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September 11, 2012

ちょっと振り向いてみただけの宇宙人 リドリー・スコット 『プロメテウス』

Pmt1バイオレンスの名匠リドリー・スコットが実に『エイリアン』以来33年ぶりに宇宙SFに挑戦。ていうかこれ、すごく『エイリアン』っぽいんですけど・・・ そんな『プロメテウス』、ご紹介します。

近未来、地球の各地で異星人が関わったと思しき遺跡が発見される。遺跡に描かれた絵は、みな宇宙の同じ座標を示していた。まるでここまでやって来い、とでも言う様に。
大企業ウェイランド社の社長は巨万の富を投じて、その衛星LV-223に向かう探索チームを結成。その中には気鋭の考古学者エリザベス・ショウの姿もあった。宇宙船プロメテウス号は遥かな距離を航行し、やがてLV-223に到着。ショウたちは果たして人類以外の知性と遭遇することができるのだろうか。

最初に「『エイリアン』っぽい」と書きましたが、すでに皆さんご存知のように、この作品『エイリアン』シリーズと同じ世界を舞台にしたお話です。最近はやりのビギニングものというか、エピソード1的な位置づけ。日本の宣伝ではその辺についてほとんど触れられなかったので「?」と思ったものでした。
で、予告編からあの「スペースジョッキー」が姿を現しているということで、ファンの間では話題を呼んでいました。おお! っていうかスペースジョッキーって何? 調べたところによると「『エイリアン』一作目で謎の宇宙難破船内部で ミイラ化していた異星人」とのこと。一作目はビデオで一回しか観てないので完~全に忘れてたな~

ただポスターからもろホラー調だった『エイリアン』と比べると、いささかムードが異なるところも。まず冒頭のシーンで宇宙人がある行為に及ぶのですが、どうやらそれが人類誕生の遠因となった模様。彼らはなんのために人類を創造したのか・・・ 映画はそんな謎で観客をひっぱります。まあ、この謎結局明らかにならなかったんですけどね。

うっかりネタバレしちった・・・ このあともどんどんばれていきますので未見の方はご了承ください。
進化論が一般的な日本では「何者かが人間を造った」と言われると違和感ありまくりかもしれませんが、世界ではそのように信じている人も多くいます。進化論というのは言ってみれば「全て偶然の所産」という考え方ですからね。それじゃさびしい、自分達がこの世にいるのは何か目的があるはずだ、と考えたくなる人もたくさんいるということです。この映画に登場するウェイランド社長もそんな風に感じている一人。
ところがどすこい、そんな彼の期待に対して人類の「エンジニア」が示したリアクションは見ていて目が点になるようなものでした。この辺に関してはツイッターで教えてもらったこちらの記事(『プロメテウス』 エイリアンに反する人類の起源)で、とても深~い考察がなされていますので、そちらをご覧ください。
そんな風に「失楽園」と結びつけて考えると、いろいろとうなずけるものがありました。要するに、「エンジニア」にとって人類とは失敗作にほかならなかったのかな、と。人類の遺伝子の行き着く先があの「エ○リアン」だとするならば、ジョッキーさんたちが必死こいて人間たちを抹消しようとしたのも納得がいきます。
聖書の「失楽園」のくだりには「お前(蛇)と女との間また お前の胤(子孫)と女の胤との間に敵意を置く。彼はお前の頭を砕き,お前は彼のかかと を 砕くであろう」なんて記述もあって、これもまた色々深読みできそうです。

とまあ、宗教的に考察しようと思えば幾らでもできるのですが、そこはやっぱりゲテモノ宇宙人映画なので馬鹿馬鹿しいテイストも満載です。特に注目に値するのがパンツ。思えば『エイリアン』一作目はパンツに始まりパンツに終わった映画と言えなくもないですが、今回もいきなり宇宙人がでかいブリーフみたいなのはいてて爆笑しました。他にもヒロインのノオミ・ラパスさんが下はパンツ一丁で大活躍する?シーンがふんだんにあり、人類とパンツの関係性について考え込まずにはいられませんでした。

Pmt2すでに続編も決定している『プロメテウス』は日本では初登場4位という「・・・」な結果でしたが、まだ一応全国の劇場でやってると思います。パンツの好きな人はぜひ3Dでごらんください。
ところでこないだネットショッピングに興じていたら、明らかにエイリアンの宇宙船らしきものを見つけてしまいました。
←これなんですが・・・ 地球は狙われている!かも!


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Comments

伍一おはよ、
プロメテウスは私としてはアベンジャーズより楽しめたわ♪
ごいちはちょっとこむずかしいこと書いてるのね、happy02

これそんなにヒットしなかったの、配給の宣伝法が間違ってるのよ。
人類の起源に出会うってことばかり強調して
「エイリアン」の続きというかその前ということうたってないもんね。
エイリアンファンがどれだけいるかも疑問だけど
そこ言わないとエイリアンファンが観ないもの。

ノオミさんの手術シーン、面白かった♪

Posted by: mig | September 15, 2012 at 10:25 AM

伍一くん☆
よーやっと観てきたよ。
伍一くんが布団挟みなんて載せるから、観ている間中可笑しかったわ(爆)

これは確かに「エイリアン」エピソード1と宣伝したほうがいいのかもだけど、ホラーが苦手な人にはエイリアンと知らないほうが劇場に行きそうだし、どの辺難しいところではあるよね。

そうだったー、人類を作った目的はアレだよね。
それがあの白い宇宙人とエイリアンのぬめぬめの合成(げっ!それが人類なの!?)だとして、エイリアンは誰が創ったの?

Posted by: ノルウェーまだ~む | September 15, 2012 at 09:48 PM

リンク記事を読みました。
別に記事に反論する意図は全く有りませんが、読んでいてふと頭に浮かんだのが、『トイストーリー』に出てくるクレーンゲームの三つ目の宇宙人人形のこと。

彼らにとっては、クレーンは神なんだよなぁと思うと、ついほくそ笑んでしまいました。

それにしても、この映画は何故「エイリアン」と言うのを宣伝に出さなかったのか不思議ですよね。
私の周りの、昔映画館で「エイリアン」を見た世代の人たちは、最近は劇場であまり映画を見に行かなくなり、映画情報に疎くなっているので気が付いていない感じでした。
話すと「エイリアン?なの!?」って言ってました。

Posted by: サワ | September 15, 2012 at 10:38 PM

SGAさんこんばんわ♪

エイリアン『っぽい』どころか、フタを開けたら殆どエイリアン色だったので、個人的にこの作品はもっとストレートな感じでも良かったんじゃないかな?と思いましたねぇw仰るとおり公開が近づいてもエイリアンなのかな?違うのかな?みたいな曖昧な情報しか提示されず自分も随分歯がゆい思いをしたので、『エイリアン・ゼロです!』みたいな事を言ってくれた方が期待値はもっと上がってたんじゃないかなぁ~と^^;

でも哲学や宗教の分野辺りにまで広がっちゃうと確かに深読みもできそうで面白い考察も浮かびそうですね。ただ自分はエイリアン絡みだと理解すると、人類の起源というテーマがそっちのけになっちゃったのも正直なところ(;´д`)その辺の謎の解明はMMRのキバヤシさん辺りにお任せと言うことで・・(な、なんだってー!!)

Posted by: メビウス | September 16, 2012 at 12:10 AM

>migちゃん

こんばんばん
たまにはちょっと小難しいことも書いてみたくなるのさ・・・(そしてたいがいは的外れだったりする)
配給さんは「エイリアン」の名前を出すとSF・ホラー好きしか観に来ないんじゃないかと思って、それであんな風な宣伝の仕方をしたんじゃないかな
結果的にそれはまったく功を奏さなかったというほかないけれど(笑)

ノオミさんの出産シーンは悪趣味だったけど笑っちゃったなあ。でもこれ胎教にはよくないね!

Posted by: SGA屋伍一 | September 17, 2012 at 12:14 AM

>ノルウェーまだ~むさん

毎度お世話になってます
とりあえず、巨大な布団バサミに押しつぶされて死ぬというのはごめんこうむりたいものですね・・・ 笑えるけどw

そういえば子供の頃は『エイリアン』ってものすごくおっかな~い映画だと思ってましたよ・・・ その後『2』で「今度は戦争だ!」ってなってからだいぶイメージが変わりましたが

わたしとしては宇宙人が自分達の遺伝子をこねくりまわして人類を作り、さらにこねくりまわしたらエイリアンになっちゃった、という説です。我ながら強引であります!

Posted by: SGA屋伍一 | September 17, 2012 at 12:23 AM

>サワさん

こんばんは
なるほど。プラネットエイリアンはクレーンに崇敬の念を抱いてるわけですけど、クレーンは単なる機械にすぎないわけですよね
そんな気持ちの一本通行ぶりは確かにこの映画のウェイランド社長に似ています
わたしもツイッターや他のネットの感想で「あれ? これエイリアンだったんだ!」というのけっこう見ました
彼らにとっては意外なサプライズだったわけで、かえって得した気分になったかも。なんかちょっぴり羨ましい?

Posted by: SGA屋伍一 | September 17, 2012 at 12:31 AM

>メビウスさん

こんばんは!
エイリアンとの関連性については製作途中でもちょっとした揺れ動きがあったようですね
わたしは噂で最初に「今度エイリアン・ビギニングができるらしい!」と聞いていたのですが、それが途中で監督が「『エイリアン』との関係は非常に薄い」と言い出したり
実際にできたものはがっつり『エイリアン』になってましたけどねw
ともかく、他のビギニングものと比べても遜色の無い出来に仕上がっていたと思います

リドスコ監督もいまや映画界の重鎮と言ってもいい存在ですからね。若い頃と違って、一作目のようなどシンプルなエンターテイメントを作るのには抵抗があるのかもしれません。でもやっぱり作品のいたることろに彼らしい悪趣味が顔を出してましたw

>その辺の謎の解明はMMRのキバヤシさん辺りにお任せと言うことで・・(な、なんだってー!!)

「マイケル・ジャクソンもエイリアンだったんだよ!」(それはMIB・・・)


Posted by: SGA屋伍一 | September 17, 2012 at 12:42 AM

>ちょっと振り向いてみただけの宇宙人
元ネタ古っ・・・ 笑

これエイリアン全く知らなかったんだけど面白かった。『2001年宇宙の旅』を思い出しましたよ。ディヴィッドの扱いなんてまさにそうでしたね。

Posted by: rose_chocolat | September 17, 2012 at 08:53 AM

>rose_chocoiatさん

こんばんはー
わたしが小学校のころは、この曲の前奏が運動会の行進曲の定番でしたよ。じゃーんじゃーんじゃーん じゃかじゃかじゃんじゃnじゃんじゃんじゃーん

柳下毅一郎氏だったかな? 「『2001年』は正統派SF映画だが、それを継ぐものがなくてあとのSF映画はバカ映画ばっかりになってしまった」と語ってました。まあ特に宇宙人の出てくる映画はねえ。宇宙人が出てくる時点でねえ

でもまあ『プロメテウス』はそれなりにがんばってたと思います

Posted by: SGA屋伍一 | September 18, 2012 at 10:54 PM

こんばんは!(*^^*)
多分最初からエイリアン・ゼロって言われていたら、
観なかったかもしれない一人ですが・・・・
(グロいのちょっと苦手なので・・・)
そういう人のための、あのわざとらしい予告編だったのでしょうねー。
まあ、すぐにネタバレしてしまったので
正直観ようかどうか迷ったのですが、
映像的は素晴らしかったので、観てよかったかなぁ〜。
ただ、ストーリーはかなりグダグダでしたね。
続きはどうするのかなぁ〜〜〜。


Posted by: ルナ | September 29, 2012 at 01:23 AM

>ルナさん

こんばんはhappy01
わたしもグロいのそんなに得意ではありませんが、エイリアンシリーズはグロい部分もある一方各監督の美術センスが光るシーンが多いので、つい観にいってしまいます。まあ強いて言うならAVP2はその辺ちょっと物足りなかった・・・

ふりかえってみると「あのシーンやあのシーンはいらなかったんじゃ?」というところも確かにありましたが、二時間監督の悪趣味を楽しませていただきましたcoldsweats01

つづきは・・・そらプレデターと戦うに決まってるじゃないですか!

Posted by: SGA屋伍一 | September 29, 2012 at 08:32 PM

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