地球人ウィル バリー・ゾネンフェルド 『メン・イン・ブラック3』
心の隙間、お埋めします! ド――――ン!! ・・・とそっちの黒服さんの話ではなく、今回は十年ぶりにかえってきた地球を守るエージェントのお話。『メン・イン・ブラック3』、ご紹介いたします。
地球は狙われている・・・のかは知らないが、実はこの星には巧妙に姿を隠して観光や労働に来ている宇宙人が無数にいる。その秘密を守るために日夜飛び回っているのが我らが「黒服の男」=メン・イン・ブラック。若手No.1のJと数々の伝説を持つKは、今日も仲良く?パトロールに精を出していた。ところがKに恨みを持つ凶悪脱獄囚アニマル・ボリスが歴史改変を企んだために、Kは突如としてこの世からそっくり消滅してしまう。彼の存在を唯一覚えているJは、自らもタイムスリップしてKを復活させようと試みる。
まずこのシリーズに関する個人的な思い出をば。第一作『メン・イン・ブラック』は実は非常に思い入れの深い映画です。なんでかっつーとわたしが映画館に通い始めた1997年の作品だから。もし私達の周りに宇宙人が潜伏していたら?というアホらしい(でも意外に深い)設定と、地球の危機だというのに連発されるゆる~いシモネタは映画ファンに成り立ての自分に強い印象を残したのです。
で、それから五年後の『2』。こちらも一応楽しんで観たはずなんですけど、どういうわけほとんど記憶がない(笑)。前作のゆるかったギャグセンスがさらにゆるゆるになってたような・・・ こんなに忘れちゃってるので批判のしようもないのですが、監督バリー・ゾネンフェルドはこないだ「『2』のことは忘れてくれ」とおっしゃってたので、パンチの弱さは作り手も認めているようです。
そして2012年、突然思い出したように作られた『3』。前回の反省をふまえてか、今回は宇宙SFにさらに時間旅行という要素まで盛り込みました。これはいわばカツ丼と牛丼をミックスさせるようなもの。上手にいけば二つの素材が絶妙なハーモニーを奏でるわけですが、下手をするとお互いの良さを打ち消しあってひたすらくどい印象しか残らない。いったいどうなってしまうんだ!? と地球のピンチより作品の出来の方にハラハラしたりして(^^;
まあ結論からいえばさすがはベテラン監督だけあって、脂っこい料理を実にさわやかな風味で仕上げてありました。これはタイムスリップものだからって調子に乗ってあちこち飛び回らず、1969年だけにスポットをあてたからいいんでしょうね。1969年といえば某アンディ・ウォホールが活躍し、アポロ11号が打ち上げられようとしていた年。Jと一緒に古きよき?アメリカを観光旅行しているようでとても楽しかったです。
あとこのシリーズの特徴といえるのが「視点の逆転」みたいなもの。一作目では「もし私たちの日常の裏側に秘められた真実があったら」とか「私たちが宇宙と信じているものも実は小さなまとまりに過ぎないとしたら」みたいな「もし」が提起されましたが、今回は「未来には幾つかの可能性があり、そのうちのひとつが現実となる」というややこしい理論が展開されます。要するに量子論における「シュレーディンガーの猫」みたいなもんかな・・・(ってお前は本当にわかって言ってんのか?) もちろんこの映画はそんな小難しいこと考えなくても、十分に楽しむことができます。
ここんとこ『バトルシップ』とか『ロサンゼルス決戦』とか「宇宙人は問答無用の侵略者!」みたいな映画が続いてましたけど、そういう決め付けはよくないと思います。地球人にもいいひとと問題児がいるように、宇宙人だっていいヤツもいれば凶状持ちもいる。そしてどっちでもないのんびりしたヤツもいる。来るべき?ファーストコンタクトの時のために、それくらいの常識はもっておきましょう。
観賞が滑り込みだったためにもうほとんどの劇場で公開が終わってしまった『メン・イン・ブラック3』。宇宙開発に興味がありながら見逃してしまったひとはDVDが出たらぜひごらんください。
Comments
ご無沙汰~。
ついていけるネタキタ~!
>唯一覚えている
まるで「涼宮ハルヒの消失」みたいな(違
そういえば一作目に出てた宇宙人にパグに扮した
奴がいましたな・・・・・・・・・なんか気になっていましたが
で、今また「宇宙兄弟」でパグがでて萌えかかってる
あたり・・・・・・・・俺はパグ属性あるという事か・・・・・・。
そうそう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
実はクルマ仲間で「宇宙戦艦ヤマト2199」が
すっかり話題になってます。
オフ会二次会のネタがクルマでなくヤマトだったのは
意外でした(笑)。
「みんカラ」ブログで箇条書き感想書いてみたんで・・・・・・・・・
ttp://minkara.carview.co.jp/userid/1516126/blog/27283089/
(hつけてな)
バンダイチャンネルなら見れるので
Posted by: まさとし | August 01, 2012 11:07 PM
伍一君☆
うわー・・・
「メンインブラク」から映画ファンになったんだぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(遠い目)
それはともかく、あやしい宇宙人が怪しい食材で料理を出す時代が来るかは別として、宇宙人とファーストコンタクトが生きているうちに行われたら、さぞエキサイティングでしょうねぇ~
Posted by: ノルウェーまだ~む | August 02, 2012 12:43 PM
伍一さん、こんにちは。
ギャグのセンスが薄くなって行ってるっていうポイントの指摘に、ホントそうだなぁって思っています。それだからなのか、最初のが一番面白く感じちゃうのかな。
Posted by: まみっし | August 02, 2012 05:17 PM
>まさとしさん
毎度~ いましたいました。パグ宇宙人! Kに「秘密を話せ!」とがくがくゆすられてたような
あれは二作目のときだったかなあ。ウィル・スミスが「撮影のとき、あいつは一人だけセリフに参加しなくて傲慢だった」とか言われてましたw
新作ヤマトはかなり好評ですね。工藤画伯も絶賛してましたよ。こんなに絶賛されるヤマトってほんといつ以来だろう・・・?
記事、あとで読ませてもらいます
Posted by: SGA屋伍一 | August 02, 2012 09:21 PM
>ノルウェーまだ~むさん
正確にはMIBではなくID4からファンになったんですけどね~ ま、細かいことです。どっちも宇宙人ものだし、ウィル・スミス出てるし(笑)
もう・・・ かれこれ15年前ですよ・・・
宇宙人とファーストコンタクトかあ。見果てぬ夢ですね。せめて『宇宙人ポール』みたくロズウェルに聖地巡礼にでもいってこようかしら
Posted by: SGA屋伍一 | August 02, 2012 09:26 PM
>まみっしさん
こんばんは! いまそちらは大騒ぎでしょうね~
そういえば今回ラストはいつになくホロリと来る展開でした
それはそれで悪くなかったけど、MIBらしくないっていやらしくないですね
Posted by: SGA屋伍一 | August 02, 2012 09:28 PM
こんばんはー
まだーむと観たわ☆
ウィル好きだからハズせないと思ってたけど
こんな面白く出来てたなんて満足♪
今月の映画にありがとう。
そういえばあんなに応援してる今泉監督のこっぴどい猫や、猫背は観ないの??
すごく面白いみたいよ。
Posted by: mig | August 09, 2012 10:06 PM
>migちゃん
こんばんばん
この直前にちらっと「1」を見たんだけど、ウィルほとんど変わってないね。トミーリーはさすがにちょっと老けた。あとそっちの記事でジェイデン君がいつのまにかおっきくなっててちょっとびびった(^^;
こっぴどい猫みたいねー でも確実に終電が行ってしまう時間なんできびしいんだ・・・ 今泉さんの作品も翔さんの作品もいつかこっちで普通にかかるようになってほしいなあ
Posted by: SGA屋伍一 | August 09, 2012 10:56 PM