ロシアより弾をこめて ジョン・ムーア 『ダイ・ハード/ラスト・デイ』
昨年から「何をそんなに生き急ぐ?」とばかりに出演作が目白押しのブルース・ウィリス。そして彼の原点たるこのシリーズも復活しました。『ダイハード/ラスト・デイ』ご紹介します。
21世紀も干支が一回り過ぎた現代。未だ現役(!)の敏腕刑事マクレーンは行方不明だった息子がロシアのモスクワの刑務所に収監されていると聞いて会いに行く。折りしもロシアでは大富豪ユーリ・コマロフの政治スキャンダルをめぐる裁判が行われようとしていた。マクレーンが裁判所に着くや否や、突如として爆破と銃撃戦が始まる。混乱の中マクレーンは息子のジャックと再会。そして彼がCIAの潜入捜査をしていたことを知る・・・
最初の2作こそほぼピンでがんばっていたマクレーン=B・ウィリスですが、年を取るにつれきつくなってきたのか、三作目以降はバディものとしての側面が強くなってきた『ダイ・ハード』。『3』では黒人の雑貨屋さん、『4』ではオタク青年がパートナーでしたが、この『5』では息子と共にド派手なアクションを繰り広げます。前2作の相棒は戦闘に関しては素人でしたけど今回の相棒は若干頼りなさげとはいえCIAの一員なので、マクレーンもかなり楽そうでした。
実は今回ネット上(主にツイッター)ではずいぶん評判が悪くて、公開前日にはあんなに盛り上がっていたファンたちが、観賞した途端テンションをガクーーーーンと下げていて、封切り日はさながらお通夜のような状態でした 映画ってやつは必ずしも自分の期待にこたえてくれるとは限りませんが、それにしたってこんなに極端な例もちょっと珍しいです。実際、予告編見た時は普通にいつもの『ダイ・ハード』のように見えましたしね。
理由はいろいろ考えられますが、ひとつには前述したようにマクレーンが「楽してる」ように見えたからかもしれません。いや、もちろんダイ・ハードですからアクションしてないわけじゃありません。でもほとんど銃撃戦とカーアクションがメインで、取っ組み合ったりよじ登ったり全力でダッシュしたりというのはちょびっとだったような・・・ 派手な飛び降りはありましたけどあれはたぶんスタントかCGでしょうし、本人がやってるにしても飛び降りってあんまり体力は要りませんからね(じゃあお前はできんのかよ!?)
ただわたしは思いっきりハードルを下げて観にいったせいか、普通に楽しめました。考えてみたら、わたしダイ・ハードに思い入れはあってもこだわりはないですからねえ。「ダイ・ハードはこうでなきゃ!」という気持ちもわからないではないですが、ウィリス氏もあと二年で還暦。スケジュールもかつかつのようですし、多少は楽をさせてあげたいです。モスクワでのカーチェイスは迫力ありましたし、中盤での逆転劇もなかなかスカッとしましたしね。クライマックスの方も少々流れ作業みたくなってる感はありましたが、それなりにドッカンドッカン爆発してましたし。
それにしても前作からもう6年、私が最初に映画館で観た『2』からは23年ってマジですか・・・ ウィリスさんほどでないにせよ、わたしも年をとるわけです。でも多少は動きがゆるくなっても未だにアクション映画で主役張ってる彼を見てると、「まだまだがんばらないかんなあ」という気にもなってくるわけです。早くも次回作の構想もあるようですし、『ダイ・ハード』も『男はつらいよ』並みの長寿シリーズにしてほしいものですね!
おまけに豆知識をひとつ。『ダイ・ハード』シリーズ、実は『2』以降邦題と原題がちょっと違っていたりします。わたしのいい加減な英語力で直訳してみますと
・『Die Hard』→「死ににくい」
・『Die Hard 2: Die Harder』→「死ににくい2:より死ににくい」
・『Die Hard: With a Vengeance』→「猛烈に:死ににくい」
・『Live Free or Die Hard』→「生きやすいか、死ににくいか」
・『A Good Day to Die Hard』→「死ににくいのに絶好の日」
となります。受験生の皆さんはどうぞ参考にしないでね!
Comments
SGAさんこんばんわ♪コメント有難うございました♪
自分も予告編見てた時は『相変わらずだなぁ~』なんて思いながら楽しみにしていたんですけどねぇ^^;それでもやっぱり不評が多数だったのは『期待に反して』という思いが強すぎたんでしょうか?個人的には相変わらず『ぼやき』もあったり市街地とかでもハチャメチャアクションやったりで『ダイ・ハードらしさ』みたいなものは色褪せていなかったようにも感じたのですが、ただ『楽してた』ってのは否めない気がしますね。後半はジャックとアクション分担してましたもんね^^;
・・まあ2200年度版サイボーグ・ダイ・ハードまで続いてるかはどうかは定かではありませんが、それでもウィリスのじっちゃまは還暦間近でもまだあれだけ動けるのですから、このシリーズもまだ主役としてこなせそうな気はしますねw
Posted by: メビウス | March 23, 2013 10:12 PM
伍一くん☆
サイボーグダイハードの絵を見て、つい松健サンバロボットを思い出してしまいました。
あんなかんじで老体にロボット装着で「死ににくい」となったら、なんとなく別次元の映画になりそうです。
期待を膨らませすぎると、どんな映画でもイマイチになるかもね。
でも今作は、ダイハードらしさもあったけど、ダイハードらしくないところも多かったから・・・
それにしても、まだ次回作が予定されているとは・・・
Posted by: ノルウェーまだ~む | March 24, 2013 12:38 AM
>メビウスさん
おかえしありがとうございます~
やっぱり人気シリーズだけあって「『ダイ・ハード』はこうでなくちゃダメだ!」という人が多いんでしょうね。気持ちはわからないでもないですが
ダイ・ハードらしさというか、過去作へのオマージュらしきものはちょこちょこありましたね。ピンチの時に不自然にゲラゲラ笑い出したりとか、ラスボスの最後のシーンとか。少し前に地上波で第一作を放映してたのでいい予習になりましたw
記事にも書きましたが、B・ウィリス本当に元気ですね。「そろそろ007は体力的に限界」と言ってるダニエル・クレイグも見習ってほしいものです
Posted by: SGA屋伍一 | March 25, 2013 10:02 PM
>ノルウェーまだ~むさん
松ケンサンバは知ってましたが、ロボットまでやってたとは知りませんでした。松ケン・・・ 仕事は少しは選ぼうぜ!
たぶん還暦でサイボーグ化したらダイ・ハードというかサイボーグじいちゃんGになると思います。ご存知でしょうか。『ヒカルの碁』『デスノート』の小畑健先生の若き日の秀作で・・・ どうでもいいですね・・・
ダイハードに限らず、「自分らしさ」は大事だと思います。きゃりーぱみゅぱみゅも「100%じぶんらしく行きましょう!」って言ってましたし。この子はちょっとやりすぎな気もしますが!
Posted by: SGA屋伍一 | March 25, 2013 10:09 PM
「ハード・トウ・キル」殺し難いってのもありましたなあ。
私は割と周りがダメ出してくれたから楽に見れました。
Posted by: ふじき78 | March 29, 2013 11:58 PM
>ふじき78さん
>私は割と周りがダメ出してくれたから楽に見れました。
あるある。ツイッターの意外なメリットのひとつですね。去年は『ダークシャドウ』とか『スノーホワイト』とかそんな感じでした
Posted by: SGA屋伍一 | March 30, 2013 09:39 PM