ドバイ大作戦 ブラッド・バード『ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコル』
近年はすっかりドラマ『スパイ大作戦』の映画化というより、トム・クルーズの看板シリーズとなってしまった『ミッション・インポッシブル』。本日は暮れより話題を呼んでいるその最新作をご紹介します。
どんな困難な作戦も可能にすると言われる諜報組織IMF。そのIMFにくだされた最新の指令は、狂気の科学者コバルトの手に、核ミサイルの発射コードが渡されるのを防げ、というものだった。だがIMFのメンバーはコバルトが雇った暗殺者に倒され、コードの記されたファイルはまんまと奪われてしまう。IMFは失地を回復するため最も優秀なエージェント、イーサン・ハントに出動を要請する。だがそのときイーサンのいた場所はロシアの刑務所の中だった。
監督は『アイアン・ジャイアント』や『Mr.インクレディブル』のブラッド・バード。『インクレディブル』も後半はなかばスパイものであったところから、バード監督がこの種のジャンルに愛着を抱いていることがうかがい知れます。そのバード監督の趣味ゆえか、今回はこれまでよりもドラえもんが出すような「秘密道具」がいろいろ目だってました。
以下、それらの秘密道具がどれくらい実際に使えそうか適当に検証してみました。完全ネタバレなんでご了承ください。
・アバンタイトルで出て来た瞬間膨張クッション
これは普通に災害現場などで使えそうです。90点
・表ウラ両面使用可能上着
コスプレパーティーや素人芝居などで便利そう。器用な人ならちゃっちゃと作れそうだし。80点
・ステルス機能着きスクリーン
トムとペッグがクレムリンで必死に動かしていたアレです。これは使いづらそうな上に、それこそ盗みに入るときくらいしか使えなさそうだなあ。技術としては見事だが。30点
・貨物列車内のブリーフィングルーム
こういうの、少年の冒険心が燃え上がるシチュエーションですよね。ただ時間を逃すとあっという間にどっかへ行ってしまいますし、線路に入るときにJRの職員に怒られるかもしれません。20点
・高性能ゴムマスク製造機
これもコスプレパーティーくらいでしか使い道がなさそう。そして劇中では結局役に立ってなかった。30点
・カベのぼりグローブ
これまでで一番実用性の高いアイテムではないでしょうか。高所での工事とか塗装でとても役に立ちそう。問題は故障が多そうなところ。80点
・プリンター機能付きコンタクトレンズ
便利には便利ですが・・・ うっかりよけいにまばたきすると、どうでもいいものがプリントされてしまいそう。60点
・磁石でプカプカ空中で浮かせる装置
狭いパイプの中で作業する時などに使えそうですね(つい自分の仕事に結び付けて考えてしまいますね・・・)。もろに電磁波を浴びそうなんですが体に悪影響とかないのでしょうか。70点
あとMI名物とも言える派手な飛び降りシーンもいくつかありましたね。こちらは難易度順にチェックしてみましょう。
・ベルトを使ってロープウェイ状に滑り降りるシーン
これはちょっと運動神経のいい人ならがんばればできそう。イーサン・ハントというよりジェイソン・ボーンがやりそうなアクション。難易度50点
・立体駐車場で車ごと落下するシーン
高さとエアバッグの性能と度胸次第というところでしょうか。難易度200点
・ブルジュ・ハリーファで上の階からジャンプ→おっと、ロープの長さが足りないぞ?→ナイフでブチッ
死ぬから。難易度10000点
さて、マイフェイバリット・ディレクターのブラッド・バード作品であり、実際に十分楽しませてもらった『MIGP』。ただ個人的にはやっぱり第一作の方が好きですかね。あの作品の、頼りなげな若者が絶対絶命の窮地に追い込まれ、起死回生のチャンスを必死でうかがう。その最中で奏でられるロマンスと傷心・・・ そういうところがツボでして。
まあ今回も相当なピンチなんですけど、それでも三作目まで観てますと、もうイーサン・ハントならどうにかするだろ、とどこか安心してる自分がいます(笑)
それにしても一作目で「やめる」って言ってたイーサンが二作目ではやる気まんまんだったり、二作目でアツアツだった恋人が三作目では影も形もなかったりと関連性の薄い本シリーズで、まさか前作の「結婚してた」という設定が生きていたとは思いませんでした。てっきり今回もスルーされるものとばかり(笑)。これはぶっちゃけプロデュースが三作目のJ・J・エイブラムズだからなんでしょうね。でもまあその辺の設定を使って、スパイならではの甘ズッパイお話にもっていったのはなかなかうまいな、と思いました。
公開前はトムトムはこれをもって主役をジェレミー・レナーにバトンタッチするのでは・・・なんて噂も流れてましたが、やっぱりこれだけのヒットになるのはトムトムが主演だからこそ。イーサン・ハントの活躍はまだまだ続きそうです。だいたいレナーは次のボーンをやるみたいだしね(笑)
Comments
伍一さん、どうも!
ドラエモンが登場するとか、嬉しいレビューです。
驚いたのには、私も個人的にはシリーズ1が一番気に入っています。
いずれにしても、力(お金も?)入れて作ってあるダイナミックなアクション物だから、大きなスクリーンで観て損した感じはありませんよね。
Posted by: まみっし | January 10, 2012 11:02 PM
伍一君、秘密道具ンスコ~☆
秘密道具検証シリーズ、いいね♪
ステルス機能つきスクリーンは、夜中に抜け出すティーンに便利かも(アメリカ映画かー)
リバーシブルジャケットは普通に存在してるし☆
プリンター付きコンタクトはほしいなぁ。
立ち読み便利~~
Posted by: ノルウェーまだ~む | January 11, 2012 12:24 AM
>まみっしさん
あんなこといいな できたらいいな♪
・・・お越しいただきありがとうございます
一作目はブライアン・デ・パルマならではの映像テクニックがまたいいんですよね~
とはいえこちらも十分に楽しめました! ブルジュ・ハリーファでのアクションはものすごかったですけど、高所恐怖症の人はきついでしょうね・・・
Posted by: SGA屋伍一 | January 11, 2012 10:14 PM
>ノルウェーまだ~むさん
ぴこぴこ~ん タケコプタンスコ~!(大山のぶ代の声で)
夜中に抜け出すとか、立ち読みとか、まだ~むも発想がティーンですなあ。高級セレブなのになあ(ゴリゴリ)
わたしはトムトムのゴムマスクがほしいなあ。あれかぶってるとおなごにモテそうだし・・・
Posted by: SGA屋伍一 | January 11, 2012 10:21 PM
確かにドラえもんの道具っぽいよね〜。
だから今回とくにおもしろかったのかな!?
トムちんの活躍が凄すぎる上にジェレミーとか、ハマってるし今回はシリーズ最高好きだな☆
ボーンシリーズもマットデイモンだったらどうでもよくて観てないけど、ジェレミーだから次は見るつもり♪
Posted by: mig | January 13, 2012 11:00 AM
>migちゃん
こんばんばん。お返しありがとう
そういえばドラえもんの道具も肝心なところで役に立たない場合が多かったねw
トムとジェレミーもぴったり息が合ってたよね。♪仲良くケンカしなって感じで
わたしとしてはマットとジェレミー(それにマーク・ウォルバーグとかも)ってかなり近いポジションにいるんだけど。だからこそ代役に選ばれたんだろうし。でもmigちゃんにはこの二人、かなり開きがあるのね・・・
Posted by: SGA屋伍一 | January 13, 2012 10:25 PM
こんばんは!
秘密道具解説、なかなか面白かったです。
プリンター機能付きコンタクトレンズは、便利だと思ったけど
たしかに余計な物まで写しちゃいそうですよね〜(笑)
そういえば、第一作目だけはテレビシリーズの雰囲気が
少し残ってましたよね。
でも、イーサン・ハント全開の今回は、今回で面白かったです。
Posted by: ルナ | January 14, 2012 12:21 AM
SGAさんこんばんわ♪コメント有難うございました♪
アニメ監督のイメージが固まってるブラッド監督ではありましたが、ホント、インクレディブルのノウハウがあったおかげか、凄い面白かったですねぇ♪スパイグッズもシリーズの中で一番多かったのではないでしょうか?
高所シーンもあんな高いところまで行っちゃうと、次のシリーズは空中ダイブとかしかないかもしれませんねぇ^^;どんどん難易度も上がってますから、ネクストイーサンと噂されてるジェレミー・レナーにしたらたまったもんじゃありません(笑
Posted by: メビウス | January 15, 2012 04:45 PM
>ルナさん
こんばんは
コンタクトプリンターは一見実用性が高そうですけど、意識すればするほどうっかりパチパチやってしまいそうです
それにやっぱりこの道具、使ったら犯罪になりそうなことが多そう・・・
思えば一作目はドラマ版のファンにはショックだったでしょうね。もうさすがにジム・フェルプスの復権はないか?
Posted by: SGA屋伍一 | January 15, 2012 10:25 PM
>メビウスさん
こんばんは。おかえしありがとうございまする♪
今回オモチャチックな道具が色々出てきたのは、最近リアル志向に偏りつつあるスパイ映画に対してのアンチテーゼだったりして
バード監督はたしか地震を題材にした実写映画の企画もあったんですがそれはやっぱり流れちゃったのかな
>高所シーンもあんな高いところまで行っちゃうと、次のシリーズは空中ダイブとかしかないかもしれませんねぇ^^;
わたしはもう人工衛星からダイブするしかないと思います。問題は大気圏突入ですが、その辺は気合で
Posted by: SGA屋伍一 | January 15, 2012 10:37 PM
こんばんは~~
>もうイーサン・ハントならどうにかするだろ、とどこか安心してる自分がいます(笑)
言えてる~~~
中年になってからは特に
絶体絶命のイーサンに対する信頼度は
スティーヴン・セガール並みにアップしてきて
緊張感がなくなっちゃった・・・
でも毎回高所での軽業がレベルアップしてくれているので
そっちのハラハラは楽しめました。
もう初老にさしかかるトムが(だってアラフィフよね)
どこまでこのシリーズで頑張れるか・・・楽しみのような怖いような・・・。
Posted by: なな | January 19, 2012 10:18 PM
>ななさん
こんばんは。お返しありがとうございます
マット・デイモンのジェイソン・ボーンとか、ダニエル・クレイグの007なんかは一応「若い」という設定の故か、どっか危ういところがあったりするんですが、こちらのトムトムはもうどんなピンチでもどっしりかまえてますよねw
観てませんが『ナイト&デイ』の彼は精神的にいっちゃってる様子で、別な意味で危うい感じでしたが
世界一高いビルに上ってしまったトムトムに残された場所といったら、もうエベレストしかないような気がします。逆に思い切り深いところということでマリアナ海溝の底までもぐってくるというのもいいかもしれません
もうじきスカイツリーも完成ですが、落成式にはぜひトムトムに飛び降りてもらって盛り上げてほしいものですね!
Posted by: SGA屋伍一 | January 19, 2012 11:12 PM
あはは(笑)わろた、秘密道具解説。
しかし表裏両面可能上着が記憶にないんですけど・・・二回観たのに。
二作目までしか観てない状態で行きましたが
ダントツ気に入りました、MIGP。
しかしやっぱり三作目観といた方がよかったかもとちょっと思いましたよ、
最後の方で。
へぇー、ジェレミー・レナーって次のボーンやるんだ!
てか、トムトムって(笑)
Posted by: kenko | January 22, 2012 04:17 PM
>kenkoさん
こちらにもどもー
両面上着はトムトムがクレムリンに潜入するとき使ってたやつですね。表はロシアの軍服だけど、くるっと裏返すと観光客のブルゾンに早変わり、みたいな。ヤッターマンもあんな服着てましたね
しかしkenkoさんがこちら観てなかったとは意外ですね。なにか食わずぎらい的な要素でもあったのでしょうか
あと申し訳ないんですけど、調べたらジェレミーは『ボーン』シリーズの主役をやるのは確かなんですが、ジェイソン・ボーンを演じるわけじゃないようで。くわしくはこちら
http://blog.movie.nifty.com/blog/2012/01/post-7005.html
ややこし~~~な~~~
Posted by: SGA屋伍一 | January 22, 2012 10:20 PM
秘密どうぐんすこー
検証、おもしろーい!!難易度付ー
笑ったよー。まったく。
トム、かっこよかったねー。ロシア語もぺらぺらふうだし、
パーカー姿イケてたなあ。
だんなさんと、遠目でしか会えない人生。を考えてみました。
数秒ほどね。
Posted by: hino | February 05, 2012 01:39 PM
>hinoさん
四次元ポケットんすこ~(水田わさびの声で)
いやー、こうやって並べてみると、実生活には使えないようなものばっかりですね(笑) でもほしい!
トムトム、この作品で出演作の最高興行収入を塗り替えたらしいですよ。老いて?ますます意気盛んであやかりたいものでございます
>だんなさんと、遠目でしか会えない人生。を考えてみました
うんうん、切ないわよね~
>数秒ほどね。
数秒かよ!
Posted by: SGA屋伍一 | February 06, 2012 10:15 PM