ゴールデン妖怪劇場 雨宮慶太 『牙狼〈GARO〉 ~RED REQUIEM~』
人の心の闇に巣食う、異形の怪物ホラー。だがそのホラーを狩り、弱きものを救う戦士たちがいた。彼らの名は魔戒騎士。「黄金騎士」の称号を持つ冴島鋼牙は、今まで多くの魔戒騎士を葬りさってきたホラー「カルマ」を追っていた。そしてたどりついた街で、やはりカルマを父の仇と狙う少女・烈花と出会う・・・・
みなさんは『牙狼』って特撮番組をご存知でしょうか。2005年から2006年にかけて深夜に放映された特撮ヒーロー番組であります。特撮ヒーローなのに深夜ってなんか矛盾をはらんだ企画ですが、まあそういう時間帯だけあって、お子さんに遠慮しないマニアックな演出が光った作品だでありました。わたしもそれなりにはまってしまい、こんな記事を書いたり、画像にあるフィギュアを買ったりしておりました。
その後一本の特別編が作られてしばらく音沙汰がなかったのですが、どういう流れかパチンコのキャラに起用されて大ヒット。んで、この度の劇場化とあいなったようです。
久しぶりにこの金ぴかの狼さんと再会できたわけですが、いや~、やっぱよかったですわ。現代の都会にもろ西洋風のマントを羽織って歩く主人公、という珍妙な箇所もありますが、ガシガシと装着される黄金の鎧、ライターであぶられて燃え上がる剣、牙狼を乗せてパカランパカランと爆走するデカ馬、こうしたビジュアルが出てくると理屈ぬきで中二オヤジとしては心が浮き立ってしまいます。
加えて今回は大画面で3Dという効果が増し加わっています。なんちゃってな3Dも多い中、『牙狼』はなかなか目を見張る映像を見せてくれます。魔法とともに宙を舞う文字や、画面からビュン!と突き出す剣。ほんでもって一層立体感を増した牙狼と怪物たち。まさに『牙狼』は3Dにうってつけの題材だったと言えます。
そして『牙狼』のもうひとつの特色と言えるのが、ムダに豪華なゲスト出演陣。テレビ版でも森本レオ、峰岸徹、麿赤児といったそうそうたる名優が出てきましたが、今回も斉藤洋介氏や中尾彬氏といった方々が、どういうわけか脇を固めておられます。雨宮慶太監督には誰も逆らえないような後ろ盾でもおられるのでしょうか? ともあれ、お二方とも強力なオーラで作品を彩っておられました。
ストーリーの方はそんなにひねったものではありません。ただひとつポイントになっているのが、鋼牙の恩人だった男の言葉。その言葉を、鋼牙はさらに次の世代へと伝えていきます。で、カンのいい方・・・でなくとも気づかれるでしょうけど、その男というのが・・・の父親であります。演じるは特撮のみならず多数の作品で顔を出している津田寛治氏。わたしはやっぱり『仮面ライダー龍騎』の編集長が思い出深いところですが、それはさておき。既に死んだはずの彼が、笛の音に呼び寄せられて娘を助けに来るシーンでは不覚にも目頭が熱くなってしまいました。こんな特撮映画の、そんなコテコテのシーンで涙ぐんでお前はアホか、という気もするのですが、自分、そういうのに弱いもんですから。あ、両親は普通に健在ですけどね。
『牙狼〈GARO〉 ~RED REQUIEM~』はまだ細々と全国の劇場を巡回中。テレビシリーズが「暗黒騎士編」でスペシャルが「白夜の魔獣」、んで今回の劇場版が「RED REQUIEM」ということは、次は「青」でしょうか・・・? それはこの映画とパチンコのヒット次第でしょう。
しかしパチンコの影響力というのも侮れませんなー わたしが見た回のお客さんはヤンキー風のカップルとかいい年したおじさんとか、いかにもって方たちばかりでしたから・・・・
Comments
パチンコがまたこれ面白いんだけど勝てないんだ…。
派手な演出がなかなかいいです。
この作品、ストーリーの出来自体はそうでもないんだけど、個人的にこの手のはなしが大好きなんだよね~(笑)
しかもカッコイイヒーローモノにはあこがれちゃうのよ。^^;テレビ今放送してるの?
Posted by: KLY | February 11, 2011 09:37 PM
>KLYさん
あ、わざわざお返しありがとうございます
最近のパチンコはキャラモノが多くて楽しそうですよね。わたしははまったらどっと散財してしまいそうな気がして、あえて手を出していません
こういう伝奇系のヒーローというと、最近では侍戦隊シンケンジャーや、仮面ライダー響鬼などがあったかな? とくに『響鬼』はいろいろ世界観を作りこんでいましたね
テレビは記事に書いた分しか作ってないと思います(全25話+スペシャル前後編) また作ってくれないかなー
Posted by: SGA屋伍一 | February 11, 2011 10:12 PM
マニアック戦隊伍一ンジャー☆
「響鬼」はちと古いんでない?
うちの息子ちゃんが最後に見ていた頃のだし。あれで飽きちゃって、佐藤健くんの「電王」見損ねちゃったからね。どうしてくれんの?(爆)
ちなみに津田寛治の編集長を思い出すって、凄すぎ!
ねえねが高校1の最初の自己紹介で、「好きな俳優は津田寛治です」と言って誰もわからなかったのくらい凄いよ。
Posted by: ノルウェーまだ~む | February 12, 2011 06:58 AM
>ノルウェーまだ~むさん
それが君の響きんすこ~♪
わたしに平成ライダーを語らせると・・・長いですよw
そうか・・・ 『響鬼』ももう五年以上前の作品ですもんね。わたしも年をとるわけだ。いろいろと新機軸を盛り込んだ意欲作でしたが、そのチャレンジ精神がお子様たちに伝わらなかったという哀しい作品ですね
健くんはのちほどこんなにブレイクしようとは夢にも思わず。ちなみに『響鬼』と『電王』の間にやっていた『カブト』で主役をはっていたのが水嶋ヒロです
津田さんは『龍騎』ではコメディリリーフでしたが、どちらかといえば最近は薄幸のかっこいい役が多いですね。『龍騎』の年は映画に3、4本くらい出ていてなんかの国内の映画賞をもらったと思いました。しかしねえねちゃんの趣味は本当に面白いなあ(笑)
Posted by: SGA屋伍一 | February 12, 2011 08:33 PM
仮面ライダー龍騎ンスコ~☆
「龍騎」は今でも結構思い出せるくらい良く覚えているほどの名作だったし、その次の555も切なく泣けたよ。
んで、「響鬼」が家電俳優だったけど、勿論「カブト」も大好きで・・・でもあまり思い出せないのはヒロくんの「お天道さま~」の台詞があまりにイマイチだったからかな・・・?
「電王」はりょうたはとうに卒業していたけど、最初わたしだけ(!)盛り上がっていて、でもねえねがノッてこのなかったのが見なくなった原因かな。
次回はライダーネタで盛り上がりましょうか。(やめておきます・笑)
Posted by: ノルウェーまだ~む | February 13, 2011 02:47 AM
>ノルウェーまだ~むさん
戦わなければ生キンスコれない!
わたしも一番のめりこんで見てたのが『龍騎』、次いで『アギト』『555』『剣』といったところでしょうか。そのあともまあ普通に好きですけど
『カブト』は最初のワンクールは「傑作だ!」と感心してたんですが、その後あれあれあれ・・・と(笑) 意味なく料理・食事シーンが多かったような
『電王』は最初はそれほどでもなかったんですが、クライマックスにおける小林靖子さんの筆にボロボロと泣かされた覚えが。『龍騎』といまの『オーズ』もこの小林さんが脚本を書いておられます。男以上に男くさい脚本を書く方
Posted by: SGA屋伍一 | February 14, 2011 08:01 PM