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December 28, 2011

決定! 2011年アホデミー賞!! 幕内編

それでは昨日に引き続き「幕内編」の発表です。本当は『ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコル』と『WILD7』を観てから決めたかったんですが、明日以降はゆっくりPCに向かうことができなさそうなので、もう今日で締めます。この二本は来年のカウントということで。このブログが来年のいまごろも続いていれば、の話ですが・・・ では気を取り直して。
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リバイバル賞はケイズシネマで行われた「ヤン・シュバンクマイエル特集上映」 
『悦楽共犯者』『アリス』『オテサーネク』三本あわせての受賞です。
次点は『ポンヌフの恋人』
『赤い靴』
『アンダーグラウンド』
リバイバル作品はほかに『エレニの旅』
『ベニスに死す』を観ました。

Scan6今年から新設されたドキュメンタリー部門にはあの人気バンドのその後を描く『たまの映画』。ドキュメンタリーはこれしか観てないから・・・ というわけではなく(笑)、音楽と人間がひたすら心地よい映画でした。
同じく新設の自主映画部門は片岡翔監督の『Lieland』。次点は同じく片岡監督の『ゆきだるまとチョコレート』及びジャヴィエール・ムラッド監督の『テクロポリス』でした。

それではいよいよ上位36本、いってみましょう。まずは28位の9本。
Saru1『戦火の中へ』 お母さんのチゲ鍋!
『イリュージョニスト』 欧州名物ウサギ鍋!
『マイティ・ソー』 自信カミナリ神オヤジ!
『孫文の義士団』 臭豆腐!
『グリーン・ランタン』 恐れよわが光!
『猿の惑星 創世記』 サルサルシリシリみんな赤いよ!
『ランゴ』 誰だっていつかは死ぬ!
『三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』ぼくチン今年でさんじゅうはち!
『ミケランジェロの暗号』視界から隠しちゃいやん!
はあはあ・・・ 続きまして19位の9本・・・
2011031517170000『ヒアアフター』 あなたの知らない世界!
『あしたのジョー』 オレのあしたはどっちだ!(切実)
『ファンタスティック・Mrフォックス』 ぼーん・とぅ・びー・わいるど!
『ハリー・ポッターと死の秘宝 part2』 これが最後のハリーとは限らない!
『カーズ2』 まさかジョジョ、それも計算のうちか!
『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』 月がとってもヤバイから!
『世界侵略:ロサンゼルス決戦』 退却しNE-YO!
『マネーボール』最高の女と~しゃんぱ~ん!(浜田省吾)
『ミッション:8ミニッツ』ウルトラマンの三倍弱!

はあはあはあはあ・・・・ それではいよいよベスト18の発表です・・・
110607_18412218位 『レッツゴー 仮面ライダー』 来年はもっと大所帯らしいよ!
17位 『SP 革命篇』 衛士はつらいよ!
16位 『ブラック・スワン』 「英語にはかつて、無駄な努力を表す諺として、「黒い白鳥を探すようなものだ」という語句があった。しかし1697年に実際にオーストラリアでコクチョウ=「黒い白鳥」が発見された事は、当時驚きをもって迎えられたという。」ウィキペディアより!
15位 『127時間』 切っても切れない腕!
14位 『ぼくのエリ 200歳の少女』 そういうのは少女とは言わない!
13位 『バビロンの陽光』 哀しくなったら笛をふけ!

111015_145116_212位 『サラの鍵』(近日レビュー予定) 数字に光を! 記号に名前を!
11位 『アジョシ』 骨だけ残して食べちゃうぞ!
10位 『リアル・スティール』 今年のシャドーボクシング大賞。あしたのためー そのいちー
9位 『スーパー!』 今年のシアターN大賞。スパナは人を殴るためのものではありません!
8位 『キャプテン・アメリカ』 今年の童貞大賞。たぶん『アベンジャーズ』でもまだ童貞!
7位 『カイジ2 人生奪回ゲーム』 今年のダメ人間大賞。ギャンブルで儲けた人間はいないよ!

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6位 『コクリコ坂から』 今年の朝ごはん大賞。メルちゃん、わたしにもご飯作って!crying
5位 『X-MEN ファースト・ジェネレーション』 今年のおでこ大賞。念力集中ピキピキドカーン!!
4位 『ザ・タウン』 今年のヤクザもん大賞。悪銭身につかず!


ふへひょ~ それではいよいよいよいよベスト3・・・
110216_174435第3位 『GANTZ』(第一部) ♪ヘイヘイへヘイヘイへニイレーロ! ヘイヘイへヘイヘイへニイレーロ! 本年度一般邦画部門大賞。とにかくテーマ曲がすんばらしい!個人的にはここ数年の中では最も気に入っているBGM
第2位 『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』 はい、またこんなの来ちゃったよ! はっきしって数年前のテレビシリーズを観てないとさっぱりわからない代物なんですが、だからどうした! オレが正義だ! 中盤以降は何かのスイッチが入ってしまったようでずっとダラダラダラダラ泣いてました(笑)

そして栄えある第1位は・・・・
2011050720150000『メアリー&マックス』

これです。なんせ劇場で三回も観た映画はいまんとここれだけだもんね・・・ ツイッターでもmixiでもうざいくらいプッシュしてすいませんでした。そりゃあ特別な事情(笑)もあったけど、キャラクター、音楽、セリフ、エピソード、この世界のすべてがいとおしい・・・ 震災で暗いムードがたちこめた2011年でしたが、世の中捨てたもんじゃない、そう思えた一本です。

・・・・って最後で急にマジメになってどうする!
そういうわけで本年はこれにて更新終了です。本当に数少ない常連の皆々様、本年もお世話になりました。また来年~

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December 27, 2011

決定! 2011年アホデミー賞!! 幕下編

ここ数年「バカデミー賞」というタイトルでやってきた年間映画ベストですが、なんか最近同名のお笑い?の賞があるらしいんですよね・・・ 仕方ねえな! ゆずってやるよ!(なんという気概のなさ) それでは心機一転?参りましょうか。まずは順序良くワーストから。

110123_185448ワースト4位 インモータルズ 神々の戦い
同 3位 ソーシャル・ネットワーク
同 2位 テンペスト
まあこれらはワーストというほどひどくはなく、今年はひどい映画が少なかったんで繰り下げ当選、みたいな。
そして栄えあるワースト一位は『仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat. スカル MOVIE 大戦 CORE』でございました。
わたくし井上敏樹先生はけっこう思い入れのある作家さんなんですが、さすがに今回のこれはひどいと思いました。また『アギト』や『555』のころの勢いを取り戻してほしいものですが。これは愛のムチです。

続きまして「その実験精神は認めるけど、おじさんちょっと置いてけぼりになっちゃったな・・・ でもいい、いいんだ! 君たちはそのまま突き抜けろ! そう、宇宙の彼方まで・・・」という9本。
110808_180312ブンミおじさんの森
エンジェル・ウォーズ
ミスター・ノーバディ
スカイライン 征服
蜂蜜
ムカデ人間
モンスターズ/地球外生命体
ツリー・オブ・ライフ
緑子
まあよくも悪くも一番インパクトが強かったのはムカデ人間かな・・・ まったく世の中にはけったいなことを思いつく人がいるものです。


続いて「普通によかった・面白かった」という映画。これは数が多いのでドラマ・アート編とエンターテイメント編に分けて列挙いたします。まずはドラマ・アート編から。
2011032918100000_2モンガに散る
君を想って海をゆく
エリックを探して
英国王のスピーチ
神々と男たち
アレクサンドリア
トゥルー・グリット
ザ・ファイター
ソウル・キッチン
ペーパー・バード 幸せは翼にのって
この中で特に印象に残ってるのは『神々と男たち』かな。あまりわたしが惹かれないタイプの映画なのですが、折に触れ幾つかのシーンを思い出したりします。

エンターテイメント編のほうも
110617_184719チェブラーシカ
アンストッパブル
RED
ナルニア国物語第3章 アスラン王と魔法の島
GANTZ:PERFECT ANSWER
スコット・ピルグリムVS邪悪な元カレ軍団
パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉
赤ずきん
ロスト・アイズ
サンクタム
カウボーイ&エイリアン
アーサー・クリスマスの大冒険
新少林寺
タンタンの冒険
上位に比べるといまひとつ印象が薄いものの、『チェブラーシカ』のかわいらしさ、『ロストアイズ』の風変わりな演出、『新少林寺』の「許し」を重んじる姿勢などは光るものがありました。

幕下編の最後は毎年おなじみの「えこひいき賞」。「一本の映画としてとても評価できない」「決して人にはおすすめできない」んだけど、でも個人的には大好きだ!という作品に送られます。
111029_143719大賞は『電人ザボーガー』
ロッテルダムやアメリカのSF映画祭では大好評だったらしいですが、とても常人にはついていきがたいセンスの作品です。でも大好きだ!!
他の候補作品は
牙狼〈GARO〉 ~RED REQUIEM~
グリーン・ホーネット
スクライド・オルタレイション TAO
ううむ・・・ そうそうたるラインナップだ・・・

上位の作品については(気力がもてば)明日「幕内編」にて発表いたします。大掃除? なにそれ?

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December 26, 2011

第八回SGA屋漫画文化賞 

はいはい! それでは今年もぼちぼちまとめに入りますよ!
わたしが一年の間に読んだマンガで、最も印象に残った作品を発表する「SGA屋漫画文化賞」。もう八回目ですか・・・ 本当にバカじゃないの(笑)
それでは張り切ってまいりましょう。賞品? 賞金? あるわけない!

111226_182501少女マンガ部門 末次由紀 『ちはやふる』( 講談社刊 現在15巻まで刊行中)子役モデルの姉の影に隠れ、目立たなかった少女綾瀬千早は、転校生綿谷新との出会いによって競技カルタの世界に魅せられていく・・・
ご友人のしゅうさんおススメで読んでみた作品。少女マンガの中でもかなりスポ根に近いノリで、男性でもほぼ抵抗なく読むことができるのでは。
ヒロイン千早ちゃんは類まれな実力を持ちながら、けっこう簡単なことですぐ負けてしまう。そんな人の心の弱さが巧みに描かれております。あと彼女を取り巻く競技者たちが本当に個性豊かで魅力的。わたしはライバル校のドSのスドー先輩&ヒョロくんが気に入っております。

111226_182526青年漫画部門 日本橋ヲヨコ 『少女ファイト』
(講談社 現在8巻まで刊行中)
原泰久 『キングダム』(集英社 現在24巻まで刊行中)
『少女ファイト』はこれまたバレーボールを題材にしたスポ根漫画・・・ なんですが、メインキャラクターの誰もが悲しい過去を持っていて、それを乗り越えていく姿をストレートに描いた人間ドラマでもあります。あと独特な絵柄のせいかあまり暗い印象は受けません。
『キングダム』は昨年の大賞。相変わらず面白い!主人公・信と魏の将軍輪虎の対決は半端ない盛り上がりでありました。

111226_182509_6ギャグ・歴史部門 みなもと太郎 『風雲児たち 幕末編』(リイド社 現在19巻まで刊行中)
山田芳裕 『へうげもの』(講談社 現在13巻まで刊行中)

歴史とギャグって・・・ なぜこの二つをまとめてしまうのだ!? どっちも切り離せないから仕方ないんです!
『風雲児たち』は幕末の群像をスラップスティックに描いた作品。最新19巻ではわたしが高校生くらいからつきあってきた吉田松陰さんがいよいよ最後を迎えてしまい、いささか感慨深いものがありました。
『へうげもの』はZ君おススメの作品。血を地で洗う戦乱の世に、空気を読まずに茶器の収集にいそしむヘンテコ大名・古田織部(左介)の物語。出尽くしたと思われた戦国モノに、まさかこんな切り口がまだ残っていようとは。あと千利休がものごっつい怖いです。

111226_182557邦訳部門 マーヴル・コミックス 『デアデビル:ボーン・アゲイン』『キャプテン・アメリカ:ウィンターソルジャー』(ヴィレッジブックス 共に全一巻)
2011年もエスカレートするばかりのアメコミ邦訳ラッシュ。いい加減財布が限界です!
『ボーン・アゲイン』はフランク・ミラーがつむぐ壮絶なる再起の伝説。正体を知られ財産を奪われ、家を焼かれ・・・・ 落ちるとこまで落とされたデアデビル=マット・マードックが、どん底から不屈の闘志で這い上がるその姿は、ゴンぶとの槍のごとく野郎どものハートを貫きます。
今年はなんでか『キャプテン・アメリカ』がやけに刊行された年でもあります。『ウィンター・ソルジャー』は数十年の時を経て再会したキャップと、相棒のバッキーの物語。弟のように可愛がっていたバッキーの変わり果てた姿に、涙を流さず慟哭するキャップ。叙情性豊かなアートがストーリーとあいまって深く胸をうちます。

Acd1少年漫画部門・大賞 尾田栄一郎 『ワンピース』(集英社 現在64巻まで刊行中)えーなんで、いまごろこれかというと、私が今年に入って1巻から62巻まで一気に読破したからです。やっぱり読んでみると、どうして人気あるのかわかりますね。面白いし熱いしすごい。
どうすごいかというと、こないだ榮倉奈々ちゃんも言っていたのですが、10巻くらいで撒かれた伏線が50巻くらいでいきなり生きてくるという。どんだけ先を考えて書いているのやら・・・ と思うと空恐ろしくなります。あと意味なくオカマがよく出てくるのですが、そのオカマに不覚にも泣かせられたシーンもあったりして。
「男の道をそれるとも 女の道をそれるとも 踏み外せぬは人の道 散らば諸共 真の空に 咲かせてみせようオカマ道」

それにしても受賞作品八作品のうち半分が借り物ってどーよ。いや、今年は引越しもあってなかなか本を増やせない状況だったのです。来年はもっと漫画を買おう・・・ ママンにばれないように・・・
明日明後日は気力がもてば映画ベストについて書きます。

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December 23, 2011

ロボッキー1 炎の友情 ショーン・レヴィ 『リアル・スティール』

111223_174434♪タターンターン タターンターン(アイム・ソルジャー) おお、これでとうとうストック完済・・・ いったい何年ぶりだろう(笑) 冬休みの先陣を切ったSF格闘ロボアクション(というにはちょっと違うか?)『リアル・スティール』、ご紹介します。

ごく近未来のアメリカ。世間ではロボットの行うボクシングが人気を集めていた。ロボット工学の天才・天馬博士は最愛の息子を交通事故で失い、その悲しみを癒すために息子そっくりのロボット「アトム」を作る。だがアトムが成長しないことに苛立ちを覚えた天馬博士はアトムを弱小のボクシングジムに売り飛ばしてしまう。ジムのトレーナー、御茶ノ水博士(通称チャーリー)は、久しぶりに再会した息子のマックスと三人四脚でロボクシングの頂点を目指すのだが・・・

あ、なんかと混ざっちゃってますね。ていうか相変わらずつまんないですね! 手短に申しますと疎遠だった親子がたまたま拾ったロボットでメカボクシングをやっていくうちに、次第に絆を取り戻していく・・・というストーリー。ロボットのアクションシーンはもちろん手に汗握るんですが、それだけじゃなくて、人間ドラマの部分・・・ダメ親父だったチャーリーとひねた子供だったマックスの交流もとてもていねいに描かれています。そして二人の間を取り持つロボット「アトム」が、そんなドラマに叙情性をそえております。そのやぼったいデザインや薄汚れたボディ、垂れたまん丸の目がさびしげなシーンでいちいち哀愁をそそるんですわ(笑)
あと中盤は旅から旅へのシーンが多くなり、ロードムービーならではの雄大で落ち着いた風景も目を楽しませてくれます。

さて、以降はロボットアニメオタクの立場からあれが似てるこれが似てるというところをネチネチと指摘していきましょう。だんだんネタバレしていくのでご了承ください。

・まずこのロボットに格闘技をやらせるというアイデア、色んなところで言われてますが80年代に流行った『プラレス三四郎』もしくは『プラモ狂四郎』を彷彿とさせます。最近では『ダンボール戦機』なんてのもあります。『リアル・スティール』と違うのは戦わせるロボットがちっちゃい(1m未満?)というとこですね

・ロボットの操縦方法。リモコン→音声認識→動作コピーと変わっていきますが、それぞれの代表としては
リモコン・・・鉄人28号 音声・・・ジャイアントロボ 動作・・・闘将ダイモス・Gガンダムあたりでしょうか

・アトム。名前はもちろん鉄腕アトムから・・・かな? アメコミにはどんどんちっちゃくなれる能力の同名のヒーローがいますが。お椀型の頭部はマジンガーZによく似ています。まん丸で垂れ気味の目はウルトラマンか仮面ライダーか。フェンシング状のフェイスガードや隙間からファンがカラカラ回ってる描写は他では思い当たらない、独創性を感じさせる部分です。

・ロボットの名前にマイダスとかゼウスとかギリシャ神話系の名前が多いのは『聖闘士星矢』の影響か? 『星矢』はロボットものじゃありませんが。

・手足をもぎとられたロボットから血のようにオイルがダラダラ流れ出す描写は『ゲッターロボ』のコミカライズを描いていた故・石川賢氏が得意としていたところでした。そういえばマジンガーとかゲッターなどのダイナミック系のロボットはだいたい一話に一回は腕やら脚やらふっとばしてたねい・・・

・序盤であえなく敗れる「ノイジーボーイ」は日本を回っていたという設定ゆえか鉄人28号とヨロイカブトを組み合わせたデザイン。胸の「悪男子」の漢字がお洒落ですね

・頭の二つある「ツインシティーズ」はマジンガーZの敵ロボット「ダブラスM2」が元ネタかしら・・・ 海外の好事家の間ではフィギュアが高値で取引されてるそうです。

・最強の敵・ゼウスは普通にアメリカ人の好きそうなゴリラっぽいデザイン。腕がシリンダー状に伸縮する描写は『装甲騎兵ボトムズ』に出てくる「アームパンチ」と似てました。そういえば『ボトムズ』にもロボ同士に賭け試合をやらせる「バトリング」というネタがあったな…

決戦の会場の入り口んとこにどう見てもお台場ガンダムみたいなのが立ってました。

・最終ラウンドで押すものの結果は判定負け・・・という流れはおそらく『ロッキー』の影響でしょうが、ここではあえて『あしたのジョー』のオマージュと思い込むことにします。

111223_174510かようにロボット好きにはニヤニヤする箇所が盛りだくさんのこの作品。あとはドリルさえ出てくれば完璧だった・・・
ちなみに現実にもASIMOとかPET MANとかすごいのが色々出来ています(コチラをごらんください) ロボクシングの実現まであと少し?

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モーゼはどこへ行った ウォルフガング・ムルンベルガー 『ミケランジェロの暗号』

Photo年間ベストを決める前になるたけ未消化レビューを減らしておきたいので、いつになくハイペースで更新し続けておりますcoldsweats01 今日ご紹介するのはオーストリア発の異色ミステリー映画『ミケランジェロの暗号』。都内より数ヶ月遅れての公開でした。

1940年代の欧州。裕福なユダヤ人画商の御曹司ヴィクトル・カウフマンと、一家の使用人の息子・ルディは幼いころから兄弟のようにして育った。だがナチスドイツの台頭は、二人の友情に亀裂を生じさせる。出自にコンプレックスを感じていたルディはSSに入隊し、カウフマン家がひそかに隠し持っていたミケランジェロのスケッチを軍に引き渡せと迫ったのだ。一家は収容所送りとなり、スケッチは同盟の結束を強めるためにイタリアへ送られることになった。だがイタリアの鑑定家はその絵が贋作(フェイク)であると断言。顔色を失ったルディたちは本物のありかを知るためにヴィクトルを収容所から呼び出す・・・

今回は下にいくほどどんどんどんどんネタバレしていくのでご了承ください。
この映画、分類するならアート系というよりもサスペンス系だと思うのですが、ハリウッドのサスペンスとはちょこっとテンポとかムードが変わっています。たとえば劇中で二人の乗っている飛行機が墜落するのですが、普通なら墜落するまでを臨場感たっぷりに描くとこを、この映画では離陸した次のシーンでいきなり飛行機が落ちてたりします。
あと普通のサスペンスでは、最大のピンチはできるだけ一番最後にとっておくものですが、この映画では後半をちょっとすぎたあたりにあります。そのあとは急にお話が早足となり、主人公の境遇がコロコロ変わっていくあたりなどはもはや喜劇の様相を呈していきます。

ひとつ?と思ったのは、ユダヤ人のヴィクトルが無理矢理アーリア系のルディに成りすまそうとするくだりがあるのですが、向こうの人ってその辺の違いは見ただけではわからないのかな? まあわたしも未だに日本人・中国人・韓国人を見た目だけで判別できませんけど。ちなみにヴィクトル役のモーリッツ・ブライブトロイ氏は普通にドイツ人のようです。そんで疑いを抱いたSS将校たちがヴィクトルの人種を確かめようとするんですが、この方法がまたすごくシンプルですごく脱力しました(笑)

そんな風にたまにポカンとしちゃうところはありますが、メイン二人の造形が興味深くてあまり気になりませんでした。
まず悪役のルディ。恩人たちの愛情を仇で返す最低の男ですが、根っからの悪人ではありません。良心の呵責みたいなものも一応持っています。まあよくも悪くも小物なんですよね。小物ゆえにいじけ根性に拍車がかかると止まらなくなってしまう、そんなタイプ。
ついで主人公のヴィクトル。ここぞという時はなかなかのクソ度胸を見せますが、人並みの恐怖心も持っている極めて等身大のキャラクター。普通なら自分たちをひどい目にあわせたルディに対し激しい敵意を抱きそうなものなのに、通り一遍怒ったあとは、妙に親しげな態度を取ったりもします。おそらく懐が広いというよりは、あまり怒りが持続しないタイプなのでしょう。

で、この二人よりもさらに印象深かったのは、ヴィクトルの父である老カウフマン氏でした。はっきり言って出番はそれほど多くなく、死の場面すら出てこないのですが、ルディ、ひいてはナチス全体も言って見れば彼の手の平で踊らされたようなもの。その深慮遠謀には舌を巻きます。知恵深さだけでなく人格も大いに尊敬に値します。手ひどい裏切りにあっても決して取り乱したりはせず、ルディへの暖かい態度を変えません。
ラストシーンで彼の肖像画が心憎い形で使われるのですが、まるでその絵の中で「許してやるよ」と微笑んでいるかのようで、それに対してさわやかに微笑みを返すルディがしみじみ良かったです。本当ならとても許されないような男なのにね。Photo『ミケランジェロの暗号』は静岡東部ではジョイランド沼津で明日までやってます。・・・なんて役に立たない情報だろう・・・ これまたご興味おありの方はDVDが名画座でご覧ください。さて、あとは『リアル・スティール』の記事をあげれば久々にストック一掃。リアルの大掃除はするかどうかわかりませんが(おーい)

 


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December 20, 2011

ローマ字読みで読まないで エルジェ スティーブン・スピルバーグ 『タンタンの冒険』

111220_185802ウラウラタンタンウラウラタンタンウラアーッ!!(『ジャングル黒べえ』より)。いきなり失礼しました。ここんとこ製作に徹していた(笑)スピルバーグが、ベルギーで長年愛されているキャラクターを映像化。『タンタンの冒険』、ご紹介いたします。

タンタンはベルギーでは知らぬ者のいない有名な少年記者(学校は行っていないのか?)。ある日タンタンはノミの市でよく出来た帆船の模型を買う。するとその直後、別々の二人の男からその模型を大金でゆずってほしいと頼まれる。それが気にっていたタンタンは申し出を断るが、その夜彼が留守したすきに、模型は何者かによって盗まれてしまった。調査を進めるうちにタンタンは、模型の中に海賊の財宝のありかを示すヒントが隠されていたことに気づく・・・

タンタンが誕生したのは1929年。愛犬スノーウィーと世界中を飛び回る事件記者という設定。日本でいうと子供のくせに探偵事務所をかまえている金田正太郎君みたいなキャラでしょうか。その冒険はベルギーのみならず世界中の子供たちを夢中にさせ、多くのファンを獲得しました。
時代はくだって80年代初頭。『レイダース』を作ったスピルバーグは作品が『タンタン』に似てる、という指摘をうけます。タンタンを知らなかったスピルバーグ実際に読んでみて、その面白さに感嘆。以来30年に渡って映画化の機会を狙い続けてきて、2011年も末になってようやく実現したというわけ。

ただ最初に映画版のヴィジュアルを観たときはなんだかな~と思いましたね。最近宣伝の関係でごらんになった方もおられるでしょうけど、原作のタンタンって『サザエさん』に近いような絵柄なんですよ。サザエさんをリアルなモーションキャプチャーで表現したらなんか違うなって思うでしょ?
そんなわけで半ば別物と割り切って観ることにしましたが、いやいや、これがどうして。さすがファンだったというだけあって、色んなところで原作への愛情に込められていていい感じに仕上がっておりました。
重度のアル中のハドック船長、うっかり百連発のデュポン・デュボン、破壊的な歌声を持つカスタフィオーレ夫人、どなたもそうそう、こんなキャラだったとひざをうって喜んでおりました。ま、スノーウィーは本来はもっと役立たずな犬なんですけど。そしてなによりどんなにアクションが激しいときでも、どこかのんびりしたムードが漂っている。これこそが『タンタン』です。

そんでわたし思わず懐かしくなっちゃって、久しぶりにこの本の原作を引っ張り出したのですね(たまたま持ってた)。そしたら原作はもっともっとのんびりしてました(笑)。ちなみに今回のお話は1943年と1944年に相次いで刊行された『なぞのユニコーン号』『レッド・ラッカムの宝』を主に定本としております。原作にはユーモラスなサメの形をした「サメマリン」なる潜水艦が出てくるのですが、これ、映画にも出してほしかったなあ。

中盤の怒涛のごとくのチェイスシーンはどちらかといえばタンタンというよりインディ・ジョーンズなんですが、アニメならではのありえなさも手伝って大変見ごたえのある映像になっておりました。アクション好きはここだけでも観る価値があります。

111220_185910そんなわけで『タンタンの冒険』は現在全国で大々的に公開しておるのですが、思ったほどヒットしてないようで・・・ これがあたってくれれば『アステリックス』や『ビッケ』といったヨーロッパ系の漫画映画の公開に弾みがつくと思ったのになー 誰かなんとかしてよ、もう!


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December 19, 2011

燃える!お坊さん ベニー・チャン 『新少林寺』

Photo♪しょ~り~ん しょ~り~ん 1982年に公開されジャッキー・チェンと並んでカンフー・ブームを巻き起こしたあの映画が、装いも新たに帰ってまいりました。『新少林寺』ご紹介いたしましょう。1912年の中華大陸。辛亥革命はなったものの、国内は軍人たちの勢力争いが増すばかりで、いまだ混乱の只中にあった。その一人である侯杰(こうけつ)は、敵将を武術の誉れ高い少林寺に追い込む。僧侶たちが止めるのも聞かず侯杰は敵将を撃ち殺し、さらには「少林寺、恐れるに足りず」と嘲りながら寺を去っていった。だがおごれるものは久しからず。侯杰は信頼していた部下に裏切られ、命からがら居城を逃げ出すことになる。その道中、最愛の娘勝男(しょうなん)は重傷を負う。娘を救おうと侯杰が逃げ込んだところは、皮肉にもあの少林寺であった。

ちなみにわたし、三十年前の『少林寺』は観たことありません。どんな話か調べてみましたが、隋末の時代を舞台にしたオーソドックスな復讐劇のようです。隋末というと日本では大化の改心くらいの時代。今回の作品と実に1300年以上もの開きがあります。開きすぎだろcoldsweats01 そんな時系列からもわかるように、無印とは直接の関係はないようです。共通してるのは少林寺が舞台ってことだけじゃないでしょうかね。
お話的にも最近の香港武侠映画って、一昔前とはちょっと変わってきてるような。そんなに詳しくはありませんが、かつてはわかりやすい勧善懲悪ものがほとんどで、悪いヤツはとことん悪く、ヒーローはどこまでも強く正しい。そんなカラーだったと思います。
それがなんとなく変わってきたのが『HERO』(2002)あたりからでしょうか。この作品では「悪と思えるものが必ずしも悪とは限らない。誰かを殺せばそれで解決するわけではない」という思想のもとに作られております。『墨攻』(2006)、『レッドクリフ』(2008ー2009)、『ウォーロード/男たちの誓い』(2009)、そして今年日本公開された『孫文の義士団』もそんな風に、よくいえばテーマ的に深い、悪く言えばスカッとしない作品に仕上がっております。

さて今回の『新少林寺』ですが、冒頭では誰が主人公なのか全然わかりません。観ているうちに「うーん、この人本当ににくったらしー!」と思ってた侯杰が実は主人公だったと知ってちょっとびっくりしました。この極悪非道にも思えた男に、だんだんと同情させ、感情移入させていくところがこの映画のうまいところです。高慢で不遜だった侯杰が、絶望の底に突き落とされ、ゼロからの状態で少しずつ人間として成長していく。個人的には『西遊記』や『宮本武蔵』の序盤などを思いだしました。その辺は名優アンディ・ラウの力もあるかもしれません。眉根にしわを寄せて険しい眼光を放っていた彼が、子供たちやお坊さんやジャッキー・チェンと触れ合っていくうちに本当に優しげで暖かな笑顔を見せるようになっていく。この過程がわたしがこの映画で一番好きだった部分です。特に雪の降りしきるお寺で「寒いから一緒に運動しよう」と、アンディと小坊主さんがカンフーの型を練習するシーンは本当によかったですねえ。

以下、結末までネタバレしてます。ご了承ください。

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本来ならば悪者がぶっ殺されてめでたしめでたしとなる武侠映画ですが、この映画はクライマックスにおいても「許す」ことを訴えます(外国の将校は普通に刺し殺されてましたが・・・)。侯杰よりもさらに悪の限りを尽くした曹蛮(ニコラス・ツェー)をすら許そう・救おうというその姿勢は、いまだ争いのやまぬ世界に対しての監督の願いなのかもしれません。んで『孫文~』のときはさして美男子とも思わなかったニコラス君ですが、この映画ではお耽美風のヘアスタイルのせいもあってか美形オーラをムンムンと発しております。そんな彼がよよよと泣き崩れる姿は大変「絵」になっておりました。

Photo_2乱世の荒波にもまれてあえなく焼け落ちてしまった少林寺・・・というところでお話は幕となりますが、きっと生き延びたジャッキーや小坊主さんの手で再建されるのでしょうね。だっていま少林寺、ちゃんと現存してますもん。そしてその魂は『少林サッカー』へと受け継がれるのです。

レビューがもたくさしてるうちに大体公開終わってしまいましたorz まだやってるのはシネマート六本木くらいかしら。気になった方は名画座かDVDでどうぞ・・・


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December 13, 2011

三人のサンタ バリー・クック サラ・スミス 『アーサー・クリスマスの大冒険』

Acd2今年もこの時期がやってきましたね・・・ 毎年12月後半になると独り身のさびしさに「クリスマスなんてなくなっちまえバーロー!!」と呪詛を撒き散らしているわたしですが、『ウォレスとグルミット』のアードマンがてがけたCGアニメと来たらおさえておかねばなりますまい。『アーサー・クリスマスの大冒険』。ご紹介します。ちなみにタイトルはアーサーがクリスマスに冒険するという意味ではなく(してるんだが・・・)、アーサー・クリスマスという名の青年が大冒険するという意味です。

人口爆発時代に突入した21世紀。当然子供たちの数も奥の単位で増加していた。それらすべての子供たちにクリスマス・プレゼントを配るため、サンタ・クロースは超科学で作られた飛行船S-1と、スパイ並みの訓練を積んだ妖精部隊を配備してことにあたっていた。サンタとその長男スティーブが張り切って作戦に臨んでいる間、さえない次男のアーサーは妖精たちの仕事をひっかきまわして迷惑がられていた。幾多のトラブルを乗り越えてすべてのプレゼントが配り終えられたと思われた矢先、アーサーはささやかな異常に気がつく。配り忘れられてポツンと取り残されたひとつのプレゼントがあったのだ・・・

まあみなさんご存知だと思いますが、サンタなんてこの世に実在しません。とうちゃんとかあちゃんが夜中にこっそり置いてってるんですよ。しかしそうした公然の秘密を堂々とスルーし、強引に「本当にいるんだよ!」ということで押し切るアードマン。さすがですね。本当に月がチーズでできていた『ウォレスとグルミット チーズ・ホリデー』を思い出します。

たった一つのプレゼントも届けねばと、怖いのもガマンして旧式の空とぶソリを駆るアーサー。いまや世の中、すべてがデジタル化・オンライン化・オートメーション化しているといっても過言ではありません。企業もお役所もそうすることで効率よく人々のニーズに応えています。しかしそうした能率化の裏で個々のケアがおざなりになることも少なくありません。古きよきものが粗末にされることも珍しくありません。この映画はそんな現代社会へのアンチテーゼなのかもしれません。科学が幅を利かすにつれ、だんだん肩身が狭くなっていくファンタジー。でも子供たちには夢を持つことを忘れてほしくない。どの子供たちも一人一人大切な存在なのだ・・・という思いを夜空をかけるソリの姿に感じとりました。

とまあ、とってもまっすぐなメッセージが込められていて好感の持てる本作品ですが、新鮮味という点ではちょっといまひとつだったかな・・・ 秘密基地みたいなとこにちっこい連中がうじゃうじゃいるとこはまるで『Mr.グルーの月泥棒』みたいだし、じいちゃんと子供がヘンテコな乗り物で空を行くアイデアは『カールじいさんの空とぶ家』を思い出させます。そしてなによりアーサーのルックスが『レミーのおいしいレストラン』のリングイニにそっくり。『ヒックとドラゴン』のヒックにも似てるかな。CGアニメのへなちょこ君はダンゴっぱなのナスビ顔が望ましい・・・という不文律でもあるのでしょうか。
たぶんアードマンがこれらのアイデアをぱくったのではなく、たまたまかぶってしまったということだと思うのですが。

あとやっぱりアードマンにはCGものよりクレイアニメを作ってほしいという思いもあります。まあ、クレイアニメってのも恐ろしく効率の悪い作業なんで、合間にCGアニメを作って資金を稼いでおこうという考えなんでしょうかね。でもまだ三週目くらいの公開とはいえ、製作費 $100,000,000に対し 興行収入 $11,400,000ってもろ裏目に出てやせんか。大丈夫ですか、アードマン!

Acd1アードマンがつぶれないためにも、気の向いた方はどうぞこのアニメを観に行ってやってください。わたしはちょっと微妙な評価になってしまいましたが、玄人筋で大絶賛してる方々もけっこうおられます。ただいま全国のTOHOシネマズを中心に公開中。もうだいぶ上映回数減ってます・・・

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December 10, 2011

そう、魂に火をつけろ 谷口 悟朗 『スクライド・オルタレイション TAO』

111210_210859皆さんは『スクライド』というアニメをご存知でしょうか? たぶんアニメが好きな人でないと知らないと思います。今から10年前、監督・谷口 悟朗(『コードギアス 反逆のルルーシュ』)、脚本・黒田洋介(『機動戦士ガンダム00』)、キャラクターデザイン・平井久司(『機動戦士ガンダムSEED』)という今見ると超豪華な布陣で製作されたSF格闘アクション。熱心なファンを獲得するも、一般にはそれほどブレイクしなかったこの作品が、最近のリバイバルブームにのって帰ってきました。二本の総集編からなる『スクライド・オルタレイション』の前編『TAO』、ご紹介します。

近未来日本。神奈川の一部で突如として陸地が異常なほど隆起する怪現象が発生する。外界と隔絶されたその領域は人々から「ロストグラウンド」と呼ばれることになった。異常はそれだけにとどまらなかった。その地で生まれた新生児の中から、意志で物質を生じさせる「アルター能力」を有する者が現れたのだ。「アルター使い」の出現はロストグラウンドの治安をさらに悪化させた。これは失われた大地にあって野獣のように戦いを求める男・カズマと、理想のために阿修羅となった男・劉鳳の物語である。

知らない人に簡単にそのカラーを説明するとしたら、『北斗の拳』に『ジョジョの奇妙な冒険』を足して、もうちょっと絵柄をスッキリさせたような感じでしょうか。使い手と一体となっていたり、分身のように出現したりするアルターは、『ジョジョ』に出てくる「スタンド」と良く似ています。それだけなら単なるマネっこアニメにすぎないわけですが、『スクライド』が際立っているのはその「熱さ」でしょうか。
日本のSFアニメの主人公というと線の細い美形で、「どうせ僕なんか!」と涙をポロポロ流してるようなキャラが多いですが、カズマはその対極にいるような存在。腹の立つヤツや理不尽なことに対しては考えるより先にパンチをぶっぱなします。そして自分に敗北を味わわせた相手に対しては煮えたぎるような執念でもってリベンジを挑みます。
ライバルとなる劉鳳も一見流川楓似のすかした二枚目ですが、カズマの激しさに対して容赦ない怒りをもって答えます。そんな二人の激闘にそえられるセリフがまた熱い。
「お前の名前を教えろ、刻んでやる!」
「お前がオレのスイッチを入れた!」
「それはオレの行く道だ! オレの前に立ちふさがるな!」
などなど。

それらの言葉には最近すっかりぬるぬるになってデブデブになったわたしの胸にもズキュウウウンと響くものがありましたspa
んで、特に前半部分で心に残ってるものというとカズマの相棒である「君島」くんの生き様でしょうか。君島はカズマや劉鳳のようなアルター能力を持っていない、ごく普通の青年。なので金と頭でもってうまく立ち回ることを身上としています。そんなドライを気取っている君島が、『TAO』クライマックスで意地になり、命をかける場面があります。これ、テレビで観たときは泣いたっけなあ・・・ 当時は今ほど涙もろくなかったのに。もちろん今回は鼻水まみれでした。
111210_210955『スクライド・オルタレイション TAO』は来年2月にはDVDが出ますが、現在川崎・池袋でも16日まで上映予定です。そして来年三月には第二部となる『QUAN』が公開予定。そんでもってケンカだ! ケンカをやってやるうウーッ!!

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December 09, 2011

プロ野球で十倍せこく勝つ方法 ベネット・ミラー 『マネーボール』

111209_211705♪やーきゅううーをするんならー こうゆーぐあいにしやしゃんせー 最近脂の乗ってるブラット・ピットが大リーグであったプロジェクトXばなしを製作・主演。『マネーボール』、ご紹介いたします。

かつてイングロリアス・バスターズの名キャプテンとしてナチスを震え上がらせたビリー・ビーンは、今は弱小球団アスレチックスのゼネラルマネージャーとして奮闘していた。だが苦労して育てあげた選手たちは、名が知られるとすぐ高額の年棒で他球団に持っていかれてしまう。業を煮やしたビーンは限られた資金で勝ち星をあげるために、ある研究家のとなえた「マネーボール理論」を取り入れることにするのだが…

一言で言えば野球版『ジャイアント・キリング』みたいな話ですね。お金のない貧乏球団が、金にものを言わせて選手をかき集める悪者球団?にどうやって勝つか。それが簡単にわかれば誰も苦労はしないわけですが。でもこちらは実話で、しかもある程度の成功をおさめたというから驚きです。

「マネーボール理論」とはなんぞや。わたしもそんなに詳しくはないのですが、映画を観た限りでは「出塁率至上主義」みたいな考え方でしょうか。見栄えがよくなくても、長打力がなくても、四球でもなんでも出塁率が高い選手を起用するという考え。そういう選手というのはどこの球団もあまり高い金を払ってまでほしがらないため、比較的安い資金で集められるというわけ。こういう考え方、大阪のおばちゃんと似たものがありますね。彼女らは多くのお金を持ってるということよりも、安いお金でいいものをゲットできたことに喜びを感じるようなので。
理論的には辻褄があってるものの、実際にやってみて成功する保証はどこにもない。実際映画でも前半ではなかなか思うように機能せず、ブラピに感情移入すればするほど胃が痛くなってきます。

しかし多少の誇張はあるんでしょうけど、実績のない選手ってのはこんなにも発言権がないものなんですかね・・・ 上層部の判断で、突然一方的に「クビだ」とか「あそこへ行ってくれ」とか言われてしまう。もちろんビーンもその点では情け容赦ありません。だからか彼はあまり選手と親しくなろうとしません。「観客席で観てるとチームが負けることが多い」というジンクスも手伝って、大体控え室のテレビかマイカーのラジオで経過を追っています。その姿のなんと孤独なこと。
そこまでして勝利を追い求める動機のひとつは、彼が若いころ、大金につられて大学進学を棒にふったこと。そして結局野球選手として大成できなかったという背景があります。金持ち球団のやり方に踊らされたゆえに、怒りを感じるがゆえに、彼は手段を選ばず勝ちにこだわり続けます。

そんなビーンの癒しとなっているのが、離れて暮らしている娘のケイシー。控えめだけどいつも父親のことを案じているその姿に、こんなできたお嬢ちゃんがこの世に実在するのかと思わずにはいられません。そして選手の前では星一徹よろしく物に当たりまくるビーンも、ケイシーの前では決して声を荒げたりはしません。そんな父娘のきずなに胸がほっこりいたしました。

脚本家は『ソーシャル・ネットワーク』のヒットが記憶に新しいアーロン・ソーキン。これまた金とプロジェクトを主題とした実話映画で、ビーンの強引なやり方は『ソーシャル~』のザッカーバーグを彷彿とさせないでもないです。でもビーンと娘や、彼の片腕の太っちょとの交流のせいか、あちらよりはさわやかな印象を覚えました。

111209_211953_2来期も続投となった広島カープ監督、野村謙二郎氏にぜひみてほしい作品。もっとも昨今の中日を見ていると、勝率が高くても必ずしも客が来るとは限らないような・・・

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December 07, 2011

タイタンズを忘れるな ターセム・シン 『インモータルズ 神々の戦い』

Minotauros本当に久しぶりですよ・・・ 二日続けて更新というのは・・・ というわけで本日は『ザ・セル』『落下の王国』のターセム(・シン)がギリシャ神話に挑んだスペクタクル大作『インモータルズ 神々の戦い』をご紹介します。

時は古代ギリシャ。神々の無情に憤ったハイペリオン王は、かつて彼らを苦しめたタイタン族を牢獄から開放しようと軍を進める。神々はハイペリオンに対抗できる存在として武芸に秀でた若者・テセウスに望みをかける。だがテセウスは軍勢など持たない一介の青年にすぎなかった。ハイペリオン軍が彼の村を襲った際、テセウスは唯一の家族である母を失う。無力感にうちひしがれるテセウス。そんな彼に救いの手を差し伸べたのは、やはりハイペリオンから追われていた美しい巫女パイドラであった。

『落下の王国』ではCGを一切使わずに幻想の世界を描き出したターセムさん。それが今回は180度方向転換して、CG使いまくりでギリシャ神話の世界を再現しております。特に気合が入ってるのがバトルシーンにおける人体バラバラ描写。まるで『北斗の拳』みたいに手足が四方八方にすっとんでいきます。残酷描写の苦手な方にはちょっとおすすめできません。
あとオリジナルのギリシャ神話とはかなりかけ離れておりますね・・・ ハイペリオンは原点では人間ではなくタイタン族の一員ですし、不死であるはずの神々がバンバン死んだりしてます。あとテセウスというのは神話では冒険家みたいなキャラなのですが、こちらでは後半軍を率いる大将になってしまったり。

ちなみに原作?はどういう話なのか簡単に説明しましょう。血気盛んな若者テセウスは乙女アリアドネの助けで、人々を食らう怪物ミノタウロスを退治します。しかし神々の一人に「お前の彼女めっちゃかわいいじゃん。オレにゆずらない?」と言われてあっさり引き下がります。その後色んな女(パイドラ含む)をとっかえひっかえしたあげく、最後は友達の王様に疑われて殺されちゃったんじゃないかな・・・ 全然違う話ですね(笑) 

まあ興味深いのはターセムさんの「神様観」みたいなものでしょうか。この映画では神様は人間たちに大いに関心を寄せているものの、なんでか直接干渉してはいけないことになっています。それゆえにハイペリオン王は神に反逆し、テセウスは苦闘を強いられるわけですが。
今年も信仰に関連した映画といえば『アレクサンドリア』『神々と男たち』『ツリー・オブ・ライフ』などがありました。これらの映画は一神教を奉じる国々で作られた作品ですが、ターセム監督はインド出身=ヒンズー教=多神教が背景にあるので、神様に関しては我々の方の感覚に近いかも。ギリシャの神々が一神教の神と大きく違うのはその不完全性にある気がします。人間よりも強大な力を有してはいるものの、その力には限界があり、失敗もいろいろやらかしてしまう。一神教の神様が基本的に目に見えない存在であるのに多神教の神々はわりと人間に近い姿をしている点も大きい違いです。
一方で「神様は一体なにを考えているのか。わたしたちのことを気にかけているのか」というテーマを扱っている点では、『ツリー・オブ・ライフ』などと通じるものもあります。

110518_175758奇しくも昨年の『タイタンの戦い』といろいろかぶってしまった本作品。ただ映画ファンにはこっちの方が評判がいいようです。わたしはどっちかっつったら『タイタン』の方が好きなんですけどね。理由は怪獣が出てくるから。こっちは怪獣といったらバルタン星人くらい(しかもコスプレで)だったし・・・

今後のギリシャ神話系映画としてはその『タイタンの戦い』の続編や、なつかしの『聖闘士星矢』がCGアニメでよみがえるという話も。君は小宇宙を感じたことはあるか!?

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December 06, 2011

幾つになっても34 ポール・W・S・アンダーソン 『三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』

Photo余裕こいてたらまたまた未消化レビューをためこんでしまいましたよ! もうじき毎年恒例の年間ベストも決めにゃいかんというのに! (決めなくても誰が困るわけでもないけど)。・・・というわけで今日からちょっと気合入れなおしてまいります。強化週間の第一弾は『バイオハザード』のポール・W・S・アンダーソンが、古典的チャンバラ劇に挑んだ『三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』いってみましょうか!

時は17世紀フランス。宮廷ではリシュリュー枢機卿と王妃アンヌ・ドートリッシュが覇権をめぐってしのぎを削っていた。ガスコーニュ育ちの銃士志望の若者・ダルタニヤンは、花の都パリでリシュリューと対立している国王直属の「三銃士」とめぐり合ったことにより、王宮とそして英仏を巡る政争に巻き込まれていくことになる。

いや~、私こう見えて三銃士にはうるさいんですよ。子供のころ児童版を読んで以来、ワンワン三銃士、アニメ三銃士、1993年の劇場版、仮面の男、人形劇・新三銃士といろいろ観てきましたから。ポール・W・S・アンダーソンが監督すると聞いたときは、きっとトラップの張り巡らされたベルサイユ宮殿で、二時間えんえんと人体がバラバラにされるような映画になるのでは・・・と危惧しましたが、まあ前と同じことをやってもしょうがない! この際わが道をつきすすめ! と開き直って鑑賞に臨みました。まあ予想は・・・20%くらい当たったかな(笑) おなじみのトラップ描写はちょこちょこありましたが、同じとこにずっと閉じこもってたわけではないし、お子様でもそれなりに観られる映画になってたし。PWSAもこういうファミリー層にもアピールできるような冒険ものが作れるようになったんだなーと。

しかし自分のスタイルを捨ててまでキッズにアピールしたというのに、興行はアメリカでも日本でもイマイチのようで・・・ たぶんこの企画、『パイレーツ・オブ・カリビアン』がヒットしたもんだから、似たような時代チャンバラを・・・ということで出てきたんじゃないでしょうかね。しかしそれだけじゃヒットに結びつかないというのは、『プリンス・オブ・ペルシャ』が証明したばかりじゃないですか。一方で『タイタンの戦い』なんかは本国ではそこそこヒットしている。
果たして『パイカリ』『タイタン』にあって『プリンス』『三銃士』にないものとは・・・ それはぶっちゃけ小汚さ・あるいはグロさじゃないかと思いますw
子供たちっていうのはやっぱりキンキラキンの貴族や宮殿より、不気味らしいアウトローや怪物に惹かれるものなのではないでしょうかね~

ま、世間の評価はともかく、個人的にはなかなか楽しませていただきました。飛行船のバトルはド派手だったし、キャストも『三銃士』おなじみの面々にそれぞれはまってたし。
ちなみにわたしが『三銃士』ものを観るときに特に注目しているところは二つ。ひとつは悪者のロシュフォールがどれくらいかっこいいかとということ。いや~、わたしが『三銃士』で一番好きなのはこのキャラクターかも。原作でも最初こそえらい憎たらしいキャラなんですけど、終盤ではなかなか男気を見せてくれます。少年ジャンプとかでよくあるパターンですね。まあこの映画での再現度は・・・60点くらいだったかな・・・

もうひとつはヒロインのコンスタンスが原作どおり「人妻」なのか、その辺はスルーしてるか、という点。青少年が主人公の冒険ものとしてはヒロインが人妻ってのはかなりやりづらいと思うんですよね(笑) だからこそアレンジャーの皆さんもどうしようかと悩むところだと思います。今回はまあ「未婚のピチピチ娘」ということにしたようですが、結局目立ってるのはコンスタンスよりもやっぱり人妻(ミレディー)だったりして・・・・

Photo_2PWSAらしく観終わったあとにはな~んも残りませんが、観ている間はワクワクスカッとする一本。ちなみに隣のイラストはミラ・ジョボビッチ演じるミレディーのつもりです。例によって全然似てませんが、そう思い込んで気合をいれればミラ様に見えるはず。ふんっ(気合い)


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