元社長・島鋼鉄 シェーン・ブラック 『アイアンマン3』
この映画も初日にはりきって観に行ったはずなのにもう二十日くらい経ってますね(笑) 今日もお酒飲んじゃって非常にかったるいんですけど、がんばって感想書きます。途中で力尽きたらそれまでということで・・・ ヒーロー大集合の『アヴェンジャーズ』以降を描く第一弾『アイアンマン3』、ご紹介します。
未知の世界からの侵略を、他のヒーローたちと共に迎え撃ってから一年。アイアンマンことトニー・スタークは恋人ペッパー・ポッツの心配をよそに新型アーマーの開発に没頭し続けていた。折りしもアメリカでは「マンダリン」と名乗る国際テロリストが電波をジャックしては攻撃的なメッセージを送り続け、人々を不安に陥れていた。マンダリンの魔の手が親友の命をも脅かすにいたり、トニーは激怒。彼に真っ向から挑戦状を叩きつける。しかしそのことがアイアンマン最大のピンチをまねくことになろうとは・・・
はい、今回はもう完全に観た人むけ。ネタバレが嫌な人はいますぐ映画館に行って観て来て下さい。
まず観賞終了後ツイッターでフォローしてる方がUST中継でおっしゃってて「なるほど」と思ったんですがね、トニーのスーツの改良ってより強力に・・・という方向に向かってないんですよね。『2』の携帯スーツ、『アベンジャーズ』での遠隔操縦などを見てわかるように、「いつでもどこでもすぐに着られるように」という方へ改良しています。
他のヒーローと違ってトニーの場合は世間に正体をさらしています。それだけにいつどこで誰に襲われたとしても不思議ではない(にも関わらず今回自分から個人情報ばらしちゃうのには頭を抱えちゃいましたが・・・)。そういう不安が「常にアーマーが近くにないと不安でたまらない」状態へ彼を追いやってしまったのかもしれません。まさにアーマー中毒、武装依存症とでも言うような状態に陥っております。
今回の主なテーマはそのあたりにあります。「強い敵をどうやって倒すか」というより、「自分の中にある弱さ・恐怖をどうやって克服するか」というお話。シリーズを通してトニー・スタークはあまり人を信用せず、なるたけ自分の力のみで解決するきらいがありましたが、それでは依存症からは抜け出せません。今回トニーは自分の限界を認め、何人かの人々の助けを借りることによって危地から脱出します。本当に強くなることというのは、己の弱さを知り、必要とあらばすすんで人の援助を求めることなのかもしれません。
自分にとって真に必要なのは武装ではなく最愛の女性であることに気づいた時、トニーはとうとう鎧依存症を克服します。まさに(ひとまず)シリーズ完結にふさわしい幕切れでございました。
しかし。しかしです。作者自らの手で次々と爆破されていくアーマーたちを見て「そこまでせんでもええだろおお!! もったいねえええ!! そんな風にするんだったらオレにひとつくらいくれえええ!!!」、という思いは否めませんでした。やっぱあれですかねえ。男は結婚を決めたらオタク趣味とはおさらばしなきゃいかんということですかねえ。わたしがいつまで経っても結婚に踏み切れない理由もその辺にあるのかもしれません(まるでしようと思えばいつでもできるような口ぶりだな!)。
まあ例によってテロップで「アイアンマンは『アヴェンジャーズ2』で帰ってきます」と出てきたので、あれは恋人の前でのとりあえずのデモンストレーションにすぎなかった、という見方もできます。彼の自宅の地下にはまだまだ大量のアイアンスーツが隠されているのかも。そうだったらいいのにな♪
アメコミファンからの情報をひとつ。今回実に見かけだおしぶりが素晴らしかった「マンダリン」ですが、原作ではけっこうな超能力も持つちゃんとした?悪役です。それがなぜ映画ではあんな扱いになってしまったのでしょうか。
実はアイアンマンというのは登場当初少なからず右翼的な部分のあるキャラクターでした。最初の敵はベトナムのゲリラでしたし、その後も共産圏出身の悪役と戦うエピソードが続きます。このマンダリンも「中国の犯罪組織を牛耳っている」という設定でしたし。
近年の「アイアンマン」は、映画もコミックもそういった昔のカラーからなんとか抜け出そうと奮闘しているように思えます。真の敵は国外にあるのではなく、軍備を増強しようとする自国の勢力であり、そして己の内にある…そんなメッセージを感じました。
日本では世界でも最速公開となった『アイアンマン3』。残念ながら『コナン』にはかないませんでしたが(・・・)、それでも前2作を上回る堂々たるヒットぶりであります。もちろん本国では二週連続の1位で、三週目ですでに337,073,000ドルをもうけております。その結果を見たからか、マーベルのトップは「アイアンマン4、5もあるだろう。トニー・スタークは007のように役者が変わっても続いていく普遍的なキャラクターにしたい」との発言。うーんうーん
でもまあかつてめちゃくちゃ人気が低迷してて「その他大勢」の1人であったアイアンがこんだけ大うけしてるのは、やはり微笑ましいことであります。
『アイアンマン3』はまだひきつづき全国の劇場で上映中でありますが、その期間をどこまで延ばすことができるでしょうか。画像はハズブロから出てる3.75インチの「アッセンブル」シリーズ。手足を自由に組み替えられるのが楽しい玩具ですが、ちょっと小さいのが難点です。
Comments
SGAさんおはようご無沙汰ございますwコメント有難うございました♪
そいえば自分も改めて思いましたが、アイアンマンって武装もカッコイイですけど、魅力を感じるのはやっぱり装着プロセスなんですよねぇ。確かにシリーズを重ねるごとに武器よりもスーツを着用する利便性の方が上がって行ってますし、そこには正体を晒してるがゆえ、危機に迅速に対応できるようにしているトニーの思惑もある気がしますね。
でもスーツを全部打ち上げ花火でオジャンにしたとはいえ、すでに参戦が確定している『アベンジャーズ2』でスーツが無いもんだから生身参戦・・・なんてしょうもない展開にはならないはずですから、やっぱり地下にまだへそくりを隠してるのかも?(笑
また新たに作るにしてもたった1年で確かマーク42辺りまで作ってましたから、2年も空きがあればマーク100まで行くかもしれませんねw
Posted by: メビウス | May 24, 2013 07:35 AM
>メビウスさん
こんばんはー お返しありがとうございます。
装着プロセスというと自分は『宇宙刑事ギャバン』の「スローモーションでもう一度見てみよう」を思い出します。今回のアーマーをちょっとずつ装着していくシーンは独特でよかったですね。完全にそろうまで生身でさらされてる部分がちょっとあぶなっかしくはありますが
>『アベンジャーズ2』でスーツが無いもんだから生身参戦・・・
それはそれで面白・・・くない!(笑) やっぱり今回のアレは決意表明みたいなもんで必要とあらばまた作るんじゃないでしょうかね? 魔改造されたマーク1や接収されたはずのマーク2がしれっと置いてあったところをみると、作ろうと思えばいつでも作れるんだと思います
>マーク100まで行くかもしれませんねw
海洋堂やホットトイズの皆さんが泣きそうwww
Posted by: SGA屋伍一 | May 24, 2013 11:36 PM
こんばんは!(^_^)
いやぁ〜、アイアンマン惜しげもなくって感じでしたね〜。
>男は結婚を決めたらオタク趣味とはおさらばしなきゃいかんと
いうことですかねえ。
いやいや、あのお子ちゃま体質は結婚しても直らないと思いますよー。
ああいうタイプは、母性本能の相当強い女性でなければ
つきあえないと思います。
まあでも、あんだけ金持ちなら関係ないかぁ・・・(~_~;)
『アベンジャーズ2』では、どんな姿で登場するのか楽しみですね〜。
Posted by: ルナ | June 15, 2013 12:30 AM
>ルナさん
こんばんは。知り合いに二三ヶ月かけて丁寧に組み立てたプラモデルを、惜しげもなくあげてしまう人がいました。組み立てるのが楽しいのであって完成したらもうどうでもいい、という人もいるにはいるみたいです
>ああいうタイプは、母性本能の相当強い女性でなければ
つきあえないと思います。
ペッパーさんなら大丈夫でしょう。というか今回の件でもう完全にカカア天下というか、頭があがらなくなってしまったのでは・・・
『アベ2』や『アイアンマン4』では、「あなた! もうやめるって言ったのにまたこんなに作って!」と怒られるトニーさんが見られそうですw
Posted by: SGA屋伍一 | June 16, 2013 11:05 PM