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October 04, 2012

死神の国のアリス ポール・W・S・アンダーソン 『バイオハザードV リトリビューション』

Bh41洋画不振が続いている昨今。ドル箱のハリポタシリーズも昨年終わってしまいましたし、スパイダーマンもかつての勢いはありませんし・・・ そんな日本において最後の牙城ともいえるのが映画版『バイオハザード』。本日は大ヒット驀進中の『V リトリビューション』をご紹介します。

アリスはアメリカの地方都市に住む平凡な主婦。優しい夫と愛らしい娘に囲まれ、幸せな日々を送っていた。それはいつものように夫を送り出そうとした時だった。なんと家に突然ゾンビがやってきたのだ。

・・・あれ、なんか違いますね。ここで前作『Ⅳ アフターライフ』のラストを思い出してみましょう。強敵ウェスカーを倒し、仲間達を解放したと思ったのもつかの間。今度は空からアンブレラ社の大部隊がアリスたちを襲撃します。絶体絶命か・・・と思われたところでエンドロールへ(ひどい終り方だ)。
そしてまたアンブレラに捕まってしまうアリス。導入部のホームドラマは果たしてアリスの見た夢なのでしょうか? ともかく敵地から逃れるため、いつものようにアリスの大脱走劇が始まります。

曲がりなりにもⅠ~Ⅲまでスケールが拡大してきたこのシリーズ。ところが『Ⅳ』ではまたぐっとせばまってしまった感があっていまひとつノレませんでした。まあ監督が閉所好きのポール・W・S・アンダーソンに戻ってしまったのでそれは仕方ないのかもしれません。あ、その辺のことは前にも書いたか。
『V』も実は「一施設の中をあちこち徘徊する」というコンセプトは一緒なのですが、単調だった前作に比べると今回は「世界の都市を模したヴァーチャル空間」が背景になっていたせいか、なかなか見ていて飽きませんでした。その上謎のホームドラマまで挿入されています。
冒頭のスローモーション巻き戻しとか、ゆっくり水の中に沈んでいくアリス、真っ白な通路を集団で駆けてくるゾンビ・・・そういったシャレオツな?映像センスも楽しませていただきました。作品によって多少の波はありますが、こういうアンダーソン監督の美術感覚というのはもっと評価されてもいいと思います。

さて、この映画シリーズの主人公の名がなぜ「アリス」というのかといえば、もともとは『不思議の国のアリス』から来てると思うのですよね。実際一作目は『ホラー版アリス』と(無理やり)言えなくもない作品でした。『Ⅱ』では早くも全然関係ない話になってしまいましたが。
ところが今回は「赤の女王」の復活もあり、だいぶ一作目&『アリス』の世界に戻ってきたような気がします。ジャバウォックみたいな怪物も出てきますし、不条理につぐ不条理のような展開も『アリス』を想起させます。まあ終盤はごく普通の格闘アクションになってしまいましたが。

他に注目できる点としては、やはり一作目や二作目のなつかしーキャラたちが、ショッカーの再生怪人みたくカムバックしている点ですね。ロドリゲス姉さんとか角切りにされた隊長のキャラなどはさして思い入れなかったからいいんですが、カルロスは死に様に心震えたこともあって、あの扱いが不憫でなりませんでした。
あとゲーム派から多大な支持を得ているジル・バレンタインも久々に大活躍です。そういえば前作の時にも「再登場する」と聞いたのですが、結局どこに出ていたのかわからず劇場を出ました。そしたら最後にちょこっと出てきた金髪ロングのお姉さんがそうだったのですね・・・ だからわたしは髪型とか髪色とか変わるともう誰だかわからなくなっちゃうんですよ! 人の顔がなかなか覚えられない性質なので! 特に外人はね! ・・・逆ギレしてすみません。ちなみに記事上のイラストがビフォー・ジル、下の画像がアフター・ジルです。相変わらず似てませんが、雰囲気だけわかってください。

Bh42毎度ちゃんと終わらない劇場版『バイオハザード』。もう今回は最初から期待してませんでした。宣伝で「次回への最終決戦にむけて!」とか言ってる時点でもうねw ついでに言うと「次回で最後」というのもアテにならないと思います。こんだけ日本から熱い支持があるんですから、いっそのこと望む声がある限り続けりゃいいと思います。
近日中には世界観を別にしたCGアニメ版『ダムネーション』も公開されるようですね。ま、わたしはそっちの方はいいかな・・・


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Comments

確かに、ジルさんにてないんですが、目が三角になっている度合いがそっくりと失笑しました。(これ、正しい意味の方の失笑ですからね)

Posted by: サワ | October 07, 2012 at 07:41 PM

>サワさん

一応ニュアンス伝わったようで一安心であります。ちなみにうちの母は怒ると本当に目が30°、60°、90°のきれいな三角形になります

Posted by: SGA屋伍一 | October 08, 2012 at 03:38 PM

>SGAさんこんばんわ♪コメント有難うございました♪

ゲームの方の思い入れが強いせいか、自分は今回のⅤは割と好評価になりましたね。バーチャル感覚且つステージ上に区切られた各都市で沸いて出て来るゾンビやクリーチャーをどんどこ倒していく展開が、ゲームの方に収録されているミニゲームにちょっと似てたっていうのもありましたし、これまでのシリーズに出て来たキャラクターがやや立ち位置を変えながら再登場するという展開も、奇を狙った感じが逆に楽しめたかなと思いますね。・・でもⅢのアリスクローンでも思ったことですが、アンブレラってウィルス兵器で儲けるよりも、大量生産してたあのクローンで儲けた方が良いのではと邪推に考えてもしまったり・・^^;

次作のⅥで終わりと言ってはいるものの、興収如何によっては確かに続く可能性も捨てきれないですよね。腹黒ウェスカーもなんかよからぬ事考えてそうですから、主人公を変えてとかまた掘り下げるんじゃないでしょうか?
ちなみに自分は今ゲームの方の6をプレイしているのですが、こちらではウェスカーの息子が登場したりと遂に世代を超えた物語にまで発展。ゲームもまだまだ終わりが見えなさそうです・・(汗

Posted by: メビウス | October 21, 2012 at 09:27 PM

>メビウスさん

こんばんは~ すばやきお返事ありがとうございます。いま何気に『Ⅲ』の記事を読み返してたんですがそこでもメビウスさんからコメントいただいてました。かれこれ五年以上お付き合いいただいてるわけですな・・・ 改めてお世話になっております
さて、『V』ですがツイッターでは評価きれいに二分されてましたね。「どちらかといえばよかった」派と「ダメダメ」派と(笑)。まるでどこかの国の政治アンケートみたい・・・ おっしゃるようにゲームから知ってるファンはおおむね肯定的なようです。

>主人公を変えてとかまた掘り下げるんじゃないでしょうか?

まあ候補はいっぱいいますからねw ジル、クレア、レオン・・・
とりあえず前作で派手に爆発してたはずなのにピンピンしてるウェスカーは殺しても死にそうにないですな。ゲームクリアがんばってください(笑) 

Posted by: SGA屋伍一 | October 22, 2012 at 09:22 PM

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Tracked on October 21, 2012 at 09:27 PM

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