歯は命 トロイ・ニクシー 『ダーク・フェアリー』
ここのところ精力的にプロデュースを行っているギレルモ・デル・トロ(そろそろ自分でも撮ろうな!)。そのデルトロ印の最新作は、「歯の妖精」に材を取ったゴシック系のモダンホラー。『ダーク・フェアリー』、ご紹介します。
事情で離れて住んでいた父の元に引き取られた少女サリー。しかし屋敷の修復に忙しい父はどこかよそよそしく、「母に捨てられた」という思いも手伝って、サリーはその心を閉ざしてしまう。父の恋人キムはそんなサリーに優しく接するが、少女はうちとけようとはしない。そんな折、サリーは地下につながっている通気口から怪しげな声を聞く。それは屋敷に昔から住む邪悪な妖精「トゥース・フェアリー」の声だった・・・
トゥース・フェアリーとはなんぞや。これは欧州のおとぎ話に出てくる空想上の生き物で、子供が抜けた歯を枕の下に置いておくと、お金と引き換えにその歯を食べてしまうという習性があるそうです。かわいいじゃん。確かデルトロ監督の『ヘルボーイ:ゴールデンアーミー』にも出てきたのですが、そっちでは目につくものすべてを片っ端からバクバク食い尽くしてしまうという、かわいげの欠片もないような連中でした
で、映画の感想なんですが、観ている間はそれなりにハラハラするものの、振り返ってみるといろいろ微妙というか笑えるというか。
少し前久々に「プロレスに筋書きはあるか」ということが話題になってましたが、これはそう、まさにそんな筋書きのあるプロレスのような映画(笑)
モンスターどもが本気を出せば、それこそ上映開始一時間以内でサリーをパクパク食べちゃえると思うんですよね。でもなんでかその襲い方が微妙にまどろっこしいんですw まるで「お客さんを楽しませるために二時間もたせないと!」と力の出し方をセーブしているかのようです。ま、古きよきプロレスもたまには悪くはないです。でもそれだったらもう少しわざとらしくないようにやらないと~
でもまあ作りこまれたお屋敷の内装や調度品なんかは観ていてそれなりに楽しい。デル・トロさんは本当に「古い屋敷」「子供」「お化け」の三題話がお好きなようで。彼が作った&関わった『パンズ・ラビリンス』や『永遠のこどもたち』と観比べてみたら、それぞれの監督の微妙な違いなどわかって面白いかもしれません。
で、ちょびっと結末をばらしてしまうと(未見の方は避難してください)
この結末がまた微妙というかちょっとポカーンとしてしまいました。実はこの作品、1973年の『地下室の魔物』というテレビ映画のリメイクなんだそうです。で、この結末も元の作品を忠実に踏襲したもののようで。なにもこんな微妙なところをリスペクトしなくても・・・と思ったりして まあ忘れがたいというか個性的というか、変に心に残る不条理な幕引きではありましたが。
『ダーク・フェアリー』はそろそろ首都圏では公開が終わりそうです。その後は日本各地をぼちぼちとまよっていく予定。
ところでキム役の女優さん、どっかで観たような・・・と思って調べたらトム・クルーズの現かみさんのケイティ・ホームズでした。ダンナが『MI:ゴーストプロトコル』でこれまでの最高収益をはじき出そうとしてるというのに、かみさんは久しぶりに出たと思ったらこんなB級ホラーって、それは少し悲しくないか!? でもまあとりあえず復帰おめでとう!
Comments
あ!バレンタインデーのチョコケーキ食べたから歯を磨かなくっちゃ♪(爆)
まーなんといいますか、ホラーじゃないよね。基本的にプロット古すぎだし、今の時代にこれをリメイクする意味ってなんだったんだろう?
Posted by: KLY | February 14, 2012 11:47 PM
>KLYさん
チョコをもらったやつらは、みんな虫歯になって総入れ歯になってしまえばいいいい!!
それはともかくとして
>今の時代にこれをリメイクする意味ってなんだったんだろう?
ぶっちゃけデルトロさんがオリジナルが好きだから!という理由以外の何物でもないでしょうね(笑) 売れるか売れないかも考えず強引に自分の好きなものをリメイクしてしまうという姿勢には、アル意味尊敬の念すら感じます
Posted by: SGA屋伍一 | February 15, 2012 09:57 PM
↑ふたりのコントウケるんだけど〜
デルトロ製作&脚本だけどたいしたことなかったな〜
もうその言葉に騙されちゃダメよね(笑)
ケイティが最悪のオチになっちゃってたのが可哀想ながらも笑えてよかったけどまったく怖くないのもいかがなものかな。
ケイティ、どっかでみたどころか、、、
私いつもゴシップでスリたんとともに載せてるのにぃー
Posted by: mig | February 17, 2012 06:38 PM
>migちゃん
こんばんは~
そういえばmigちゃんもmaruちゃんからご立派なチョコもらってたよね。いいな~ 久しぶりにジャイアントカプリコでも買ってくるか・・・
ケイティさんのアレはなんだか逆『リング』みたいだったね。わたしは夜眠れなくなると困るので、笑える終りでかえって助かった(笑)
いやー、まさかこんな映画で復帰するなんて夢にも思わなくて。『バットマン・ビギンズ』以来だっけ
そういえばゴシップに良く出てたね、ケイティ
Posted by: SGA屋伍一 | February 17, 2012 10:18 PM
こんばんは!(*^^*)
>供が抜けた歯を枕の下に置いておくと、お金と引き換えにその歯を食べてしまうという習性があるそうです。
そんな可愛いもんではなかったですねぇー。
でも、デルトロがかかわっているので、どんな魔物が登場するのかと
期待していたのに、なんかいまひとつで、ちょっとがっかりでした!
あと、襲い方はたしかにまどろこしかったですよね。
まあ、あんまり怖いのは苦手なので、いいですけど・・・(笑)
Posted by: ルナ | February 28, 2012 01:16 AM
>ルナさん
こんばんは。おかえしありがとうございます(^^)

今気が付きましたが、言われて見ればこの小人さんにはデルトロ関連のモンスターの特徴である「かわいげ」ってもんがなかったなあ~ 芸風もそんなに珍しいものではなかったですしね。お話をひきのばす気配りみたいなものは、まあ評価できますけど
ルナさんも怖いのは苦手ですか。でも気になる監督との作品だったり評判が良かったりすると、ついつい観にいってしまいますよね
Posted by: SGA屋伍一 | February 28, 2012 11:52 PM
こちらでもようやくかかりまして、観てきました。
やっぱ『ゴールデンアーミー』の圧倒的にバイオレンスな妖精さんの方が
魅力的でしたねー
まあ、こっちの妖精さんはまどろっこしいからこそ
相手が少女でも2時間もったわけだけど
ほんとそろそろ、デルトロが自分で撮ったやつ観たい・・・
Posted by: kenko | March 18, 2012 06:28 PM
>kenkoさん
こんばんは~
ゴールデン・アーミーのほうの妖精さんはもっと圧倒的でしたよね。こちらの映画に比べると出番ほんのちょびっとだったんで、時間配分とか気にする必要なかったですからね~ まあとりあえずこちらの妖精さんたちにも二時間お疲れ様と言ってあげたいです
デルトロさんの次の映画はとりあえず『パシフィック・リム』という怪獣ものになったと聞きました
http://www.cinematoday.jp/page/N0033638
2013年公開か・・・ ふうううう
Posted by: SGA屋伍一 | March 18, 2012 11:53 PM