輝く太陽の下も、漆黒の闇の中も マーティン・キャンベル 『グリーン・ランタン』
輝くネオンの下も、暗闇の裏路地の中も、いかなる飲み屋も見逃さぬ… ってそりゃうちのオヤジのことじゃん!
スーパーマン・バットマンを擁するDCコミックスが、新たに銀幕に送り出したヒーロー『グリーン・ランタン』について今日はご紹介します。
幼いころに死んだ父の後をつぎ、飛行機のパイロットとなったハル・ジョーダンは、ある夜墜落してきた謎の飛行物体と、その乗組員らしきエイリアンと遭遇する。エイリアンはハルに指輪を託し、ハルに誓いを立てるよう言い残して息を引き取った。
頭に響く言葉に従い誓いを述べたハルは、スーパーヒーロー「グリーン・ランタン」の力を得た。思うとおりの形をとる緑の光の力を用い、宇宙を脅威から救う務めを与えられたのだ。あまりのことに動揺するハル。だが彼が迷っている間にも、宇宙のかなたから恐怖を糧とするおそるべきエネルギー体、「パララックス」の影が迫ってきていた。
グリーン・ランタンがこの世に出でたのは一応1940年・・・なんですが、この初代は「ランプの魔人」みたいなファンタジックなヒーローでして、二代目以降とは直接の関係はないことになってます(まったくないわけでもないんだけど)
で、映画にあるような「宇宙警察の一員」という設定になったのは1960年に復活してから。グリーンランタンは銀河に3600人いてそれぞれの区域を受け持っているのですが、人間に近いものからゴリラや半魚人やら果てはリスのぬいぐるみみたいな宇宙人までいるのが面白いところ。また用いるリングのパワーが「想像した形になる」というのが、実に漫画向きというかヴィジュアル向きのキャラであります。
原作では一時期ハルが悪の帝王になってしまったり、後を継いだ五代目カイルの恋人が惨殺されてしまったりと、シャレにならないくらい深刻な展開が多いのですが、映画ではうってかわって明朗快活なストーリーになっておりました。主人公のハルも原作ではそれなりに人格者なんですけど、こちらではおバカで無鉄砲な青年として描かれてます。でもそんな未熟ながらもあがいている姿が、ライミ版スパイダーマンのように親しみやすいキャラになっていました。
対してハルと同じように父へのコンプレックスを抱きながら、ダークサイドに落ちていくのがピーター・サースガード演じるへクター。わたしゃどっちかというと彼のようなへなちょこタイプの人間なので、こちらにも感情移入しまくりでした。このハルとヘクターが親友だったという設定を、もうちょい深く掘り下げてくれればよかったんだけど・・・ ま、それはおいといて。
ハルくんが変わってるのは無鉄砲なところがある反面、恐怖心も非常に強いというとこです。ジャパニメーションならともかく、アメコミヒーローでこんなに「怖い怖い」を連発してる主人公はちょっとめずらしい。そしてこのハルくんの性格、実はランタンにはとっても不向きなものだったりして。というのは、ランタンたちのパワーが意志=理性を源にしているのに対し、宿敵パララックスは周囲の恐怖=衝動から力を得ているので。
じゃあとても勝ち目はないじゃん・・・と思いきや、そこはアメコミヒーロー。自分の戦う目的を悟ると、恐怖心を克服してゴジラの十倍以上はあろうかという敵に立ち向かっていきます。サイズやキャリアにいくら差があろうが、結局は気合が入ってる方が勝つ、という番長漫画のような世界観がヒジョーに気持ちいい。そしてクライマックスでつぶやかれる「輝く太陽の下も、暗黒の闇の中も…」という大時代的なキメ台詞がやたらとかっこい! 勢いあまってだいぶネタバレしてしまったような・・・ どうかご勘弁のほど
とまあ、個人的には大満足だった『グリーン・ランタン』なんですが、興行的には本国でも日本でもだいぶ苦しいようで… 一応続編が予定されているようですが、この分ではお流れになる可能性は大です。そうなると他のDCヒーローの映画化も、これはちょっと厳しくなるかも
焼け石に水かもしれませんが(おーい)、映画でフラッシュやワンダーウーマンの活躍も観たいという方はどうぞ足を運ばれてください。映画『グリーン・ランタン』はたぶんまだ十日くらいはやってる・・・はず・・・
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Comments
こういうヒーローらしいヒーローは私は結構好きなんですけどね。
どうにも酷評が多いですな(笑)ライアンのせいもあるとおもうけど。
そうそう来週3日から仕事でまた熱海行きます。今度はグリンピアってとこに一泊です^^
Posted by: KLY | September 28, 2011 11:45 PM
まいどです。
SGAやんはよく知ってるなぁ〜。こんなヒーローいたなんて初耳。
そうそう、ブログの落ち着き先が決まりました。
古巣のソネブロです。
笑っちゃうのはURLがまんま昔に近いと言う……
ブログ名
「風と雲と冒険と……」
http://masatoshi3055.blog.so-net.ne.jp
まるで、どっかのゾイドアニメのサブタイトルまるパクリです(笑)。
ホビー記事も書いて行くので〜。
Posted by: まさとし@葛城 | September 29, 2011 08:00 PM
伍一くん、グリーンランスコ~☆
今月の1本と、たった1本にあげた「グリーン・ランタン」だったけど、息子からも敬遠されてぼやぼやしているうちに東京でも夜5時からとか夜の回しかなくなっちゃって、ついに観に行きそびれるような・・・
よもや「グリーン~」のために、家族に留守番させてまで観るのもどうかと?晩御飯作らないと・・・(汗)
Posted by: ノルウェーまだかrあむ | September 29, 2011 10:42 PM
こんばんわです(^ ^)
え!続編あやういの・・・
超たのしみにしてるのに・・・今すぐ観たいくらいですよ!
そうそう、ハルくんとヘクターって、ヒロインも入れて
昔なじみのようでしたが、そのへん彼らのリアクションやセリフからうかがえるだけで、なんかふわっとしてましたが
ふたりは親友だったんですねー。
キメゼリフかっこいいし、ランタンに変身したとき
瞳が白くなるのもかっこよかったです♪
Posted by: kenko | September 29, 2011 11:25 PM
>KLYさん
こんばんはっす
わたしも好きですけど、確かにほめてる人あんまりいませんね~
急にお話が人間世界から銀河の彼方へすっとんでいってしまうので、その辺でついていけなかったのかも
それにしても二月と間をおかずまたこちらにこられるとは(笑)
グリンピアというとこは知らないですけど(それでも地元民か・・・)、奇しくもこの記事とグリーンつながりですなあ
Posted by: SGA屋伍一> | September 30, 2011 07:56 PM
>まさとし@葛城さん
こんばんは~
いやあ、むこうで半世紀の歴史をもっていても、日本ではアメコミはやっぱりマイナーですねえ
かくいうわたしも知識として知っていただけで、実際に原作を読んだのはごく最近(それもほんの一部)
それはそうと、ブログ復活おめでとうございます。わたしゃみなもと先生の某歴史漫画のタイトルを思い出しましたよ(笑)
あとでのぞかせてもらいますー
Posted by: SGA屋伍一 | September 30, 2011 08:01 PM
>ノルウェーまだ~むさん
緑のチョウチンスコ~
うん、お客はいってないみたいですねえ こちらでもまだかろうじてやってますが、やっぱり明日からレイトオンリーになってしまいました
そんな哀れなランタンのためにもぜひ観に行ってほしい・・・と言いたいところですが、正直、ご家庭の平和を犠牲にしてまで行くほどのものじゃありません(笑)
せめてDVDが出たら観てやってくだされ~
Posted by: SGA屋伍一 | September 30, 2011 08:06 PM
>kenkoさん
こんばんはー
なんでも本国では「近年のアメコミ映画で最も失敗した作品」とか言われてしまいましたから
去年の『ダレン・シャン』もいつの間にか続編の企画が消えちゃったりしてるしなー いや、わたしもすっごい続き観たいんですけどね・・・ 他のランタン連中、今回全然活躍しなかったし
ヘクター博士も復活しないかな(無理だろ)
こういうキメ台詞のあるヒーローって、アメコミではめずらしい方ですよね。スパイダーマンにも「大いなる力には大いなる責任が伴う」というのがありましたが、キメ台詞というのとも微妙に違うし
Posted by: SGA屋伍一 | September 30, 2011 08:12 PM
こんばんは!
なんかダサイコスチュームだなぁ〜と思っていましたが
随分と古くからあるキャラだったんですねぇー(笑)
いろんな宇宙人が出てくるのと、想像した武器が出てくる指輪のパワーは
ちょっと面白かったです。
私も続き見たいけど、なんとなく、続編ダメぽいですよね〜。
Posted by: ルナ | October 12, 2011 11:57 PM
>ルナさん
こんばんは~
いやあ、60年ごろのアメコミではこういうスタイルがスタイリッシュとされていたのですよ(変な日本語)。それ以前はヒーローというとマントが必須だったようですが
アメコミヒーロー数あれど、こういう宇宙的規模のお話というとほかには『ファンタスティック・フォー』くらいしかないので、『ランタン』にもがんばってほしいんですがね・・・ 今回わたしが楽しみにしてたリスみたいなランタンさん、ほとんど出てこなかったし
Posted by: SGA屋伍一 | October 13, 2011 10:17 PM