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February 26, 2013

ガラスの能面 首藤瓜於・瀧本智行 『脳男』

Nootk120代はじめのころはそんなにお金もなかったので、映画を観るよりもミステリーを読むことの方に時間を費やしておりました。そのころに読んだ一冊『脳男』がなぜか今頃映画化されると聞いて興味を持ったのですが、予告を見るとどうもかつての記憶と違うような・・・ ともかく観てまいりました『脳男』、ご紹介します。

都内で続く猟奇事件や爆破事件。刑事の茶屋は一連の事件を捜査しているうちに、犯人のアジトらしき場所を発見する。だが茶屋が踏み込もうとした時爆発が起きる。辛くも難を逃れた彼は、現場で無表情に座っていた「鈴木一郎」と名乗る男を逮捕した。鈴木を担当することになった精神科医の鷲谷は彼に心理的な試験を試みるが、その常人離れした結果に戸惑うのだった。果たして彼は犯人なのか・・・

いきなりおばさんが舌をチョッキンされるシーンで始まるこの映画。アップにはならないものの衝撃的な幕開けです。でも原作にはこんなシーンあったかな・・・? すいません、あったかもしれませんcoldsweats01 なんせ読んだのが十年以上前なもんでかなり記憶があいまいなのですが、原作『脳男』はよくも悪くももっとあっさり風味だった印象があります。
あと発表当時ある書評家の方がこの作品を『バットマン』に例えていたんですが、確かにそんなテイストもありました。ただ原作では終盤まで鈴木君がバットマンなのかジョーカーなのか明らかにせず、その真相でもって読者をひっぱるようなお話になってたと思います。対して映画の方は割りと早い段階で鈴木君がバットマン側であることが明かされます。ですから一種のヒーロー映画と言えなくもないです。

けれど「ヒーロー映画」と言い切ってしまうにはためらわれるところも色々あります。まず鈴木君がとことん無表情。愛想のかけらもありません。格闘シーンで技の名前を叫ぶことさえありません。
そしてその攻撃方法がいちいち痛々しかったりえぐかったりするんですよね・・・ 小さなお子さんが見たら憧れるどころかギャアギャア泣き出すこと必至です。ヒーローものというよりかつて東宝がよく作っていたオカルト系の「○○男」「○○人間」シリーズや、TVシリーズ『怪奇大作戦』に近い雰囲気を感じました。
そんなキモキモな脳男くんを、ジャニーズの生田斗真くんが実に不気味らしく好演しておりました。これまでは名前くらいしか知りませんでしたが、この存在感は大したものです。

あともう一点ヒーロー映画らしからぬのは、茶屋や鷲谷たちからずっとその行動が「まちがっている」と言われ続けることです。基本ヒーローというのは賞賛されるものですからね。まあ自分の判断で司直を通さず死刑執行してしまうのですから、警察としちゃあ黙って見過ごすわけにもいかんでしょうけどw 
アメコミヒーローは基本的に人は殺しませんし、日本のヒーローが退治するのは怪人や怪獣。悪人とはいえ人間をバサバサ殺していったら「殺人鬼」と言えなくもないわけで。そういう行動を誉め讃えちゃいかんよな・・・とは思いつつも、残虐な事件を見聞きすると「こんな犯人さっさと死刑にしてしまえばいいのに」と思ってしまったりもする。そんな人間の建前のモラルや、危うい願望について考えさせられる内容となっておりました。

Nootk2大作邦画らしいツメの甘いところも幾つかあるのですが、作り手の本気度やチャレンジ精神がよく伝わってくるいい映画でした。『脳男』は現在全国の劇場で準大ヒット公開中です。


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February 24, 2013

帰ってきたバイクオバケ マーク・ネヴェルダイン&ブライアン・テイラー 『ゴーストライダー2』

Hedycみなさん、2007年に公開された『ゴーストライダー』って映画覚えてます? え? 覚えてない? そうですよね。はははは・・・ ともかくそんな不遇のヒーロー映画の続編が5年ぶりに作られ、さらに日本では1年遅れて公開となりました。『ゴーストライダー2』紹介します。ちなみに一作目のレビューはコチラ。原作コミックの簡単な解説はココです。

悪魔メフィストと契約し、内に「復讐の精霊」ゴーストライダーを宿してしまったバイクレーサー、ジョニー・ブレイズ。自分の中で暴れるゴーストライダーをもてあました彼は、周囲に迷惑を及ぼさぬようあてのない旅を続けていた。
一方そのころはメフィストはダニーという少年を追いかけていた。ダニーはメフィストが次の自分の「入れ物」として用意した少年だった。メフィストがダニーと一体化すれば彼の力は現世において比類なきものとなる。事情を知る修道士モローはそれを防ぐべく、ジョニーの助けを請う。

前作ラストで「これからも正義のために戦うぞ!」と張り切ってたジョニーさんですが、今回冒頭からかなり消耗しております。まあ決意するのは簡単ですけど、継続していくのはかなり難しいものです。まして体の中でめっちゃハイテンションの悪魔と同居しなくちゃならないわけですから、グロッキーになってしまってもそりゃ無理ないでしょう。
ではジョニーさんの内面の葛藤が深刻に描かれるのかというと、その辺はかなりあっさり風味で流しております。というか、「苦しい苦しい」と言いながら、ジョニーさんけっこう楽しんでないか?と言う気がしてなりません。それは恐らくジョニーを演じているのがアメコミ大好き俳優ニコラス・ケイジだからでしょう。最近は普通これだけ間が空くとすんなりリブートされてしまうものですが、一応続き物として製作されたのはニコちゃんが「ゴーストライダーは絶対ボクがやるんだああああ!」とゴネまくったからに違いありません。

前作は人間ドラマやラブコメも手がけているマーク・スティーブ・ジョンソン監督だったせいか、要らん恋愛模様などもちょこっと入ってましたが、今回はとにかくアクション!ニコラス!アクション!ニコラス!という感じで本当に無駄がありません。それもそのはず、今回の監督はマーク・ネヴェルダイン&ブライアン・テイラー。「ワンアイデアで一本押し切りました!」系の名作『アドレナリン』、で有名になったコンビです。あとこのコンビは「低予算でもそれなりのクオリティで仕上げてくる」という点で定評があります。だから?今回の予算は前作の半分、アベンジャーズ系作品の1/4~1/3です。おじさんはなんだか目頭が熱くなってまいりました。

そんな彼らの尽力か、あまり低予算を気にさせないビジュアルにはなっていました。ゴーストライダーことゴーちゃんの燃えっぷりも相変わらず派手でしたし。この度の『2』ではバイクのみならず、彼が触れた乗り物は自動車だろうと重機だろうとすべて火だるまになるという能力が明らかになりました。この浮気者! 乗り物が火だるまになったらガソリンに引火して爆発するんじゃないか?というツッコミはこの際こらえましょう。

アメコミファンとしての注目ポイントは、まずジョニーが守る少年の名が「ダニー」であったこと。いやでも二代目ゴーストライダー「ダニエル・ケッチ」の名を思い出さずにはいられません。あと邦訳版にも登場した悪役「ブラックアウト」が登場していたこと。設定は少々変わっていましたが、こんなマイナーなキャラをスクリーンで観られたことに感動しました。

まあ決して「本年度ナンバー1!」とか「全世界が感動した!」という作品ではないのですが、アメコミファンであればやはりチェックしておかねばなりますまい。4,5箇所ほど鳥肌の立つようなシーンもありましたしね。わたしとしてはそれだけでお金を出した価値がありました。・・・あれ? これためたポイントで観賞したんだっけ?
Gr23『ゴーストライダー2』は現在全国の劇場で辛うじて上映中です。ちなみに現時点での世界での成績は製作費 $57,000,000に対して興行収入$132,563,930。低予算が幸いして一応儲けにはなったようです。スタッフは三作目も目論んでいるようですが果たして。


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February 19, 2013

魔女っ子涅槃変 新房昭之 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編]永遠の物語』

Mmk2昨年より一大ブームを巻き起こしているアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』。先日より近くの映画館で劇場版前後編が相次いで公開されたので張り切って観てまいりました。今回は後編について紹介いたしますが、できましたら前編はもちろん後編を観た後でお読みいただきたいいいい。ちなみに前編の記事はコチラ

絶望と希望のバランスが崩れ、「魔法少女」から「魔女」へと変貌してしまったさやか。まどかや杏子は彼女を元に戻すための手立てを必死に探すが・・・ そのさ中、謎めいた魔法少女暁美ほむらの真の目的が明らかになる。時間を遡行する能力を持つ彼女は、まどかが「最強の魔女」となる運命を変えるべく何度もタイムリープを繰り返していたのだ。それぞれの思いをよそに、見滝原に壊滅をもたらす「ワルプルギスの夜」が静かに迫りつつあった。

『まどか☆マギカ』の特色を一言で現すなら、わたしは「二面性」であると考えます。どの少女たちも自分の内に相反する二つのものを抱え込んでいます。
さやかは純粋な愛情と嫉妬心を、マミは自信に満ち溢れた外面と恐怖に必死に耐えている内面を、杏子は悪を気取りながら「誰かを助けたい」という思いを、ほむらは非情を装いながらその内に激しい感情を押さえ込んでいます。ヒロインのまどかはちょっと違っていて感情面では極めて一途ですが、無力で平凡な少女でありながら、世界の理を変えるほどの存在でもあるという点ではやはり二面性を持つ存在であると言えるでしょう。そして彼女たちはみな無垢で清らかな「魔法少女」でありながら、人々を死に追いやる「魔女」になる可能性も持っています。
またキュウベエも述べていましたが、十代の少女というのは特にこの点で際立った存在かもしれません。子供の時代を残しながら、同時に大人にもなりかけている。わずかな間に驚くほどの変貌を遂げる「少女」も少なくありません。対して男というのはいつまでも子供だったり、本質的にあまり変わらない場合が多い気がします(笑)

目的のためには全くぶれていないキュウベエも同様です。冒頭こそ少女たちの夢をかなえるかわいらしげな妖精として登場しますが、その正体は彼女達を地獄へ追いやる悪魔だったりして。憎んでも憎み足りないようなキャラでありながら、キュートな声で「なんでだろう~ わかんないな~」と言われるとやっぱり憎みきれなかったりして。

こうした二面性はキャラクターだけでなく作品の構造にも現れています。前半では理屈を無視したファンタジーのように思われた作風が、後半では見事な理論のアクロバットによって実はサイエンス・フィクションだったことが明らかにされます。
キャラクターのデザインがいかにもかわいらしい今時の「萌え絵」であるのに対し、ストーリーは生々しく毒々しい内容であるところも大した二重性です。この絵面にだまされて普通の魔女っ子アニメだと思って観にいった親子連れがトラウマになったという話も聞きました(笑) せめてポスターの端っこに「この作品には過激な表現が含まれてます」と一言入れておくべきでしたね・・・

とまあさんざん理屈をこねて参りましたが、実際観賞している時は鼻水がジェット噴射のように吹きすさび、嗚咽を無理やりかみ殺していたら吐きそうになったりして大変でした。傍から見たらさぞキモキモな光景であったことでしょう。前編ではさやかちゃんの「大切な友達さえ傷つけて・・・」で号泣してしまいましたが、後編ではまどかのために幾度となく悲しいループを繰り返すほむらちゃんにずいぶんとやられました。さらにクライマックスのまどかの「全部見てきたよ」でドロドロのぐちゃぐちゃのスライム状になってしまいました。これまでにも何度か書きましたが、わたし「自分のことも顧みず誰かのために必死になる姿」とか、「隠していた辛い思いが誰かにわかってもらえる瞬間」というのに本当に弱いものですから・・・
40手前で自称ハードボイルダーとしては目の大きなキャピキャピした女の子や、「魔法少女」というキーワードにひいてしまう時もありましたが、それでもなおひきつけられずにはいられませんでした。

Mmk3なんかもう、年の初めから年間ベスト1に当たってしまったようで・・・ 2013年、果たしてこれを超える映画に出会えるでしょうか。
かくて大団円を迎えた『魔法少女まどか☆マギカ』でしたが、さらなる続編が計画されているとのこと。なんでここで終りにできないんですか! フンガー!! 納得行きませんが確実に観にいってしまうことでしょう・・・


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February 16, 2013

仲良きことは難しきかな 西加奈子・廣木隆一 『きいろいゾウ』

1これまで度々奇妙な縁で追いかけてきた自主映画作家の片岡翔氏。その片岡氏が脚本を手がけた作品が、全国規模で公開されるというので張り切って観て来ました。西加奈子先生の小説を原作とした『きいろいゾウ』、ご紹介します。

小説家のムコとその妻のツマは、結婚してまもなく田舎の古い家に越して来る。子供のようなツマは時々感情をもてあまして落ち込んだりするが、優しい夫と穏やかな日々を送っていた。隣の老人アレチさんや、登校拒否の小学生の大地君らも、夫婦の暮らしに笑顔をそえる。だがムコの哀しい過去が徐々に明らかになるにつれ、二人の間にぎこちない空気が生じ始める。

ムコ氏をツマ嬢も、とても繊細というか、「弱い」人たち。ツマは幼いときの病気が原因なのか、本当に子供がそのまま大きくなったような女性。ムコ氏はとても慕っていた叔母の悲劇的な死がショックで、人の死に接すると深く動揺します。しかし弱いからといって、それは悪いことではありません。むしろ強くて無神経でいたずらに人を傷つけるような連中の方がよほどやっかいな存在といえます。すべての田舎がそうではないだろうけど、幸い舞台となる場所は弱い二人にとってうってつけの暖かく優しい土地でした。またムコとツマも一方的に与えられるだけでなく、悩める大地君や田舎の老人たちに元気をわけていきます。しかし人生、時には哀しさと向かい合わなければならないこともあります。そしてその哀しみが二人の間に溝を作っていきます。

お互い愛し合ってはいても、コミュニケーションというのは難しいもの。まして出会ってろくに話す間もなく結婚したムコとツマはお互いの間に知らないことがたくさんあります。デリカシーのないわたしからすれば「普通に打ち明けりゃいーじゃねーか」などと思うわけですが、きっと「話したら相手を失ってしまうのでは」と思うとそう簡単にはいかないものなのでしょうね。そういや自分は「何が何でもこの人だけは失いたくない」という経験をしたことがないな。ふうううう ともかくそうやって試練を乗り越えていくことで絆というのは深まっていくものなのでしょう。

このあと映画と原作はどのくらい違うのかと思って小説の方も読んでみました。主な流れはほとんど一緒でしたが、小説の方は文庫で約500ページとなかなかのボリュームなので、細かいエピソードが幾つか省略されております。で、小説はムコとツマが交互に一人称で語っていく構成なので、特にツマの方は映画と違ってえらい饒舌な印象を受けます。ですからその分映画よりも、彼女が何を思っていたのかわかりやすく伝わってきます。しかし映画は映画で登場人物が何を思って行動してるのか考えなが見ると、とても楽しめると思います。それこそ男女間のコミュニケーションの参考にもなるでしょう(笑)
あとわたしこれは映画ならではだなあ、と感じたのが、時折挿入されるツマが愛読してた絵本のパート。スクリーンいっぱいにこういう水彩っぽい絵が動く映画というのはあまりないと思うんですよね。そしてただ個性的なだけではなく、作品にマッチした温かみを胸に残していってくれました。

偶然なのかそういう資質を買われたからなのか、これまでの片岡氏の世界といろいろ通じるものがあったのも楽しかったです。屈託のない、でもそれなりに色々悩みの多い子供たちの描き方とか、残酷さと優しさが入り混じったムードなどね。これからもさらなる活躍を期待しております。

20130215_220846『きいろいゾウ』は現在全国の劇場で公開中です。書き忘れてましたが主演が宮崎あおいさんと向井理君。二人のファンはもちろん、動物好きにもおすすめです。


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February 13, 2013

決定! 第2回人間以外アカデミー賞!!(2012年度)

「なぜアカデミー賞は人間にしか与えられないのか」。ふとそんな疑問を抱いたのが昨年のいまごろでした。そして創設したのがこの「人間以外アカデミー賞」です。オケラだってミミズだってアメンボだって、みんなみんな生きてるんです。友達なんです。そんな宇宙的な見地に立って2012年に公開された映画から、人間以外の際立ったブツを表彰して参ります。第一回の結果はコチラ

586206683☆虫部門 『アメイジング・スパイダーマン』よりピーターを噛んだクモ
銀幕デビューから約十年。とうとう念願の受賞とあいなりました。次点に『ロボット』でチッティとケンカしてた蚊。

☆魚介系部門 『砂漠でサーモン・フィッシング』に登場してた鮭。 わたしこの映画まだ観てないのでもしかしたら登場してない恐れもありますが・・・ 次点に『孤島の王』のクジラ(イメージのみ)。本来なら『ピラニア・リターンズ』に上げるべきなんでしょうが、彼ら?評判がよくないので

☆爬虫類・両生類部門 『ザ・マペッツ』よりカーミット ♪マナマナ(どっとぅーるどぅる) 往年のスター見事にカムバックです。次点に『プロメテウス』の蛇みたいのや『フランケン・ウィニー』のガメラ

20121214_210020☆犬部門 『フランケン・ウィニー』よりスパーキー 『アーティスト』のワンコに『ジョン・カーター』のウーラ、『おおかみこども』『THE GREY』のみなさんと、今年はこの部門が一番の激戦区だったかもしれません。

☆猫部門 『長ぐつをはいた猫』よりプス 『シュレック』の脇役から晴れて主役に昇格。次点に『フランケン・ウィニー』の毛玉ちゃんと、『鍵泥棒のメソッド』に出てきたニャンコ。『ダークナイト・ライジング』のアン・ハサウェイもいたか

☆畜産系部門 『戦火の馬』より馬 昨年一番泣かしてくれた動物です。でも名前忘れた・・・ 次点に『ニーチェの馬』の馬と『ザ・マペッツ』のブタ。

D9g1ちょっとぱっとしないあたりが続きます。
☆植物部門 『長ぐつをはいた猫』よりジャックの豆の木
来年は二年連続の受賞となりますか。

☆鳥部門 『第9軍団のワシ』よりワシ
これ生き物じゃなくて造形物なんですけどね

☆野生動物部門 『おおかみこどもの雨と雪』より狼人間のみなさん
犬系部門とかぶってますが・・・ 次点に『メリダとおそろしの森』の熊

☆恐竜その他絶滅した動物部門 『ハンター』よりタスマニアタイガー

120720_120431その他の小動物部門と類人猿部門は該当者なし。来年がんばりましょう。
続きまして人間だけど人でなしな二部門。

☆殺人鬼部門 『悪の教典』よりハスミン
次点に『哀しき獣』のミョン社長。『ドラゴンタトゥーの女』の犯人はそんなに殺してないですよね。あと『タッカーとデイル』の彼とか

☆マッドサイエンティスト部門 『アメイジング・スパイダーマン』のリザード博士・・・と思ったんですがmixiの方で『私が、生きる肌』のバンデラスでは?と言われて最もだと思いました。というわけでそっち。
次点に『アイアンスカイ』より博士(名前忘れた)
それではここから徐々に現実離れしていきます。

Ds1☆幽霊部門 『この空の花 長岡花火物語』のみなさん
次点に『聴こえてるふりを、しただけ』で出てきそうで出てこなかったさっちゃんのおかあさん

☆吸血鬼部門 『ダークシャドウ』よりジョニー・デップ
次点に『リンカーン 秘密の書』『トワイライト ブレイキングドーンPART2』の皆さん。

☆ゾンビ部門 『桐島、部活やめるってよ』の映画部の諸君
負けるな、あしたは君たちのものだ。次点に『バイオハザードⅥ』のみなさん。特に中島美嘉とかミッシェル・ロドリゲスとか。あと『レミントンとオカマゾンビの呪い』のオカマゾンビ

☆魔女・魔法使い部門 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』のみなさん
『ダークシャドウ』のエヴァ・グリーン、『スノーホワイト』のシャーリーズ・セロン、『メリダとおそろしの森』のばあちゃん、『ホビット』のガンダルフと、ここもなかなかの激戦区でした。

Photo☆モンスター・怪獣部門 『へんげ』より昔『超光戦士シャンゼリオン』の速水さんだった人 
次点に『ホビット 思いがけない冒険』のみなさん特に石男ね。他に『夜のとばりの物語』『ジョン・カーター』『タイタンの逆襲』のみなさん

☆妖怪・妖精部門 『ホビット 思いがけない冒険』のゴラム
『ロラックスおじさん』にもあげたかったんですが・・・ 『ももへの手紙』の三人組もよかった。『ダークフェアリー』のお前らは反省してください。

☆ドラゴンほか伝説の生き物系部門 『ホビット 思いがけない冒険』のスマウグ
なんだか『ホビット』ばかりひいきしてるような・・・ そうです。声はいまをときめくベネディクト・カンバーバッチ氏

Kuronosu☆神様部門 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の使徒さんたち特に渚カヲルくん。

☆悪魔部門 『タイタンの逆襲』よりクロノスさん
そのスケールの大きさと去り際の潔さを評価して。

次は宇宙人三連発です。

Mmk3☆攻撃的宇宙人部門 『バトルシップ』のみなさん
ラジー賞での大活躍に期待です。次点に『アタック・ザ・ブロック』のみなさん

☆友好的宇宙人部門 『MIB3』の声が三ツ矢雄二さんの人
『MIB3』ではアンディ・ウォホールの人も良くできてました。

☆不可解系宇宙人部門 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』よりキュウべえ 
こいつ本当にわけわかんなくて怖ええんすよ・・・

☆ロボット系部門 『ロボット』よりチッティ
思い入れとしてはエヴァの方が深いのですが、あれロボットじゃないらしいし。あと『劇場版フォーゼ』の大鉄人ワンセブン

ではいよいよ大賞の発表。今回もダブル受賞です。

Av3『アヴェンジャーズ』よりアヴェンジャーズのみなさん
『トワイライト ブレイキンドーンPART2』よりベラ・スワンさんとその仲間達

四年越しのビッグプロジェクト完結を祝して。実はわたし『トワイライト』シリーズ一本観てないんですけどね! 今年のラジー賞までに全部観られるかな・・・(無理だな・・・)

ふうう・・・ それにしてもこんな誰も注目してない、なんの役にも立たない文章をしこしこ書いて、わたしは一体何をやってるんだろう・・・

それではまた来年!(あるのか!?)

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February 09, 2013

太平洋一人と一匹ぼっち デビッド・マギー アン・リー 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』

Lop3ぼちぼちアカデミー賞が盛り上がってくる時期になってきました。その中の有力候補のひとつ『ライフ・オブ・パイ』、先日観てまいりましたのでご紹介します。

「驚異の物語」を探しているあるカナダ人の作家は、偶然知り合ったインドの男から、自分の甥こそがその信じられない物語の主人公だと聞かされる。その言葉を信じて男の甥「パイ」を探し当てた作家は、彼から若い日の体験談を聞く。
パイはインドで動物園を営む両親のもと育ったが、ある年事情でアメリカに動物たちともども引っ越すことになる。しかしその途上、船は難破。辛くも救命ボートにつかまり命を永らえたパイだったが、そのボートにはパイの父が「リチャード・パーカー」と名づけた一頭の虎も乗り込んでいたのだった・・・

回想形式で語られる物語ですので、そのあとパイが生き残ったことは明らかです。ではいったいどうして飢えた虎と同乗して食べられなかったのか? その疑問は映画を観ていくうちに徐々に明らかになっていく・・・のかな・・・ うふふふふ・・・
そういえばわたしの友人はこの映画の話を聞いて「本当にあった話なんだよね?」と言ってました。んなわけねーだろ。

以下は例によってネタバレしてますので観た方と「たぶん観ない」という方のみお進みください。

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映画の終盤でパイは保険会社の人から「もっと現実的な説明を」と言われて、渋々こんな話をします。ボートにはコックと船員と母が乗り込んできた。コックが船員と母を殺したので、自分は逆上してコックを殺したのだと。
パイは「好きな方を信じろ」と言って物語を閉じます。
わたくし考えるにトラはパイの作り出した幻覚のようなものだったのでしょう。母の死と自分が人を殺したというショック、そして洋上にただ一人投げ出されたという過酷な環境から、パイは普通でない精神状態に追い込まれたのだと思います。そしていつからかコックを殺したのはトラで、自分はそのトラと共に漂流していると思い込んでしまったのでしょう。

あとここに評論家の町山さんがこんな解説を書いておられます。インドではもともとこんな風に動物になぞらえて教訓を語る昔話が数多くあるそうで。
その線から行きますとトラは作者の考える「神様」の象徴だったようにも思えます。時に厳しく試練を与えるものの、そうすることで信じる者を成長させ、救うという。そして人間は一方的に神に信頼を寄せるものの、そう簡単にその愛情にこたえてくれるものではないと。
ラストでトラが振り返らなかったのもそんな作者の神様観が反映されてるように思えました。本当に助けが必要なときはそれなりに力になってやるけれど、そうでなくなったらあとは自分の力でなんとかしろと、そういうことではないでしょうかね。
象徴的といえばパイが漂着する「人食いの島」にも何かしら意味がこめられている気がします。先の町山氏の解説を手がかりにするならば、やはり群集に流されるままに信仰を抱くのは危険であると言いたいのかな。洋上でトラと共同生活を送るというのも限りなく死と隣あわせな気がしますが(笑)、周囲に合わせて何も考えずに盲信するのではなく、自分で色々苦労して信仰を掴み取れと、そんなメッセージが込められている気がします。
無神論者が多い日本ではピンとこない話でしょうけど、無限に続く円周率の数列を眺めていると、わたしなどは「やはりこの世には神様がおられるのでは・・・」と思ったりします。

もうひとつ考えられる説は、これが『スパイダーマン』について何か暗示しているということです。「リチャード・パーカー」ってどっかで聞いた名だなあ、と思っていたら、これスパイダーマン=ピーター・パーカーの亡父の名前でした。つまりスパイダーマン略して「パイ」なんですよ。「だからどうした」と言われるとはっきり言ってどうもしないんですけど。ただ・・・ヒロインのメリー・ジェーンがふざけてピーターのことを「タイガー」と呼ぶのもこれもやっぱり偶然なんでしょうかねえ。

Lop『ライフ・オブ・パイ』は特に人気俳優が出ているわけでもないのですが愛ネコ派のハートをガッチリつかんだのか、現在それなりのヒットを飛ばしております。果たしてアカデミー賞にはどこまで食い込めるでしょうか。

イラストは酔っ払いながら描いたパイくん。あくまでイメージということで。


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February 06, 2013

魔女っ子地獄変 新房昭之 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語』

Mmk2皆さんご存知だと思いますが、わたしはオタクです。しかしオタクだからといってアニメは全部好きというわけではなく、いわゆる萌えキャラとか魔女っ子ものは興味の対象外だったりします。そんなわたしでもちょっと気になる魔女っ子アニメがありました。そのタイトルは『魔法少女まどか☆マギカ』。深夜でたった13話しか放送されなかったにも関わらず一大ムーブメントを巻き起こし、ウソかホントか最終回放映時にはネタバレを嫌がった視聴者が数多くいたためにネットが過疎ったという伝説までできました。

それでも手が出なかったわたしですが、近所の映画館で総集編二部作が上映されると聞いて思い切って観てきました。それではあらすじを紹介します。

見滝原市に住む平凡な中学生まどかは、これといってとりえのない自分を物足りなく感じながらも親友のさやか、仁美と楽しい日々を送っていた。ある日まどかはさやかと学校から帰る途中、「ぼくを助けて」という声を耳にする。声のするほうへ向かうとそこには「きゅうベエ」と名乗る見たことのない生き物が怪我をしていた。きゅうベエが言うにはこの町には「魔女」という不幸をもたらす存在が暗躍しているのだと言う。まどかはきゅうベエに町の平和を守る守護天使「魔法少女」になってくれと頼まれる。魔法少女になればどんな望みでもひとつだけかなえることができるときゅうベエは言うが・・・

ま、ここまではよくある話ですよね。この時点で目を引くのは背景美術でございます。まずまどかたちが憩う建物がどれも特徴的で、なおかつリアル。これはあとで知りましたがどれも世界のどこかにある有名な建物のデザインを流用しているのだそうです。そしてまどかたちが足を踏み入れる「魔女の世界」がこれまた独特。切り絵のような影絵のような見慣れた日本アニメとはまた違った質感で観る者に迫ってきます。シュヴァンクマイエルを始めとするチェコアニメのシュールな世界は日本アニメとどうにも相容れないものだと思っていましたが、こんな風に融合させる方法があるとは・・・と感心いたしました。

で、ここからはちょっとビックリするような展開の乱れ撃ちなんでできたらご自分の目で確かめてほしいのですよ。近くで上映予定のある方は映画館に行ってみるもよし、レンタルでDVDを借りてもよし。
それでも「うーん」という方とすでに観た方のみ以下をお読みください。

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ともかく見習いということで、先輩の魔法少女マミと魔女退治に同行することになったまどかとさやか。何度かその活躍を見守っているうちに、まどかは「魔法少女になりたい」と願うようになります。ところが彼女がその意志を固めた矢先、マミは戦いの最中魔女に頭からバクバクと食われてしまいます。

ここでちょっとひきます(笑)。

自分たちにはこんなの無理だと怯えまくる二人(そりゃそうだ)。しかしタイミングの悪いことに(いいことに?)その直後、さやかにはなにがなんでもかなえたい望みが出来てしまいます。それは将来をヴァイオリニストとして嘱望されながらも、再起不能になってしまった幼馴染の少年・恭介の怪我をなおすこと・・・

というわけで結局さやかも魔法少女になってしまうのですが、この契約にはさらに恐ろしい秘密が二重三重に隠されていたのでした。さらに願いがかなったのもつかの間、恭介に自分の思いが届かないことを知ったさやかは精神的にどんどん追い詰められていきます。
純粋に相手に幸せになってほしいという、それだけを願っていたはずだったのに、心の底にあった「自分も報われたい」というささやかな望み。それに気づいたとき少女は底知れない暗黒に飲み込まれていきます。

親友のそんな姿を見てまどかが何か活躍するのかといえば、これが基本的に何もできずに泣いているだけ。いい加減ネタバレしてしまいますと『魔法少女まどか』というタイトルなのに結局前編ではまどかは魔法少女にはなりません(笑) なんとも型破りなアニメです。
型破りといえば魔法少女のマスコット的キャラであるきゅうベエも恐ろしく型破りです。かわいい外見とは裏腹に、実は少女たちをだまくらかして自分達の種族の食い物にすることしか考えてません。しかもそれを全然悪いこととは思ってないという・・・ アニメにもこれまで様々な悪役が登場しましたが、これほどまでに理解を超えた悪役はまれでしょう。というかそもそも悪役なのかどうか?

Mmk3劇場版『魔法少女まどか☆マギカ』前編はすでにだいぶ観られるとこが限られてますが、可能な方はぜひご覧になって、この絶望感にうちのめされてください。
果たしてその絶望の先に希望はあるのか。後編の感想も近々書きますです。


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February 04, 2013

相棒はテディベア セス・マクファーレン 『Ted』

20130112_132455_2ジョンは内気な友だちのいない子だった。そんなジョンに両親はテディベアをプレゼントする。たちまち夢中になるジョン。だがしょせんはテディベア。話すことは出来ない。「君と話せたらいいのに」そんな純粋な少年の願いが奇跡を呼んだ。テディベアに魂が宿って本当に動き出し、話し出したのだ。
それから二十年ほどのち。「テッド」とジョンは相変わらず無二の親友だった。しかし問題はテッドがアル中でシャブ中のエロエロクマ親父に成長?してしまったことだった・・・

「洋物コメディは日本ではうけない」という常識を覆して大ヒット中の『Ted』。ヒットの要因はやはり奇抜なアイデアとキャラクターによるものかと。
この映画にはもうひとつ特徴があります。それは80年代を中心とした様々なサブカルネタがつめこまれているということ。なんかこういうの・・・マネしたくなりますよね?
というわけで今回は「もし『Ted』を日本で完全リメイクしたとしたらどうなるか?」ということをダラダラ考察いたします。完全ネタバレ・観た人向けです。ご了承ください。

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☆「テッド」 日本でテディベアと同じくらい親しまれている可愛い系・猛獣系のキャラといったらなんでしょう。やはりガチ○ピンが最も最適かと思われます。本物より幾分小さめのサイズで。フ○テレビから許可が降りるか、という壁がありますが金さえ積めばなんとかなるでしょう。本編には「ガチャピ○みたいだろ」というセリフがありましたが、そこは「○チャピンだからな」となります。

☆「フラッシュ・ゴードン」 ジョンとテッドが憧れる正義のヒーロー。仮面ライダー1号&藤岡弘でもいいような気がしますが、80年代・宇宙ヒーローということでここはあえて「宇宙刑事ギャバン」で。中の人は当然大葉健二さんです。

☆「テッドが出演するテレビ番組」 『徹子の部屋』以外何があるでしょう。

☆「テッドとジョンがスターウォーズ・エピソード1にコスプレして並ぶシーン」 ちょっと時代がずれますが『エヴァ序』あたりが一番しっくりくる気がします。ジョンは碇ゲンドウ、テッドというか小ガ○ャピンはペンペンで

☆「トム・スケリット」 ジョンの上司の知り合いで『トップガン』の教官役。山下真司さんかな・・・ 『スクール☆ウォーズ』の指導者像から。

☆「携帯の着信音」 テッド→ジョンは『ナイトライダー』でした。ぐっと最近になっちゃいますが『相棒』のテーマがわかりやすいかと思います。彼女→ジョンは「ダースベイダー」にテーマでしたが、そっちはドロンジョ様の歌なんかいいんじゃないでしょうか。

☆「007/オクトパシー」 ジョンと彼女の思い出の曲。日本で長寿シリーズで主題歌がオシャレというと、やはり『ガ○ダム』かなあ。『F91』の「ETERNAL WIND」(森口博子)とかいいと思います。

☆「○○○○みたいだろ?」 原語では中にはポリスアクション・ドラマのタイトルが入るそうです。『西部警察』一択で。

☆「ホテルですねて『タンタン』を読んでるジョン」 大の大人がこういうマンガを読んでるところがおかしいわけで。日本だったら『ドラえもん』でしょう。

☆「お前なんかよりクマモンの方が良かった!」 ガチャ○ンが最も屈辱を感じる相手とはなんでしょう。そうです。ム○クです。

☆「インディのテーマと共に耳を拾うテッド」 鬼太郎のテーマと共に目玉を拾ってほしいです。

☆「誰かが星一徹にならないと」 ここは殴られたガキんちょに「ぶったね? 父さんにも殴られたことないのに!」と叫んでほしい。

☆「クライマックスで真っ二つになるテッド」 本編では「『エイリアン2』のビショップみたいだ」と言ってましたが、ここは「『ジョジョの奇妙な冒険』のツェぺリさんみたい」で。「キャメルクラッチを食らったブロッケンマンみたいだ」でもいいです。

Ted2_3あ~~~ また何の役にも立たないくだらない記事を書いてしまった・・・ しかもこれ不具合でいっぺん消えてしまったので、いつもの倍の時間がかかってます。

ちなみに「願ったらテディベアに命が宿った」という話は川原泉先生の名作マンガ『笑う大天使』にもあります。そっちはシモネタがいっさいない、物悲しい~いお話でしたけどね。


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February 03, 2013

花とポエムと巨大ロボ 永野護 『花の詩女 ゴティックメード』

二十五年以上(辛うじて)連載が続いている永野護氏の大河SFコミック『ファイブスター物語』。その永野氏が久々にてがけた映像作品が、少々遅れてですがこちらでもかかったので観てまいりました。『花の詩女 ゴティックメード』紹介します。

はるか時空を経た宇宙のどこかの星々のお話。惑星カーマインは代々「詩女(うため)」と呼ばれる不思議な女性により統治されていた。彼女らは歴代の詩女たちの記憶をそっくり受け継ぎ、その知識をもって人々に恩恵を施してきた。詩女になったばかりの娘ベリンは、最初の役目である都への旅に出発しようとした矢先、いかめしい戦艦の来訪を受ける。艦の主であり某大国の皇子でもあるトリハロンは、惑星連合の命により、彼女に対するテロを防ぐため護衛としてやってきたと告げる。武力を嫌うベリンはトリハロンとことあるごとに衝突するが、いつしか二人は心を通い合わせるようになる。

タイトルのゴティック・メードというのは「おかえりなさいませ、ご主人様♪」と微笑んでくれるメイド少女ではなく、このお話に出てくる巨大ロボのこと。恐らく「古の時代の召使」みたいな意味だと思われます。この映画というかアニメを観たかったのは、もちろんわたしが永野氏の、特に『ファイブスター物語』のファンだからであります。膨大な歴史と設定、独特のセンスと世界観。プロダクションではなく、一個人がここまで緻密に作り上げた幻想世界はそうあるものではありません。
特に独特なのが氏のデザインするロボット。参考までに描いておくとこんな感じ。モノホンはもっとスタイリッシュですが・・・
Gmd2とにかく頭と肩がでかく、腹と脚が細い。ちょっと激しく動いたら胴体がぽきっと折れちゃいそうな気がしますが、そこはものすごく頑丈な素材で作られているのでしょう。この永野ロボがかなりコミックに近いイメージで動いていたのが観られたのが眼福でした。起動する時の悲鳴のようなサウンドとか、信号のように色を変えていく装甲。そして巨体なのに忍者のように動きがすばやい。コミックも好きですけどやっぱりロボは動いてナンボだと思いました。
ただそのロボの出番・・・えらくちょびっとなんですよね・・・ それでも損したという気にならなかったのは、他にも見所がいろいろあったから。
まず背景美術がとても美しかったです。アニメ(絵)なのに平原が遥か遠くまで広がっているなあ・・・というのがちゃんと感じられました。もしかしたら永野監督が力を入れてたのはロボよりも背景だったのかもしれません。
ベリンの歌う東洋的な民謡?もしみじみ良かったです。いっぺん聴くとなかなか耳から離れないんですよね、これが。♪風にまかれた種ひとつ ふたつ みっつ よっつ たくさん そんな歌(笑)

この手のロボ映画にしてはえらくストーリーがささやかだったのも印象的でした。激動の時代の直前に、こんな歴史に埋もれた秘話があった・・・というような。ベリンとトリハロンの恋愛感情も決して表に現れず、でもお互い肝心なところは伝わってるんだろうな・・・というのもささやかで切な良かったです。

まあ正直このささやか70分の映像を作るのに、『ファイブスター物語』が八年止まってしまったのはもうちょっとなんとかならなかったのか、とは思いますけどね・・・

20130201_204352『ゴティックメード』は終了した劇場もありますが、これからまだ関東はじめ全国の劇場をぼちぼちまわっていくようです。
『ファイブスター物語』もようやく三月発売の『ニュータイプ』誌から連載を再開するようです。もう悟りの境地でつきあっていくしかないっすね!


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