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December 15, 2010

村の黒ニクル カン・ウソク 『黒く濁る村』

101215_182324ベトナム戦争から少し経った時代の韓国。都会から遠く離れたある村に、一人の神父が現れる。あまりに清廉なその人柄に人々は強くひきよせられるが、先に村にいた神父にねたまれた彼は罠にはめられ、監獄へと送られる。
それから二十年後、神父の息子は、疎遠になっていた父の訃報を受け取る。葬儀のため父が住んでいた村を訪れた息子は、村人たちから敵意のこもった視線を投げかけられる。父の死は自然なものだったのか? なぜ自分は疎まれるのか? 父と親しかった村長は、いったい何を考えているのか。それらの謎を解くために村に残ることにした息子だったが、やがて村にうずまく悪意ははっきりとした形となって現れる。

韓国のウェブコミックで人気を博した作品を、『シルミド』で知られるカン・ウソクが映画化。『黒く濁る村』、ご紹介します。第18回利川春史大賞で映画祭で7部門受賞だそうですが・・・ 権威ある賞なんですよね? たぶん

まずこの映画の特長ですが、アバン・タイトルがすごく長い。もしかするとアバンだけで全体の半分はあろうかという・・・ さすがにそれはウソですが、まあこの長いプロローグが作品の「問題編」といったところでしょうか。神父と村長が出会い、それから何があったのか・・・ 本編ではその謎を息子の目を通し、じっくり解き明かしていきます。

見所としては息子と村人たちの化かしあいというか、腹の探りあい。お互い相手のことをハナから「怪しいヤツ」と決めつけているのですが、そんなことはおくびにも出さず、わざとらしい笑顔で「調子はどうだい?」なんて言ってみたりする。まあそのとりつくろいも、過去が明らかにつれどんどんほころんでいくわけですが。そのあたりなかなかにスリリングでした。
『渇き』の記事でも書きましたが、韓国ではキリスト教を奉じている方が多いようで。熱い感情を持つ一方で、内省的な気質も強い国民性なんでしょうか。『渇き』では「罪」に関して扱われていましたが、こちらでは「悪」に関して語られているような気がしました。悪にも種類・度合い共にいろいろあります。わかりやすい悪。善のような悪。もっともたちの悪い悪。それらに主人公は翻弄されます。それらの悪の奔流の中で、彼が最後に見出したものとは、果たして。

そんな風にシリアスなムード満載でお話は進みますが、メイン俳優さんの村長さんがすごくわかりやすい老けメイクで出てくるのが玉にキズ(笑)。ずっとメイクのままだったらよかったんですが、頻繁に若いころの回想シーンで素の状態が出てくるので、どうしてもドリフのコントなど思い出してしまいます。オマケに脇を固める俳優陣もなんか面白い顔の人が多かったりして。これは監督がいわゆる「異相」の俳優さんが好みなせいのようです。
まあでも村長役の人は熱演してたので、その辺の不自然さはがんばって見過ごしてあげることにしました。他にも不自然なところは幾つかあるのですが、気づかないフリをしてスリルとダークに身をゆだねるのがこの映画を楽しむコツと言えるでしょう。

101215_182233「引退したら閑静な山村で老後を・・・」なんて思ってる人がみたら、幻想を粉々に打ち砕かれてしまいそうな一本。『黒く濁る村』は現在限られた劇場で細々と公開中です。


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Comments

カ、カールおじさんの頭がっ!!!!coldsweats02
主人公のチョン・ジェヨンさんて、絶対「ダレン・シャン」で渡辺謙がやったミスター・トールソックリだと思うんだよなぁ。
なんか不自然すぎて似合ってた感じです。(笑)
あの、最後の絵って金田一?

Posted by: KLY | December 15, 2010 at 10:42 PM

伍一さん、

この映画、さっぱり分からない上にピンと来ないのですが、KLYさんのコメントを見てから改めて伍一さんの絵を見る時は、熱い出来たてのコーヒーを飲みながら見ない様に気をつけようと思っています。口の周り、火傷したくないもので。
絵、面白いです。

Posted by: まみっし(hino氏の義姉) | December 15, 2010 at 11:38 PM

>KLYさん

毎度おこしやす~happy01
さっそく石原さんに怒られそうな絵を描いてしまいました・・・
チョン・ジェヨンさんって村長の人ですよね? 彼ならば確かに似てましたねえ。被り物をしているということで余計にカブってしまったってとこでしょうか

最後の絵はそうです。耕介さんのお孫さんです。相変わらず似てませんね(笑) ま、目星がついたというだけでよしとしておきましょう

Posted by: SGA屋伍一 | December 16, 2010 at 07:24 AM

>まみっしさん

おはようございます。最近義妹さまは忙しいようですねえ

この映画は・・・そう、すごくブラックな『田舎に泊まろう!』みたいな映画です。あ、でもイギリス在住じゃそんな番組知りませんよね・・・

焼けどさせてしまって申し訳ありません。唇に焼けどってなんか色っぽいですね。どうしよう、ドキドキしてきた~wobbly(スルーしてください)

カールおじさんの絵は明○製菓に見つからないことを祈るばかりです

Posted by: SGA屋伍一 | December 16, 2010 at 07:28 AM

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2007年にウェブに掲載されたユン・テホ原作の人気漫画を映画化。父の訃報を受け取った青年が訪れたやまあいの山村。しかし村長を筆頭にそこに住む住人たちはどこかがおかしい…。村に隠された秘密とは一体何なのか。主演は『殺人の追憶』のパク・ヘイル。共演に『最後の贈り物』のチョン・ジェヨン、ユ・ジュンサン、ホ・ジュノらが出演。監督は『シルミド/SILMIDO』カン・ウソク。 ... [Read More]

Tracked on December 15, 2010 at 10:39 PM

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