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January 29, 2012

ブリキの仮面 矢口史靖 『ロボジー』

Photo『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』で知られる矢口史靖監督の最新作はなんとロボットもの!・・・と思ったら、あれ? なんか微妙に違う? というわけで現在公開中の『ロボジー』、紹介します。

木村電気の窓際族の社員三人組は悩んでいた。社長から突如としてロボットを作れと言われ、なんとかそれなりにこしらえたものの、不慮の事故でロボットが大破してしまったからだ。展示会の期日まであとわずか。悩みぬいた末に三人が下した決断とは・・・
ところ変わって、しがない独居老人の鈴木重光は苛立っていた。老人会の芝居でいい役が回ってこなかったばかりか、腰までいためてしまったからだ。そんな鈴木の目に入ったのは「着ぐるみショーのスタッフ募集」という広告だった・・・

一言でいうと『ロボコップ』『アイアンマン』を日本で作るとこうなる、みたいな話。いやいやいやいや・・・ それはないか。
キャッチコピーが奮っています。「そのロボットは変形しない。戦わない。働きもしない」 そんなのは・・・ そんなのはロボじゃないよ!! とすさまじく理不尽な思いを感じはしましたが、タイトルに「ロボ」とついている以上、わたしが観に行かないわけにはいかないでしょう・・・

で、実際に観てみて思ったのは、けっこう三谷幸喜の作風を思わせるところがあるなあと。三谷作品もそうですけど、メインの登場人物が等身大の問題児ばっかり。木村電気の三人は保身のためにその場しのぎのウソをつきまくるし、鈴木さんは三人組をなかば脅迫して贅沢をしまくるし、ヒロインの女の子は周りがひくくらいロボジー(ニュー潮風)に愛情をアピールしまくりだし・・・ でもまあ、どなたも憎めないというか、愛すべき問題児なんですよね。そんな問題児たちが少しだけ成長して、いつの間にか思いを一つにして難局を乗り切っていくという。
三谷作品と違うのはあちらがとにかく騒々しいのに対し、こちらは全体的にまったりとしてシュールなところ。キャラクターがわかりやすく一致団結するのではなく、ささやかな思いやりが交差しながら実を結んでいくところもちょっと違いますね。
その乗り越えていく難局が「事実の隠蔽」(笑)ということにひっかかるの人もいるやもしれません。でも考えてみれば大半の映画も壮大なウソみたいなもんですし。みんなウソと知りつつ観ているわけですが、少なくとも鑑賞中は「これ、作り話だよね」ということを意識させちゃいけないわけですよね。そんな風に夢を与えてくれる罪のない「だまし」ならば、別にいいんじゃないかな~とわたしなどは思うわけですが。

あとこのロボジー、観ている側としては当然鈴木さんが中に入っているということを知ってるわけですが、あの格好でコキコキ動いていると本当にロボットというか別の生き物に見えてくるから不思議です。いわゆるひとつの「仮面の力」ってやつなんでしょうか。

それにしてもこんなばかばかしい企画よく思いつきましたよね~ しかも主演はおじいさんで、助演もさえないような連中ばかり。これであんな大々的な公開規模って、無謀にもほどがあるだろ・・・とせせら笑っていたのですが、驚くべきことに第一週の成績はあの『ミッション・インポッシブル』最新作を蹴落としての堂々第1位。・・・本当に世の中なにがヒットするのかさっぱりわかりません。

090815_114142ちなみに矢口監督はこの作品を思いついたきっかけを「二足歩行ロボットを見ていて、中に人が入ってるんじゃないか」と語っています。実は前からわたしもそう思ってたんですよ!!
現在の二足歩行ロボットがどこまで進んでるかについては、「アシモ」「PET MAN」で検索すると色々出てきますんでご覧ください。まあアシモのキモさについては直に見てみないとわからないかもしれませんが。

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Comments

ロボットじゃなくてパチンコのなかには薄い人が入ってるんだよ!

それはどうでもいい。
矢口監督の素晴らしいのは誰も目をつけないところに目をつけることですね。発想が実にユニーク。
しかも途中で色々と思いついては付け加えているんだそうです。おしっこのシーンも実際に五十嵐さんがトイレに行きたくなったから、前が開くようにしたことで思いついたそうですし。

Posted by: KLY | January 29, 2012 at 11:27 PM

伍一く~ん☆ミッキー・カーチスンスコ
ロボ好きの伍一くんが当然観る映画だったねー
私はロボットものの代表トランスフォーマーで必ず寝てしまうけど、こっちは全く寝ないわ☆
変形しない、働きもしない、そんでロボジーときたら、もうロボット好きじゃない私でも、ロボットマニアの吉高ちゃんみたいに愛情注いじゃうわ♪
こんな面白い発想できるなんて・・・、

Posted by: ノルウェーまだ~む | January 30, 2012 at 12:47 AM

>KLYさん

まだ言いますか! あの人は自動雀卓の中には小人さんが入ってるとか言ってましたよ! ・・・・毎度ありがとうございますcoldsweats01

確かに『ウォーターボーイズ』の「男子のシンクロ」とか、ちょっと普通の人では思いつかないような発想ですよね。『ロボジー』に関しては実は『リアル・スティール』の原作がそれに近い、なんて話をどこかで聞きましたが

>しかも途中で色々と思いついては付け加えているんだそうです

そういう型に囚われないというか、予定にこだわらないゆるさみたいなものが作品にも表れていたと思います。そういえば竹中直人さんの出番、あそこだけでしたね(笑)

Posted by: SGA屋伍一 | January 31, 2012 at 08:14 PM

>ノルウェーまだ~むさん

ミスターロボット、サンクスコー

まあ正確に言うなればこれは明らかにロボではないと思うのですが、男は細かいことにこだわってはいけないのです
まだ~むさんは大層お気に召されたようですが、次回はロボジーにも戦って変形して合体してほしいものですよ。おなじくおんぼろの『リアル・スティール』のアトムくんだってあんなにがんばってるんですから。まあ半分人間でもあるロボジーが合体といったらあやうく十八禁・・・ゴホンゴホン、なんでもありません

ま、それはともかく邦画はやっぱりアイデアで勝負ですよね!(強引にまとめる)

Posted by: SGA屋伍一 | January 31, 2012 at 08:19 PM

こんばんは!(^_^)
たしかに、発想はユニークでしたね〜。
くだらない!って言えばそうなんですが、なんか暖かみを感じてしまう所が
矢口マジックってことでしょうか。
まあ、この配役でこれだけヒットさせるというのは
ある意味すごいかもしれませんね〜(笑)
それにしても、最近は洋画より邦画の方が客入りが
いいような気がしますねー。

Posted by: ルナ | February 09, 2012 at 12:48 AM

>ルナさん

わたしは常々邦画は派手さよりもアイデアで勝負すべき、と思っているのですが、本当に一発アイデアだけの映画って物足りなく思えるもので。観客というやつはまことにわがままなものですcoldsweats01
ヒットの要因のひとつはもしかしたら吉高ちゃん人気かもしれません。今後の活躍が楽しみです。『僕等がいた』とかは観ないけど

とりあえず今年の邦画では『SPEC』の劇場版と細田守監督の新作がたのしみです

Posted by: SGA屋伍一 | February 10, 2012 at 11:46 PM

SGAさんこんばんわ♪コメント有難うございました♪

手堅いお笑い要素を盛り込んだいつも通りの矢口作品だと思いつつププッと小笑いしながら観てたせいか忘れがちになっちゃうとこでしたが、これって冷静に観ますと企業の隠蔽体質をどこか赤裸々に描いてもいてブラックな感じでもありますよね・・。でも現実にロボットの中身が実は人間でした・・なんてのを矢口監督のように大真面目に捉える人は滅多にいないから笑ってごまかせる所もあるのでしょうけど・・(汗

そいえば鈴木のじいちゃんこと主演の五十嵐信次郎さんですが、聞いた話ではあのロボスーツをノーCGで全て着込んで演じていたとか?むしろそっちの方にビックリw

Posted by: メビウス | February 17, 2012 at 01:48 AM

>メビウスさん

こんばんは。おかえしありがとうございます♪
実はわたし矢口作品はデビュー作の『裸足のピクニック』しか観た事なくって。それは平凡な少女がひたすらひどい目にあいまくるというそれはブラックユーモア満載なお話でした(笑)
それに比べればこちらのブラックさはまだまだかわいいものでしたよ~

五十嵐信次郎さんことミッキー・カーチスさんは『スピルバン』『ポワトリン』などで悪役を演じてたそうです。だからたまには正義のヒーロー(みたいなの)をやりたかったのかも?coldsweats01

Posted by: SGA屋伍一 | February 17, 2012 at 09:56 PM

伍一さん、

『このブログ内で検索』してみたら、やっぱり!ロボが付いていたので間違えなく観ていたのですよね?
意外にもチャンスあって数日前に観たのですが、観る前に想像したよりも相当に面白かったです。
ミッキー・カーチスって実際も73歳なのですね。ウィキで調べてみました。

Posted by: まみっし | July 08, 2012 at 09:06 AM

>まみっしさん

こんばんは。実はちょっと鑑賞ためらってたのですが、ネット上で評判がよかったのでがんばって観てきました。ロボ、出てるしね!
そういえば海外では矢口監督の評価ってどの程度のものなんだろう? 北野武や黒沢清は人気のようですが、こういうコメディものの評判ってなかなか聞かないですね。そもそも向こうでは公開されてるのか

八方ふさがりの中、「こんな逃げ道があったか」とヒザをうちたくなるような脚本が見事でした。ミッキーさんの歌声も73歳にしては実に見事!

Posted by: SGA屋伍一 | July 08, 2012 at 07:02 PM

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