ハーバード白熱事業 デヴィッド・フィンチャー 『ソーシャル・ネットワーク』
これは、事実に基づいたフィクションである・・・・
成績優秀だが性格の悪いまさゆき(通称まーくん)は、自分をふった彼女の悪口を、ネットの掲示板に書き込んでうっぷんを晴らす。このことがきっかけで彼は総合匿名掲示板「にゅーちゃんねる」の発足を思いつく。にゅーちゃんねるはあっという間に大人気サイトとなり、まーくんは一躍時代の寵児となる。だが匿名ゆえに心無い発言が多くなったことにより、まーくんはとうとう裁判でうったえられることに・・・・
はい、久しぶりにつまんないネタ、キターーー(・∀・)ーーー!! 本日は世界最大数の会員を誇るSNS「フェイスブック」を作った男、マーク・ザッカーバーグを題材とした『ソーシャル・ネットワーク』、ご紹介します。
フェイスブックって正直申すとつい最近その存在を知ったのですが、ようするにmixiをもっとオープンにしたようなものでしょうかね。というか、フェイスブックを日本人がとっつきやすいように作り直したものがmixiなのかな・・・と思ったのですが、調べてみたらmixiの方がフェイスブックがひろまったのより微妙に先のようです。
それはともかく。
このいまや世界が注目する一大システムが作られたきっかけが、「マーク氏がふられたこと」だったというのは面白いですね。そう、天才にとってこのふられた悔しさ、もてない怒りというのは、時として大きな起爆剤になることがあるのです。ベートーベン、アンデルセン、スピルバーグにティム・バートン、夢枕獏・・・ 彼らが青春時代モテモテだったら、果たしてあれほどの名作を量産することができたでしょうか? それは大いに疑問です。
最初は学生同士の楽しい課外活動のようなものだったフェイスブック。しかしシステムが肥大化し、株や大金がからむようになるにつれ、中心メンバーの間に大きな亀裂が生じ始めます。そしてついには創設時からのパートナーであったエドゥアルドから、マークは訴えられることになります。
予告編を見ますと、「五億人の友達とひきかえに彼が失ったものとは」なんてナレーションが流れます。ただわたしには、彼はもともと才能以外の大したものはもちあわせていなかったように見えました。エドゥアルドとの間に、それなりの友情はあったのかもしれません。しかしどちらかといえば利用し利用される、そんな間柄に近いように感じられました。
自分の中の空虚を埋めるために、フェイスブックの充実・拡大に全力を尽くすマーク。その甲斐あって、彼は巨万の富と大きな名声を手に入れます。でも結局彼が一番欲しかったものは手に入らぬまま・・・ そんなお話だと考えてます。
と、ここまで述べてきましたがこの映画、例によってかなり脚色が混じっているようです。本物のザッカーバーグさんは映画のように無表情ではないし、人とのコミュニケーションも普通にでき、ちゃんとした彼女(作中に出てきた中国人の女の子)もいるようです。そりゃないだろフィンチャー。
たぶんフィンチャー氏はザッカーバーグ氏に対するおおまかなアウトラインだけを知って、「こういう人なんだろ」と勝手にイメージを作り上げてしまったのでしょう。そしてそこに、自分の影を見出したのではないかと。
恋人がいても、莫大な財産を持っていても、名門大学を出ていても、人は基本的に「さびしい」という気持ちを克服できないもの。そういう感情の薄い人ももちろんいるでしょうけど、フェイスブックを含めSNSがこれほど繁盛している事実は、現代に生きる多くの人が寂しがりやさんであることを証明しています。そしてもちろん、この映画の作り手であるデヴィッド・フィンチャー氏も。だから最後の「あなたは嫌な人を装っているだけ」というセリフには、『人間失格』の「あの子は本当にいい子でした」という言葉に似たものを感じました。
それにしても、デビュー作『エイリアン3』からずっと「人間はみんな死んじゃえばいいし、世界なんか滅んじゃえばいいんだよ」みたいな作風だったフィンチャー氏が、前作『ベンジャミン・バトン』から急に「本当はボクもさびしいだけなの。人のぬくもりがほしかったの」と言い出したのには面食らいました。次回作『ミレニアム』のリメイクにおいては、かつてのスタイルと現在のスタイルが融合した作品が見られるかもしれません。
『ソーシャル・ネットワーク』は現在全国の劇場において大ヒット公開中。「アカデミー賞最有力候補!」というふれこみが利いたのか、大した盛況ぶりのようです。これを機に、地方でもこういう地味ながら個性的な作品がバンバンかかるようになればいいんですけどね。
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今年最初の1本は、
試写にて鑑賞。
「Facebook」って
日本では、ミクシィやツィッターに
比べるとそれほど馴染みが
ない気もするけど、
学生中心だからかなぁ〜。
2003年、ハーバード大学の学生マーク・ザッカーバーグ
(ジェシー・アイゼンバーグ)は、彼女に振られた腹いせに
女子の品定めサイトをネットに立ち上げ、ネットをパンクさせる。
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= Just Brilliant!!
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Comments
いやその、モナーとfacebook関係ないから(爆)
マークは映画で合っているのは服装だけだと言っているんだとか。何でもエドゥアルド・サベリンへの取材をベースにして作られているが故に一方的な内容になっているらしいですね。
でもまあこんだけヒットしたら宣伝効果絶大だからダンマリ決め込んでるんだろうけど。(笑)
恐らくオスカーは作品・監督は『英国王のスピーチ』じゃないかなぁ。この作品はアカデミー好みじゃない気がします。
Posted by: KLY | February 04, 2011 10:22 PM
>KLYさん
わかりましたよ、facebookに何が足りないのか・・・ それは、「かわいらしいマスコットキャラ」だっ!!
・・・毎度ありがとうございます
あー、そりゃ一方の意見しか聞いてなきゃ偏った見方になるのも無理はないですよね。それにひきかえザッカーバーグは余裕しゃくしゃくの態度でさすがだな、と思います
アカデミー作品賞はここんとこ英国関連の作品にすげない気がしたので、たぶんこちらだろうと踏んでいたのですが、『英国王~』の勢いを聞くにつれどんどん自信がなくなってきました・・・
Posted by: SGA屋伍一 | February 05, 2011 09:08 PM
こんばんは!(*^^*)
さすがに、マークは性格ヒド過ぎだろう!って思ってましたが
やはりかなり脚色されていたんですねー。
まあ、映画のおかげでフェイスブックが世界で盛り上がってくれれば
本人も満足ってことなんでしょうかねぇ〜。
そうそう、次回作は「ミレニアム」のリメークなんですよね。
ミレニアムといえば、最近原作の2巻目を読み終えたばかりですが、
リスベットがイタリアで豊胸手術していたり、ミカエルとハリエットが
できちゃってたりとか、意外なストーリーも含まれてましたよー。
Posted by: ルナ | February 06, 2011 12:59 AM
伍一くん、こんばんわ~☆
こちらでは相変わらずやってますよーフェイスブック。
一体ミクシーとかと何が違うのか、よく解らないけど、試験前なのでやめて欲しいyo!
マークにのみ取材させてもらえなかったために、こういう映画になったらしいけど、という事はやっぱり周囲の人には印象悪かったって事になっちゃうね。
先日テレビのトーク番組にマーク君が出ていて、この映画のこと怒っていたらしいよ。
なら、取材を受けておけば良かったのにね。
Posted by: ノルウェーまだ~む | February 06, 2011 02:41 AM
伍一くん、おはよ☆
このネコちゃん(みたことあるような?)と下の悪ガキは誰??(笑)
フェイスブックは映画のヒットで日本でもブームくるかなんて言われてたけど結局そうでもないよね、
やっぱり本名は抵抗あるんだろうな〜。
海外に住む日本人は私の知る限りではほとんど100%の勢いで皆ふつうにやって写真もバンバン載せてるけどね。
私は面倒だからアカウントとっただけ。
フィンチャー、確かに作風変わったよね、私はこれも楽しめたけど、GG賞はとったけど、
わたしもこれでオスカーは違う気がするな、
さてどうなるかな?もうすぐ発表だよね☆
あ、26日はゆきえちゃんNGなんだって
Posted by: mig | February 06, 2011 08:17 AM
>ルナさん
こんばんは
マークもコマッタちゃんでしたが、わたしはどっちかというとナップスター創設者のショーン・パーカー氏の方がむかつきました(笑) ま、彼のキャラもやっぱりいろいろ誇張されてるようですけどね・・・
たしかにこの映画の効果でフェイスブック、さらに勢いを増しそうな気がします。日本でも流行るのかな?
そういえばマークをふった彼女が『ミレニアム』リメイクでリスベットを演じるそうですね。リスベット役を射止めた決め手は胸のサイズ?(すいません・・・)
Posted by: SGA屋伍一 | February 06, 2011 07:48 PM
>ノルウェーまだ~むさん
こんばんは。お返しありがとうございます
息子さん、夢中のようですね 気づいたんですけど、そういえばmixiは年齢制限があったんですよ。未成年でも気軽に利用できるのがfacebookの長所でもあり、怖いところでもありますね
>先日テレビのトーク番組にマーク君が出ていて、この映画のこと怒っていたらしいよ。
あれ? わたしは「事実とは違うけど、映画は面白かったよ」という、懐の広い態度だったと聞いたけど・・・
やっぱり内心ではむかついてたんだな(笑) お金いっぱいあるんだから、今度は自分で『真ザッカーバーグ伝』みたいな映画をプロデュースしちゃえばいいんじゃないでしょうか
Posted by: SGA屋伍一 | February 06, 2011 07:54 PM
>migさん
こんばんは。おかえしありがとー
ネコちゃんは2ちゃんねるでよく使われる「モナー」というネコ
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ´∀`)< オマエモナー
( ) \_____
│ │ │
(__)_)
こんなかんじ(笑)
うん、今回の映画でちょっとはブームになってるみたいだけど、このまま日本に根付くかとなると怪しいよね。ツイッターはほぼ定着した感があるけど
>海外に住む日本人は私の知る限りではほとんど100%の勢いで皆ふつうにやって写真もバンバン載せてるけどね
ははは。日本人ってやっぱり回りに影響されやすいということかな
私は「微妙」とはいいながらも、「これがオスカー本命」みたいなことつぶやいちゃったんだよね。その後『英国王のスピーチ』の快進撃を聞いて、どんどん自信がなくなってきちゃったりして
hinoさんはまだまだ忙しいみたいだね~ 次会える時まで、もっとエビ会話の習得に励むとしよう
Posted by: SGA屋伍一 | February 06, 2011 08:04 PM
>SGAさんこんばんわ♪こちらにもお邪魔します。
フィンチャー監督の作品って確かに前作の『ベンジャミン・バトン』から雰囲気が若干変わってる気がしますし、本作にしても監督初(?)である会話劇が中心ともなってるのでどこか違うっていう違和感は拭えませんね。でも個人的にはビジュアル以外でもちゃんと魅せる事が出来るフィンチャー監督の新たな一面を拝めたような部分もありまして、フェイスブック誕生秘話とも相まって結構面白く観れました♪
ちなみに地元で知り合いの映画好き喫茶店マスターの予想だと、ソーシャル・ネットワークはアカデミー賞でベンジャミンの二の舞になるだろうと予想してますね^^;
監督を偏愛してる自分としては『えぇ~っ』て言いたくもなる所ですが、そのマスターが本命と睨んでる『英国王のスピーチ』の絶賛ぶりを聞いたら『あぁ~・・』と枯れた声が出てしまいました(汗
Posted by: メビウス | February 09, 2011 10:47 PM
>メビウスさん
こちらにもどうも♪
やっぱり変ってきてますよね、フィンチャー。やはり人間トシを食うと丸くなったり自分に正直になったりするものかもしれません
ぢ・・・ぢつはぢぶん、あまりこの映画が面白かったとは思えない口でして。ビジュアルもキャンパスのそこかしこくらいしか印象に残ったところがなく。どちらかといえば『バベル』と同様、これを見た人たちの感想・反応のほうが楽しい作品でした
『英国王のスピーチ』の勢いはすごいですね。こちらでも急遽上映が決まりました。わたしはツイッターでうっかり「本命『ソーシャル』、対抗『ザ・ファイター』」と宣言してしまったので後悔してるとこです まあ何もかけてなくてよかった!
Posted by: SGA屋伍一 | February 11, 2011 07:57 PM
マッチョンキンスコナー!!
やはし、ボート部には触れていませんね(^^)
人は孤独な生き物だと思います。
facebook若者世代のネットワークがムバラク大統領辞任の一旦を担いだということも、ッカーバーグ氏はどんな思いでおられるのでしょうね。
彼のアイディアは、彼の意志ではなく神の啓示だったのではないか!!なーんて思ってます。
Posted by: hino | February 16, 2011 10:07 AM
>hinoさん
ボート部といえば『愛という名のもとに』!
悲しみが雪ンスコのように降り積もる夜に~
そういえばなんでボートなんでしょうかね。大学の花形といったら野球やフットボールなんでないの・・・・?
「彼女を見返してやるんだ!」という動機で作ったフェイスブックが、中東の革命の起爆剤になろうとはザ・ッカーバーグ氏も予想だにしていなかったことでしょう。自由への改革は大いにけっこうですが、興奮のあまり人々が暴徒(ボウト)と化さないか心配です。うまいっ!
Posted by: SGA屋伍一 | February 16, 2011 08:28 PM
伍一さん、お久しぶりです☆こんばんは!
いきなりのモナーと上のギャグに笑いました〜
モテない怒りが時に大きな起爆剤になる、、う〜ん深い。
「五億人の、、、」っていうコピー、いただけないですよね。
わたしも、彼は失ったものなんて大してないんじゃ、と思いました。
で、結局最後本当に欲しかったものは手に入らず、、
と思ったら見事に脚色されてたんですね(笑
ボート部員のイケメン双子兄弟、一人二役だったなんて
すっかりだまされました。(どうでもいいか、、)
Posted by: tomoco | February 22, 2011 12:55 AM
>tomocoさん
ども! こちらこそご無沙汰しててすいません。アカデミー賞もいよいよ間近にせまってきましたね
そう、このひがみっぽい感情をプラスに変えることができるのが天才のすごいとこです。これが凡人だと「どうせオレなんか・・・ 」といじけておしまいですから(他人事のように)
ぜひ日本の映画監督にも、ホリエモンやひろゆき氏を題材にして面白い映画を作っていただきたいですね。これよりももっと小ぢんまりした映画になるでしょうけど・・・
双子といえば近日公開予定の『スコット・ピルグリムVS邪悪な元彼軍団』にはなぜか日本のイケメン双子として有名な斉藤兄弟が出演します。この映画の一人二役の演技と見比べてみるのも一興では
Posted by: SGA屋伍一 | February 22, 2011 07:53 PM
うみゃいっ
私ね、水泳を高校まで続けたのち、ヨット部に入ったのよ〜。スキューバも取ったし、水泳の先生のバイトもしたし、水ものしか特技がない。
ヨットとかボートは男子にとっては花形でした。
体育会系自己中男子は派手〜な可愛い子が好みで、私はその組み合わせを眺めていたものでした。
なので、本当は体育会系男子は嫌いっ(爆)
伍一くんのやうな繊細で面白い人が大好きです!!
Posted by: hino | February 24, 2011 09:50 AM
>hinoさん
こんばんはー! お返事遅くなってすいません!
ヨットといえば若大将こと加山雄三! さすがにちょっと古いか!
実は熱海高校にもヨット部があって、これがけっこう強かったりするんですよ
それにしてもhinoさんのような美女をスルーするとは、ヨット部のマッチョどもも見る目がないなあ
ああ・・ あと十五年わたしが早く出会えていたなら・・・(ってこれ、前もやったな)
最近hinoさんもまみっしさんもお忙しいようで、それがしは寂しい限りです。昨日はまたmigさんやKLYさんと飲んできてとっても楽しかったけど、hinoさんがいたらもっと楽しかっただろうなあと
またいつか近いうちに~
Posted by: SGA屋伍一 | February 27, 2011 07:47 PM
こんにちは!
ほんとにもう・・・今更ながら
私も、つい最近までフェイスブック知りませんでした。
てゆーかぶっちゃけこの映画で知りましたー
前評判がやたらよくて、期待しすぎていたのか
おもしろかったんだけど、思いのほか心に響かなかったんですよね・・・
『ベンジャミン〜』はよかったけど、やっぱり『エイリアン3』や『セブン』などの
フィンチャーのほうが好きかなあ。
そういや、つい先日ツタヤディスカスから『ドラゴンタトゥーの女』が届いたばかり。
これもまた今更ながら・・・だけど
フィンチャー版の前に、ちゃんと予習しておこうと思います。
Posted by: kenko | July 27, 2011 04:05 PM
>kenkoさん
こんにちは。わたしフェイスブックというと、岸辺露伴のスタンド能力で顔が本状になった人を思い出します
そういえばこれ公開してたのって、今年の初めでしたよね・・・ それがもう夏休みの季節ですよ・・・ この分じゃ次の暮れまであっという間でしょうなー
このままほのぼの路線をいくのかと思いましたが、次回作のポスター、えらい過激な仕上がりになってまして。もしかしたらこれと『ベンジャミン』は、フィンチャーにとっては「たまには息抜きを」くらいの位置づけの作品だったりして
そういえば先日なでしこジャパン、準決勝で見事スウェーデンを破ってましたよね。ミレニアムを観る限りむこうの女性のタフさは半端なさそうなので、それに勝ったとはすごいなーと思いました!
Posted by: SGA屋伍一 | July 28, 2011 02:45 PM