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February 14, 2011

俺たちアメコミヒーロー ミシェル・ゴンドリー 『グリーン・ホーネット』

110214_180725今年はアメリカン・ヒーロー映画が目白押しですが、その先陣を切ったのがこの作品。ブルース・リーの出世作ともなった『グリーン・ホーネット』、紹介いたします。

ブリット・リードは大手新聞社の社長の一人息子。だが父への反感も手伝って、放蕩の毎日を送っていた。そんなある日、父親が不慮の事故で亡くなってしまう。譲り受けた屋敷で、彼は父の運転手をしていた青年カトーと出会う。天才的なメカニックであり、中国拳法の達人でもあるカトーと意気投合した彼は、街の不正と戦っていた父の鼻を明かすため、正義のヒーロー「グリーン・ホーネット」を名乗ってギャングたちに戦いを挑む。

ちまたでは「アメコミヒーロー」と紹介されているこのグリーン・ホーネット。ですが、もともとはラジオドラマのキャラクターであり、後にそれがテレビドラマ化され、近年になってコミック化されました。だから本当は「アメコミヒーロー」ではなく「アメドラヒーロー」というのが正しい(オタクは細かいことにうるさい)。
ちなみにラジオ版が放送されたのは1936年ということなので相当昔であります。実はこれ、スーパーマンやバットマンより古かったりして。そんでブルース・リーがカトーを演じたドラマ版は1966年制作ということです。

それほどに古い歴史を誇りながら、劇場版は正統派からはかけはなれたハチャメチャヒーローにしあがってました なんせ主人公であるGH=リードが何の役にも立たない(笑) 頭が回るわけでもなければ腕が立つわけでもありません。加えて性格にもかなり問題ありで、相棒であるカトーにほとんどおんぶにだっこ状態という・・・ タイトルにもなっているのにまるっきり活躍しないあたり、『天才バカボン』か『宇宙猿人ゴリ』をほうふつとさせます。なんだって主役が脇役に食われちゃいかんのです。

そんなヤツでありますから、当然悪との戦いも極めていい加減。適当にノリの赴くまま街の顔役にケンカを売っていきます。これが現実なら素人であるリードなど、海千山千のギャングたちに瞬殺されてしまうでしょうけど、なぜか不思議とことはすいすいとうまく運んでいきます。まるで植木等の無責任男シリーズみたい。
この作風に面食らった方々も多くおられるようですが、わたしは似たようなものを作るよりは多少微妙でも個性があった方がいいと思ってるので、これもアリだと思いました。大体監督がヘンテコな作風で知られているミシェル。ゴンドリーですし。彼の前作は『僕らのミライへ逆回転』という、パロディ映画を題材にした作品でしたが、あれに出てくるジャック・ブラックに大金を与えたら、きっとこんな映画を作るんじゃないかと思いました

ただこの『グリーン・ホーネット』で唯一アメリカン・ヒーローものの定型を踏んでいるのが、誕生に父親が大きく関わっているということ。リードが父親のことをあれほどまでに意識していなければ、たぶんこのグリーン・ホーネットというヒーローは生まれなかったことでしょう。そもそもこの名前も父の表向きの死因が、「ハチに刺されたから」ということに由来していますし。
そのお父さんは、これまたリードとは正反対の四角四面の男。リードの父親への思いは、そのまんま正統派ヒーローに対するゴンドリー監督の思いなのかもしれません。自分は到底あんな風にはなれない。むしろおちょくりたくなる。でも本当は愛しているし、尊敬もしている・・・ そんな思いです。

090703_130139『グリーン・ホーネット』は日本では微妙ながら、ただいま全世界で大ヒット上映中。ただ製作費がどえらい額なため($120,000,000)黒字になるかどうかは怪しい模様。
ちなみに今年は『グリーン・ランタン』というヒーロー映画もスタンバッてます。マスクのデザインとかけっこう似てるので、どうぞお間違いのないよう。

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Comments

(◎´∀`)ノ見てきました。

正統派とはちょっと違うけど、面白かったです。
カトーのがヒーローしてんじゃん、ってのはドラマ版のブルース・リーの影響が強いからかもしれませんね。

ラジオもドラマも知らないから、当てずっぽうですが。

Posted by: 大吉 | February 14, 2011 08:57 PM

私はダメでした。なんといってもヒーローとしての魅力がゼロ
なんで、もはやどうでもいいと言うか…。
別にどんな性格付けのヒーローだってかまやしないんですが、
ヒーローモノはそれに惹きつけられるかどうかだけですよね。
この2人よりもヴァルツさんの方が魅力的なんだもの…

Posted by: KLY | February 14, 2011 11:10 PM

ツィッターではqwebby事 3匹の愛猫達と1匹のミニチュアシュナ犬のいるqですよ~
ブログではお初の書き込み
とは言う物の・・・何故か、ブロガーさん達が常時ランキング入りしておられる方達の所でご一緒ですね
素晴しいブロガーさん達の間で、qはスクスクと生育中であります
というワケで。これからqを見守って頂きたいですわ
後日。「グリーン・・・」の事に書き込みに来まーす

Posted by: qです | February 15, 2011 12:30 AM

>大吉さん

おお、おはようございます! ゴンドリー氏が監督という時点で、まともなヒーローものには仕上がるまい・・・と予想していました。的中しましたね(笑)
カトーの方が目立ってる理由、大吉さんの見方で間違ってないと思います。あらためて李小龍の偉大さに感じ入ります。ジェイ・チョウくんはリー先生と比べるとややさっぱりしたお顔立ちですが

Posted by: SGA屋伍一 | February 15, 2011 09:04 AM

>KLYさん

毎度ありがとうございます。よほどソリがあわなかったようですね
わたしは主人公はともかく、こまごまとした発明品やら、ギミック満載のスーパーカーなどが楽しかったです
ヴァルツさんは相変わらず怖かったけど、終盤急速に劣化したような

Posted by: SGA屋伍一 | February 15, 2011 09:06 AM

>qちゃん

ようこそおいでませ
猫さんたちはきのうはずっとコタツの中だったのでは?

そちらと仲良くしてる方たちがいろいろかぶってるようで。みなさん、こんなさびれたブログにわざわざ来てくれて、本当にありがたいかぎりですよん

すくすく大樹に育ってね~

Posted by: SGA屋伍一 | February 15, 2011 09:10 AM

ハロー☆

>本当は「アメコミヒーロー」ではなく「アメドラヒーロー」というのが正しい

なるほど〜、
でもJBに撮らせたらもっと面白いものつくる気がするわ!(笑)
これはなんか普通だったな〜
ゴンドリーはアナログ派のひとだからそもそもなぜ3Dなんかって思っちゃう。とにかくこの3Dは意味のなさ、なんとかしてほしいものだわ。

PS、まだーむとこのコメの
園監督の、嫉妬はわかるけど多くの人がみてるつぶやきで石井監督の新作を貶すのは人としてどうかと思うのよ。
作品は面白いからしょうがないけど

Posted by: mig | February 16, 2011 02:16 PM

あ、カトーの絵 (笑)

Posted by: mig | February 16, 2011 02:17 PM

>migさん

こんばんばん~ おかえしありがとー

わたしはこの映画まあまあ楽しんだけど、あんまし大金を与えちゃいけない監督っているよね。せっかくの持ち味が膨大な予算のせいでなんでか希薄になっちゃう人
少し前は三池崇史監督なんかそうだったけど、『十三人の刺客』を見て大金の使い方がだいぶうまくなったな、と思った(笑)

>まだーむとこのコメ

つい思ったことをそのままぽろっと書いちゃったんだけど、気を悪くしてたらごめんね
まあ人間言ったこと・やったことのしっぺ返しというのは必ずあるものなので、園監督もそのうち身をもって知るでしょう。女の子が誰も寄ってこなくなるとか(笑)

>カトーの絵

ドリフ世代ということでー

Posted by: SGA屋伍一 | February 16, 2011 08:38 PM

こんばんは!(^_^)
ヒーローに華がないと、やはりヒーロー物はダメですよね〜。
3Dでなくて充分なのに、近所の劇場では3Dしかやってなくて・・・
ホントになんでもかんでも3Dにして、
高額とるのはやめてほしいですね〜。

Posted by: ルナ | February 17, 2011 12:50 AM

>ルナさん

おはようございます
最近は3Dと通常と選べない作品が増えてきましたね。わたしは3Dもありだと思うけど、この手法はやっぱりアニメの方がむいてると思います。実写でやるのだったら、よほどセンスのある人がやらないと、それこそ「ただ高いだけ」になってしまいますね
それでもまあ、この映画、そこそこ面白かったです

Posted by: SGA屋伍一 | February 17, 2011 07:38 AM

なかなか作品が被らなくってご無沙汰しておりました。

ジェイ・チョウだけを目当てに観たので
主役の俳優さん,あんた誰?って感じです。
観たことないなぁ・・・

>主人公であるGH=リードが何の役にも立たない(笑)
>頭が回るわけでもなければ腕が立つわけでもありません。
加えてイケメンでもありませんからね~
お調子者だけど運がよくて憎めないキャラっていうだけで
押し通しているヒーローものって初めて観ましたが・・・・
まあ、ジェイがカッコよかったからいいか・・・。

Posted by: なな | February 19, 2011 01:58 AM

あれ?気を悪くなんてしてないわ☆と書いたのが入ってなかったみたいね(・o・)

Posted by: Mig | February 19, 2011 12:08 PM

>ななさん

こんばんは。こちらこそごぶさたしててすいません
セス・ローゲン氏は向こうではそれなりに有名なコメディ俳優のようですね。わたしはどうもイメージ的にウィル・フェレルとかぶる感じ

ジェイ・チョウ君は前に『頭文字D』という映画で見たことがありました。あの時は「ぱっとしない風貌だな」(失礼・・・)なんて思ってしまったのですが、今回はアクションもあったせいか、かなりかっこよく見えましたよ! 彼、本当にヌンチャクがうまいそうですね

Posted by: SGA屋伍一 | February 19, 2011 08:12 PM

>migさん

わざわざありがとう。それならよかった
来週トリウッド行くんで、会えたらよろしくね

Posted by: SGA屋伍一 | February 19, 2011 08:13 PM

ジェイチョウ抜きにしても、ヒーローものとしてかなり新鮮で楽しかったです〜
ヴァルツさんの悪役っぷりもすばらしかったし。
終盤唐突にコスプレ宣言して、部下に呆れられるの含め(笑)
殴り合いのシーンとか、ちょっと自由な展開がゴンドリーっぽいような気がしたんだけどなー
『ソーシャルネットワーク』『キックアス』とか観てるんだけど
なかなか感想書く時間がなく放置してます

ところでガンツ29巻まで読みました。映画は観ない予定ですが・・・
ツタヤディスカスのコミックレンタルで借りてイッキ読み。
30巻で終わりでしたっけ?
メビウス『アンカル』は買って読みました

Posted by: kenko | February 21, 2011 08:19 PM

>kenkoさん

お引越し準備お疲れ様です~
わたしは楽しかったけど、ヒーローものちうよりコメディののりで見てましたねえ(笑) ヴァルツさんも終盤は完全にお笑いキャラになってましたし。「中年の危機」って怖いですねえ

ゴンドリーさんはメモリーがスシ形であるということにえらいこだわったそうです。やっぱ変な人だわ・・・

ガンツ、映画もがんばってたんでできれば見てほしいんですけどねえ。お忙しそうだし仕方ないのかなあ
で、30巻で終わるわけないですよ(笑) まだまだ絶賛連載中ですし・・・ できればあと十冊くらいで大団円を迎えてほしいものです

Posted by: SGA屋伍一 | February 21, 2011 09:20 PM

ゴイチクン、カトー違いっ!!(爆)
B級っぽいテイストが結構気に入ったんだけど、せっかくならキャメロン・ディアスとか大物出さずに、しょぼく最後までいってほしかったな~
彼女の輝きに二人の華のなさが際立ってしまって、お互い残念なかんじになってたような。

ところで小学生の頃、家の隣が「タツノコプロ」で、よく原画の書き損じをもらって塗り絵に使っていたのは私です。

Posted by: ノルウェーまだ~む | April 10, 2011 10:37 PM

>ノルウェーまだ~むさん

ちょっとだけよ~ん(←バカ)

あー、確かにキャメロンが出てたせいで、ただでさえ影が薄いセス・ローゲンがさらに食われてしまってましたね・・・
彼女とはりあうには、それこそ『マスク』のジム・キャリーくらいアクが強くないと! なんせ元チャーリーズ・エンジェルですからね!

タツノコプロがお隣で書き損じまでもらってたなんて、なんと羨ましい~ グリーン・ホーネットをタツノコでリメイクするとしたら、タイトルは「ハッチーマン」かな?

Posted by: SGA屋伍一 | April 11, 2011 10:23 PM

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