直射日光は肌を痛めます ピーター&マイケル・スピエリッグ 『デイブレイカー』
宿題記事が七本もたまっているので、自分にムチ打って連日更新です! 今日はイーサン・ホーク主演の新感覚ヴァンパイア・アクション『デイブレイカー』ご紹介します。誰だ! 今デブって言ったの!(被害妄想)
時は近未来。奇病の流行によりほとんどの人類が「吸血鬼」へと変貌を遂げた世界。わずかに残った旧来の人類を「食い物」にせねばならない現実に、研究員エドワードは心を痛めていていた。しかし彼が悩んでいる間にも、新人類が必要とする血液は残り少なくなっていく。エドワードはその問題を解決するため、人工血液の開発に力を注ぐのだが・・・・
欧米の人って、本当に吸血鬼の映画が好きですよね・・・ 昨年だけでも『ダレン・シャン』『ぼくのエリ 200歳の少女』『トワライト エクリプス』などがありました。そんで近々『ぼくのエリ』のハリウッド版も公開されるのかな? とにかく「もうわかったから!」と叫びたくなるほどの、この愛しっぷり。日本にも妖怪は数あれど、ここまで愛されてるものはあるでしょうか?(強いて言うなら鬼太郎とねずみ男くらい?)
なぜ彼らはこれほどまでにバンパイアにひきつけられるのか? その理由をワタクシこの超頭脳をフル回転させて考えてみましたが、「よくわからない」という結論に達しました。ただキリスト教圏の人にとって、血は日本人よりも「神聖なもの」というイメージが強いようで、その辺にカギがありそうな気がします。こともあろうに神聖な血を、ゴクゴク飲んでしまう。そうしたところにファンは背徳的でゾクゾクっとするような魅力を感じるのかもしれません。ゾンビもたぶん一緒ですね。こちらはやはりタブーとされてる人肉食がお家芸なので。
ところでみなさんは、「自分が吸血鬼になったらどうしよう」と考えたことはありますか? ・・・うん、普通ないっすよね・・・ この映画ではもしバンパイアになったら、こんなことに気をつけて、こんな風な生活を送ればいいんだよ!ということを教えてくれます。で、この吸血鬼生活のよい点と悪い点について列挙してみました。
よい点
・年をとらない
・病気をしない
悪い点
・陽にあたると死ぬ
・血が不足すると痴呆が進む
・・・う~ん、こりゃどっちもどっちだなあ。だいたい日中外を出歩けないというのが不便極まりないですしね。でも「ずっと若くいられるのならそれくらい我慢する!」という人もいるだろうし。わたしはこれ以上アホになったら困るので、とりあえず人間でいたいです。
で、お話は進むにつれ、どんどん血液不足が深刻になっていきます。わずかな血を求めて争いあう吸血鬼たち。まるで現代のエネルギー問題を風刺してるかのようです。本当にガソリンはまた値上がりするし、これからどうなっちゃうんでしょうね・・・ マジで太陽エネルギーに期待を託すしかないのでしょうか。
しかし、そうしたテーマというのは本当に隠し味程度のもので、この映画はあくまでも「スプラッタファンのための娯楽作品」です。例えば異常を来たしたある吸血鬼さんが、ボン!と四散するシーンがあります。これ、明らかに破裂する必要ないですよね。普通に苦しんで倒れるだけで十分だし、その方が自然です。でもやっちゃう。その理由は「ファンサービス」以外の何物でもありません。
そんな笑っちゃうような部分もありますが、哀愁を帯びたイーサン・ホークの表情が、作品にそれなりの風格を与えております。彼を助けるホモ・サピエンスを演じるのが、名優ウィリアム・デフォー。基本悪人ヅラの彼が、ヒゲをたくわえただけでけっこういい人に見えてしまうのは意外な発見でした。
果たしてエドワードは人類を家畜の状態から救い出すことができるのか。『デイブレイカー』は辛うじてまだ、やってるところではやっております。
本当に吸血鬼は吸血鬼で大変なんですよね。ラクな仕事はないね~
Comments
確かにヴァンパイアものってホント好きですよねぇ。
しかもいろーんなパターンがあるし。日本で言うと何にあたるんだろう?っていうか、日本てあんまり妖怪系ばっかりってことないもんあぁ。(苦笑)
最後に治療法が見つかったのは良かったけど、じゃあその前の燃えまくってたのは一体なんだったんだ?!って思いましたよw
Posted by: KLY | January 05, 2011 10:11 PM
>KLYさん
ほんとう~に毎度ありがとうございます
そうですね。日本で対抗できる妖怪といったら・・・河童!? かつては夏になると必ず化け猫映画が作られていた時代もあったそうですけど
>じゃあその前の燃えまくってたのは一体なんだったんだ?!
そりゃアレですよ。生肉は火をよく通してから食べようっていう・・・ 違うな
わかった! 発明・発見のきっかけは偶然によって生じるということですよ。ニュートンがリンゴから引力を見つけたように ・・・違うか
Posted by: SGA屋伍一 | January 06, 2011 07:37 AM
今年来たのはお初かな?
今年もよろしくね、
この映画はヴァンパイア映画に今までなかったような部分があってすごく楽しめたんだけど後半でやや下がったかな?
イーサンは悪者の方が似合うから好き。
でもベストテンの次点の次点くらいにすきかなー
ここに挙がってる比較だと、完全にヴァンパイアになったほうがいいよね(笑)
ヴァンパイアとゾンビは似てるんだけど、ヴァンパイアの方がカッコイイからやっぱりなるならヴァンパイアだし
Posted by: mig | January 06, 2011 02:24 PM
70%だの100%だのって、ジュースじゃないんだから(笑)
そこら辺のセピアのつけ方が何か不気味。
そして死刑執行も残酷でしたねー。
私、グロとかってダメなんだけど、何故かこれはよかったです。
Posted by: rose_chocolat | January 06, 2011 10:19 PM
>migさん
初来訪ありがと~ 今年もよろしく! そんで明日もよろしく
いやいや、後半も楽しめたよ。あの絶望的な状況からどうやって抜け出すのか、ハラハラしながら観てた。ちょっと強引だったけどね(笑)
実はイーサン・ホークの出てる映画ってあまり見たことがなくて。今回見てようやく「いい男だなあ」と気づいた。嫉妬(笑)
ゾンビはもはや知性とか記憶とか完全に飛んじゃってそうだからね。どっちか選べと言われたらやっぱりバンパイアでしょう。空も飛べるし。この映画では誰も飛んでなかったけど・・・
Posted by: SGA屋伍一 | January 07, 2011 07:36 AM
>rose_chocolatさん
おいでませ~ 明日はよろしくお願いします
roseさんは血液100%ジュースとか飲んだことありますか? わたしはないです。スッポン料理やヘビ料理を出すところなら飲めるらしいけど
グロいところもありましたが、さすがにそこは吸血鬼映画のせいか、いろいろお洒落だったりレトロだったりするところがありましたね。処刑法は手間要らずでお役所はラクでいいでしょうね・・・
Posted by: SGA屋伍一 | January 07, 2011 07:41 AM