残りものには福があるか ウィリアム・ユーバンク 『地球、最後の男』
シアターN亡きいま、B級映画ファンの期待を一身に背負っているのがヒューマントラストシネマ渋谷さん。そのヒュー渋さんが昨年から行っている企画に「未体験ゾーンの映画たち」という企画があります。DVDスルーが決まっているマイナー作品を、小画面だけではもったいないからということで期間限定でスクリーンにかけるという、遠方の者にはちょっと厳しい企画。昨年はなんとか『タッカーとデイル』だけ観ることができました。今年はちょっと行けないなーと思ったらなんと近場のジョイランド沼津さんで、選抜して開催してくれたので驚きでした。こんな地方でそんなマイナーな企画やって・・・ オレが行かなかったら誰も行かないんじゃないか!?
と、言いながら結局一本しか行けなくて申し訳ありませんでした・・・ 『地球、最後の男』ご紹介いたします。
宇宙飛行士のリー・ミラーは衛星軌道上のステーションでの任期をほとんど1人で務め上げ、地球に帰還する日を心待ちにしていた。だが突然地上との交信が途絶え、リーはわけもわからぬまま宇宙ステーションに取り残されてしまう。誰と会話することもない孤独な時間が、いつ果てるともなく続いていく。必死で正気を保とうとするリー。彼に救いの手が差し伸べられる日は来るのか。
自分ひとりだけ残されてしまった恐怖を描いた映画はこれまでも色々作られてます。キャストアウェイ、アイ・アム・レジェンド、月に囚われた男・・・ ことに今回の作品はポスターといい、タイトルといい『月に囚われた男』を思いださせます。しかし、しかしです。先にあげた作品群の主人公たちは誰とも接することのできない苦しみは味わってましたが、ある程度その辺をほっつきまわるくらいの自由はありました。ところが『地球、最後の男』の主人公は宇宙ステーションから出ることすらままならないため、監獄の中にいるのとほとんど変わりません。これはきついです。実際に体験しているわけではないけれど、観ている側もけっこうきついです。
そういったきつさを和らげるためか合間合間に意味不明のインタビュー映像が入ったりするのですが、これがわけわかんなくて平板でさらにフラストレーションをかきたてます(笑)
映像や音楽はなかなか目・耳に優しくいい感じだったのですが、それだけで監獄の辛さを乗り越えられるはずもなく。一言で表すなら「微妙」。まさにその一言につきます。いや、それだけではまだたりないな。あまりにも微妙すぎて微妙を超える微妙・・・ 超絶微妙とでも申しましょうか。人はいろいろなことに感動するものですが、微妙過ぎるということもそれなりに胸を打つんだな、と感じ入りました。
あとで調べたらこの作品、アメリカの人気バンド「エンジェルズ・アンド・エアウェーブズ」がプロデュースしてるそうで。全体的にPVっぽい雰囲気があるのはそのためか、と納得いたしました。というわけでPVっぽい映像が好きな人は気に入られるかもしれません。
というわけで『地球、最後の男』、さすがにもう映画館ではどこでもやってないかな・・・ で、7月末ごろにDVDが出ます。これまで書いてきたようにお世辞にも人に薦められる作品ではありません。でもこのものすごい微妙感を、1人でも多くの人に味わって欲しい(笑)。観てください!
Comments
GWのあたりは如何お過ごしでしたか?
「語る会」は疲れて眠りこけてしまい
結局参加できなかったっすよ(ノ∀`) アチャー。
>残りものには福があるか
折も折、GW開催のハイブリッドカー燃費オフ参加4年目で
順位万年最下位近くになりつつあり凹んでいたので
この表題はぐっと来ましたよ・・・・・・・( ´;ω;`)ブワッ
あるいは無くとも充実感あればいいのかも?
いわゆる「私は、敗者になりたい」症候群でしょうね・・・・。
そうそう、たまには近況報告な記事もお願いしますよ。
因みに私は鉄道模型職人目指し修行中。
世捨て人になりかかってるみたい・・・・・・。
Posted by: まさとし@ | May 11, 2013 10:14 PM
>まさとし@さん
返事遅れてごめんなさい。「語る会」中継はわたしも用事が入っててちょっとしか見られなかったなー たしか『ヤマト』地上波第1回放映の日。GWは子守りをしたり東京にちょこっと出たりしてました
燃費オフ、続けてるんですね。充実感さえあればいいと思いますよ~ わたしも勝負事とかコンペとかにはむかない人間なもんで・・・
近況報告はもっぱらツイッターのほうにてやっております(IDは例によってsga851)。なんかこれの方が楽なもんで・・・
お体に気をつけつつ職人修行に励まれてください。ではー
Posted by: SGA屋伍一 | May 15, 2013 11:00 PM