・・

>アンナのダンナも結構浮気していたみたいなので

それは知らなかった。さすがジュード・ロウ? 

ちなみにアーロン君、今日観てきたオリバー・ストーン監督の『野蛮なやつら』という映画でも線の細いイケメンの役で出てました。ちょっと不安ですが『キック・アス2』での活躍も楽しみにしてます
というか『キック・アス2』はうちの近場で上映してくれるのかどうかが不安・・・

Posted by: SGA屋伍一 | June 08, 2013 at 10:44 PM

ご無沙汰しています。自民党の安倍ですございます。 晩ご飯はカレーを食べました。

わたくしも愉快なブログをやっているのですが、参院選に向けてSGA屋さんのブログをブックマークしてみました。相互リンクっての、する? しちゃいなよ。じゃ、安倍でした。。。

Posted by: 安倍晋三。。。 | June 11, 2013 at 08:59 PM

>安倍晋三。。。さま

日ごろ公務お疲れ様です。。。 景気回復はけっこうですが時折右翼っぽい発言が気になるのでぜひともカレーのようなまろやかな政治をお願いします。。。
お名前クリックしたらガムとか腕とかいう怪しげなサイトに飛んだのですがここでいいのでしょうか。久しくリンク追加とかしてないのでやり方忘れちゃったのですが、がんばってチャレンジしてみます。。。

Posted by: SGA屋伍一 | June 11, 2013 at 10:45 PM

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