ジェイソン新生 トニー・ギルロイ 『ボーン・レガシー』
チュイーン! チュイーン! 「モビー」のあの調べにのせて、ジェイソン・ボーンが帰ってきた! と思ったら、あれ?顔が微妙に違う・・・ そんなシリーズ第四作『ボーン・レガシー』ご紹介します。
ジェイソン・ボーンの反撃によりスキャンダルが明るみになったCIAは、その生き証人・・・自らが作り上げた「人間兵器」たちを抹殺することに踏み切る。アジア、中東、世界各地で葬られていくエージェントたち。アラスカで訓練に励んでいたアーロン・クロスもその対象だったが、彼は天性のカンと機転でCIAの前から姿をくらませる。だがアーロンにはひとつの弱みがあった。組織から定期的に支給される薬を服用しないと能力が低下するのだ。それを克服するため、彼は自分を担当していたシェアリング医師を探す。だが彼女もまたCIAの標的となっていた・・・
というわけで主人公を一新してのシリーズ再開となりました。当初は従来どおりマット・デイモン主演とポール・グリーングラス監督で直接の続編を作る予定だったそうですが、監督とマッチョ君が相次いで降板したため、このような仕様となったようです。だもんでマット君演じるボーンは今回画像でしか登場しません。そもそもタイトルに「レガシー(遺産)」ってありますしね・・・
新主人公は最近躍進著しいジェレミー・レナー演じるアーロン・クロス。風貌といい切れのいいアクションといいマット=ボーンを彷彿とさせますが、性格・出自は微妙に異なります。
まず記憶喪失後のボーン君はナイーブで人を殺めるたびにメソメソしていましたけど、アーロン君は生き延びるためにはためらいなく追っ手をバシバシ始末していきます。あとボーン君はなんとなく育ちがよさそうで坊ちゃん坊ちゃんしたところがありましたが、アーロン君は少年院に入っていたことがある模様。そんで頭もあまりよくなかったようで・・・ 彼が執拗に薬を欲するのはそれに知能を高める働きもあるからなんですよね。
こう書くと粗暴なヤクザ者みたいな感じしてきますけど、ヒーローらしくちゃんと純真なところもあります。例えば自分をあれこれ人体実験してたヒロインに対しても、世話になったことにキチンと「ありがとう」と言う。こういうの、なかなかできることじゃありませんよ!
ヒロインといえば前半は守ってもらってるのにギャアギャアわめいてアーロンを困らせるわ、自分の罪に対して「会社の命令だもん!」と開き直るわ、まことにむかつきますw まあこのヒロインもアーロンと行動するうちにだんだん反省するようになり、後半では彼を身を挺してかばうようになるんですけどね。
あと前三作との大きな違いのひとつは、今回は「守るアクション」が中心になっていたことですね。自分ひとり生き残るためならまだなんとかなるかもしれませんが、か弱い女性を守りながら凄腕のエージェントと戦わねばならないというのは実に至難の業であります。果たしてアーロンはそのインポッシブルなミッションをやりとげることができるでしょうか・・・
一方でこれまでと同じ「ボーン」シリーズの醍醐味もきちんと引き継がれています。その場にあるものを利用する「伊藤家の食卓」的な裏技とか、目を楽しませてくれる異国の町並みなど。
難点はいささか尻切れ的な幕切れになってしまったことですかね。でもまあ、アーロン・クロスの物語はこれ一本で終わっていいと思います。これ以上続けるとまたボーン君と同じ悲劇を味わうことになってしまうかもしれないし・・・ あれ、うっかりネタバレしてしまってるような?
そんなわたしの願いもむなしく、すでにさらなる続編が決定しているとの噂。ただ売り上げはトントンだしレナー君は「ちょっと休みたい」と言ってるようだし、本当に実現するのかしら。
『ボーン・レガシー』はまだやってる劇場もありますが、今日で終了したところもちらほら。フィリピンとバイクが好きな人はぜひごらんください。
Comments
伍一くん☆
あれれ・・・今回は絵をやめてボンカレー?(笑)
確かにヒロインがぎゃあぎゃあわめいているところ、良くなかったよねぇ。
私そこでねちゃったもん(爆)
だって長いんだもの~~
Posted by: ノルウェーまだ~む | October 26, 2012 11:59 PM
>ノルウェーまだ~むさん
まゆげボーン!
じゃなくて昨日はどうもありがとうございました
まあぎゃあぎゃあわめていていても、それをじっとがまんしてあげるのが男というものなのですよ
それが美人ならね(爆)
Posted by: SGA屋伍一 | October 28, 2012 09:19 PM
伍一君☆
こちらこそ、この前はお疲れ~
また次の楽しい企画で会いましょう♪
ぎゃあぎゃあは美人だけかー
とほ~~ん
Posted by: ノルウェーまだ~む | October 30, 2012 10:26 PM
>ノルウェーまだ~むさん
またまたども
あと少しで忘年会のシーズンですなー また伊豆か箱根にいらっしゃいませ
>ぎゃあぎゃあは美人だけかー
も、もちろんまだ~むも美人ですとも(ゴリゴリ)
はっ なぜ手にすりこ木が!?
Posted by: SGA屋伍一 | November 01, 2012 12:00 AM
こんばんは!(^_^)
ボーンシリーズは、マットのイメージが強いだけに
アーロン役のジェレミーも大変だったろうなぁ〜と思います。
ただ、ストーリー的にも結局CIAから逃げるみたいな話だと
いまいちだよなぁ〜と感じてしまいますよね。
3部作作るつもりなら、もう少し変化がほしいところです!
Posted by: ルナ | November 01, 2012 11:41 PM
>ルナさん
こんばんはです!
まあ、二代目というのはどうしても先代と比べられてしまうものですからね。レナー君もプレッシャーだったでしょう。今後の予定を白紙にしてしまったのはその辺がきつかったから・・・なのかな?
変化か・・・ とりあえずボーン君とタッグを組むという展開にすればもりあがること間違いなしだと思います。そのためにはマットとグリーングラス監督に帰ってきてもらわないと!
Posted by: SGA屋伍一 | November 02, 2012 11:25 PM
SGAさんこんばんわ♪
自分もマット・デイモンのボーンシリーズっていう固定観念みたいものが付いてしまってるせいか、キャスティングを一新したアナザーストーリーはスリリングやシリアスよりも違和感のほうが多かったかもしれませんねぇ?冒頭の雪山訓練から妙に『緩い』ものを感じてしまったので食い付きこそイマイチだったのですが、それでもアクション等はやっぱりシリーズおなじみの展開やスピーディさはあって遅ればせながらの興奮を味わえたのがせめてもの救い。そいえば守るアクションは確かにボーンシリーズには珍しいですよね。マットの時はヒロインがちょっと悲劇的な結末も迎える時もあってか、基本自分探しを並行とした攻めのアクションでしたもんね。・・でも今回はその守られるヒロインが最後に刺客へトドメをさしたわけで・・・^^;(汗
続編もまた掘り下げるのかと思うとこれまた気が乗らない部分もありますが、個人的に本作がイマイチだったので巻き返しをして欲しいという意味では淡い期待も込めたいものですねぇ。
Posted by: メビウス | November 03, 2012 11:22 PM
>メビウスさん
ども。そもそもタイトルに『ボーン~』とあるのにボーン=マットが映像の中にしか登場しないというのに無理がありますよね。いっそのことタイトルは『アーロン・スプレマシー』か『アーロン・アルティメイタム』でよかったかも。それじゃ客が入らないか・・・
わたしは雪山アクションもけっこう興奮しましたよ~ その後のバイクのチェイスシーンもすごたったですね
ちなみに「護衛アクション」に関しては佐藤建も演じたことのある剣客・岡田以蔵が三、四人の刺客を向こうに回して、ジョン万次郎を護衛しつつ撃退したという話が残っています。それに比べるとヒロインに助けてもらったアーロン君はまだまだかな・・・
Posted by: SGA屋伍一 | November 04, 2012 09:15 PM