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February 10, 2012

東京五輪のその年に 山崎貴 『ALWAYS 三丁目の夕日’64』

Tyagawa1♪三丁目の夕日くらい多めにみてよ~ 前作で完結したと思われた『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ。ところがどすこい忘れたころになって帰ってまいりました。『ALWAYS 三丁目の夕日’64』ご紹介いたします。一作目の記事はコチラ。二作目の記事はコチラ

東京五輪の開催が予定されていた1964年(昭和39年)。鈴木さんちの一平くんも茶川さんちの淳之介くんも大きくなり、大学受験を控えていた。田舎から出てきたロクちゃんはすっかり一人前の整備士になったが、最近近所を通る男前の医師が気になる模様。一方茶川さんは連載してる児童氏で人気が急上昇している「緑沼ミノル」という作家に脅威を感じていた。そんな折茶川さんの元に喧嘩別れした郷里の父が危篤という報せが入る。

一作目と二作目が作中では半年しか経っていなかったのに対し、今回は6年もの年月が経っています。そりゃあ子供たちも成長するわけだ。最初はほっぺがまっかっかだったロクちゃん=堀北真希も、すっかり大人の女性になってしまいました。
そんな中、全く成長してないように見えるのが我らが茶川先生(笑)。いや・・・ むしろ退化している? 同じダメ人間としてはなんだか嬉しくなってしまいますね!
それはともかく、今回も前二作と同様、「血のつながらない家族」の不器用な絆がメインとなっております。鈴木さんは従業員のロクちゃんがろくでもない男にたぶらかされてるのでは、とやきもきし、茶川さんは養子である淳之介君に同じ苦労を味わわせまいと小説を書くことを禁じます。
縁もゆかりもなくても、同じ釜の飯を食って共に生活していると、情が芽生えて家族のようになっていく。人間ってのは基本的にそういうもんですよね。かえって血がつながっている方が下手にこじれるととりかえしのつかないことになったりして・・・ この映画でいうと茶川さんとお父さんがそんな感じですよね。
まあ赤の他人が一つ屋根の下で暮らすというのこともこの時代はよくあったのかもしれませんが、現代ではそういう状況・絆も生まれにくいのかもしれません。「だから昔はよかった」ってわけではありませんが。

以下はかなりネタバレしてますのでご了承のほど。
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今回かなり感心したのがさっき書いたことと矛盾するようですが、茶川さんの成長がきっちり描かれていることです。何もそこまでしなくても・・・という感じで淳之介君を追い出す茶川さん。そして彼が去った後でダーッと駆け出していく。そこでまたひし、と抱き合ったら一作目とまったく同じです。
しかし今回は厳しい目で淳之介君を見つめ、不器用な形でエールを送っていく。そして彼の前から姿を消したあとで「ありがとうって言いたいのはこっちだよ。お前がオレをどん底から救ってくれたんだ」とつぶやきます。
一作目の時はあれでよかったのです。二人はお互い傷を癒さなければならなかったのですから。しかし傷がもうすっかり癒えたのなら、それぞれ次のステージに進むために、「依存」から脱しなければいけない。これを成長と言わずしてなんと言いましょう。茶川さんの専門って児童文学じゃなくって純文じゃなかったっけ、という疑問はひとまずおいといて。

さて、これは個人的な話ですが、わたくし一作目と二作目は友人とそのお母さんと観にいったのですね。二人ともこのシリーズが大層好きで。しかし前作から四年の間にそのお母さんは亡くなられてしまいまして。一緒に観に行けたのはいい思い出だな・・・と物寂しく思ったりしたのでした。

Tyagawa2_2『ALWAYS 三丁目の夕日’64』は現在大ヒット公開中。奇しくも東京タワーもぼちぼちスカイツリーに跡目をゆずるようですが、このシリーズ、そこまで続いたりして・・・

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Comments

こんばんは!(^_^)
茶川さん、似てる!!!よく描かれてますねぇ〜!
このシリーズは、年配の方に人気が高いみたいですね。
家の母も、映画なんてほとんど見ないのに、
この映画に出てくる電気製品とか小物などが
すごく懐かしいみたいです。
映画では、昭和の良い所がたくさん出てますが、
私は、このシリーズを見るたびに、鈴木オートは
きっと現代まで残っていないだろうなぁ〜と考えてしまいます。
いつから、こんなヒネた大人になっちゃったかなぁ・・・(笑)

Posted by: ルナ | February 13, 2012 at 12:35 AM

>ルナさん

おほめいただき恐縮です(^^;
茶川さんはヘアスタイルが特徴なので多少は書きやすいキャラですね
ルナさんのお母さんもお好きなんですか。たぶんそのあたりの世代にはこのシリーズって、古きよき時代劇みたいな安心感があるのだと思います。ほどよく美化されてたり、結末が期待を裏切らないところとかね

>鈴木オートは
きっと現代まで残っていないだろうなぁ〜と考えてしまいます。

跡継ぎがアレじゃあね(笑) お店も五年の間に全く成長してないし・・・

Posted by: SGA屋伍一 | February 13, 2012 at 10:56 PM

SGAさんこんばんわ♪こちらにも失礼します。

このシリーズは自分も1作目からずっと観てきたせいか、今回の3作目では各々のキャラクターの成長ぶりが垣間見えて良かったですね。
身体的な成長面では一平や淳之介とかが挙げられますけど、茶川も己の過去と向かい合い、息子同然の淳之介を突き放した事で、彼自身もまた『巣立ち』を迎えたような感じに見えましたねぇ。1作目で『家族ってどんなんだ?』って鈴木パパに聞いてた時とはなんかえらい違いです^^

けど個人的にこのシリーズ、もうあんまり掘り下げなくてもいいような気もするんですけどね。ピエール瀧さん演じる氷屋さんも、時代の流れと共にどんどん外様に追いやられていく文明利器の衰退を象徴してるようで、次作が出るたびどんどん哀れに見えてきます(汗

Posted by: メビウス | February 17, 2012 at 02:30 AM

>メビウスさん

こちらにもサンクスですhappy01
ハリー・ポッター君も成長早かったですけど、彼らはまだ一応一年ごとくらいに見てましたからね。それに比べると一平ちゃんなんかはいきなりでかくなってたので、とても同じ子には見えなかったですよ~ そういえば彼、ディケイドで明日夢くんをやってたんだったかな? あの時はまだあどけない感じでしたが・・・

ピエール瀧さん(笑) 一作目で捨てられた氷入れを悲しそうに見ていたのが忘れられません
わたしが心配なのはこれ以上シリーズを続けたらそろそろ小雪さんあたり死んじゃいそうなこと。彼女いかにも幸薄そうなんで・・・
いや、そうならなければいいんですけどね~

Posted by: SGA屋伍一 | February 17, 2012 at 10:08 PM

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