« 残りものには福があるか ウィリアム・ユーバンク 『地球、最後の男』 | Main | 嵐が吹けば風呂桶が溢れる ベン・ザイトリン 『ハッシュパピー バスタブ島の少女』 »

May 13, 2013

ジェリーフィッシュ×キャッツアイ 片岡翔・中田真由美 『くらげミタイな猫』

Kmtn1色々都合が合わなかったりで最近ご無沙汰していた猫目映画上映会。4月末に1年ぶりに観にいくことができました。そのイベントの名は京橋ルクスギャラリーにて行われた「くらげミタイな猫」。片岡翔監督の短編上映と交互して、音楽を担当している中田真由美さんのライブを行うというありそうであまり聞かない試み。では上映された作品を出だしだけ順番に紹介して参ります。

☆『なんにもでて こない話』
公園のベンチで恋人を待っている爆発頭の青年。本当は大事な話をしようと思っていたのだが、不意打ちのように彼女が現れたため、肝心のことを忘れてしまう。「あれ、なんだっけ?」と思い出そうとするが、彼と恋人の物忘れはとどまるところを知らず・・・

実は監督がご自身の結婚式のサプライズのためにわざわざ撮影したという1本。若い二人の微笑ましいやり取りが、オヤジには正直まぶしい(笑) 
あまりに激しい二人の物忘れは、落語の「みょうが宿」を彷彿とさせます。
青年の恋人役を演じる小宮一葉さん、どこかで観たことがあるなあ~と思っていたら、今泉力哉監督の『最低』や片岡監督の『party』にも出演されてた女優さんでした。今泉監督の『こっぴどい猫』という作品でも好評を得ているそうで。
『最低』では女の怖さを感じさせる役を、『party』では危うげな少女のような役を演じてましたが、こちらでは等身大の無邪気な女の子を好演。それぞれに違う顔を見せてくれて将来が楽しみな女優さんです。
あと作品の背景となっている公園は、わたしが初めて観た猫目作品『Mr.バブルガム』でも使われていたところでした。両作品の対照的なところや共通してるところを思い出してニヤリといたしました。


☆『ヒゲとりぼん』
少しやさぐれている女子高生きっこ。彼女にはいつも「ヒゲ」「りぼん」という二人の男が影のようにつきしたがっている。そしてヒゲとりぼんはきっこにしか見えない・・・

猫目映画の中でもとりわけ発想の面白さが光る一本。特に何をされるわけでもないけれど、トイレでもベッドでもいつも「誰か」が一緒だというのは年頃の女の子にはきつくないのかな・・・とも思いますが、生まれた時からずっとそうならそれがかえって自然なのかも。そのあたりの絵は谷崎潤一郎の『春琴抄』に似たところもありました。
無頼を気取っているようなきっこちゃんですが、年相応に傷つきやすい一面もあり。助けてあげたり励ましてあげたいのだけど、基本的に何もできないヒゲとりぼん。同じ甲斐性なしとして気持ちがシンクロせずにはいられませんでした(笑)
主演の椎名琴音さんは、今泉監督も関わっていた異色の特撮ドラマ『エアーズロック』で注目を浴びた女優さん。その時のインタビューを読む限りではほんわかした感じの子でしたが、こちらではとがった一面も持つ女の子を上手に演じておられました。
猫目ファンのチェックポイントはマスコット・チムチム君とライバルのチェブラーシカとわかりにくい共演とか、ヒゲとりぼんが口ずさむあの歌など。


☆『くらげくん』
に関しては以前レビューを書いているので内容に関してはそちらをごらんください。
わたし『くらげくん』を観るのはPFF、下北上映会、トリウッドの特集上映(2回)、ムービーズ・ハイと今回で通算で6回目となるのですが、今回が一番よかったです。というのはEDで流れる『ミタイ』という曲をその場で作者である中田さんが演奏してくださったから。
この曲はとても好きだったのですが、こういう形で聴けるとは予想してなかったのでなんだかじぃ~んと来てしまいました。
中田さんはトークの時はとても恥ずかしそうにしているのに、ギターを手にすると小柄な体で朗々と歌っているのが印象的な方でした。また何かの機会にお歌を聴きに行きたいものです。

わたしもこれまで600~700本くらい映画を観ていますが、こういう形式での上映は味わったことがなく、とても面白い体験をさせていただきました。面白い体験といえば、わずか二三列の距離に出演していた役者さんがいたというのも初めてでした。わざわざ新幹線を使ってまで観にいった甲斐があったというものです。

Kmtn2猫目映画の今後の上映予定としては今月19日に「調布まちシネマの日」というイベントで『ヒゲとりぼん』が上映。さらに来月のショートショート・フィルムフェスティバルのアジア インターナショナル & ジャパン部門にて新作『我輩は木村の猫である』が上映されます。
中田真由美さんのHPはこちら。お二人とも今後ますますのご活躍を!


|

« 残りものには福があるか ウィリアム・ユーバンク 『地球、最後の男』 | Main | 嵐が吹けば風呂桶が溢れる ベン・ザイトリン 『ハッシュパピー バスタブ島の少女』 »

Comments

伍一くん☆
あれー?誰も来てないのー?猫目チームすら?(笑)
皆さん、ご活躍でお忙しいのかな?

狭い会場だったとはいえ、満席でなかなか面白いイベントでしたねぇ~
早く監督の長編が見たいなぁ。

Posted by: ノルウェーまだ~む | May 15, 2013 at 11:19 PM

>ノルウェーまだ~むさん

ははは。最近営業をさぼりまくってるのですっかり忘れられてしまった感がありますねw
わたしが嬉しかったのはビールが料金に含まれてたことかな・・・ ってそこかよ! いや、他にもいろいろファンタスティックな企画でした(^^; その後のジンギスカンもおいしかったし
長編も観たいけどとりあえず次はSSFFですかね。わたしは今回はスケジュール的に横浜で観ることになりそうです

Posted by: SGA屋伍一 | May 16, 2013 at 10:47 PM

営業・・・というか私もほんとブログ書かなくなっちゃったからなあ(笑)
ふとたまにこうして思い出したように徘徊・・・。

中田さんのライブよかったですね。
彼女のソロライブとかも行ってみたくなりました。

SSFF、私も横浜かも。

Posted by: rose_chocolat | May 30, 2013 at 05:49 AM

>rose_chocolatさん

徘徊ありがとうございますw その節は事前にささっとギャラリー2、3件回ったのも楽しかったです
中田さんのホームグラウンドは西荻窪だそうで。ちょっと遠い印象があるけど夏休みにでも行けたらいいなあ

SSFFはあさって土曜に参戦いたします。お会いできたら僕と握手!

Posted by: SGA屋伍一 | May 30, 2013 at 10:30 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/70832/57372222

Listed below are links to weblogs that reference ジェリーフィッシュ×キャッツアイ 片岡翔・中田真由美 『くらげミタイな猫』:

» 映画を聴いて音楽を視る会「くらげミタイな猫」 [Nice One!! @goo]
またまた、サンズイさんによる告知があったのでお邪魔させて頂きました。 今回は片岡翔監督の映画×中田真由美さんの音楽によるコラボ企画です。 映画を聴いて音楽を視る会「くらげミタイな猫」ホームはこちら。 Twitterでの、サンズイさん(@sanzui2008)による告知 ...... [Read More]

Tracked on May 30, 2013 at 05:47 AM

« 残りものには福があるか ウィリアム・ユーバンク 『地球、最後の男』 | Main | 嵐が吹けば風呂桶が溢れる ベン・ザイトリン 『ハッシュパピー バスタブ島の少女』 »