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December 31, 2012

決定! 2012年アホデミー賞!! 幕内編

いよいよ2012年も最後の日となりました。今年観た映画のうち、上位の作品をランク付けした「幕内編」参ります。ただ・・・ 前回の幕下編に現時点でいっこもコメントが入っておらず若干気落ちしております(笑) 太陽系に5名どころか銀河系で2名くらいしか注目してないかもしれない。いよいよ末期だな、このブログも。

でもまあ無理やり気を取り直して、自主系・映画祭部門の賞から参ります。ノミネートされながらも惜しくも受賞を逃したのは次の作品。
「テンダーシネマVol.1」 ハイタイム・party
つづく
レミントンとオカマゾンビの呪い
そしてめでたく受賞に輝いたのは
311a「311仙台短篇映画祭映画制作プロジェクト作品『明日』」
でございまする。
40人の作家達が、「震災」をテーマに3分11秒の短篇を集結させた特殊な作品。
同じキーワードで作られてはいても、ここには実に多様な個性と作風と宇宙があります。
プロジェクトに関わった全てのみなさんに感謝。そしてガンバ

それでは続きまして30位(といっても11本ある)から22位の作品をざざざっと発表しませう。
Photo29位 ロボジー  潮風は金属によくない!
 同 灼熱の魂  母よあなたは強すぎだ!
 同 わが母の記  わが母はワガママ!
 同 私が、生きる肌  男と女の間には!
 同 ロボット(完全版)  スーパースター・ラジニ健在!
 同 第9軍団のワシ  風呂だけがローマじゃない!
 同 夜のとばりの物語  黒く塗りつぶせ!
 同 ボーン・レガシー   ボーン君は画像のみ!
 同 ラ・ワン  ラ・マンとは関係ない! 
 同 ぼくたちのムッシュ・ラザール  トロントはいいところント!
 同 ウェイバック 脱出6500km ちょっと待ってよ! ウェイバック!ウェイバック!


この時点ですでに息切れ・・・ しかし体にムチうって次参りましょう。22位から27位です。
Mhk127位 マンク 破戒僧  坊さんだって人間だもの!
同 孤島の王  わたしはクジラ、無駄がない!
 同 鍵泥棒のメソッド  銭湯で転倒!
25位 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い  ありえないほどじゃないけれど、タイトルが長い!
 同 ポテチ  わたしはやっぱりコンソメパンチ推し!
24位 大拳銃・へんげ  シアターN追悼 大きいことはいいことです!
23位 この空の花 長岡花火物語  戦争に間に合わせないと!
22位 ヒューゴの不思議な発明  米版キテレツ大百科!(ではない!)

ようやく残りあと21本。すいません、ちょっとコーヒー買ってきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ダバダ~ ん~ん~ ダバダ~ダバダ~
さて、続き参りますか。
Drive119位 バトルシップ  同日にやはり主演の『ジョン・カーター』も公開され「おっ テイラー・キッチュの時代が来るか?」と思いきやアレ? アレアレ?みたいな。がんばれよキッチュ! 『ガンビット』期待してるからな!
 同 桐島、部活やめるってよ  クライマックスの屋上のシーンで「なにこの変な映画・・・」とポカーンとしてたらその二分後には泣かされたという。あれは実に奇妙な映画体験でした
 同 推理作家ポー 最後の5日間 今年の同情大賞。売り上げも評判も芳しくなく、10月公開作品だというのにもうみんな忘れてない?という・・・ でも大丈夫! 俺は覚えてるから! 
16位 ドライヴ 上半期話題を呼んだよくわからないオシャレアクション映画。好きな女の子の目の前で人の頭を踏み潰してはいけません
 同 アルゴ  SF映画だって人を救える! 次はホラー映画が国を救った実話希望(あれば)
 同 007 スカイフォール  ジュディ・デンチ追悼(まだ生きてる!)。ダニエルさん、クイッククイック、スロースローですよ!(意味不明)
Photo_214位 おおかみこどもの雨と雪 さーんーまー さーんーまー 子育てうんぬんというより、とにかく終盤の校舎のシーンが美しゅうて。はい
 同 るろうに剣心 かぎりなくえこひいき大賞に近い一本。だって泣かせられちゃったんですもの・・・ あと日本家屋萌え
13位 ホビット 思いがけない冒険  んんん~ ん~んーんんんんん~ いやあ、いい曲ですよね。おさびし山の歌。続編のサブタイトルは「ドラゴン危機一髪!」がいいな!
12位 THE GREY 凍える太陽 今年のリーアム・ニーソン大賞&ジャック・ロンドン大賞&燃える男の魂大賞。最後まで・・・希望を捨てちゃいかん。諦めたら人生終了ですよ?
11位 人生、ここにあり! 夢野久作はやっぱり正しかったんだ! 今年の遅れ単館系大賞というか、ジョイランド沼津大賞。ジョイランド沼津さん、今年は本当にお世話になりました。来年もどうぞよろしく。

ではいよいよのトップ10です。
Amesupa10位 ALWAYS 三丁目の夕日’64  今年の一般邦画大賞。一作目と比較して、登場人物の成長を見事に描いた点を評価して(背丈だけでなく)。これのパラレルワールドが『梅ちゃん先生』になるのか?
9位 ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコル  昨年のランキングに間に合わなかったので・・・ ここまででブラッド・バードにハズレなし! そろそろ次あたり怪しい! でも一生ついていきます!
8位 アメイジング・スパイダーマン  たぶんこれから先も、クレーンにこんなに泣かされることはないと思う。他にもわたしの泣きツボをグサグサト刺激してくれたにくい映画。ああんもう! 小っぱずかしいじゃねえかよ!!
7位 レ・ミゼラブル(来年レビュー予定)  こいつら、歌と音楽で強引に感動に持ち込もうとしてるな? ふっ、その手に乗るかよ! ・・・ ・・・ ・・・ ああ畜生! 持ってかれた!! そんな映画
5862066836位 ダークナイト・ライジング  運転席の人がコキャッと死んでるのに荷台から元気100%で飛び出してくるゴードン警部に大爆笑。ではなく、バットマンがリターンズするシーンと終盤の会話だけでご飯が四杯はいけます。
5位 タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら  今年の通常単館系大賞。「話せばわかる」と人は言うけれど、幾ら話したってわかりあえない場合もあるんです。そんな非情な現実を明るく楽しく描いた大傑作。観てください!
4位 ザ・マペッツ  マナマナ!(どぅっとぅーるどぅる♪) マナマナ!(どぅっとぅーるどぅる♪) マナマナ!(無限ループ)
こんなにいい映画なのに地元では十日間だけという捨石のような公開のされ方だったので、よけいに愛情が深まりました。
3位 戦火の馬  今年のスピルバーグ大賞。実はわたし馬にはそんなに思いいれがなくて。どちらかというと馬をとりまくボンクラたちの優しさや、ひたむきさ、アホさにいちいち心打たれたのでした。そんな馬馬鹿たちが殺し合わなくてはならないということが本当に悲しゅうて悲しゅうて。とてもやりきれない。この哀しさを(略)

さて、とうとうの第1位。今年は2本あります。まず一本目。
Eva2
『新劇場版ヱヴァンゲリオン:Q』
わたし『エヴァ』ってそんなに「大好き!」って作品じゃないんですよ。でも観るたびにもう自分の血となり肉となっちゃってるなあ・・・ということを再確認させられます。
『序』と『破』は多少の違いこそあれ「総集編」という印象しかもてなかったのですが、この『Q』では旧作からまたその先に歩き出そうという、庵野監督のもがき苦しみが明確に伝わったので、評価しないわけにはいかないのです。
で、もう一本は
Av3はい、『アヴェンジャーズ』でございます。
四つの異なる世界をタイトルを超えて融合させるという未だかつてなかったプロジェクト。それに挑戦し、見事成功させた映画史における功績を評価して。またこういう形で映画が作られることがあるだろうけど(アヴェンジャーズも2があるし)、わたしはこの時ほど感動しないと思います。
ただ95年から日の当たらないアメコミ道を歩んできた身(ただし英語読めず)としては「これが映画だ」というよりは、「これがッ これこそがアメコミだッ!!」と言いたいです。

というわけでコメントくださったり閲覧してくださった皆様、本年も本当にお世話になりました。来年もどれほど続くかわかりませんが(末期だしな・・・)ひとつよろしくお願いします。

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December 29, 2012

決定! 2012年アホデミー賞!! 幕下編

2012年もいよいよ今日を入れてあと3日となりました。そろそろ毎年恒例の太陽系で5名くらいしか注目してないマイ映画ランキング発表いたします。

では順序良くどん尻から
ワースト5位 ヒマラヤ 運命の山 眠かった・・・
  同     仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ! キョーダインが不憫で・・・
ワースト4位 ワイルド7 おっぱいバレーはよかったのに・・・
ワースト3位 宇宙刑事ギャバン THE MOVIE トレンディドラマ・・・
ワースト2位 ダーク・フェアリー ガイ・ピアース今年無駄にがんばってたね・・・
そして栄えあるワースト1位は
Photo『メランコリア』
でございました。
すいません。これは映画がダメだったわけではなく、わたしがダメだったということで。
やっぱりお金払って他人のきまずい結婚式に1時間以上つきあわされるというのはきつかったです。これから結婚式を挙げる方は列席者のこともよく考えてあげてください。

さて、続いて「可も不可もなし」というかプラマイゼロ的な映画10本
Photo_2ハンター
SPEC 天
タイタンの逆襲
仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦
メン・イン・ブラック3
メリダとおそろしの森
アイアン・スカイ
WINWIN ダメ男とダメ少年の最高の日々
ロラックスおじさんの秘密の種
009:RE CYBORG
嫌いじゃないけど、あと一歩、あと一歩何か欲しかった!という作品が多いですね。そんなことを言いつつ来年の『SPEC』完結編は楽しみです。

続きまして「どっちかといえばよかった」14本。確実に観賞料金の元は取ったかな、という作品です。
Ds1宇宙人ポール
J・エドガー
哀しき獣
長靴をはいたネコ
シャーロック・ホームズ:シャドウ・ゲーム
ジョン・カーター
アーティスト
ダーク・シャドウ
テルマエ・ロマエ
バイオハザードV リトリビューション
アタック・ザ・ブロック
危険なメソッド
エクスペンダブルズ2
ブラック・ブレッド
けっこう期待してたんだけど期待ほどでは・・・という作品が多いですかね。まったく期待してなかったのにそれなりに面白かった『ダーク・シャドウ』も入ってますが。

そしてはっきりと良かったんだけど、これよりもっと良かったものがあったので惜しくも「幕下編」にとどまった10本です。
Rc1ももへの手紙
スノーホワイト
トータル・リコール
プロメテウス
プレイ 獲物
最強のふたり
ル・アーヴルの靴みがき
リンカーン 秘密の書
聴こえてる、ふりをしただけ
・フランケン・ウィニー(来年レビュー予定)
観ている間はかなり楽しんだんだけど、観終わったあとそんなに心に残るものがなかった・・・という作品が多いかな。『ル・アーヴル』の優しさや『聴こえてる~』の痛々しさは例外ですが。

さて、幕下編の最後は「えこひいき大賞」。一本の映画としては評価しがたいんだけど、甘やかす! オレは甘やかすぞ! という作品に送られます。ノミネートされながら惜しくも大賞を逃した作品は以下の4本。
仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX
海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE
スクライド・オルタレイション QUAN
コードギアス 亡国のアキト 第1章 翼竜は舞い降りた
うーん、オタクくさー(笑) そういや今年は東映の特撮ヒーロー映画5本も観てるんですよね・・・ あはは・・・
で、えこひいき大賞を見事獲得したのはコチラ
100906_190854『ブリューゲルの動く絵』
でした。おっといきなりアート系作品。
いやあ、年明け早々同行してくれたお二方から「つまんねー」とさんざん言われめっちゃ肩身がせまかったですけど、ごめんなさい・・・ アタシこういうわけわかんない実験作、けっこう嫌いじゃないの・・・

残る上位約40本は一応順位を付けて明日か明後日に発表します。よかったら読んだってー


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December 26, 2012

第九回SGA屋漫画文化大賞

映画ブログやツイッターではぼちぼち皆さん2012年ベストムービーなど発表されてますが、その前にこちらでは恒例の漫画ベストを発表します。
今年発表されたというわけでなく、わたしが一年間で読んだ中で、最も楽しんだ・心に残った各ジャンルの作品。もちろん賞品・賞金はございません。むしろ欲しい! では参ります。

☆少年漫画部門 荒木飛呂彦 『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)
Sga4いや、実はこの漫画今年読んだわけじゃないんですが(のっけからそれかよ!)、最近放映されているTVアニメを観てたら中二時代から大学にかけて『ジョジョ』にうひょうひょ読んでいたころを思い出しまして。
今年は関連書籍が出たり各雑誌で特集が組まれたり展覧会が開かれたりと、まさに「JOJOイヤー」というにふさわしい年でありました。そんな業界をにぎわしてくれた功績を評価して。


☆少女漫画部門 こうの史代 『この世界の片隅に』(双葉社)
Sga1ええ、これも今年発表されたわけじゃないんですが今年読んだので。
こうの史代先生は本当に厳然とした非情さとはかりしれない優しさを併せ持つ、稀有な作家だと思います。

次点に『海街diary』最新巻『群青』


☆青年漫画部門 原泰久 『キングダム』(集英社)
Sga2代わり映えしないチョイスですなw
これなんか中国史ものなんで先の展開は概ねわかるんですが、それでもハラハラドキドキさせるというのがすごい。

次点にいよいよ完結か?という『GANTZ』と畑耕してばっかりの『バガボンド』。本当に代わり映えしませんな~


☆歴史・ギャグ漫画部門 みなもと太郎 『風雲児たち 幕末編』(リイド社)
Sga5わたくし6年前さるイベントでみなもと太郎先生に「桜田門外の変まであとどれくらいかかりそうですか?」と聞いたことがあるんですが、その際の先生のお返事は「まったくわからない」というものでした。6年かかりましたね。

次点にアフタヌーン連載のアホ三国志『しばちゅうさん』


☆翻訳部門 グラント・モリソン 『WE3』(小学館集英社プロダクション)
20121226_120230今年も止まらないアメコミ邦訳ラッシュ。いったいなにがどうなってるんだ・・・
で、その中で最も心に突き刺さったのがこの作品。動物兵器として改造された三匹の絶望的な逃避行。
あまりにも心に突き刺さりすぎてちょっと人には薦められません。特に動物好きには。
次点に「もしスーパーマンがソ連に落っこってたら?」という『スーパーマン:レッド・サン』


☆TVアニメ部門 京田知己 『エウレカセブンAO』(ボンズ)
Sga6まだ最終四話観てないんですが・・・
『ガンダム00』以来ちょっと心に響くロボットアニメがなかったんですが、久々に来ました。正直前作よりも好きかも。
『ガンダムAGE』はそのチャレンジ精神は認めてるんですが・・・


そして2012年の輝かしき大賞の発表です。

☆大賞 杉作 『猫なんかよんでもこない』(コンペイトウ書房)
Sga3おおおお~ おおおお~ おおおお~んcryingcryingcrying
猫なんかよんでもこない! よんでもこないんです! バカ!
これはその辺に捨てられてた二匹の猫が、どん底にあった1人の青年の人生を変えたという物語です。そんなおとぎ話のようなお話が実際にあるんです! あるんですよ! うおおお~んcrying

それではまた来年もいい漫画に出会えますように。あ、その前に映画ベスト決めないと・・・

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December 25, 2012

センターウォーズ エピソード1 ピーター・ジャクソン 『ホビット 思いがけない冒険』

Photo十年前ハリー・ポッターと並んでファンタジー映画の一大ブームを巻き起こした『ロード・オブ・ザ・リング』(以下『LOTR』)。その前日談が同じくピーター・ジャクソンの手によって三部作で映像化となりました。第一部にあたる『ホビット 思いがけない冒険』をご紹介します。

かつてドワーフの王国として栄えたエレボール。だが王は欲に任せてその地に黄金をかき集めたため、王国は金を好物とする竜スマウグに襲われ、のっとられてしまう。
流浪の身となったドワーフの貴族トーリンと仲間達は王国の奪還を誓い、魔法使いとして名高いガンダルフに助力を請う。ガンダルフはそれを引き受け、一行に身のこなしのすばやいホビットのビルボ・バギンズを加えることを提案する・・・

わたくし実はそんなに指輪世界の熱心なファンではないのですが、冒頭のホビット庄のシーンを見たらなんともいえない懐かしさがこみあげてきました。まるで十年前にタイムスリップしたような気分。で、旧作ではホビット庄のパートが終わると急転してホラー顔負けの追跡劇が始まるわけですが、今回はもう少しほのぼのしてます。
これは『LOTR』がトールキンの一大叙事詩の集大成であったのに対し、『ホビット』は子供のためのおとぎ話として書かれたからでしょう。ピージャクらしいグロ怪物も出てきますが、『LOTR』の時と比べてどこかユーモラスです。お話もあちらこちらに分散せずに基本的にビルボ1人の視点で進んで行くので、すごくわかりやすかったです。

あともうひとつ『ホビット』の特徴を挙げるとすると、「望郷」というのがストーリーの中心となっていることです。ドワーフたちは故郷に帰ることが目的で旅をしています。そんな彼らの願いをかなえてやりたいがために、そしてまた我が家に帰るためにビルボは冒険を続けます。そんなテーマと共に歌われる主題歌『はなれ山の歌』がまた郷愁の念をかきたてます。わたし、実家に住んでますけどね。

で、この原作、『指輪物語』に比べるとそんなに長いものではないんですよね。『指輪』が単行本で全9巻もあるのに対し、こちらはせいぜい上下巻。なのに『LOTR』と同じく、今回も三部作でほぼ同じボリュームで映画化するようです。前作がちょこちょこはしょって約9時間に収めたとすれば、今回は色々オリジナルのエピソードを付け足して均等を図るというところでしょうか。ピーちゃん・・・ 無茶しやがって・・・
なぜそこまでして『LOTR』に尺を合わせるのか。これは私見ですが、ひとつにはたぶんピージャクはスターウォーズ六部作と同じことがやりたいんじゃないでしょうかね。『LOTR』に出てきた要素を小出しにしながら、前に書ききれなかった謎を明らかにし、最終的には全てのミッシングリンクがつながっていくという。オタクってやつはすげえもんを観るとついつい「オレもあんなのが作りたい!」と思うものなのですよw
もうひとつは男子たるもの、やっぱり続編(正確にはプリクエルですが・・・)をやるからには前のものに劣るものは作りたくない!という思いがあるんじゃないでしょうかね。ただでさえ前日談というのは「ん~、大体最後どうなるかわかってるし~」ということで盛り上がりにくいものです。しかし分が悪いからこそ、勝負心ってやつはいっそう燃えあがるもの。ピージャクとしては前作『ラブリーボーン』が微妙だっただけに、ここは一丁漢を見せねばならんでしょう!

で、そのオトコ勝負、全米では見事にシリーズ最高のスタートを切って華々しい勝利をつかみとったようです。が、対照的に日本では初登場4位というアレレな結果に。ハリー・ポッター終了と共に、ファンタジー映画のブームも完全に終了してしまったということでしょうか・・・
ビルボを演じるのは実力派マーティン・フリーマン氏。『銀河ヒッチハイクガイド』で宇宙を旅し、『レンブラントの夜警』でフルチンになり、今や欧州の芸術・文学映画を代表する存在といっても過言ではありま・・・ありますけどありません。日本で彼の作品がこんなに大々的に公開されるのは初めてのことなのに、早くも沈没気味でなんとも気の毒なことであります。
Photoそのフリーマン氏、ジャン・ポール・ベルモンドをモデルにした寺沢武一先生の『コブラ』に似てると思うのですよ。で、描いてみたんですが・・・
『ホビット 思いがけない冒険』は現在全国で上映中。来年には第二部『スマウグの荒らし場』、第三部『行きて帰りし物語』が公開予定。どうかDVDスルーということになりませんように・・・

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December 20, 2012

ボンちゃん、故郷に帰る サム・メンデス 『007 スカイフォール』

Skf1昨年の今頃は『ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコル』が話題を呼んでいましたが、今年は元祖スパイ王の新作がお目見えです。『カジノ・ロワイヤル』『慰めの報酬』に続いてダニエル・クレイグが主演を務める三作目『007 スカイフォール』ご紹介します。

NATOの潜入スパイのリストが何者かによって奪われるという事件が起きる。007=ジェームス・ボンドはあと一歩のところまで実行犯を追い詰めるが、上司Mの判断により放たれた弾丸を受けて水中に落下。行方不明となる。
結局実行犯を逃してしまったMI6は、情報漏えいにより数名のNATO局員を殺害される。さらには本部まで爆破されてしまうのだった。Mは絶体絶命の窮地に立たされる。その危機に、果たして007は戻ってくるのか・・・

まあ戻ってこなけりゃ話になりませんよね。今回は下にいくほどどんどんネタバレしていくのでどうぞご注意ください。
監督はくらーい人間ドラマをよく撮っているサム・メンデス氏。果たしてそんな彼にスパイアクションなんて作れるのかな?と危惧していましたが、どうしてどうして。彼の「地味さ」がいい方向に働いておりました。

『スカイフォール』のテーマを一言で表すなら、わたしは「信頼」という言葉のような気がしました。
まずひとつは自分の肉体への信頼。
記憶を失っていたためスパイとしてブランクがあったボンドは、自分の身体能力が衰えていることを認めざるをえなくなります。しかしそれでもがむしゃらに任務に挑んでいくボンド。自分の体が信じられなくなったら、一体他に何が信じられるんだといわんばかりに。こんなに見ていて危なっかしいボンドは初めてでした。しかし彼は自分の原点に立ち返ることによって、本来の力を取り戻していきます。

ふたつめは「技術」に対する信頼です。今回の敵シルヴァはネットとハイテクを駆使してボンドとMを追い詰めます。MI6のコンピューターもハックされてしまってあてになりません。それに対してボンドは自分の肉体と旧式の車、手作りの武器で立ち向かいます。まさにアナログとデジタルの戦い。これはいまや風前の灯であるフィルム撮影へのレクイエムなのか・・・さすがに考えすぎですかね。

そして最も重要なのがボンドとMとの信頼関係。二人にはゆるぎない共通の理念があるため、たとえどちらかの指示で死に追いやられたとしても潔くそれを受け入れることでしょう。そこには一片の甘えもない、実に男らしい信頼関係と言えます。
対して元MI6のスパイだったシルヴァは、Mに女、あるいは母親の姿を重ねてしまいます。そして「甘え」を拒絶されたことを激しく逆恨みします。Mを巡って激しく火花を散らすボンドとシルヴァ。こんなにもお色気要素の乏しい007が、かつてあったでしょうか。

それはともかくとして、初めてスクリーンで観た007がピアース・ブロスナンの『トゥモロー・ネヴァー・ダイ』であったわたしにとって、ジュディ・デンチ演じるMは実になじみ深い存在です。あれはたしか1998年の作品だったので、かれこれ14年もの付き合いになります。
007がブロスナンからクレイグに移行した時、ムードも多くの設定もガラリと変わりました。そんな中唯一引き継がれたのがデンチさんのMでありました。それほどまでにはまり役というか、存在感があったからでしょう。
しかし寄る年波のせいか、あるいはシリーズに新風を入れるためか、デンチさんは惜しくも今回で引退となりました。寂しい気もしますが、パラレルワールドのブロスナン・ボンドの世界ではきっといつまでも元気で現役でいることでしょう。そう考えて自分を慰めることといたします。

Skf2『007 スカイフォール』は世界でも日本でも公開されるやヒット街道を驀進中。少なくとも興業に関しては近年で最大の盛り上がりっぷりです。この分ではまだしばらく007のリアル路線は続いていくことでしょう。

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December 18, 2012

黒パン不良記 アグスティー・ピジャロンガ 『ブラック・ブレッド』

Bbd2ぺドロ・アルモドバルの『私が、生きる肌』を押しのけ、スペインのアカデミー賞といわれる「ゴヤ賞」を受賞した作品。年末の慌しい時期にこちらでも一週間限定(・・・)で上映されたので観てきました。『ブラック・ブレッド』、ご紹介します。

1940年代スペインはカタルーニャ地方が舞台。ある村で一台の馬車が崖から転落し、乗っていた親子が死亡するという惨事が起きる。警察はこれを殺人と判断し、第一発見者だった少年アンドレウの父ファリオルに疑惑の目を向ける。立場が悪くなったファリオルは村から逃亡。母は一層働かねばならなくなったため、アンドレウを実家に預ける。その村でアンドレウは片手をなくした早熟な少女や、修道院に隔離されている変わった美青年と会う。村に流れる陰湿な噂話や、次第に追い詰められていく両親の姿は、繊細なアンドレウ少年の心に深い傷を残していく。

謎の男のショッキングな殺人事件から始まるお話は、最初のうちこそミステリー(推理小説)的な印象を与えます。しかし意外な犯人とか合理的な推理などを期待すると肩透かしを食らうことでしょう。この映画は謎解きよりも人の業の深さや、その中にあって揺れ動く少年の心理を芯としています。横溝正史の小説によくあるような、草深い地方の暗~い人間関係をやたら強調したような作品。あとやはり欧州の田舎を舞台とし、大人たちがこぞって欲望・因業まみれで子供たちによくない影響を与えている点は、アゴタ・クリストフの『悪童日記』などを思い出させます。

子供が主人公の映画(以下、子供映画と書きます)にもいろいろございます。一つには主に子供たちのために作られた子供映画。『やかまし村の子供たち』や『ホームアローン』、ディズニーのアニメ映画はこの部類かと。
二つ目は子供にもわかるけど、大人たちの心にも深く訴えてくる作品。『火垂るの墓』や『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』、『A.I.』、『オリバー・ツイスト』『バビロンの陽光』などはこの部類。
そして三つ目は「これは小さなお子さんは観ないほうがいいんじゃないか・・・」という子供映画。『動くな、死ね、甦れ!』や『縞模様のパジャマの少年』、『サラの鍵』『蜂蜜』など。で、とりわけスペインには子供に対して容赦ない映画が多い気がします。例えば『パンズ・ラビリンス』や『永遠のこどもたち』など。アメリカ合作の『アザーズ』もそう。『ミツバチのささやき』は容赦ないって感じではないけど、やはりお子さんにはよくわかんない映画でしょう。
そんでこの『ブラック・ブレッド』ももちろん三つ目のカテゴリに入る映画です。

どこの国にせよ、子供たちにはみんな幸せな環境で暮らしていてほしい。我々はそう願います。だから子供たちのための子供映画では、主人公は大抵幸せになります。でも現実は必ずしもそうはいきません。大人のための子供映画は、我々にそんな厳しい現実をつきつけてくれます。ゆえに『ブラック・ブレッド』も見ごたえのある映画ではありましたが、観終わったあとずずずずーんと重い気分になりました。
厳しい環境に生きる子供たちは、早い段階で大人になることを強いられます。まだ親に甘えたい年齢なのに、重大な決断を迫られるアンドレウ。次第に子供らしい無邪気な表情が消えていく様子が、観ていて辛うございました。

Bbd1『ブラック・ブレッド』はもう三軒茶屋シネマか金沢のシネモンドくらいしか上映劇場がないみたいです。ていうか先週DVDが出ました。
欧州の良質の映画を紹介してくれるアルシネテランさんは、現在『ミステリーズ 運命のリスボン』というこれまた見ごたえありそうな子供映画?を配給しておられますが、これが四時間くらいあるそうなのでちょっと腰がひけております・・・


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December 14, 2012

さっちゃんとのんちゃんとトイレの花子さん 今泉かおり 『聴こえてる、ふりをしただけ』

Kfsd2昨年から自主系の映画祭で度々作品を見かける今泉力哉監督。その奥さんも映画を撮られていると聞いたときには「へえ~」と思った程度ですが、その作品がベルリンの映画祭で「子供審査員賞」を撮った時は「すげえ・・・」と思いました。幸い先日近隣の市でも上映されたので観にいってまいりました。『聴こえてる、ふりをしただけ』紹介いたします。

小学五年生の少女さっちゃんは、突然の事故で母を亡くす。それ以後、さっちゃんは「人は死んだらどうなるのか?」ということを折りにふれ考えるようになる。そんな時さっちゃんのクラスに風変わりな転校生がやってくる。その転校生・のんちゃんはトイレに行くことを「オバケが出るから」と異常にこわがっていた。仕方なくトイレにつきそっていくうちに、さっちゃんはのんちゃんと少しずつ仲良くなっていく。一方気丈にふるまっていたさっちゃんの父は、妻を亡くしたショックから次第に奇行が目立つようになる・・・

こうやってあらすじだけ見てみると、それこそ「霊」が出てきそうな映画のように思えますが、そういったものはまったく出てきません。一人の女の子が大切な人の死に直面し、戸惑いながらどうやって折り合いをつけていくか、という話・・・なのかな。一人ぼっちで放り出されたように立ち尽くすさっちゃんの姿は、なんだか吉田戦車氏書くところの「かわうそ君」に似ておりました(ごめんね・・・)。そしてすぐに怖い考えがエスカレートしてしまうのんちゃんは、まるでいがらしみきお先生のマンガの「ぼのぼの」ちゃんのようでありました。

お母さんを失ったさっちゃんを、まわりの大人たちは口々に「お母さんは見守っていてくれているから」と言って慰めようとします。大人たちだってまるっきりのウソで言ってるつもりはないのだろうし、実際ほかになんと言えばよいのでしょう。そう思っていてもやっぱり「お母さんは完全に消滅したんだよ」とは言えないでしょう。
しかしそうした大人たちの矛盾が、さっちゃんの悩みを深いものにしていきます。
監督の今泉かおりさんは元々看護師をされていたとのこと。恐らく自身も大切な家族を失った人たちにどのように接したらいいのか、悩み続けた経験があったことでしょう。

そしてさっちゃんをさらに追い詰めていくのがさっちゃんのおとうさん(おーい)。子供のさっちゃんが一生懸命がんばってるのに、大人のあなたが先に参ってしまってどうするんですか!と説教したくなってしまいました。でもいま日本でも15人に1人がうつ病になっている、という話も聞きますからねえ。メンタルのデリケートな人であれば、最愛の妻を亡くしたらこんな風になってしまうのもいたし方ないことなのかもしれません。

やがて学校でも家庭でも居場所をなくしてしまいそうになるさっちゃん。この辺の真綿でゆっくり締めていくような主人公への追い込み方は、独特なものがあります。『火垂るの墓』とも似てるようで、またちょっと違う。さっちゃんの深刻な環境が、学校での子供たちのごくごく自然な日常と並行して描かれているところにそんな特殊な空気を感じました。

さっちゃんに感情移入していくとこちらまで胃が重苦しくなっていきますが、本当に苦しい時にも、思いがけない偶然や嬉しいこともひょこっとあったりするもので。そういうものを糧にして人はなんとか生きていくものなのかもしれません。
お母さんは消えてしまったのかもしれないし、どこかにいるのかもしれない。でもそれははっきりとわからなくてもいいこと。そんな「あいまいさ」を受け入れることによって、少女はちょっとだけ成長していきます。

しかし大人でもちょっと重苦しいと思えるこの作品を、ドイツの子供たちが評価したというのは驚きです。それほどに子供たちの目線に近い映画だったってことなんでしょうね。

Kfsd1『聴こえてる、ふりをしただけ』はこれから上映のところはもう新潟の某劇場くらいしかないですけど、そのうちDVDが出ることと思われます。子供のころの新鮮な感覚を思い出させてくれる一本でした。

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December 12, 2012

続・すべての男たちは、消耗品、らしい サイモン・ウェスト 『エクスペンダブルズ2』

20121212_113124筋肉スターが一同に会し、大ヒットを飛ばした『エクスペンダブルズ』。その続編が早くも公開・・・ そして終わってしまいました・・・ 『エクスペンダブルズ2』、ご紹介します。

またも困難なミッションも完遂し、酒場で騒ぐ我らが傭兵集団「エクスペンダブルズ」。そこへかつて煮え湯を飲ませたCIA局員チャーチからイヤミな通信が入る。それはアルバニア山中に墜落した輸送機の荷物を回収してほしいという依頼だった。ひきうけてくれれば今までの借りはチャラにするという。たやすいと思われた任務だったが、墜落地点に向かったバーニーたちの前に謎の敵が立ちふさがる。

今回は各キャラ・スターさんたちの印象についてダラダラと語ってみます。だいたいネタバレですのでご注意ください。

☆バーニー・ロス(シルベスター・スタローン)・・・はいつものスタローンでした。終了(おい!)。

☆リー・クリスマス(ジェイソン・ステイサム)・・・前作では隊長バーニーと息のあったコンビ、という感じでしたが、今回はひたすらこき使われ、えんえんと愚痴を垂れている印象が強かったです。苦労が絶えないのか頭髪がかなり後退したような・・・ ってそれは前からか。

☆イ・ヤン(ジェット・リー)・・・今気づいたけど面白い役名だなあ・・・ スケジュールが厳しかったのか序盤しか出番がありませんでした。ジェットのごとき速さで画面から消えていきます。

☆ガンナー・ヤンセン(ドルフ・ラングレン)・・・前作ではチームの足をひっぱる問題児でしたが、今回はみんなを和ませる天然キャラとして大活躍。ドルフさんといえば以前映画秘宝のインタビューで、試合観戦に集中しすぎてインタビュアーの質問に上の空だったことが思い出されます。

☆NBAの人と格闘家の人・・・今回もいました。

☆ビリー“ザ・キッド”ティモンズ(リアム・ヘムズワース)・・・中の人はマイティ・ソーのクリヘム君の弟さん。序盤から「この任務が終わったら結婚する」というこれ以上ないくらいわかりやすい死亡フラグを突き立ててくれましたが、果たして結果は。

☆女子・・・今回はCIAからの派遣社員として一名チームに女子が参加します。なかなかかっこよさげないでたちなのですが、お顔が純東洋的なせいか割烹着を着せてふろふき大根を作らせたい衝動にかられました。

☆ジャン・ヴィラン( ジャン=クロード・ヴァン・ダム)・・・『2』の目玉にしてラスボス。前作のオファーを蹴ったヴァンダムさんがどういう心境の変化か出演を了承されました。
ヴァンダムさんといえば思い出すのは「360度回転キック」。そこまではいかなかったかもしれませんが、270度くらいは回ってたような。とりあえず無駄によくキックされておられました。ばんだれ、ヴァンダム。
そういやせっかくラングレンと共演してるんだから、ちょっとくらい対決すればよかったのに。

☆ブッカー(チャック・ノリス)・・・やはり『2』の目玉の一人・・・なんですが、わたしは「ああ、『48時間』の人ね」なんて思ってました(それはニック・ノルティ)。あとで知ったのですがブルース・リーとも共演されてたアクション映画の大ベテランなのですね・・・ 並み居る敵を片っ端からぶっ殺しつつも、笑顔はとってもさわやかというキトクなおじさんです。
あまりにも強すぎるいわゆる「チートキャラ」。彼が一緒にいるとバーニーたちが全然ピンチにならないので、たまにしか出てきません。困ったときにだけ助けにくる、いわゆる「風車の弥七」のようなポジションですね。

ただこの映画、その弥七的なキャラがあと二人もいます。その二人というのがご存知
☆トレンチ(アーノルド・シュワルツェネッガー)
☆チャーチ(ブルース・ウィリス)
です。
シュワちゃんはなぜか「アイルビーバック!」と連呼したり「溶鉱炉につきおとすぞ」とひたすらネタを繰り返しておりました。復帰したばかりでいろいろ気負いがあったのかもしれません。それに対し「戻りすぎだ!」とつっこんでいたのがウィリスさん。途中でなぜか急にいい人になってしまったのが謎ですが、アクション映画ではそういう細かいことにつっこんではいけないのがセオリーです。

Expt1さて、駆け足でしたが『エクスペンダブルズ』の面々について紹介してまいりました。濃い。とにかく濃い。このラーメン二郎なみの濃厚さが受けてか(こってり好きな人って多いものね)、すでに第三作が進行中だそうです・・・
なかでも出演が噂されているのがニコラス・ケイジとジャッキー・チェン。ただケイジさんについては先ごろスタスタロンから「ない」という発言があったとか。『ゴーストライダー2』の予告では堂々と「出演決定!」というテロップが出ていたんですが・・・
ケイジとステイサムのピカピカ頭対決が見たい方はぜひスタスタロンさんにお願いの手紙を送りましょう。


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新・エヴァゲのQ太郎 庵野秀明 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』Aパート

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十数年前社会現象を巻き起こし、近年も劇場版シリーズが公開されている『新世紀エヴァンゲリオン』。その最新作がまた忘れた頃になってやってまいりました。『新劇場版ヱヴァンゲリオン:Q』、ご紹介します。今回はもうしょっぱなからネタバレ全開なのでこれから観ようという方は早く避難されください。ではカウントダウン。
10!
9!
8!
7!
6!
5!
4!
3!
2!
1!
Q!

エヴァンゲリオン初号機が「使徒」との激闘の果てに覚醒してから十四年。衛星軌道上に秘匿されていた初号機は、ミサトやアスカらの作戦により地上へと運ばれる。初号機と完全に融合していたパイロット碇シンジは、再び人としての姿を取り戻し息を吹き返すが、ミサトたちは喜び迎えるどころか「何もしないで」と厳しい態度を取る。
悲嘆にくれたシンジの前に、十四年前助けたはずの綾波がエヴァに乗って現れる。ミサトらに必要とされてないと感じ取ったシンジは、彼女が誘うままに父のいるネルフ本部へと向かうが・・・

一生懸命初心者にもわかるように書いたつもりでしたが、すいません、無理でした。大体鑑賞したわたしにしてからが冒頭ミサトたちが一体何と戦ってるのかわからず(というか使徒と戦ってるのかと思ってた)。ウィキペディアの記事を読んでからやっと理解した次第です。しかも進んでいくにつれストーリーはどんどん前衛的というか形而上学的になっていきます(^^;
そ、それでもわたしが「こうじゃないか」と思った範囲で無理やり感想を書いてみます・・・

これまで序・破と多少の差こそあれ、TV版とほぼ同じ流れで進んできた新劇場版『エヴァ』。しかし今回はTV版20話以降とはまったく異なる新規ストーリーとなっております。
大きく異なっているのはまず前作から14年が経っているということ。かつて「人類を守る」立場であったはずのネルフが人類を滅亡させてまでも「人類補完計画」を成し遂げようとしていること。そのゲンドウ率いるネルフと、人類を代表する組織「ヴィレ」が対立していること。そして決定的に「違うな」と感じたのはこれまで「(エヴァに)乗れ乗れ」と強いられてきたシンジ君が「絶対に乗るな!」と言われていたことです。

この作品の「エヴァに乗る」という行為は実際は何を表しているのか。わたしは「大人になること」「仕事をすること」「生計を立てること」そういった事柄なんじゃないかと思ってます。
で、「序」や「破」で何人かの女性達と交流するうちに、大人の責任にめざめ、「彼女らを助けてあげたい」気持ちからようやく本心でエヴァに乗る気になったシンジ君。なのに今回いきなり「もう乗らないで」と言われて甚だしくショックを受けます。そりゃそうだよね。

仕事をすること=作品を創ることがみんなや愛する人の幸せになることだと思ってたのに、そうではなかった・・・ 庵野監督にはそんな経験でもあったのでしょうか。思い当たるのは新劇場版エヴァの前に手がけた『キューティーハニー』が大赤字になって制作会社が倒産してしまったこととか。あるいは昨年の大震災にショックを受けて「アニメなんか作ってても何の役にも立たない」と感じたのか。安易にこの作品を震災と結び付けたくはないんですけど、宮崎御大も「庵野も震災から堂々巡りしている」とおっしゃってましたし、ジオフロントの底に山のように積み重なっていたエヴァのなきがらはどうして震災を連想させます。

そんな傷ついたシンジ君の癒しとなるのがようやく本格的に登場となった渚カヲルくん。レイが母親の象徴で、アスカが「他人としての女性」の象徴ならカヲル君は一体なんのメタファーなのか。旧TVシリーズではなんせ一話しか出てこなかったので謎は深まるばかりでしたが、今回の『Q』を観て彼は「趣味」「好きなこと」を擬人化した存在ではないかと思いました。あるいは気のおけない趣味・仕事仲間や、憧れていたアニメ界の先人・・・某富野監督や某宮崎監督などの集合体なのかも。それにしてはずいぶん美少年だなあという気もしますがw
そんな風に思ったのはカヲル君とシンジ君が触れ合うのが「音楽」を通じてだったから。こう言っちゃなんだけど音楽=趣味というのは別になくても生存していくのに支障はないものです。しかしそれを愛するものには多大な慰め、癒しになるわけで。そういえば前作・破で、生きていくのに欠かせない「ごはん」を通じてシンジ君と関わろうとした女子キャラたちは、今回は容赦なくシンジ君のハートをグサグサと傷つけていきます。

追い詰められたシンジ君が逃げ場を求めたカヲル君は、しかしオリジナル版と同じく優しく微笑んで去っていきます。傷ついて趣味の世界に逃避しようとしたけれど、やはり生きること、仕事をすること、そして誰かを傷つけることからは逃れられない・・・ということなんでしょうか。

序・破とせっかく上向きになってきたのに、ここにきてまた奈落に突き落とされてしまうシンジ君。しかしこの劇場版はまだ続きがありますし、何より『新約Zガンダム』に触発されて作られたものなら、先には明るい未来が待っていると信じたいところです。オリジナルの『Zガンダム』結末は、当時ストレスがたまっていた富野監督がファンや会社に向けて怨念をぶつけたような形になってしまいました。旧『エヴァ』劇場版もそれと似たところがあります。しかし時がたち富野監督は反省し、怨念を浄化させたものが『新約Z』の結末となっております。
そういえばオリジナルの『エヴァ』も元々は富野監督の『Vガンダム』に触発されて作られたものだったんだっけ・・・ 
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真っ暗な空の下アスカを殺しかけ、ブツ切りのように終わった旧劇場版と、優しいメロディをバックに青空の下同じ女性に支えられて歩く『Q』のENDは明らかに対照的です。その先に旧作よりも先のさらなる未来があると信じて完結編を待ちたいと思います。
・・・というわけでまた「Aパート」とつけてしまいましたが、最近鑑賞ストックを必死こいて消化しているわたしに書く余裕はあるのでしょうか(笑) ・・・がんばります。
ついでにこれまでのレビューリンクを。
『序』AパートBパート0パート
『破』AパートBパート0パート
お暇な方は読んだって・・・

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December 07, 2012

大統領はナタがお好き ティムール・ベクマンベトフ 『リンカーン 秘密の書』

Rc1えーと、来年はいわゆる「ゲティスバーグの戦い」から150年経つのかな? そのせいかリンカーン関連の映画が三本ばかり作られてるのですね。そのうちで最もキワ物っぽいのがこれ。『リンカーン 秘密の書』であります。もう公開終わっちゃってるけどいいよね! 

アメリカ建国から三十数年。リンカーン一家は黒人の少年をかばったことから貧しい生活を強いられる。さらに追い討ちをかけるように幼いエイブラハムを残して母が謎の死を遂げる。エイブラハムは見ていた。深夜に不気味な男が忍び込んできて、母の首筋に牙を立てるのを・・・
それから十数年後。たくましい青年に成長したエイブは、探し続けていた母の敵をついに見つける。男が一人になったところを狙い銃弾を撃ち込んだエイブだったが、驚くべきことに仇はなおも立ち上がってきた。彼はヴァンパイアだったのだ。窮地のエイブを救ったのはヘンリーという名のヴァンパイア・ハンターだった。エイブは今度こそ母の仇を討つために、ヘンリーに自分をハンターとして鍛えてくれるよう頼みこむ。

え~~~ ビックリですよね(笑) あのかの有名なリンカーン大統領が、歴史の影でこっそり吸血鬼退治に精出してたなんて。これ、日本でいえば坂本龍馬が維新の合間に妖怪退治をやっていたようなもんで・・・ あれ、違和感ないよ?
ともかくなんでその役割がワシントンでもケネディでもなくリンカーンなのか? そこに理由はありません(笑) うーん、なんとなくかっこいいからじゃないでしょうかねえ! ちなみにリンカーンがナタの扱いに長けていて格闘術の達人でもあったというのはマジらしいです。あ、ちょっとだけ出てきたな! 必然性ってやつが!
それでもまだひとつ疑問が残ります。吸血鬼をバンバンなぎ倒しているリンカーンが、どうしてその辺の人間にころっと暗殺されてしまったのか?もしかしたらまあなんらかの理由があって、わざと殺されたとか、殺されたフリをしてこっそり生き続けたとか、そういうことだったのかな・・・と予想していたのですが、実に見事にスルーされてしまいました(笑)
まあ監督は『ウォンテッド』のティムール・ベクマンベトフ監督ですからね。まともな理屈など期待する方が間違っているのかもしれません。ヒゲもじゃのあんちゃんが風車よろしくナタをひゅんひゅん振り回して、吸血鬼を分解していくビジュアルを楽しめばいいんだと思います。

で、リンカーンのサポートに「スピード」という長髪の威勢のいいあんちゃんが出てきまして。これって『ジョジョの奇妙な冒険』のスピードワゴンのもろパクリじゃないですか! 確かにベクマンベトフの世界・アクションって荒木飛呂彦かなり近いかも。『ジョジョ』の人気もワールドワイドだよな~と感じ入っていたのですが、あとで調べてこのスピードさんという人、実在の人物であることを知りました。なんだよこのキラキラネーム! ちなみにリンカーンとスピードとは貧乏ゆえか一時期一緒のベッドに寝ていたそうで。このことから腐女子的な妄想を膨らませる歴史家も多いそうです(おえっぷ)。
バカアクションもさることながら、こういう風に史実と比較して観るのも面白いかもしれません。もう公開終わっちゃいましたけどね・・・

Photo他のリンカーン映画としては暗殺直後を描いた『声をかくす人』という作品が現在全国を巡回中。あと御大スピルバーグが監督したまっとうな伝記映画が来年春に日本公開だそうです。人気あるんですねえ、リンカーンって・・・


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December 06, 2012

シベリア超脱走 ピーター・ウィアー 『ウェイバック 脱走6500km』

Photoわたしのオールタイム・ベストの一本にピーター・ウィアー監督の『いまを生きる』があります。多感なころというかまさに中二だった時代にこの映画を観て、鼻水が噴出するほど感動したのを覚えています。それから二十年(・・・)。ウィアー監督の作品は大体追いかけてきました。ところがこのブログを始めた前年の『マスター・アンド・コマンダー』からしばらく新作の噂が聞こえてこない。ようやく出来たかと思えば本国から二年近くも経って、規模の小さい公開で・・・ ま、観られただけよかった。『ウェイバック 脱出6500km』、ご紹介します。

第二次大戦時の欧州。ポーランド人の青年ヤヌシュはソ連政府からスパイの疑いをかけられ、極寒のシベリア収容所へと送られる。寒さと飢え、重労働、収容者同士の争い。ここにいては永くは生きられないと悟ったヤヌシュは、アメリカ人の老人スミスや凶悪犯のヴァルカら数人の仲間と脱走をはかる・・・

これまた「事実に基づいた物語」だというから驚きです。
普通こういうお話というのはネチネチとしつこい追っ手が主人公らを苦しめるものですが、この映画ではその手の描写はほとんどありません。彼らを追い詰めるのはもっぱら寒さや暑さ、飢えや渇き、そして蚊です。

以下はウィアー監督の特色と共にこの作品を語らせてもらいます。

ウィアー作品は「閉鎖的な社会」を舞台にしたものが多いです。『ピクニックatハンギングロック』『いまを生きる』では全寮制の学校。『刑事ジョン・ブック』ではアーミッシュの村。『トゥルーマン・ショー』ではドーム状の町。『マスター・アンド・コマンダー』では船・・・といった具合に。で、今回はそれが「共産圏」というわけです。閉鎖的には閉鎖的ですが、あまりにスケールがでかすぎて「ウィアーさんらしくない!」と思いました(笑)

二つ目の特徴は「主人公がピュア」ということ。『ウェイバック』で申しますと旅の途中でひとりの可憐な女子が一行に加わります。長年オナゴに触れてない野郎共の中に突然いたいけな女子が放り込まれたら・・・ 普通はメチャクチャにされてしまうものではないでしょうか?
ところがこの映画ではヤヌシュを始めとしてメンバーの誰もが一貫して彼女に優しくふるまいます。自分の欲望に忠実に生きているヴァルカ(コリン・ファレルが似合いまくり)でさえ、無体な真似をしません。
これは「意気地なし」ではありません。彼らがジョナサン・ジョースター言うところの「紳士」だからです。そういえば『ジョン・ブック』も突然ボインと遭遇しても紳士な態度を崩さなかったっけ。

三つ目の特徴。ここがわたしが特に好きなところですが、監督の視線の優しさが感じられるというところ。ウィアー映画は時折登場人物に対し容赦ないところもあります。何の罪もない少年少女が死んでしまうこともよくあります。それでも監督はそんなはかない命を美しく、愛情をこめて撮ります。
いたずらにエグいだけの映画も多いこのごろ、ウィアー氏の映画には「本当に人間が好きなんだな」と思わせられるものが色々込められていて、なんだか慰められるのでした。

Photo_2『ウェイバック』は惜しまれつつ閉館が決まっている銀座シネパトスを中心に公開されていたのですが、もうほとんど終わってしまったようです。残っているのは新橋文化劇場と近畿の数箇所の劇場。とりあえず来年3月にDVDが出ます。
ウィアー監督は現在ベストセラー小説を原作とした『城』という作品にとりかかっている模様。「ニューヨークの囚人レイは、監房でヨーロッパのどこかにある城を訪れる少年の物語、『古城ホテルの物語』を書き続けるが、小説の中の出来事と現実の出来事が交錯していく。」なんか面白そう! そしてやっぱり閉鎖的!

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December 03, 2012

アルジェリアから来た教師 フィリップ・ファラルドー 『ぼくたちのムッシュ・ラザール』

Bmr2みなさんは「ムッシュ」というと誰を思い浮かべるでしょうか。かまやつ、吉田監督、ムニエル、ムラムラ・・・ なんとなくユーモラスな方が多いですけど、今日ご紹介するのは割りと控えめでひたむきな「ムッシュ」。スイスのロカルノ映画祭、カナダのトロント映画祭、オランダのロッテルダム映画祭と世界各地で賞に輝いた『ぼくたちのムッシュ・ラザール』、について少々書きます。

カナダはトロントの小学校でひとつの事件が起きる。生徒達が休み時間で遊んでいる間に、一人の女性教諭が教室で首を吊ったのだった。生徒たちの心のケアもさることながら、代替の教師が見つからず校長は頭を悩ませる。そんなところへアルジェリアから移民してきたというある男が、補充の教師になりたいと校長のもとを訪れる。彼の名はラザール。彼の暖かで真摯な人柄は、少しずつ生徒たちに受け入れられていく。だが事件について生徒たちと話し合おうとするその態度は、それを忘れさせようとする校長と次第にぶつかりあうようになる。

「ムッシュ」というタイトルからてっきりフランスが舞台のお話だとばかり思ってたのですが、劇中で「トロントはいいところだ」というセリフがあってようやく「ああ、これカナダの話なのか!」と気がつきました。たぶん地名が出てこなかったら最後まで勘違いしたままだったと思います。
で、カナダの教育事情なんですが、「そんなに気を使わなきゃいけないんだ・・・」というところが幾つかありまして。日本のそれとも少し似てるかもしれません。まず体罰はダメ。これはまあ仕方ないかとも思うんですが、軽くはたくのですら禁止。あと生徒を抱きしめるのも禁止。これは性的虐待を防ぐための措置なんでしょうけど、まあ要するに「生徒との身体接触はなるたけ避ける」というのがカナダの学校の方針のようです。
実際に行き過ぎた体罰や性的いたずらの不祥事もあるので、そういう流れになってしまうのもわかります。でもまったく生徒に触ってはいけないというのはあまりに寂しいし、それで本当に大切なことを教えられるのかな? とも思います。
罰にしろ体の接触にしろ、すべて禁止してしまうのではなく、「バランスを保って行う」のが子供たちにとって最もためになることではないでしょうか。でもその「バランスを保つ」・・・というのがなかなか難しいことなんでしょうかね。

あともひとつ「大変そうだなあ」と思ったのは子供たちがまだ小学生なのにやや大人びていること。つい先日日本の小学校を舞台にした映画も観たのですが、それに比べると欧州の子供たちはずいぶん達者というかませているなあと。先生といえどわずかな隙をみせるとすかさずつっこみが入ります。そんなガキどもにてこずりながらも真正面から真剣にむきあっていくラザール先生はふところの広い人だな・・・と思いました。

ともあれそんなガキどもにも年相応にかわいらしいところもあり。ムッシュ・ラザールと子供たちが笑顔で触れ合っているシーンにはこちらもふんわかした気分にさせられました。話が横道にそれますが一人の女の子が「おすすめの本」としてラザール先生にジャック・ロンドンの『白い牙』を持ってくるところは嬉しかったなあ。うん! ロンドン面白いよね! ちなみにわたしの感想記事はコチラに書いてあります。

世の中悲しいこともあるけれど、それをきちんと受け止めて、前に進んでいかなければならない。ラザール先生は子供たちに一生懸命そう教えます。それは先生自身がとても悲しい経験をしてきたから。この映画「ええっ ここで!?」というくらいかなり潔くスパッと終わってしまって呆然としてしまうのですが、先生の思いはきっと子供たちにも伝わっただろうな・・・と信じたいところです。

Bmr1『ぼくたちのムッシュ・ラザール』はだいたい公開終わってしまいましたが、まだ秋田、香川、鹿児島、早稲田松竹などで上映予定。ていうかあさってにはDVDが出ます。『いまを生きる』『人生、ここにあり!』などが好きな人に強く推奨。

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December 01, 2012

あばよ涙よろしく撃 八手三郎・金田治 『宇宙刑事ギャバンTHE MOVIE』

Gyaban1男なんだけどぐずぐずしてるうちに上映が終わってしまいましたcoldsweats01。春に『ゴーカイジャーVSギャバン』で30年ぶりの復活を果たした『宇宙刑事ギャバン』。今度は単独でスクリーンに戻って来ました。『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』ご紹介します。

宇宙飛行士・十文字撃と大熊遠矢はスペースシャトルで航行中、謎のワームホールに遭遇し、消息を絶つ。
それから1年後。二人の共通の幼馴染であった衣月は研究所での勤務中に正体不明の怪物に襲われる。彼女の危機を救ったのは銀色のコンバットスーツを身にまとった宇宙刑事「ギャバン」だった・・・

この映画、ツイッターではあんまし評判が芳しくなかったのですが(・・・)、わたしは例のギラギラ光る「シメサバスーツ」が見られればそれでいいかと。しかも今回は同僚のシャリバン・シャイダーも登場するというじゃありませんか。こりゃあ見とかにゃ損すると思い行って参りました。
しかし、しかしです。三色スーツは確かに出てきたんですが、人間ドラマのパートと比べると余りにも出番が少ない。せめてあと10分でも出番を増やしてくれたなら・・・ ああ・・・ しかもそのスーツのテカり具合が春の時よりもくすんでいるような!? いや、これはわたしの目の錯覚かもしれません。いずれDVDを同時再生させて比較検証してみたいものですが。

そしてその人間ドラマのパートなんですが、熱いセリフまわし、ベタベタな三角関係、強引なストーリー展開とまるで80年代のトレンディ・ドラマのよう。確かに『ギャバン』は80年代の作品ではありましたが、これではむしろ『ギャバン』ではなく『鳥人戦隊ジェットマン』だろう、と思いました。

「ギャバン」「シャリバン」というのが一人の人間のニックネームではなく、受け継がれていく称号のようなものだというのは面白いアイデアだと思いました。でも春での雄姿が熱かったので、やはりギャバンは一条寺烈=大葉健二さんのままでいてほしかったんですよね・・・ 初代シャイダー、円谷浩さんはすでに故人となっておられるので、こういう流れになってしまったのは仕方なきことかもしれませんが。

数少ないいいところのひとつは、スクリーンいっぱいに暴れまわる電子星獣ドル。この龍型のロボットに搭乗して宇宙船をバンバン撃墜させていくというのは、東西でのどの映画にもない、『ギャバン』だからこそ見られるビジュアルです。しかしこれ、明らかに「刑事」のスペックを遥かに越えとりますよw 刑事というよりかワンマンアーミーと言った方がふさわしいです。

Scanというわけで大体上映終わってしまった『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』ですが、もう来年2月にはDVDが出ます。そしてさきほど某所でさらなる企画の未確認情報を見つけてしまいました・・・ ここらで新たなる四人目の宇宙刑事の姿も見てみたいものですが、さて。


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