« ハチとの遭遇 J・J・エイブラムス 『SUPER8』 | Main | 引越しのお知らせ »

July 23, 2011

カミナリ様のお通りだい ケネス・ブラナー 『マイティ・ソー』

110723_211018スパイダーマン、ハルク、アイアンマンと映画化著しいマーヴルヒーロー。そしてまた新たなるヒーローが銀幕に登場しました。『マイティ・ソー』、ご紹介します。

地球と次元を隔てた場所にある神々の世界、アスガルド。そこを治める王オーディンには、ソーとロキという二人の息子がいた。成長した二人はそれぞれ有能な武人となるが、血気さかんなソーは侵入者を送ってきたヨツンへイムに対し父王と意見が対立。ついにはオーディンの怒りを買い、はるか遠くの地球へ追放の身となる。だがその裏には三つの世界にまたがる巨大な陰謀が隠されていた。

洋の東西を問わずヒーローがうじゃうじゃいる昨今ですが、それらのヒーローの源流をたどっていくと、ヘラクレスやギルガメシュ、あるいはスサノオといった神話の英雄にいきつくと思うのです。
そこに目をつけたのがミスターマーヴルとも言うべきスタン・リー。彼は1962年に『Journey into Mystery』という雑誌で北欧神話のソー(Thor 日本ではトールと呼ばれることも)を、アメコミのヒーローとして新生させます。それ以後ソーは二度の休止期間を挟みつつもマーヴルの主要キャラクターとして活躍し続けています。

原作のソーは最初本来の記憶を失った足の悪い医師として登場するのですが、映画版ではその辺は割愛。神様世界からそのまんま北米の砂漠に落っこちてきます。それこそ江戸時代のサムライがまんま現代にタイムスリップするようなもので、地球文明に慣れずにボケまくる姿がなかなかにおかしい(笑) 日本のヒーローにもこんなのいたような気がするんだけど・・・ うーん、思い出せません。

映画の見所はまずアスガルドの描写でしょうか。未来世界とも古代都市とも違う一種独特のデザインで、目を惹くものがあります。特に異次元へと渡る際に使われる「ビフレスト」という虹の橋がなんとも美しい。スパイダーマンやアイアンマンの空中アクションと同様、CGが進歩した今だからこそ出来た映像と言えるでしょう。この虹の橋、1966年に作られたアニメのOPにも登場してますね。たった19秒ですので気になった方はご覧ください。

もうひとつの『ソー』の特長はこれまた神話にも出て来る「ムジョルニア」というハンマー。このごついトンカチをぶんぶん振り回すアクションが大変痛快です。とりあえずでかいトンカチが武器のヒーローといったら、他には勇者王ガオガイガーくらいしかいないんじゃないでしょうか(あ、仮面ライダーキバもいたか)。
ま、とにかくすんごい威力のトンカチでして、こいつのおかげでソーは怪獣とも互角に戦えたりします。さらに持ち主の意思で手元に戻ってきたり、すっとばした勢いで空まで飛べるという(これはちょっと笑えましたが)、まさに一家にひとつはほしいハンマーでございます。

で、どういうわけかこの映画のヒロインを今年のオスカーをかっさらったナタリー・ポートマンが演じております。まあ彼女『V・フォー・ヴェンデッタ』にも出てましたし、意外とアメコミ映画も嫌いじゃないのかもしれません。痛々しい役が多いナタポーですが、この映画では元気なインテリのお嬢さんをイキイキと演じておられて、とても可愛らしかったです。シリアスな演技の方がお偉方には評価されるんでしょうけど、やっぱり女の子は笑顔がいいな、と思うのでした。
キャラクターでは珍しく人格者のアンソニー・ホプキンスや、恐ろしいほどにひねくれてるんだけど、ちょっと同情したくなるロッキー君も印象的でした。

081026_183859さて、皆さんご存知のように、この映画『アイアンマン』『インクレディブル・ハルク』『アイアンマン2』と続く「アヴェンジャーズ」プロジェクトの一環を成しています。このあと秋公開の『キャプテン・アメリカ』を経てとうとうヒーロー大集合映画『アヴェンジャーズ』へとつながっていきます。すごいわ!すごいわ! そういえば三年前にこんな記事書いてたっけなあ。時の経つのは早いものよ・・・(こればっかし)


|

« ハチとの遭遇 J・J・エイブラムス 『SUPER8』 | Main | 引越しのお知らせ »

Comments

あのトンカチ反則だよねぇ(笑)
雷ズッガーーーン!地面をドッガーーーン!敵が全員ぶっ飛ぶ!余りに強すぎて惚けてしまったよw
必死で護衛が逃げてた怪獣もトンカチぶん投げて一撃必殺てどんだけ強いんだよって^^;
ここまで突き抜けてくれると笑えてきちゃいます。

Posted by: KLY | July 24, 2011 12:34 AM

>KLYさん

反則でしたねえ。あまりにも威力あるせいか、早々に使用禁止になっちゃいましたし(笑)
あのトンカチ、「常人では持ち上げられない」という設定でしたが、実際のプロップはどの程度の重さなんだか非常に気になりました。というか、実際に自分で振り回したい衝動に駆られました。どっかの玩具メーカーで商品化してくれないかしら

Posted by: SGA屋伍一 | July 24, 2011 06:03 PM

hi 伍一くん。

ハンマーは確かに反則かもねー
古典的な武器で驚いちゃった(笑

ナタリーは今や産休前で何でも片っ端から出てる感じ。
アシュトンとのコメディも意外だったし。
今年の出まくり率がすごいね。

期待してなかったので楽しめちゃった♪

そうそう今日はKLYさんにも会ったんだけど
見た目からして痩せてたよー
7キロくらい痩せたとか
伍一君、あと2日で頑張る!?

Posted by: mig | July 25, 2011 11:31 PM

伍一さん、

『かみなり様のお通りだい!』。。。『・・・こんにちは、・・・泣き虫、こんにちは・・・』、みたいな歌あったような?
何だったっけなぁ?
伍一さんだったら、しっかりと頭に入っていますよね。


Posted by: まみっし | July 26, 2011 02:44 AM

マイキンティスコー

皆がハンマー トンカチっていうから、韓国復讐シリーズを思い出しちゃったよ。

今回、パンダのイラスト、手え抜いたわね。

明日はよろしくのー!!

Posted by: hino | July 26, 2011 11:00 AM

>migさん

こんちはー 神話の英雄っていや普通は剣で戦うものだよね
まあソーさんの場合は元ネタの神話ですでにそういう設定になってるんだけど

ナタリーは最近やたら出まくってるねー。ここんとこ5作品? とはいえシネコンで観られるのはこれとブラックスワンくらいかな

>KLYさんにも会ったんだけど
見た目からして痩せてたよー

KLYさん・・・ ぬけがけはずるいぜ・・・

>伍一君、あと2日で頑張る!?

人間あきらめが肝心だす。ブタだけど。ブヒ

Posted by: SGA屋伍一 | July 26, 2011 01:51 PM

>まみっしさん

おお、聞き覚えありましたか
これはちばてつや先生原作は『ハリスの旋風』の主題歌ですね

どんがんどんがらだった どんがんどんがらがった
国松さまのお通りだい 屋根のなんとかさんこんにちは

・・・早くも記憶が怪しいです(^^;

正確な歌詞はこちらにありました
http://listen.jp/newtype/animeWord_17413.htm

Posted by: SGA屋伍一 | July 26, 2011 01:55 PM

>hinoさん

ハンマーストライコー

まあトンカチはあまり実践向きの武器ではありませんね
明日はhinoさんに会えるかと思うとドキドキして眠れない・・・ ああ! まだ昼だった!

ツッコミと手抜きの罰は明日トンカチでガスッとお願いします(M?)

Posted by: SGA屋伍一 | July 26, 2011 01:58 PM

同日に見てきました。

ナタリーが可愛かったです。
ニューメキシコだからなのか、都会とは一味、二味違ったオシャレが女の子らしさを強めていたと思います。

アベンジャーズに続く、と出ましたがソー自身の続編はないのでしょうかね?
置き去りジェーンを思うと、可哀そうで・・・

Posted by: 大吉 | July 28, 2011 09:53 PM

>大吉さん

おお、さすがこっちもチェックされてましたね。絢爛豪華な神話世界と、庶民の町といったニューメキシコ、あまりにもギャップがありますが、それもまたこの映画の味でしょうか(笑)

ソーの続編は一応アベンジャーズのあとに予定されてるらしいですよ。今度はケネス・ブラナーは製作に回って、別の人が監督するようですが。はたしてナタリーはまた出てくれるかな? 

Posted by: SGA屋伍一 | July 29, 2011 10:08 PM

昨晩レスしますと宣言しておきながら、今日になってしまいました。
昨日は年甲斐もなくはしゃぎすぎて死んでた

お話がずいぶん雑なような気もしつつ、楽しめました。
なんせ王子様だし。
王子様が下界でボケまくる姿、もっと見たかったなー
あと、弐瓶先生のマンガに出てきそうなデザインの巨人の活躍も。

『アベンジャーズ』は3年越しのSGAさんの夢?たのしみですね

Posted by: kenko | August 14, 2011 01:00 PM

>kenkoさん

おはよーさんです。甥っ子くんたちと夏休み満喫してるみたいですね。昨夜は花火も楽しかったようで

お話が雑・・・というか気になったのはアスガルドでも地球でも普通にみんな英語はなしてることでしたね(笑) ま、そこは神様たちなんで、超能力かなにかでコミュニケーションをとっているのでしょう!と脳内補完しておきます

巨人は確かにニヘーさんっぽいデザインでしたね。二へーさんてムカデっぽいというかジャバラっぽい怪物お好きですもんね


アベンジャーズももうすぐ。そろそろ『ハルク』の記憶が薄れてきたのでこの辺で復讐、もとい復習せねば・・・・

Posted by: SGA屋伍一 | August 15, 2011 11:49 AM

伍一くん、マイティスコー☆
トラコメありがとう♪
コレは結構面白かったねー。
アベンジャーズもじらしながら、だんだんとメンバー揃えていくあたり、憎いことするな~
ムジョルニアはスカンジナビアの言葉だから、あまり検索してもヒットしないよね。
とおる君か、ぐっと親近感ですわ。

Posted by: ノルウェーまだ~む | September 04, 2011 09:09 AM

>ノルウェーまだ~むさん

ハンマースコ~ン! お返しありがとうございます
ま、地球部分が田舎の町くらいしか出てこなかったのがややこぢんまりしてましたが、それはそれで面白かったかな

数年前から続いてたアヴェンジャーズ・プロジェクトも、残すはあと一人「キャプテン・アメリカ」のみです。これまた日本ウケしなさそうなキャラクターなんだけど~

ムジョルニアはスカンジナビアの言葉ですか。そういえばムーミンの「ニョロニョロ」ともちょっと似てます。弟の方は「ロッキー」と呼ぶと親しみやすいかも!

Posted by: SGA屋伍一 | September 04, 2011 08:54 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference カミナリ様のお通りだい ケネス・ブラナー 『マイティ・ソー』:

» マイティ・ソー [LOVE Cinemas 調布]
マーベルコミックのスーパーヒーローシリーズ。傲慢な態度で神の国を追放された男、最強戦士ソーは、地球で愛する女性と出会うことで成長し、巨大な敵に立ち向かう。主演は『スター・トレック』のクリス・ヘムズワース。共演にナタリー・ポートマン、アンソニー・ホプキンスらが出演。日本からも浅野忠信が参加している。監督は『ヘンリー五世』のケネス・ブラナー。... [Read More]

Tracked on July 24, 2011 12:00 AM

» マイティ・ソー (2D字幕) / THOR [我想一個人映画美的女人blog]
ランキングクリックしてね larr;please click アメコミ映画大好きだけど、なんとなく全く期待してなかった、本作。試写にて。 マーベルのコミックの中でもとくに人気あるキャラなんだとか。 主演はオレ様ヒーロー 武器はハンマー なんて原始的。 あ...... [Read More]

Tracked on July 25, 2011 11:27 PM

» 王道最高!! 【映画】マイティ・ソー [B級生活 ゲームやら映画やらD-POPやら]
【映画】マイティ・ソー(THOR) マーベルコミックからマイティ・ソーが映画化。 主演は『スター・トレック』のクリス・ヘムズワース。 ヒロインにナタリー・ポートマン。 【あらすじ】 神の世界では最強の戦士といわれていたものの、横暴でごう慢な性格が災いとなり、... [Read More]

Tracked on August 07, 2011 10:55 AM

» マイティ・ソー [C note]
思っていたよりざっくりとした内容ではありましたが、まあまあおもしろかったです。 [Read More]

Tracked on August 15, 2011 10:36 PM

» 「マイティ・ソー」暴れん坊 [ノルウェー暮らし・イン・原宿]
アメコミヒーローになった北欧神話の神様、マイティ・ソー。 スカンジナビアでは「Thor」はトールと読む。 どおりで持っているハンマーが「ムジョルニア」って、北欧らしいネーミングだわ。... [Read More]

Tracked on September 04, 2011 08:50 AM

» マイティ・ソー [to Heart]
神失格の男《ヒーロー》 “二つの世界”の運命は彼の手に 原題 THOR 製作年度 2011年 映時間 115分 原案 J・マイケル・ストラジンスキー/マーク・プロトセヴィッチ 脚本 アシュリー・エドワード・ミラー/ザック・ステンツ/ドン・ペイン 監督 ケネス・ブラナー 音楽 パ...... [Read More]

Tracked on September 08, 2011 07:57 PM

» 『マイティ・ソー』 なぜ実写映画化されなかったのか? [映画のブログ]
 2011年は極めつけに嬉しい年である。なぜなら、6月には『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』、7月に『マイティ・ソー』、9月に『グリーン・ランタン』、10月に『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・...... [Read More]

Tracked on September 22, 2011 12:47 AM

» マイティ・ソー (Thor) [Subterranean サブタレイニアン]
監督 ケネス・ブラナー 主演 クリス・ヘムズワース 2011年 アメリカ映画 115分 アクション 採点★★★★ 先ごろ公開された『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』をもって、いよいよ出揃ったアベンジャーズの面々。考えてみると戦う社長や緑色に…... [Read More]

Tracked on November 19, 2011 04:32 AM

» マイティ・ソー [こんな映画見ました〜]
『マイティ・ソー』---THOR---2011年(アメリカ)監督:ケネス・ブラナー 出演:クリス・ヘムズワース 、ナタリー・ポートマン、トム・ヒドルストン 、浅野忠信、アンソニー・ホプキンス、レネ・ルッソ、サミュエル・L・ジャクソン、ジェレミー・レナー シェイ...... [Read More]

Tracked on April 22, 2012 09:53 PM

« ハチとの遭遇 J・J・エイブラムス 『SUPER8』 | Main | 引越しのお知らせ »