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August 08, 2012

すべての道はローマ風呂につづく ヤマザキマリ・武内英樹 『テルマエ・ロマエ』

Tmr1原作は800万部を売り上げ、映画もいまのとこ本年度ナンバー1の興行収入を達成した『テルマエ・ロマエ』。先日終了間際に滑り込みで観てきました。いまさら不要かとは思いますがまずはあらすじからご紹介いたします。

西暦130年代の古代ローマ。浴場技師のルシウス・モデストゥスは長い間変化のないローマの浴場に、何か斬新なアイデアを盛り込めないものかと日々苦慮していた。ある日湯壷の中で思索にふけっていたルシウスは、浴槽の下にお湯が流れ込んでいる穴を発見。うっかり吸い込まれてしまったルシウスがなんとか浴槽から這い出ると、そこはいまだかつて見たこともない平たい顔の人々の世界が広がっていた・・・

ま、この「平たい顔族の世界」というのが我々の暮らしている現代日本なのですね。なぜ古代ローマ人がお風呂を経由して21世紀にタイムスリップしてしまったのか・・・ その辺の科学的説明は一切ありません。

わたしは漫画界でどやどや騒がれていたころに原作を手に取り、とても面白く読ませていただきました。そういえば2010年末の第七回SGA屋漫画文化賞でギャグ部門の賞をあげてましたね。そのころからそれなりにブームにはなってましたが、まさかこのように映画版まで大ヒットを飛ばそうとは夢にも思いませんでした。わたしのように始終妄想とかくだらないことばかり考えている人間ならこのヘンテコな世界観にすんなりなじむことができるでしょうけど、日本人の大多数を占める常識人の方たちはとてもついていけないんじゃないかな・・・?と思ったものですから。

つらつら考えてみるに、やはりヒットの原因は「風呂」でしょうか。世界ひろしといえど、我々日本人ほど風呂の好きな人種もちょっといないでしょうからね。けれどもこれまで本格的に風呂を題材にした映画といえば、『千と千尋の神隠し』と『クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦』くらいしかない。みんな心の底で「もっと風呂映画を!」と望んでいたのかもしれません。そこへきてローマ史の勉強もできる! これはお得ですよ、奥さん!
あとね、わたしたち現代人は生きていく上で様々な虚飾をかぶっていかなければならないじゃないですか。見栄とか世間体とか見え透いたお世辞とかそういうもんです。そんな我々には一糸まとわず裸一貫で心のままに突っ走るルシウスの姿がとてもまぶしく映ります。ぼくたちは・・・いつから彼のような純真な気持ちを失ってしまったんだろう・・・ さあ、君も君も、よけいなものを脱ぎ捨てて素っ裸で走り出そうじゃないか! ボクに続け! (ウォ~ン ウォ~ン) だ、誰だ、通報したのは!?

・・・しかしこんなに質実剛健、謹厳実直だったローマ・・・というかイタリアが、時代が下るにつれてどんどんヘタリア化してしまったのはどうしてなんでしょう。きっと風呂に浸かりすぎて、人格もモラルもどんどんふやけてしまったのかもしれませんね。お風呂は清潔さを保つ上では欠かせませんが、入りすぎると「やる気」がどんどん蒸発してしまいます。日本国民を同じ轍を踏むことのないよう十分気をつけてまいりましょう。

Photoいつにもましてわけのわからんレビューになってしまった。『テルマエ・ロマエ』はさすがにどこも上映終了してしまったようですが、まあその内DVDが出るでしょう。見逃した方はそれまで原作を読んでおくのも一興かと。ちなみにハドリアヌス帝には映画では描かれなかった大変「あら~ん」な趣味があります。気になる方はぐぐるか原作を手にとって確かめてみてください(ヒント:名前の後半)

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Comments

>風呂
映画見てないけど私ネタで許して〜(^^ゞ
風呂と言えば、クルマ買ってから外湯行く回数が激増しました。酷い時は毎週土日は燃費トライアル&温泉デーでした。

ただ、だんだん慣れてくると種類の多いトコは、せわしい事この上なく、最近はシンプルに広いトコが好みですネ。

レース開催日で無い限り、駐車券でそのまま入れる鈴鹿サーキットのクアガーデンはいいですよ。

Posted by: まさとし@ | August 10, 2012 at 03:36 PM

伍一くん☆
この夏休み映画目白押し!の時に、まだこの映画やっていたとは・・・
もうてっきり見てUPしていたような気がしていました。

さて、ねえねは屋久島の海岸温泉で素っ裸で走り出してしまいましたが、パトカーはきませんでした。(ホッ)
それにしても温泉文化はなぜイタリアでそのまま受け継がれなかったのか不思議です。
ヨーロッパの人はそれこそ着替えもシャワーもドアなしですっぽんぽんでしますが、お風呂だけは恥ずかしがって水着なのです。何でだろう??
ちなみにアメリカ人は前を隠します。(シャワー室で見分ける方法)

Posted by: ノルウェーまだ~む | August 10, 2012 at 03:46 PM

>まさとしさん

ども。お盆で弟一家が帰省してるので返事が遅くなりました。すいません
温泉地にいながら実はあんまし温泉にいかないわたし。でも最近はそれなりに温泉のよさもわかってきましたよ
熱海は高いところが多くて気軽に行きづらいんですよね。スーパー銭湯みたいの作ってくれりゃいいんですが
鈴鹿サーキットにも温泉施設があるとは面白いですね。外人レーサーもそこで疲れをいやしたりするんでしょうか

Posted by: SGA屋伍一 | August 13, 2012 at 11:19 AM

>ノルウェーまだ~むさん

お盆で弟一家が帰省してるので返事が遅くなりました。すいません
この映画は終了ギリギリの三週くらい前に観たのですよ~ 本当に感想書くのが遅くって

ねえねちゃんはナンというか、野生児ですねえ・・・ ちょうど今ここにいる姪っ子(二歳)がそんな感じです

「どこで(を)隠すか?」に関する考察、興味深いですね。そういえば『ヘタリア』にはドイツ人は基本厳格なのだけど、なぜか裸になることに関してはおおらか、とありました。それでもやっぱり温泉では水着着用なのかな?

Posted by: SGA屋伍一 | August 13, 2012 at 11:25 AM

お得なのね?!
気になってたけど、レンタルでたら観て見ようっと!ローマ史も学べるなら。

風呂史とかありそうだよね。風俗史もあることだし。

私のかわいい親友が、オランダでプール行った日がヌーディストデーで、まわりは裸のゲイばかり。そんな中、素っ裸できっちり2時間泳いできたって話をいたく気に入っているの。素敵だようー。

上の子から 荒川アンダーザブリッジをすすめられて読んだ所、面白く思えずつきかえしちゃった。

ごいちんも残暑気をつけて乗り越えてね!!

Posted by: hino | September 05, 2012 at 09:48 AM

>hinoさん

お得んすこー 
こちらにも来てくださってありがとうございます(◎´∀`)ノ
この映画はたぶんhinoさんも気に入られると思いますよ

オランダも裸には肝要なようで・・・ あそこはヨーロッパの中でも特にフリーなところだそうですし。いいですね。行ってみたいですね
ただぬーですとびーちに行くにはその前にこのたるみきったおなかをなんとかせねばなりますまい

『荒川~』は読んでないんですけど、同じ作者の『聖☆お兄さん』は初めの方だけ読みました。こちらも笑えて勉強になる漫画ですよ

>ごいちんも残暑気をつけて乗り越えてね!!

ありがとうございます! がんばりまふ

荒川アンダーぶっりじ

Posted by: SGA屋伍一 | September 05, 2012 at 08:46 PM

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Tracked on August 10, 2012 at 03:48 PM

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