魔女っ子エヴァリン ティム・バートン 『ダーク・シャドウ』
スコセッシとディカプリオ、リドリー・スコットとラッセル・クロウ、トニー・スコットとデンゼル・ワシントン… あまりにタッグが頻繁なので「おまえらデキてんじゃね?」と言いたくなる監督&俳優っていますよね。その中でも最も頻繁なのがティム・バートンとジョニー・デップ。そんな「もう結婚しちゃえよ!」コンビの最新作をご紹介いたします。『ダーク・シャドウ』参ります。
18世紀半ば。イギリスからアメリカにわたってきたコリンズ一家は、コリンズポートの街で商売に成功し財を築く。だがアンジェリークというメイドを雇ってから、一家は連続して不幸に見舞われることに。実はアンジェリークは魔女だったのだ。そうとは知らずコリンズ家の跡取りバーナバスは、アンジェリークに手を出した挙句「本命は他にいる」と彼女をふってしまう。魔女は怒りのあまりバーナバスをヴァンパイアにし、死ねないまま棺おけに入れて地中深くに埋めてしまう。
それから約200年後のラブ&ピースの風が吹き荒れていた時代。バーナバスは埋められた場所で建設工事が始まったために掘り出される。工夫たちを血祭りにあげた後、バーナバスは暗い道をとぼとぼと歩き続ける。すると前から車が… そう、これこそ本当の「ダーク車道」!
・・・失礼しました。ともかくバニーはこのあと没落した子孫たちと、自分にのろいをかけた魔女に対して敢然と?戦いを挑みます。
映画作家の中にも観客のためというより自分の趣味のために映画撮ってる人いますよねー その代表格がティム・バートンではなかろうかと。彼がまず第一としてるのは、自分の脳内にある世界をいかに理想的に再現するか、ということなんだと思います。まあそれでも共感できる人が数多くいて、ちゃんと商売になってるところがバートンのすごいとこですね。ついでに言うと観客サービスを第一にしてるつもりで、やりすぎてちょっと違う方向に行っちゃってるのが三池崇史(笑)
あと映像作家にはまず作りたい絵がある、という人と、まず訴えたいテーマがある、という人に分かれると思います。言うまでもなくバートンは映像先行派かと。いい絵さえ作っておきゃ、お話はあとからついて来るんじゃね?みたいな。それが成功する時もあれば、空中分解してる時もあり…
で、結論から言うと今回はかなりてんでバラバラになっていたような 吸血鬼と商売繁盛と70年代とファミリードラマ・・・ なにひとつ必然性が感じられない。実際ツイッターでもなかなか評判悪かったです。
しかし~どういうわけか~個人的にはけっこう楽しめてしまったんですね~
特にうけたのは復活したバーナビーが70年代に慣れずにえんえんとゆるいボケを繰り返すあたり。その背後に流れるビリー・ボーンやカーペンターズがいっそう観るものを弛緩させます。そんだけボケまくってるくせにたまにすごいひどいことやらかしたりするんですよね。そんなヘンテコな組み合わせが滅多に食べられないような珍味的なハーモニーを奏でておりました。
他に注目すべき点としてはさながらハリウッドの魔女っ子大全集みたいになってるところでしょうか。ヘレナ・ボナム・カーターは『ハリポタ』シリーズで、ミシェル・ファイファーは『スターダスト』で魔女役を演じてましたし、クロエ・モレッツちゃんは魔女ではありませんが『モールス』で吸血鬼役を演じておりました。そして今回女優陣で一番輝いているエヴァ・グリーンも『ライラの冒険』で魔女を演じておりました。これまで彼女の作品はほかに『キングダム・オブ・ヘブン』『007/カジノ・ロワイヤル』と観て来ましたが、生命力の薄そうな、はかなげな役が多かったような。それが今回はお色気ムンムンのバリバリの肉食系。いや~ こういう役もできるんじゃないですか! 少なくともこの点に関してはバートンのキャスティングの勝利と言うことができるでしょう。
せっかくだからジョニデのことも書いておきましょう。この映画の宣伝が流れ始めた時、わたくしネットで「今度のジョニデは魔太郎に似てる」という噂を目にしまして。「んなわけないでしょー」とたかをくくっていたのですが、見てみたら本当にそっくりでした! 「ウラミハラサデオクベキカ!」というキメ台詞まで一緒!「魔太郎とはなんぞや?」という方は「藤子不二夫 魔太郎が来る」で検索してみてください。
『ダーク・シャドウ』は全国の映画館で現在公開中。第一週は約二ヶ月ぶりに興行1位を飾った洋画作品となりました。米国では『アヴェンジャーズ』に敗退してたんですが・・・ やっぱジョニデ&バートンって日本では根強い人気があるんですねえ。バートン監督の次回作はストップモーションアニメ『フランケン・ウィニー』。いまのとこジョニデの名前はないようですが… あれ? 破局?
Comments
伍一くん☆
ジョニーとティムはインタビューの時の様子から言っても間違いなく『事実婚』だよね(笑)
仲良し~♪でもBLの香りは全くしないよ☆
女性キャストはみんな魔女だったのね。
道理でほぼアダムスファミリーちっくだったわけだわ。
Posted by: ノルウェーまだ~む | June 07, 2012 10:19 AM
>ノルウェーまだ~むさん
バンパイアンスコー
>ジョニーとティムはインタビューの時の様子から言っても間違いなく『事実婚』だよね
まあ意地でもBLにしたがる人たちは「ヘレナ・ボナム邪魔よ!」とか思ってることでしょうね(笑)
ジョニデはこないだあるインタビューでもバートンに謝辞を述べてました。それにひきかえバートンは「ジョニーはただの肉塊」とかひどいこと言ってたなあ(これは一昨年の発言ですが)
魔女っこだらけといえばマガジンで『ねぎま!』という漫画があったそうですが…
Posted by: SGA屋伍一 | June 07, 2012 11:03 PM
SGAさんこんばんわ♪コメント有難うございました♪
結婚は難しいと思いますけど、この2人って義兄弟の契りみたいなのは密かに交わしてそうな気がしますねぇ?そうじゃなきゃ8回もタッグ組もうなんて思わないんじゃないでしょうか^^;
で、8度目となった本作ですが、自分も正直主演のジョニーよりは全員魔女の素養がある出演女優陣らの方が華があって良かったかもしれません。特にエヴァはホントに良かったですね。ここまで悪女に徹した彼女の役って観た事無かったですし、お色気全開な出で立ちもサービス満点だったので、その点に関しては今回バートン監督には感謝したいですねw
Posted by: メビウス | June 08, 2012 12:49 AM
ハロー、ジャパン。。。
ブログ5周年おめでとうございます。1枚目の似顔絵のバカリズムは誰ですか?
オレ、こいつらの映画、ぜんぜん見てないわ。幸福の科学の最新作 『ファイナルジャッジメント』 は見ますか? ボクは見たくないので、スガさんが犠牲となってレビューしてください。
Posted by: レディー・ガガ。。。 | June 08, 2012 09:03 PM
>メビウスさん
こんばんは。こちらこそおかやしありがとうございます
もしかしたらバートンさんの正体は悪魔でジョニデはブレイクすることときっかけに魂でも売り渡してしまったのかもしれません ・・・って本当にそんな映画作りそうな気がするなー! 彼らは
わたしは外人さんはちょっとした変化でもう誰だかわからなくなってしまうので、今回も前もって知っていなければあれがエヴァさんだと気づかなかったと思います。なんかこう清純派のアイドルがはっちゃけてしまったようなさびしさや痛々しさがないでもないですが、これで一肌脱いだ、じゃなくて一皮むけたと見てあげるべきでしょうかね
Posted by: SGA屋伍一 | June 08, 2012 11:06 PM
>レディー・ガガさん
こんばんは。。。 コメントありがとう。。。
ガガさん、ぼくのあの、ギギの腕輪どこにいっちゃったんでしょうかね。ほら、ゲドンの十面鬼に狙われてるあの腕輪ですよ(もうつっこむのもめんどくさい)
ファイナル・ジャッジメントってあれですか。死の運命から逃れようとしたあんちゃんたちが電化製品にけつまづいて死んじゃったりするあのシリーズですか。ぼく怖いの苦手だからなあ。。。
Posted by: SGA屋伍一 | June 08, 2012 11:11 PM
思わずツッコミに来ました。『ファイナル・ディスティネーション』(デスティニーと表記してたかも)シリーズです。
コメントを最後から読んでいて、少し疑問を感じつつも納得しかけておりました(笑)
ジャッジメントの方がぴったり来ますよね。
Posted by: サワ | June 11, 2012 10:03 AM
>サワさん
ツッコミありがとうございます(笑)
『ファイナル』と付きながら何度も続編が作られてる矛盾したシリーズですよね。ゲームでも『ファイナルファンタジー』という長寿シリーズがありましたっけ
『ジャッジメント』の方はなかなか興行成績がよろしいようです。冷やかし半分の客や怖いもの観たさの客も多いみたいですが…
Posted by: SGA屋伍一 | June 11, 2012 10:54 PM
こんばんは!(^_^)
ジョニーとティムは、多分精神的にはデキてると思いますが(笑)、
今回、お色気ムンムンで一皮むけちゃったエヴァ・グリーンの影で
まったく目立っていなかったヒロインのベラ・ヒースコートが
実は、若い頃のヘレナ・ボナム=カーターによく似ているんですよね〜。
どうやら、ティムの女性の好みは変わっていないみたいです!
ヘレナ、ちょっと太ったせいでおばさんぽくなってましたからね〜〜〜。
Posted by: ルナ | June 11, 2012 11:20 PM
>ルナさん
こんばんはー!
そういえば記事でメインヒロイン?のこと書くの忘れてたなあ(笑) こう言っちゃなんだけどネームバリュー的にも気迫の面でも一番おとなしめだったような・・・ 彼女の抱えていた秘密にはちょっと驚かされましたけどね
あとわたしへレナ・ボナムって齢を重ねてからの姿しか見てないことに気がつきました。最初に観たのが確か『猿の惑星』(笑)
そうか・・・ 若いころはこんな可憐だったのか・・・
個人的にはハリポタ6あたりの彼女はかわいかったと思ってます
Posted by: SGA屋伍一 | June 12, 2012 10:09 PM